★オンラインゲームファーストインプレッション★
愛機を育て、戦場を駆けろ! カジュアルで“濃い”オンラインアクション 「SDガンダムカプセルファイターオンライン」 |
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CJインターネットジャパン株式会社は、Windows用オンラインアクション「SDガンダムカプセルファイターオンライン」(以下、「SDGO」)のクローズドβテスト(CBT)を、5月20日から実施している。テスト期間は5月31日11時までで、オープンβテストは6月1日からの予定となっている。
本作は3頭身ほどにデフォルメされたMS(モビルスーツ)で対戦や協力プレイを楽しむオンラインアクションゲーム。間口はカジュアルだが、MSの成長要素や、コレクション性、なによりも「ガンダム」という題材に対してのスタッフのこだわりが独得の魅力を生み出している。ゲームの基本的なシステムなどは先行体験会レポートで紹介しているが、今回ファーストインプレッションとしてクローズドβテストで体験できたシステム、要素を紹介していきたい。
「SDGO」で特に“濃い”のがMSの描写である。本作のMSは「SDガンダム GGENERATION」シリーズを開発するトムクリエイトがモデリングを担当しており、コミカルでありながらかっこいい、独得のデフォルメを行なっている。モデリングだけでなく、MSのアクション、使用武器などにも並々ならぬ思い入れが感じられる。コアなガンダムファンにも注目して欲しい作品だ。
■ 操作はカジュアル、細部にまでこだわりを感じさせる“ガンダム”ならではのオンラインアクション
チュートリアルモードでは女性オペレーターが代わる代わる操作を教えてくれる |
カプセルマシンからネーデルガンダムが。幸か不幸か筆者のメインの機体となった |
対戦ルーム。様々なMSが火花を散らす |
「SDGO」ではプレーヤーはまずソロプレイの「チュートリアル」モードで本作の基本的な操作、ゲームルールを学ぶ。基本的な移動はWで前進、AとDで左右に移動、Sで後退、マウスで視点移動、左クリックで攻撃と、FPSに慣れているプレーヤーならばすぐに馴染める操作系だ。各方向に2回押せばダッシュになる。スペースキーでジャンプ、ジャンプ中にもう1度スペースキーを押せば2段ジャンプができる。
1~4で武器の切り換え、スコープ付の武器の場合左シフトキーでズームができる。また、QとEを使うとキーを2度押さなくても左右にクイックダッシュが可能だ。右クリックはロックオン。押すことで近くの敵に瞬時に照準を合わせ、押し続けることで追尾する。MSの操作はキーボードだけでなくゲームパッドにも対応しており、自分なりのカスタマイズも可能だ。
「SDGO」ではチュートリアルとシングルプレイモードの両方で基本操作を学ぶようになっている。シングルプレイにはいくつものミッションがあり、「移動の練習」ではコース上に置かれたアイテムを、MSを操作して集めていく。「戦闘の練習」ではプレーヤーは限定された空間で、次々と現われる敵を射撃していく。どちらも内容としてはシンプルだが、MSの基本的な動かし方を学ぶことができる。
「グー、チョキ、パー属性訓練」ではMSの相性を学ぶ。「SDGO」では近距離に特化した格闘型の機体がグー、遠距離用の狙撃や砲撃に秀でた機体がパー、そして万能型の機体がチョキと属性分けがされており、ジャンケンのルールそのまま、攻撃ボーナスが加算される仕組みになっている。これは特に対戦で効果のあるルールだ。
「SDGO」には“クエスト”という要素があり、これをクリアするとボーナスがもらえる。シングルプレイモードをプレイする際にはきちんとクエストを受けてから挑戦していきたい。ボーナスはゲーム内通貨の「ポイント」という形で支給されることが多い。ポイントは消費することで様々なアイテムが買える。クローズドβテストではオペレーターやMSのレンタル、MSの所持を増やすための倉庫、さらに「コイン」が購入できた。
「コイン」を購入することで「カプセルマシン」を回すことができる。カプセルマシンは自分のMSを増やせる本作の目玉要素だ。カプセルマシンには様々な種類がある。種類によって“当たり”が違い、プレーヤーは目当てのMSの入っているカプセルマシンに挑戦する。カプセルマシンはラインナップによって1回のプレイの値段が違い、今回はコイン1枚でプレイできるものと、5枚でプレイできるものが用意されていた。
筆者は「ガンダムMK-II」が欲しかったので、1回にコインが5枚必要な比較的高額なカプセルマシンに挑戦した。結果、当たったのは「ネーデルガンダム」。MSではなく、MF(モビルファイター)だ。「機動武闘伝Gガンダム」という、登場するメインロボットが世界各国をイメージしたガンダムで、肉弾戦で勝利を目指すという異色作に登場する機体で、モチーフの風車そのまま、ネオ・オランダ代表のガンダムである。はっきり言って、“ネタ”的な機体だ。
