「SDガンダム カプセルファイターオンライン」先行体験レポート
対戦、カスタマイズ、サイコガンダムと戦う共同ミッションなど盛りだくさん
CJインターネットジャパン(CJIJ)はオンラインアクションゲーム「SDガンダム カプセルファイターオンライン」の日本向けサービスを行なう。サービススケジュールは未定で、ビジネスモデルは基本プレイ無料のアイテム課金制を予定している。本稿ではCJIJ本社内で行なわれた先行体験会でのスクリーンショットと共に、ゲームの内容を紹介したい。
「SDガンダムカプセル ファイターオンライン」(以下、「SDGO」)はバンダイコリアが、版権元より商品化許諾を受け、企画・開発し、2007年2月に韓国でのサービスをスタート、以降、中国、台湾、香港でもサービスが行なわれている。開発は韓国のSOFTMAX。カジュアルな操作で、キャラクターのみならずステージもシンプルで、一見“軽い”ゲームに見られがちな本作だが、原作のエッセンスを積極的に取り入れており、要素も充実したファンにはたまらない「ガンダムゲーム」になっている。間口が広く奥深い本作をぜひチェックして欲しい。
■ 歴代ガンダム作品のMSが登場。お気に入りのMS強化・カスタマイズ
機体のカラーリングを変える。カラーアイテムがプラモデルの塗料の形をしているのが楽しい |
オペレーターにより様々なボーナスがある。性能で選ぶか、容姿で選ぶか、声優によるボイスも期待したい |
「SDGO」は3頭身にアレンジされたMSが激しく戦うオンラインアクションゲームだ。プレーヤーはバトルロイヤルや、チーム戦、さらには協力して敵と戦う「共同ミッション」など、様々なシチュエーションで戦う。簡単な操作で、気軽に楽しむことができるカジュアルなゲームだが、やはり「ガンダム」という題材が熱い。MSを操り、スペースコロニーや砂漠などガンダム作品で描かれた戦場で戦うのは特別な感触がある。
「SDガンダム」のSDは「スーパー・ディフォルメ」の略で、元となるモビルスーツを(MS)3頭身程度にデフォルメして表現する。「SDガンダム」シリーズは、コミカルな雰囲気ながら、MSの特徴をきちんと再現した絶妙のアレンジで、「ガンダム」文化の大きなファクターとして玩具、グッズ、ゲームなど幅広く展開している。
「SDGO」に登場するMSのモデリングは「SDガンダム GGENERATION」シリーズを開発するトムクリエイトが担当しており、本作の雰囲気に大きく貢献している。韓国のバージョンでは「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)」まで入っているが、クローズドβテスト時は「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY」までの機体が収録される予定だ。クローズドβテスト時から登場機体は50種類を越え、今後どんどん増えていくという。トムクリエイトがこれまで培ってきたかわいらしくてかっこいいモデリング、そしてアクションが、本作に「本物」の感触をもたらしてくれているのだ。
「機動戦士ガンダム」の連邦軍とジオン軍、「機動戦士Zガンダム」のエゥーゴとティターンズというようにガンダム作品には様々な陣営とモビルスーツが登場する。基本的にはプレーヤーはゲームを進めることでゲーム内ポイントを貯め、それを「ショップ」でコインに変換し、コインを使ってカプセル自動販売機「ガシャポン」を回して機体を入手する。ガシャポンは複数用意されていて、ラインナップの中から1つが当たる仕組みだ。
機体には経験値が設定されており、一定の経験値を稼ぐことで必殺技やスキルを覚えることが可能だ。さらにレベルアップさせることで、ユニットのステータスの項目を強化できるようにもなる。ステータスの強化にはユニットごとに限界があり、入手方法などにより上限値は異なるようだ。海外では、この上限を超えてステータスを向上させるオーバーカスタムが存在するが、日本での実装は未定となっている。
