PS3/Xbox 360ゲームレビュー

協力プレイの楽しさをフィーチャーしたシリーズ最新作
「ロスト プラネット 2」

  • ジャンル:アクションシューティング
  • 発売元:カプコン
  • 開発元:カプコン
  • 価格:7,990円
  • プラットフォーム:PS3/Xbox 360
  • 発売日:発売中(5月20日発売)
  • プレイ人数:1~2人(オフライン)、2~16人(オンライン)
  • CEROレーティング:C(15歳以上対象)


 2006年末に発売され、国内外の多くのゲーマーから好評を博したカプコンのアクションシューティング「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」。2008年にXbox 360とPCで発売された作品「ロストプラネット コロニーズ」を経て、ついにナンバリングタイトルの続編「ロスト プラネット 2」がリリースされた。

 ゲームの舞台は、前作より十数年後の入植実験候補惑星EDN-3rd。後実験年代A.T.12、EDN-3rdへの入植事業が本格的に開始されてから、半世紀以上が過ぎようとしていた。入植の先兵たちは、それぞれに異なるコミュニティを形成していった。「雪賊」の誕生である。雪賊はEDN-3rdで発見された新資源「サーマルエナジー(T-ENG)」を利用して、超人的な回復力を発揮する新技術「ハーモナイザー」を使用し、原住生物AK(エイクリッド)との戦いや、入植当初の事業を取りまとめていた軍事企業NEVEC と紛争を行なっていた。戦いは長く激しいものとなり、極寒の星環境に影響を与え始め、星にとっても雪賊にとっても、何か重要な変化が生じつつあった……。

 カプコンが誇るオリジナルエンジン「MT Framework」最新バージョンを駆使した美しいグラフィックス、怪獣映画をほうふつとさせる巨大エイクリッド(AK)、新たな武器やバイタルスーツ(VS)など数多の見所がある本作だが、まずは基本的な部分から少しずつご紹介していこう。なお、今回のレビューにはXbox 360版を使用しているが、どちらも基本的には内容は一緒。異なる点は特典コスチュームなどなので、両機種をお持ちの方は好きなほうをお選びいただきたい。



■ 基本操作

 操作系は、メインメニューのオプション→コントロールから変更可能。パターンA、Bそれぞれ4通りの配置から選べるが、ここでは最も一般的と思われるA-1を例とする。慣れてきたら、ズーム優先、アンカー優先など、自分に適していそうな配置パターンを試してみるといいだろう。

 キャラクターの移動は左スティック。スティックを押し込むとしゃがみ、その状態でゆっくり移動することもできる。LB(L1)とRB(R1)でそれぞれ左右に90度ターン。B(○)ボタンを長押しするとダッシュ。A(×)ボタンでジャンプ、しゃがんで移動しつつA(×)ボタンを押すと緊急回避。モーションの出始めにわずかだが無敵時間があり、これを活用して敵の攻撃を回避していく。×(□)ボタンはアンカー。ジャンプでは届かないような高所に移動できるほか、敵に張り付いて攻撃(アンカーショット)、高所からぶら下がる(ラぺリング)、アンカーを打ち込んで引き寄せられた瞬間に再び×ボタンを押してキャンセルするアンカー移動など、さまざまな応用ができる。

【アンカー】
本作独自の要素。右スティックでポインタをあわせた場所にアンカーを打ち込んで素早く移動。ポインタが緑色に変わる場所はすべてアンカーが打ち込める。EDN-3rdの過酷な環境を生き抜くためのマストテクニックだ


 右スティックで照準(ポインタ)移動。右スティックを押し込むと右トリガー武器のリロード。右トリガーでショット、左トリガーでグレネード。左右トリガーに対応する武器は、左右の画面下にそれぞれ表示される。右トリガーの武器を切り替えるときはY(△)ボタン。右トリガー武器は、2種類まで携行できる。ズームアップなど視点を変更するときは方向パッド(キー)上下。通常は1段階だが、スナイパーライフルなど一部の武器はさらに高倍率でズームアップできる。方向パッド(キー)左右で赤外線モニター。ジャングルなど一部敵が視認しづらいステージでは役立つ場面もある。B(○)ボタンは近接攻撃、もしくはデータポスト起動などのアクション動作となっている。