といってもネーデルガンダムが弱い機体かというとそうではない。格闘用機体なだけに接近戦の「ネーデルタイフーン」は他の機体と比べても強力で、敵に近付くことができれば、ゴリゴリと体力を削れる。また発射間隔は長いが風車を投げつける「ネーデルブーメラン」は遠距離で敵に大ダメージを与えられる。中距離用のビームライフルも使い勝手が良く戦いやすかった。このユニークな機体は他プレーヤーにも好評で、ロビーで注目されたりもした。今回は集中的にこの機体を使ってみた。
「SDGO」ではこのようにカプセルマシンでの偶然の出会いが、ゲームの大きな楽しさになっている。また、供給される機体もバランスが取れている。供給される最初の機体は「M1アストレイ」というスマートなデザインのガンダムで、クエストをクリアすることで狙撃ができる「ジムスナイパーカスタム」などがもらえる。カプセルで好きなMSが手に入らなくてもユーザーの好みに合いそうな機体は供給されており、これらの機体に愛着を持ってプレイしている人も多かった。
このゲームの最大の魅力はやはりMSにあると思う。本作には初代「機動戦士ガンダム」から、「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY」まで、様々な作品に登場する機体がラインナップされている。ヒーロー性を強調した派手な機体がある一方で、ザクやズゴッグなどデザインのシンプルな機体も動きや戦い方で魅力を放っている。
武器も現用兵器的なアプローチの機体もあれば、派手なビームやブーメランといったアニメ的なものもあり、それらを1つ1つこだわって検証し、作り上げているのが伝わってくる。スタッフの思い入れが感じられるからこそゲームが楽しくなるという、“ガンダムゲーム”ならではの魅力溢れる作品なのだ。
チュートリアルモードでは何人もの女性オペレーターが登場する。中央はシングルモードのメニュー、右は移動の練習だ | ||
左と中央は戦闘の練習、シフトキーを押したスナイプ画面。右は属性を学ぶグー、チョキ、パー属性訓練 | ||
左はクエスト画面。中央と右はショップ画面。MSはレンタルも可能だ |
■ 名場面を追体験できるミッションモード、様々なMSが入り乱れる対戦モード
ミッションモードではアニメの名場面をモチーフとしたものが用意されている |
ガンダム大地に立つ! サイド7の戦いに参加できる |
コロニーレーザー内で対戦。「まだ終わらんよ!」と叫びたくなる |
「SDGO」のメインコンテンツが「ミッションモード」と「対戦モード」だ。「ミッションモード」は最大4人で挑戦できる協力プレイモードで、様々なアニメ作品のシーンをアレンジして再現しており、本作らしいこだわりが光っている。
たとえば「破壊! アプサラスII」は、「機動戦士ガンダム08小隊」に登場した巨大MA(モビルアーマー)アプサラスIIが待ち受けている場所に向かって、渓谷を突破していく展開になる。狭い渓谷で敵からの挟撃にあったりという展開が楽しい。「シャトル発射台防衛!」は「機動戦士Zガンダム」から。3つのスペースシャトルを防衛することになる。四方八方から出てくる敵を4人でいかに対応していくかが勝利の鍵となる。
「サイコガンダム破壊!」は巨大な黒いガンダムサイコガンダムを迎え撃つ。サイコガンダムは1機だけでなく、3機登場する。メガ粒子砲で周囲をなぎ払ったり、近付けば巨大な足でキックしてくる強敵だ。背後からの攻撃が有効なので、仲間と連携して倒したい。ミッションはチャンネルによって難易度が設定できる。最初に挑戦できる「Very Easy」は簡単だが、「Easy」になるといきなり難易度が跳ね上がる。特に「サイコガンダム破壊!」は護衛MSの動きが巧妙で、サイコガンダムを狙っていると背後から複数の敵に襲われてしまう。仲間のフォローも必要になり、うまい戦い方を求められるのが楽しい。
「ガンダム大地に立つ」は「機動戦士ガンダム」のアニメ版数話の戦いをまとめて体験できる凝ったミッションだ。サイド7でのザクの襲撃、ガンダムの起動、舞台を宇宙に移してのシャアの攻撃、プレーヤー達はアムロのガンダムと共に、シャアが率いるMS部隊と戦う。展開、演出共に他のミッション以上に力が入っている。今後、どんなシーンを再現したミッションが追加されていくのだろうか楽しみである。
一方「対戦モード」は、最大8人による対戦が楽しめる。今回は4対4でのチーム戦を体験できた。8人でのバトルロイヤルの個人戦も選べるか、デスマッチルールでルームを作っているプレーヤーはほとんどいなかった。自分でルームを立ち上げようにも、クローズドβテストのためか、自分で作ると落ちてしまうため、確認することができなかった。
チーム戦は「一般対戦」と「デスマッチ」が用意されている。一般対戦はチーム同士で戦績のスコアを競う。デスマッチは撃破されると機体分のコストがゲージから減っていき、どちらかのゲージが0になった時点で勝敗が決する。対戦で重要なのは機体のコストである。「SDGO」ではレアな機体の方がコストが高い。その分攻撃が派手だったり、成長に伸びしろがあるのだが、段違いに「強い」わけではない。コストの高い機体はチームの足を引っ張ることにもなる。