また、機体には「ランク」があり、上のランクの方が初期ステータスが高かったり、ステータス上昇の伸びしろが大きかったりする。各機体には「スキル」があり、「近接攻撃に強い」、「体力が半分になったとき味方に攻撃ボーナスを与える」といった効果をもたらす。機体それぞれにスキルが設定されているだけでなく、プレーヤーが任意に入れ替えることができるスキルスロットもある。ランクは重要だが、スキルや持っている武器など状況によって有用なMSは変わってくる。どの機体を選びどう戦うかプレーヤーを悩ませる。
ラインナップは「機動戦士ガンダム」のものが1番充実しているが、セーラー服を着ているようなノーベルガンダムなどユニークなものや、接近戦に特化したアストレイレッドフレームの様なスタイル重視のMSもいる。ランクが高く強力な武器を持っている機体が人気を集めると思うが、かわいいらしいと評判のアッガイや狙撃が得意のジムスナイパーといった機体を好んで使うプレーヤーも多いだろう。
対戦やミッション終了時には機体経験値、ゲーム内ポイントの他、機体に貼り付けるエンブレムやカラーを変更できるアイテムなどが入手できる場合がある。また、「ジム寒冷地用」などMSには武器や性能が異なるバリエーションがあったりコレクション性、カスタマイズ性が高い。機体はガシャポンの他、ミッションなどをクリアした報酬でも入手可能だ。
このほか、指定された機体を用意し“合成”することで全く新しい機体を入手できる「設計図システム」、手持ちのモビルスーツを搭載できる「戦艦」といった要素もあるが、日本でどういった仕様になるかはまだ未定だという。機体の他、オペレーターも選択できる。能力の他、容姿や担当声優などでも人気がわかれそうな要素で、日本ではどのような仕様になるか注目したい。
まだまだ未定のところも多い「SDGO」であるが、やはり“ガンダム”であることが楽しい。新作のきらびやかなMSもいいが、遠距離攻撃にかけるガンタンクや、やられキャラクターであるGMでがんばってみたり、作品世界がゲームに大きくフィードバックする。カジュアルでありながら“濃い”オンラインゲームとしてユーザーの注目を集めることは必至だ。サービススケジュール、仕様の詳細など、今後の情報が待たれるところだ。
■ 最大8人での対戦の他、シングル、共同プレイも楽しめるミッションモードも搭載
チュートリアルで基本的なシステムが学べる。ゲームパッドはキーを割り振る形のため体験しなかったが、キーボードでもストレスなく楽しめた。ゲームパッド向けのチュートリアルも欲しいところだ |
対戦だけでなく、様々なミッションが選べる。今回は基本的な練習ミッションが多かったが、韓国では100以上のミッションがあるとのことで、多彩なシチュエーションが楽しめそうだ |
「SDGO」ではプレーヤーは何体ものMSを集め、機体を育てながら戦っていく。ゲームの基本は最大8人で対戦できるオンラインアクションゲームだ。プレーヤーはロビーでルームを作り、他のプレーヤーを募り対戦を行なっていく。8人がぶつかりあうデスマッチや4対4のチーム戦が可能だ。対戦などゲームをプレイしていくことで、プレーヤーは階級が上がっていき、より多くの「ミッション」に参加できるようになる。また、ゲームに使用した機体も成長していく。より強い機体を求めることも、1機体にこだわってプレイすることも可能だ。
「ガンダム」を題材にしたオンライン対戦アクションゲームというとバンダイナムコゲームスの「戦場の絆」シリーズがある。また、「ガンダムVS」シリーズも人気だ。「SDGO」はそれらと比べるとはるかにカジュアルだ。やられてもすぐに再出撃でき、他のプレーヤーが団子状態で戦っているところに乱入する。神経をすり減らすような対戦ではなく、「派手な武器でぶちかませ」、「とにかく接近戦で暴れちゃえ」といった軽い気持ちで楽しめる。ネタ的なモビルスーツで出撃するのも楽しい、明るくて軽いゲーム性が最大の魅力だ。
ゲームモードと基本的な操作を紹介したい。ゲームモードは対戦が楽しめる「対戦モード」の他に、様々なミッションに挑戦できる「ミッションモード」が用意されている。ミッションモードには基本操作が学べる「チュートリアル」、ソロプレイでクリアしていく「シングルミッション」、最大4人で楽しめる「共同ミッション」がある。
チュートリアルとシングルミッションの初期はゲームの基本プレイを覚えるものだ。キャラクターの移動はW、A、S、Dで照準と視界はマウス移動、左クリックで射撃する。マウスの右ボタンでは照準に合わせた敵を追尾することができる。数字キーの1~4で武器選択、Shiftキーでズーム可能な武器の場合はスコープからのぞいた画面となる。移動の際同じ方向に2回押すとダッシュだ。もちろんゲームパッドの対応も行なう予定だ。