 シリーズ未体験の人に説明すると、「データポスト」はいわば“レーダー”のようなもの。データポストは各ステージに複数設置されており、最初はまったく機能していない。接近してB(○)ボタンを連打し起動させると、そこで初めて画面右上のレーダーに敵や周辺の地形などが表示されるようになる。起動時は自身や周辺の味方にT-ENGが加算され、一時的な補給も行なえる。ただし、起動の際のB(○)ボタン連打中は無防備なため、事前に周辺の安全確認が鉄則だ。


【ショット】
画面右下に表示されている武器で敵を攻撃。同時に2種類まで携行でき、Y(△)ボタンで切り替えが可能。ハンドガンなど一部をのぞき残弾が設定されているため、ロケットランチャーなど総弾数が少ない武器は効率よく使っていきたい。なお、今回は上画像・最右のようなサポート用武器が新たに登場している
【グレネード】
投げた後、一定時間後に炸裂。炸裂前にショットで破壊する“グレネードショット”は、本作における重要テクニックのひとつ。普通に炸裂させて敵を巻き込むよりも威力が増すため、対VSにも効果大。一般的な投擲タイプのほか、プラズマ、相手にくっつくタイプ、人型の偽造風船を展開するダミー型、炸裂しなくてもヒットしただけで鬼のように痛いシュリケン型など、さまざまなバリエーションが存在する
【データポスト】
ひらたくいえばレーダー。接近してB(○)ボタンを連打して起動させる。各ステージ開始直後は、周辺の状況確認とあわせてデータポストを探すべし。ミッションによってはステージ内の全データポストの起動がクリア条件に設定されていることもある


 VS(バイタルスーツ)は、本作における“華”といっても過言ではない兵器。前作で大好評を博したこともあり、「ロスト プラネット 2」にも新機種含め多数のVSが登場する。耐久力は「生身よりは全然マシ」という程度で無敵と言うわけではないが、それでも過酷な戦場では実に頼りになる存在だ。

 操作方法は人間タイプよりも簡単で、接近してB(○)ボタンで搭乗。このとき、×(□)ボタンで起動という1ステップがはさまる。降りるときはB(○)ボタンを押せばいい。VSによっては、操縦だけでなく“VSにつかまる”、“ガンナーとして別途乗り込み独自に武器を操作”といった連携プレーも楽しめる。使わないときは搭載武器を取り外して携行することも可能だ。

 VS搭載武器は左右トリガーで使用可能。いずれも人間タイプ用の携行武器を上回る火力を誇り、左右武器で同時攻撃が可能なVSの攻撃力は「凄まじい」の一言。今回は合体などネタ要素満載のVSも増えており、いずれも“ロマン”に満ち溢れた素晴らしいメカが揃っている。


【バイタルスーツ】
巨大AKと双璧を成す本シリーズの花形。キャンペーンモードでは大切に修理して使えば結構長持ちする。対戦モードでは適度な耐久力と高い攻撃力が頼もしい


 基本操作説明の最後に、本作独自要素のひとつ「サーマルエナジー(T-ENG)」について説明しよう。画面左上に表示されているT-ENGは、大雑把に言えばクルマでいう「ガソリン=燃料」のようなもの。最大で9,999まで蓄積でき、これが尽きるとライフゲージが少しずつ減少していく。ライフゲージが減ったときは、スタートボタンで「ハーモナイザー」を起動すれば回復が可能。ただし、回復したぶんだけT-ENGを消費する。

 T-ENGは、データポスト起動時、破壊したタンクやドラム缶、倒したAKなどから獲得できる。ステージによっては隣接しているだけで延々とゲージを増やしてくれる補給装置が用意されていることもあり、チャンスがあるときは常に補給を心がけたい。なお、平常時やハーモナイザーだけでなく、VSに搭乗するときもT-ENGは欠かせない。T-ENG残量が100未満だとVSに搭乗できず、乗っていてもゼロになると操縦席から強制排出されてしまうからだ。