対戦マップは「アフリカ砂漠」、「コロニーレーザー」、「コロニーレーザーII」、「ネオ東京」、「盆地要塞」、「コロニーシティー」の5つ。どのマップも特徴的で、障害物を活用しながら敵との距離を考えて戦っていく。ネオ東京と盆地要塞は障害物が大きく、敵がどこから来るかがわかりにくい。コロニーレーザーは何本も立っている柱に巧妙に隠れながらの射撃戦が熱く、コロニーシティーはビルを挟んだ戦いが楽しい。個人的には、アフリカ砂漠の攻防が、「機動戦士ガンダム」のランバ・ラルとの戦闘シーンを彷彿とさせて好きだ。
対戦は特に、うまいプレーヤーの技量に驚かされた。高い足場にすばやく上り、的確にこちらを撃ち抜くスナイパー、ヒットアンドアウェイで翻弄する接近戦の巧みなプレーヤー……その戦い方にぴったりの機体を使っていて、ポテンシャルを活かしている戦い方が楽しい。こういったプレーヤーに出会うと、もっと工夫してうまくなりたいなと思う。「SDGO」では特殊装備機体などを含め、たくさんの機体が登場する。これだけ膨大なプレーヤーキャラクターが存在するゲームもそうはないだろう。どんなプレーヤーがどの機体を使って個性を発揮し、「有名パイロット」へ成長していくのか、注目したい。
■ 使い込むことで開花する機体の潜在能力、今後の要素にも期待
ゲージを溜めて必殺技発動。敵に大ダメージを与えられる |
育て上げることでステータスもアップできる。どの数値を上げるか悩むところだ |
「SDGO」では対戦やミッションをクリアすることで熟練度を貯め、上級者達が集まるロビーへ挑戦することができるようになる。また使っているMSにも経験値があり、使い込むほどに成長し、能力を開花させる。より強力なMSに育て上げ、勝利を目指すのだ。
機体は使い込むことで「必殺技」を使うことができる。本作の必殺技はド派手な特殊攻撃で、戦闘中にゲージを溜めることで使える。必殺技は、対戦ではもちろんのこと、ミッションモードでもボスに大ダメージを与える事ができるなど、有効な攻撃手段だ。機体はさらに成長させることでスキル、そしてカスタムポイントを獲得していく。スキルは「HPが50%以下の時、攻撃力がアップする」、「スナイプモードで常時クリティカル」など機体の方向性を更に強化するものだ。
カスタムポイントは機体のステータスを上げられるポイント。攻撃力や防御力を強化できる。コスト高いMSでの方が機体の能力を多く上げられるようだ。機体のラインナップが増えてくると、コアプレーヤーの間でスキルの組み合わせによる機体の評価や、成長のさせ方でも議論が重ねられそうだ。また「オーバーカスタム」という項目もあり、こういった項目がどう使われていくかも興味深い。
ミッションモードは成功すると報酬がもらえる。いくつものカプセルが表示され、ここから報酬を選ぶのだが、“当たり”には機体カラーの変更やステッカー、アイテム、機体そのものも用意されている。この当たりアイテムを求めてミッションモードを集中的にやりこんでいるプレーヤーも多い。アイテムは敵のブースターを一定時間使用不可にしたり、防御力を上げたりと、対戦が有利になる消費型アイテムが確認できた。機体のカラーを変えているとかなり目立つ。課金型のアイテムも登場するようで、こちらのラインナップも楽しみだ。
プレーヤーの熟練度やユニットの経験値を増幅させる「オペレーター」は、能力と共にゲーム内で様々なセリフをしゃべってくれる点も魅力だ。有名声優を起用しているとのことで、アニメファンも注目だろう。ちなみに、デフォルトのオペレーターはお笑い芸人の土田晃之さんが声を当てているが、先日のイベントで本人が「いつもの話しているトーンで収録した」とコメントしていただけに棒読みっぽい。オペレーターはゲームポイントや課金によるラインナップが予定されており、お気に入りの声優に「課金して代えたくなる」というファンも多いかもしれない。
クローズドβテストなため、現状では魅力が全て明らかにはなっていないが、韓国では3年前からスタートしているコンテンツなだけに、ミッションも100近くの数があるという。MSも「機動戦士ガンダムOO」などの最新作のものも今後実装予定で期待できる。ガンダムファンならばニヤリとさせられてしまうこだわりが魅力の作品である。6月1日のオープンβテストには多くのプレーヤーに参加してもらいたい。
ミッションはクリアするとカプセルが提示され、当たりが出るとアイテムをゲットできる。中央はレベルアップ画面。右はゲームパッドへの対応だ。自分の好みにカスタマイズできる | ||
今回のクローズドβテストでもこれ以上のMSが登場した。今後どんなMSが追加されていくか楽しみだ |
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(2010年 5月 31日)