PS3/Xbox 360ゲームレビュー

ニューヒーロー続々参戦!
MARVEL VS. CAPCOMシリーズ最新作!

「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」

  • ジャンル:ファイティングアクション
  • 発売元:株式会社カプコン
  • 開発元:株式会社カプコン
  • 価格:6,990円
  • プラットフォーム:PS3/Xbox360
  • 発売日:2月17日発売
  • プレイ人数:1~2人
  • CEROレーティング:C(15才以上対象)


 2月17日、株式会社カプコンから「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」がリリースされた。豪華キャラクター陣、画面いっぱいに繰り出されるハイパーコンボ、エリアルレイヴなどが特徴的な対戦格闘シリーズの最新作だ。本作では、キャラクターやシステムなど、多くの新要素が追加されており、家庭用格闘ゲームには必須ともいえるオンライン対戦、トレーニングモードも搭載している。

 対応映像出力はNTSC、480P/720P。プレイステーション 3版ではゲームデータのインストールが必須で、1,5000MB以上のHDD空き容量が必要。

 2月28日には、Madcatz製のアーケードスティック2機種「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds - Arcade FightStick: Tournament Edition for PS3 / for Xbox 360」(各18,900円)が発売。三和電子製のスティックとボタン、アーケードのコントロールパネル同様のレイアウトと本格的な作りのスティックに仕上がっている。

 今回のレビューにはPS3版を使用。そのため、レビュー内容やスクリーンショットは全てPS3版のものとなっている。

 早速、本作の魅力を紹介していきたい。



■ MARVELコミックとカプコンのキャラクターによる夢の共演

 MARVELコミックとカプコンのキャラクターが戦う「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズ。本作でも様々なタイトルのキャラクターが参戦。新登場のキャラクターも多い。ただし、前作に新キャラクターを単純に追加した形ではなく、「サイクロップス」、「ベノム」、「ソンソン」、「ストライダー飛竜」など、前作に登場した一部のキャラクターはいなくなっている。

MARVELカプコン
キャプテン・アメリカ
ソー
スパイダーマン
ストーム
ウルヴァリン
デッドプール
マグニートー
アイアンマン
ドクター・ドゥーム
ドーマムゥ
スーパースクラル
モードック
フェニックス
X-23
ハルク
シーハルク
センチネル
タスクマスター
リュウ
春麗
ダンテ
トリッシュ
クリムゾン・ヴァイパー
ビューティフル ジョー
スペンサー
アマテラス
クリス
ウェスカー
ゼロ
トロン
モリガン
フェリシア
ハガー
アーサー
豪鬼
レイレイ
※豪鬼、レイレイ、センチネル、タスクマスターは特定の条件を満たすことで出現


 さらにDLCとして、バイオハザードシリーズから「ジル」、ドクターストレンジシリーズから「シュマゴラス」の参戦が決定している。現段階では、配信日や価格は未定。続報に期待したい。

「バイオハザード」シリーズより参戦の「ジル」。格闘術に加え、様々な銃火器を使う「ドクターストレンジ」シリーズより参戦の「シュマゴラス」。硬化や伸縮を自在に行なえる体を駆使して戦う

 また、シングルモードの最終ボスとして、ファンタスティック・フォーシリーズから「ギャラクタス」が登場。スクリーンショットを見ていただければわかると思うが、圧倒的な巨大さだ。



■ オフライン、オンライン用に用意された豊富なモード

 オフライン向けのシングルモードやトレーニングモード、オンライン向けのランクマッチやプレイヤーマッチなど豊富なモードが用意されている。本項ではそれぞれのモードについて紹介していく。

■ 操作やコンボ習得に最適なオフラインモード

練習に最適なモードが多数用意されているオフラインモード。しっかり練習して対戦に臨みたい

 オフラインモードには、「シングル」、「トレーニング」、「ミッション」、「バーサス」と各種練習やオフライン対戦に最適なモードが揃っている。

 「シングル」では、CPUキャラクターを相手にステージを進めていく。クリア後にはキャラクター別のエンディングが閲覧できる。また、プレイして得られるポイントは、豪鬼などの隠しキャラクター出現条件にも関係している。


 「トレーニング」では、自分や相手の状況を細かく設定して練習できる。コマンドリスト、コンボ用に欠かせない初段以外をガードしてくれるAuto Guardやゲージの自動回復、入力キーやダメージ情報の表示など、練習に必要なものが十分に揃っている。アクションの保存・再生も完備。1P or 2Pレコーディング/プレイバックボタンを押すだけと簡単に利用できるが、コントローラーセッティングに用意された3種のプリセットには、1P or 2Pレコーディング/プレイバックボタンがアサインされていない。利用する場合はコントローラーセッティングのカスタムが必須だ。トレーニングメニューには、保存・再生に関する項目はないので注意してもらいたい。