 緊急時には、自分のT-ENGを仲間に分け与えることも可能。Y(△)ボタンを押したまま左トリガーを引くとT-ENG射出が可能な状態になり、あとはポインタを味方にあわせて左トリガーを引くだけ。シングルプレイ時、プレーヤーキャラクターのT-ENGが残りわずかになると、周辺のBOT(AIで動く仲間のキャラクター)たちがT-ENGをわけてくれるという涙ぐましいシーンを目にすることができる。


【サーマルエナジー】
初期装備で戦っているとあまり気にならないT-ENG残量だが、エネルギー武器を使い出すと「いくらあっても足りない!」となる。武器に関しては後述するカスタマイズ要素のひとつ「アビリティ」で消費量を劇的に減らせるが、入手については運次第。通常時は残量に気を配ろう



■ キャンペーン ~協力プレイを全面にフィーチャー~

 本作のメインモード。前作は主人公ウェインに焦点を当てたストーリーが展開されたが、今回はさまざまな雪賊の視点で物語が展開されるオムニバス形式が採用されている。

 最大の特長は、本モードを世界中のプレーヤーと協力プレイで楽しむことができる点だ。同時に参加できる人数は最大4人。オンラインゲームのプレイ経験がない人は、「クイックマッチ」、「カスタムマッチ」、「ゲームをはじめる」、「CONNECTION TYPE(接続方式の設定)」といったメニューの文字に「なんじゃこれ!?」と驚かれるかもしれない。ソロで始める人も、オンライン協力プレイの人も、まったく同じスタンスでゲームをはじめることになる。なお、オフラインで遊びたいときは、前述の「CONNECTION TYPE」を「OFF LINE」に設定すればいい。オフラインは、画面を上下に2分割してふたり協力プレイが可能(スプリットプレイ)。コントローラーがふたつ接続されていれば、ロビー画面で2P側がスタートボタンを押すだけで準備完了となる。

 オンライン協力プレイで遊びたいときは、自分でルームを作るか、さもなくば「マッチングロビー」に移行して参加したいゲームを選択。フィルタリング項目は、エピソード、チャプター、レベル、フレンドリーファイアの4つ。自分でルームを作る場合、フレンドのぶんを確保しておくプライベートスロット、ボットプレーヤー数の設定がそれぞれ追加される。他の人が作ったルームに参加する場合、まだゲームが始まっていない「待機」を選ぶといい。「プレイ中」と表示されているルームに入ることもでき、この場合は新たなチャプターが始まるタイミングで参戦することになる。

 マップのほとんどが“雪と氷”に覆われていた前作に対し、今回はエピソード単位でステージ環境が激変する。エピソード1では導入部の雪原から一転、亜熱帯のジャングルを思わせる森林に放り込まれる。山間部の採掘場、水辺、湿地帯、島、砂漠、水中、要塞、最終ステージでは宇宙(!)と、白一色といっても過言ではなかった前作の真逆をいく千変万化の構成には心底驚かされる。一部、チャプタークリアに関するインフォメーションが不親切かな? と思える部分もあったが、ソロなら他の人に迷惑をかけずジックリ挑戦できるし、協力プレイなら大抵は他の誰かがクリア方法を知っている。そういった意味では、ネタバレを避けたい人は最初にソロでゲームをクリアしておいたほうがいいだろう(とりあえず筆者はそうした)。

 ステージ構成やバリエーションが劇的に増えたのは、恐らく「協力プレイ」を主眼に置いたためだろう。みんなでワイワイ遊ぶ場合、前作のようなストイックな環境しかないのでは「今時コレはちょっとねぇ」と感じる人も少なくないはずだ。2006年末の時点では誰も気にしていなかったが、2010年現在、オンライン協力プレイに対応したアクションシューティングは各社から多数発売されており、ユーザーの目も相応に肥えている。ただ……贅沢をいえば、それでもダウンロードコンテンツなどで「追加エピソード」があれば、もっと良かったかもしれない。チャプター単位まで選べるのはいいが、キャンペーンそのものは全6エピソード構成。クリアに至るまでのカタルシスを考えると、何度も繰り返し遊べるチャプターは、実はそこまで多くないように感じられる。我ながら本当に贅沢な要望だが、もし可能なら「無料といわず、有償DLCでもいいから欲しいなぁ」と思ってしまうのだ。