チュートリアルではオペレーターの指示でゲームの基本操作が学べる。この際、オペレーターの指示は画面メッセージに加え声優による音声も入るという。現在入っているシングルミッションは「移動訓練」、「射撃訓練」といったゲームの基礎を練習するものだが、こちらは特別なフィールドになっていたり、ルートに置いてあるアイテムを集めるものだったりと専用のステージの用意されたミニゲームが楽しめるようになっている。本作はダッシュでの移動が気持ちいい。ダッシュはブースターゲージが切れるまでだが、敵との距離を詰めるのに有効だ。またジャンプもかなり飛び上がることができ、ビルの上に乗り、眼下の敵を狙撃するのも楽しい。
登場するMSには機体によって数種類の武器が用意されていて数字キーで切り替える。1は近接武器、2はビームライフルやマシンガンなどの中距離武器、3はバズーカーやスナイパーライフルといった遠距離武器だ。各武器には弾数制限はないが“チャージ時間”が設定されている。強力な武器は1発撃つと次の射撃には時間がかかり、マシンガンなどは一定数撃つとリロードという形で撃てない時間がある。また、4に特殊攻撃が用意されている。敵と戦うことでゲージが上昇し使えるようになる必殺技で、各機体によって射程距離などが異なるが、専用のアニメーションが入って爽快だ。
また機体にはジャンケンのグー、チョキ、パーに例えられる“相性”がある。接近戦に強いグーの機体、オーソドックスなチョキの機体、遠距離攻撃の特異なパーの機体。得意距離に応じて有利不利が決まっている。実際のプレイでは序盤はそれほど相性による強弱というのは感じなかったが、ミッションの性格に合わせた機体選択などでは相性を考慮した方が良いようだ。カジュアルながら、「MSのパイロットになれた」という充実感がきちんとあるのが本作の魅力だ。
SDキャラクターでありながらプレーヤーの操作できびきびと動くMSはやはりかっこよく、ビームライフルで狙撃したとき、アッガイの爪で貫いたとき、ガンタンクの大砲で敵を撃ち抜いたとき、強い爽快感がこみ上げてくる。かっこよさもきちんと保っている本作のMSは、操作して戦っているうちに原作に登場するエースパイロットになったかのような気分ももたらしてくれる。この感触は、「SDガンダム」という題材ならではだと感じた。
「ガンダムらしさ」を強く体験できたのが「共同ミッション」だ。シングルミッションはチュートリアル要素が強く、もっと「ガンダム」ならではの要素が欲しいと感じたが、一方で共同ミッションは2つしか入っていなかったがどちらもシチュエーションが凝っていてとても楽しめた。今回できたのは、「サイコガンダム破壊」と「シャトル発射台防衛」で、どちらも「機動戦士Zガンダム」のシチュエーションをモチーフにしているのだ。
「サイコガンダム破壊」ではプレーヤーキャラクターの何倍もあるサイコガンダム、そしてサイコガンダムを守る敵との対決になる。ステージは、看板には漢字が描かれているビル街で、原作でサイコガンダムと対決した「香港」の雰囲気がある。サイコガンダムは強烈なビーム砲を発射する。こちらはビルの上から射撃などもできて、“巨大な敵との戦い”を楽しめた。また「シャトル発射台防衛」はマップ外から波状攻撃を繰り返してくる敵に対して、他プレーヤーと協力して立ち向かうというシチュエーションが楽しかった。
今回体験したバージョンではミッションの数や対戦マップは少なかったが、「SDGO」は韓国でスタートしてから3年以上であり、コンテンツは厚い。ミッションも韓国のバージョンでは100以上あるとのことで、どのようなものが入ってくるか、大いに期待したい。ミッションは「SDGO」の大きな目玉となるコンテンツだと感じた。
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Produced by BANDAI KOREA
Developed by SOFTMAX / Published by CJ Internet Japan.
(2010年 4月 14日)