 オフラインモードながら、通信環境が整っている場合、「シングル」、「トレーニング」で待ち受け設定が可能。CPU戦やトレーニングしながら、オンライン対戦の相手を待つことができる。

「トレーニング」では、コンボや保存・再生を使った反撃など、様々な練習が可能。相手をCPUにすれば、動く相手との練習も可能。CPUだけでなく、プレーヤーが操作することもできる。通信状況による遅延を考慮した練習すらも可能

 「ミッション」はキャラクター毎に設定された10の課題に挑戦するモード。序盤は必殺技を出すだけだが、後半には難易度の高い多段コンボが課題として登場する。オンライン対戦に挑むなら、後半に出てくるパートナーを使うコンボ、画面端限定コンボなどはともかく、チェーンコンボ、エリアルレイヴ、ハイパーキャンセルなどを使ったコンボは習得しておきたい。課題として出されるものが難しかった場合、一部を省いてしまってもいい。簡単なものであっても、チェーンコンボから必殺技、チェーンコンボからエリアルレイヴにつなげれば1/3程度は削ることができる。当たり前のことではあるが、確実に出せるものを対戦では使うようにするのが大事だ。

キャラクター毎に用意された課題に挑む「ミッション」。エリアルレイヴやハイパーコンボを組み込んだものなど、実用的なものが多いので、やっておいて損はない。ミッションをプレイして、自分に合ったキャラクターを見つけるのもいいだろう

 「バーサス」はオフラインでの2人対戦用モード。対戦相手と2人分のコントローラーを用意できれば、通信ラグなどを気にせず対戦が楽しめる。ハンディキャップの設定も可能だ。

 「シングル」だけでなく、「トレーニング」や「ミッション」などでもポイントが獲得できるため、「トレーニング」や「ミッション」だけのプレイでも隠しキャラクターを出すことができるのが嬉しい。ポイントは欲しいが、プレイ時間が取れないという人であれば、「トレーニング」を活用すると良いだろう


■ オンライン対戦やランキング閲覧が可能なネットワークモード

オンライン対戦やランキング閲覧が楽しめるネットワークモード
通信状況や相手との段位差を気にするなら、地域や段位を制限しよう

 ネットワークモードには「ランクマッチ」、「プレイヤーマッチ」、「サーチロビー」、「クリエイトロビー」、「リーダーボード」といったオンライン対戦やランキング閲覧が楽しめる。

 「ランクマッチ」は対戦結果により段位ポイントが増減し、公式戦績として記録されるモード。条件を設定せずに対戦相手を探す「クイックマッチ」と地域・言語・段位の条件を設定して対戦相手を探す「カスタムマッチ」の2種類がある。段位はプレーヤーの強さを階級で表したもので、同じ段位でも戦い方によって名称が5種類に分かれる。

 「プレイヤーマッチ」では段位ポイントが増減せず、戦績が記録されない。「ランクマッチ」の「カスタムマッチ」と同様に条件を設定して対戦相手を探す。

 「ランクマッチ」と「プレイヤーマッチ」は、オフラインモードの「シングル」、「トレーニング」でも選択できるので、プレイしながら対戦相手を待てば、待ち時間が無駄にならない。


世界中のプレーヤーが様々な条件のロビーを作っている

 「サーチロビー」はロビーサイズ(部屋に入れる最大人数)・地域制限・言語設定・段位制限・ロビータイトル(誰でも歓迎、初心者集まれ!など)を指定して、プレーヤーが集まるロビーを検索するモード。ロビーに入ると、現在対戦中の2人は誰か、参加者の情報などが閲覧でき、対戦したい場合は対戦相手を指定して、対戦予約を行なう。決まった相手と戦いたい場合などに利用するといいだろう。相手を問わず、とにかく対戦をこなしたいなら、ロビーではなく、「ランクマッチ」、「プレイヤーマッチ」(待ち受け含む)を利用するのがいいだろう。「クリエイトロビー」は条件を設定してロビーを作成するモードとなる。