【多彩になったステージ構成】
雪景色とイコールで結ばれていた前作の情景から激変。これでもか! といった感じでありとあらゆる地形が登場。十数年でここまで変わるって、どんな星やねん! と突っ込まざるをえない
【巨大エイクリッド】
これがなければ「ロスプラ」じゃないでしょ! といった感のある巨大エイクリッド。前作をはるかに上回る迫力とスケールでプレーヤーに襲い掛かる



■ オンラインモード ~対戦プレイで激しくバトル~

 オンライン対戦プレイのモードは、「ランクマッチ」、「プレイヤーマッチ」、「勢力マッチ」の3つに大別される。このほか、オフライン用の対戦モード「システムリンク」も用意されている。

 「ランクマッチ」は、世界中のライバルや仲間とランキングを競うモード。他のオンラインモードのようにルーム選択はなく、クイックマッチ、ゲームタイプ(サバイバル、チームサバイバル、データポスト争奪戦、指定なし)とマップサイズ(S、M、L、指定なし)の各検索条件を入力するカスタムマッチともに、各メニューを決定すると即セッションに投入される。人数が集るまでの待ち時間では、使用マップやデフォルトの武器など「レギュレーション投票」が行なえる。

 「プレイヤーマッチ」は、ランキングとは無関係にオンライン対戦を遊ぶモード。ルールを問わず即遊びたい人はクイックマッチ、ルールをある程度しぼりたいときはカスタムマッチ、自らがホストとなりセッションを作るときはクリエイトマッチを選択。メインルールとサブルール、参加可能な人数、プライベートスロット、ステージ、初期武器、時間、武器カスタマイズやアビリティのオン・オフ、天候変化やチームチェンジなど、各項目を細かく設定できる。毎回入力するのが手間という人向けに、よく遊ぶルールを3つまでプリセットしておくことも可能だ。

 勢力マッチは、ローンゲイル、バトルホリック、豪雪旅団、NEVEC、麗隊といった勢力のいずれかひとつに所属し、他勢力と対戦する少々変わったモード。マッチは1週間継続され、その間の勝利数が1位の勢力に参戦していた場合、キャリアポイントとアイテムポイントがもらえる。執筆時点では、まだ発売から1週間が経過したばかりだが、常に人気が高いのは女性雪賊だけで構成された「麗隊」。戦場は1~3の3つが用意されているが、勢力分布図がリアルタイムで表示されるため、戦場によっては既に大勢が決しているようなところもある。また、マッチングの人数に凸凹がある状態で強制的にゲームが始まってしまう点も、やや気になるところ。現状、ふたり以上差がある状態でゲームが始まることも多々あり、これでは結果いかんに関わらずどうもスッキリしない。パッチなどで改善されるなら、早急に対処をお願いしたいところだ。


ランクマッチは待機中にレギュレーション投票が行なえる。個人的に、四方八方からグレネードが飛び交う一部ランクマッチ専用マップはちょっと苦手……
「プレイヤーマッチ」は、マップ、時間、カスタマイズの有無など、細かくルール設定ができる
勢力マッチは1週間単位で勝敗を決するモード。1番人気は麗隊で、3つある戦場で必ず一定以上のシェアをキープ。ただし、この先どうなるかは誰にもわからない



■ トレーニングモード ~……という名前のチャレンジモード!?~

 通常、トレーニングモードといえばチュートリアル的な内容を想像するが、本作のそれは若干おもむきが異なる。各ステージごとにクリアタイムが設定されているため、基本操作を学ぶというよりは「タイムアタック」に比重が置かれている印象が強い。

 各ステージには、3レベルの規定タイムが設定されている。一定以上のタイムを達成するとそのレベルをクリア……となるのだが、普通に遊んだくらいでは最低ラインの銅メダルさえ難しく、チュートリアルのつもりで始めたが最後「……これどうやったらタイム縮められるの?」という強烈なジレンマに陥る。ワールドレコードが異次元レベルの驚異的なタイムを記録していることもあり、正直チャレンジする前に心が折れる人も少なくなさそうだ。