世界中のプレイヤーのランキングが閲覧できるリーダーボード。勝利数ランキングのトップランカーは1,000勝を越える

 リーダーボードでは段位ランキング、勝利数ランキング、連勝数ランキング、シングルスコアランキングの4つの世界ランキングが閲覧できる。自分やフレンドのランキングを調べたり、ランカーのPSNプロフィールやプレーヤー情報も閲覧できる。段位と勝利数ランキングは、世界だけでなく、アジア・欧州・北米とエリアを絞ってランキングを閲覧することもできる。シングルスコアランキングがあるので、対戦が好きじゃないというプレーヤーでもランキングが楽しめるのが嬉しい。



■ チームエリアルコンボやXファクターなどが追加されたゲームシステム

 本作の必殺技やハイパーコンボのコマンドは他の対戦格闘ゲームと比べて簡単なため、誰でも技が出せる。だが、対戦に勝利したいなら、システムの理解は必須だ。ここでは操作やシステムについて簡単に紹介したい。

■ 1ボタンでエリアルコンボや必殺技が出せる「シンプル操作」も搭載

簡単に派手な必殺技やハイパーコンボが繰り出せる。シンプル操作なら1ボタンでOKだ
プレイ環境に合わせたキーアサインは快適にプレイするために必須。3種類のプリセット+カスタム設定が用意されている

 キャラクターの操作にはレバー(方向キー/左スティック)+6ボタン(弱/中/強攻撃・スペシャルアタック、パートナー1/2)を用いる。使用ボタン数は少なくないため、操作が難しそうと感じるかもしれないが、必殺技やハイパーコンボは+ボタンなど簡単なものが多い。多少難しいものであっても、+ボタンや+ボタン程度だ。1回転入力などはないため、他タイトルではコマンド入力が苦手で使用できるキャラクターが制限されてしまうというプレーヤーであっても、本作では多くのキャラクターが使用できるだろう。

 レバーでの操作は(ガード)、(ダッシュ)など、2D格闘ゲームではお馴染みのものばかりなので、特に迷うことはないだろう。あえて特殊なものを挙げるなら(スーパージャンプ)くらいだろうか。

 それでも操作が難しいという人でも遊べるようにシンプル操作も搭載。シンプル操作では、一切キーアサインはできず、□:通常攻撃(自動チェーンコンボ)、△:必殺技、○:ハイパーコンボ、×:自動エリアルレイヴとなる。□(複数回入力)→×(複数回入力)→△→○と入力するだけで、チェーンコンボ→エリアルレイヴ→必殺技→ハイパーコンボといった連続技をレバー入力なく、繰り出すことが可能なわけだ。ただし、全ての技は使えないので、あくまで初心者用の操作と考えておいてもらいたい。


シンプル操作を利用すれば、チェーンコンボ~エリアルレイヴ、チェーンコンボ~必殺技~ハイパーコンボなどといったコンボがボタン入力だけで決められる

■ 高威力を叩き出す必殺技系システム

 必殺技系システムには、必殺技、スナップバック、ハイパーコンボ、ディレイドハイパーコンボ、ヴァリアブルコンビネーションがあり、必殺技以外は全てハイパーコンボゲージを消費する。

 必殺技は、けん制、対空、コンボなど様々な場面で活躍するだけでなく、ハイパーコンボゲージを使用せず、出すことができるため、ゲージ残量を気にせずに使える重要な技。使用キャラクターの必殺技の性能の把握は欠かせない。基本はレバー+ボタンだが、中には攻撃+スペシャルボタンなども存在する。

各キャラクターはいくつかの必殺技を持っている。けん制、コンボなど、最低でも使用キャラのそれぞれの必殺技の性能は把握しておきたい

 スナップバック(+P1 or P2)は、対戦相手のキャラクターを強制的に他のキャラクターへと交代させる技。P1で出せば相手のパートナー1のキャラクターと、P2で出せば相手のパートナー2のキャラクターと交代させる。ゲージを1本消費してしまうものの、残り体力の少ない相手を倒したい場合などに有効。コマンド入力時にボタンを長押しすれば、自分のキャラクターを交代させることもできる。ガードされてしまうとゲージが無駄になってしまうので、チェーンコンボからつなぐなど、確実に決められる状況で使いたい。なお、キャンセルできるのは通常技と特殊技に限られる。

 ハイパーコンボは、+2ボタン(弱+中など)で繰り出せる高威力の技。ハイパーコンボゲージ1本と3本消費の2種類が存在する。通常技、特殊技、必殺技からキャンセルして出せるため、決められる場面は多い。

コンボの締め、残り体力の少ない相手への削りなどに活躍するハイパーコンボ。ただし、ガードされてしまうと大きな隙を生んでしまう

 さらにゲージ消費1本のハイパーコンボ中にハイパーコンボのコマンドを追加入力すれば、控えのキャラクターが続けてハイパーコンボを繰り出すディレイドハイパーコンボに。最大3人目まで連続でき、3人分ヒットさせた際のダメージはかなりのもの。ディレイドハイパーコンボは、敵との距離など、状況に合ったものを選択しないと空振りしてしまうこともあるので注意が必要。また、ゲージ3本消費のハイパーコンボはキャンセルすることができないが、ディレイドハイパーコンボとして出すことはできる。ゲージ最大数の5本分をためておけば、ハイパーコンボ(1本消費)→ハイパーコンボ(1本消費)→ハイパーコンボ(3本消費)とつなげられるわけだ。キャラクターのハイパーコンボ性能や初弾のハイパーコンボ前のコンボにもよるが、1人分の体力ゲージを全て削ることすら可能なほどの威力を誇る。

最大で3人が次々とハイパーコンボを繰り出すディレイドハイパーコンボ。相手との距離などを考えて、状況に合ったハイパーコンボをチョイスし、きっちりコンボを繋げたい

 ヴァリアブルコンビネーション(P1+P2)は待機中のパートナーと同時にハイパーコンボを使用する攻撃。攻撃方法はキャラクター選択時に決定したα、β、γの3種類のアシストタイプにより異なる。ゲージ消費量は、待機している仲間の数や残ゲージ量によって、2本か3本のどちらかになる。例えば、全員生き残っている状況であっても残ゲージ2本の場合に出せば、消費ゲージは2本となり、2人でのハイパーコンボ攻撃になるわけだ。必殺技やハイパーコンボからのキャンセルはできず、ヴァリアブルアシストなどでパートナーを使っている場合にも出せないため、通常技や特殊技からつなぐのが確実。始動時の操作キャラクターや組み合わせにもよるだろうが、最大5ゲージをいかせば、チェーンコンボ→ヴァリアブルコンビネーション→ハイパーコンボ→(ディレイド)ハイパーコンボなんてことも可能。

操作キャラクターが先に動けるようなハイパーコンボの組み合わせであれば、ヴァリアブルコンビネーションから、さらなるコンボが狙える

■ ゲージ消費なしで大ダメージが狙えるコンボ系システム

 コンボ系システムには、チェーンコンボ、エリアルレイヴ、新登場となるチームエリアルコンボがあり、全てハイパーコンボゲージなしで繰り出せる。

発生が早く、隙の小さい弱攻撃から簡単にダメージを稼げるチェーンコンボ。しゃがみ弱攻撃からのチェーンコンボは必ず習得しておきたい。強攻撃の後には、エリアルレイヴや必殺技などに繋いでダメージアップを図りたい

 チェーンコンボは弱→中→強などと連続入力することで攻撃が繋がるヴァンパイアシリーズでお馴染みのシステム。弱→中→弱→強が繋がるなど、繋がりかたはキャラクターによって異なる。どう繋がるかはミッションで登場するものを参考にしたり、立ち・しゃがみをまぜて探すのがいいだろう。

 エリアルレイヴはスペシャルボタンでの攻撃で相手を空中に打ち上げ、でのスーパージャンプで追いかけて空中でコンボが決めるもの。なお、スペシャルボタンだけでなく、ダウン追い打ちからの空中コンボもエリアルレイヴとしてカウントされる。


チェーンコンボ後にスペシャルボタンで相手を打ち上げ、エリアルレイヴへと繋ぐのがゲージを使わないコンボの基本。キャラクター毎にスペシャルボタンでの攻撃のリーチが異なるので、ヒットする距離の把握は忘れずに

交代しながら最大3人分のエリアルレイヴが決められるチームエリアルコンボ。ゲージも必要なく、大ダメージが狙えるだけでなく、入力方向によっては一気にゲージが増やせる。相手が狙ってきたら、相手の入力方向を読んで回避したい

 チームエリアルコンボは、エリアルレイヴ中にoror+Sを入力することで、交代しながら最大3人分のエリアルレイヴを決めることのできる新システム。交代のきっかけとなるoror+Sの技は入力方向により、効果が異なる。はさらなる上空へと打ち上げる技で、3つの中で最大の威力、は相手を画面端に叩きつける技で、の中間の効果、は相手を地面に叩きつける技で、ハイパーコンボゲージが1本分増加する。