 繰り返しになるが“トレーニング”と銘打たれているが、その実態は「ゲームを相当やりこんだ人向けのチャレンジモード」といっていい。ゲームを始めたばかりの人は、ここで延々と練習するよりも、まずはキャンペーンモードで実戦的に感覚を掴んだほうがいいだろう。



■ カスタマイズ ~ポイントを消費して少しずつカスタマイズ~

 本作は、主人公キャラクターの外観や装備を自由にカスタマイズできる。ただし、カスタマイズに必要なパーツは、キャンペーンなどで獲得できる「アイテムポイント」を消費して、ルーレットを回して入手する必要がある。ルーレットは同じ目(アイテム)が出ないのでダブることはないが、欲しいものが必ず手に入るとは限らないため、コンプリートには相当な時間と手間を要する。

 外観のカスタマイズは、ヘッド、ボディ、レッグ、バックパックの4項目を組み合わせるシンプルなもの。一式まとめて変更したいときは、画面左にある「MODEL TYPE」のプリセットから選択。各機種の特典コスチュームもパーツごとに自由な組み合わせが楽しめるが、雪賊などと違いテクスチャ(色)を変えることはできない。ちなみに、難易度に関わらずゲームをクリアすると、以後キャンペーンでは外観をカスタマイズしたキャラクターが使用可能になる。

 武器、グレネード、アビリティは、それぞれゲーム内に大きな影響を与える重要な項目。ルーレットで獲得できる武器、グレネード、アビリティは、初期設定よりも強力なものが大半で、当然ながらランクマッチでは使用制限がある。一方、ランキングに影響を与えないプレーヤーマッチは、ホストの設定次第でそれぞれ使用が許可されている場合がある。ぶっちゃけてしまうと、ゲームを始めたばかりの人が「武器・グレネード・アビリティのカスタマイズあり」のセッションに参加すると、スタート時点で相当な差がついているケースが多々ある。気になる人は、必要最低限と思われる装備が整うまでルーレットを回すか、さもなくば装備カスタマイズなしの対戦セッションを選ぶのが無難だ。


【アイテム購入ルーレット】
キャンペーンモードなどで獲得したポイントを消費してルーレットを回し、ランダムでカスタマイズ用のアイテムをゲット。通り名が連続で出ると軽く眩暈がする



■ アバウトさも“味”。協力プレイが楽しければオールOK!

 世界観も含め全体的にシリアスだった前作に比べると、今作は“パーティゲーム”的なニュアンスがそこかしこに感じられる。協力プレイに主眼が置かれていることもあるが、新要素がいずれもケレン味にあふれており、どれも派手というか“ごった煮”的なにぎやかさに満ち溢れているからだ。

 もっといえば、ゲームバランスなどの細かい部分は、すべてプレーヤーの裁量に委ねられている印象さえある。武器の使い勝手に大きな差がある点も、対戦モードの存在を考えれば相当念入りに調整されるべきなのだが、現実には「何これチョー楽しい」的な無茶な代物が悠然と幅を利かせている。本シリーズはグレネード系武器が圧倒的な威力を誇るため、ゲームを始めたばかりの人は再出撃のたびに対戦相手に秒(爆)殺され「なんじゃこりゃぁ!」といった悪循環に陥ることが多々あるが、それも“味”といわんばかりに健在だ。

 「もうちょっとグレネードの威力を落としてもいいんじゃないのかなぁ」と思う瞬間も、なくはない……が。個人的には、こうしたアバウトさというか、良くも悪くも大らかな(?)テイストがことのほか気に入っている。効率を突き詰めると、プレイスタイルや装備はどこか1点に収斂されていくのだろうが、(恐らくは)本作がゲームの軸にすえている「協力プレイ」の楽しさは、そうした効率云々とは別の問題だ。食卓もひとりよりは大勢のほうがにぎやかで楽しいわけで、それはゲームにも通じる部分があると思う。興味がある方は、ぜひ1度「ロスト プラネット 2」で協力プレイならではの楽しさを味わっていただきたい。



(C)CAPCOM CO., LTD. 2010 ALL RIGHTS RESERVED.

(2010年6月3日)

[Reported by 豊臣和孝]