 チームエリアルコンボは相手からチームエリアルコンボを受ける際に同じ方向のコマンド(+Sなど)を入力することで、チームエリアルカウンターとなり、相手を吹き飛ばし、回避可能。食らってしまったら、相手の入力方向を読んでチームエリアルカウンターを狙いたい。3方向の中で最も警戒したいのは、やはりゲージが1本増加してしまう+S。3回連続で決められてしまうとゲージが3本増加してしまう。ただし、+Sが警戒されるのは攻撃側も承知の上。どうするかの読み合いが熱い。


■ 一定時間パワーアップするX-ファクター、チーム戦ならではのヴァリアブルアシストなど

新システムのX-ファクター。一定時間パワーアップするだけでなく、使い方によっては、通常繋がらないコンボを決めたり、技後の隙をなくすこともできる。ちなみにチームの残り人数が少ないほどパワーアップの効果は高まる

 X-ファクター(弱+中+強+S)は、1試合に1度だけ使用できる新システムで、キャラクターごとに効果は異なるが、一定時間、移動力・攻撃力がアップする。X-ファクターは地上でのあらゆるアクションがキャンセルできるため、通常では繋がらないコンボを決めたり、隙の大きい技をガードされてしまった場合の緊急回避にも使える。筆者は今のところミスコンボなどの緊急回避用に温存し、攻撃で使うのは最後のひと押しをしたい場合のみという使い方をしている。

 パートナーと協力、交代できるのもチーム戦の本作ならでは。ヴァリアブルアシスト(P1 or P2)はパートナーが援護攻撃してくれるシステム。1度使うと次に使うまでに多少時間が必要だが、ゲージ消費もなく、使うことで攻撃の幅が広がる。攻撃方法はキャラクター選択時に決定したα、β、γの3種類のアシストタイプにより異なる。また、パートナーが攻撃しながら登場し、操作キャラクターを入れ替えるヴァリアブルアタック(P1 or P2長押し)や相手の攻撃ガード中にパートナーが支援攻撃しながら登場し、操作キャラクターを入れ替えるヴァリアブルカウンター(ガード中、+P1 or P2)も存在する。なお、ヴァリアブルカウンターのみ、使用にはゲージ1本が必要。

 パートナーの援護攻撃や同時攻撃は便利だが、画面内にいる限り、攻撃をくらう可能性があることに注意したい。最も避けたいのがハイパーコンボなどの強力な攻撃を2人以上で同時に受けてしまうこと。待機中はダメージを受けた際の体力ゲージの赤い部分が回復できたり、待機中のパートナーがいれば協力攻撃が可能など、どう交代するかは勝敗の鍵を握る要因の1つ。状況を見極めてパートナーを使ったり、交代していきたい。

 他にも空中ガード(空中で)、相手を押し返せるアドバンシングガード(ガード中に弱/中/強のいずれか2つを同時押し)などのシステムも存在する。きっちりと理解してプレイすることは、強くなるためだけでなく、本当の面白さを味わうために欠かせないといえるだろう。


キャラクター毎にα、β、γの3種類のアシストタイプがあるヴァリアブルアシスト。コンボに組み込むことも可能相手を押し返せるアドバンシングガード。削りダメージを減らすのにも役立つ



※コマンド表記の「S」はスペシャルボタン、「弱」は弱攻撃ボタン、「中」は中攻撃ボタン、「強」は強攻撃ボタン、「P1」はパートナー1ボタン、「P2」はパートナー2ボタンを表しています。また、コマンドは全てキャラクターが右向きの場合のものです。

■ 最後に

 新キャラクター、よりチーム戦を活かした新システム「チームエリアルコンボ」など正統進化を遂げたという印象。オンライン対戦を搭載しており、世界中に多くのプレーヤーがいるため、対戦相手に困ることはない。CPU戦、トレーニング、ミッションと練習に必要なモードが充実しているので、本作からのプレーヤーでも安心。3人のキャラクターを操作しなければならないが、コマンドが簡単なので、他の格闘ゲームよりも遊びやすいのではないだろうか。唯一、残念なのが、一部のキャラクターがいなくなってしまったこと。思い入れのあるキャラクターがいなくなってしまったと嘆いている方もおられることだろう。

 3月1日配信の6キャラクターの別コスチュームを収録した「キャラクターコスチュームパック」(PS3:500円 / Xbox 360:400MSP)、開発者のクセや強さなどを元に生み出されたCPUと戦える「DREAM BATTLE CPU01」(無料)、ダウンロードキャラクター「ジル」と「シュマゴラス」(価格、配信日未定)は本稿を書いている時点では試せていないが、楽しみな追加要素だ。他のDLC、ネットワークやバランス調整のアップデートが入るのかどうかなど、今後にも期待したい。



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(2011年3月3日)

[Reported by 木原卓 ]