★PSPゲームレビュー★

今度の「テイルズ オブ」は最大4人対戦アクション
「テイルズ オブ バーサス」


 2009年8月6日、「テイルズ オブ」シリーズ最新作となる「テイルズ オブ バーサス」が株式会社バンダイナムコゲームスより発売された。

 「テイルズ オブ」シリーズには様々な特徴があり、その内の1つにアクション性の高いバトルシステムがある。本作はそのバトルシステムを拡張して作られたタイトルといえるだろう。



■ 「テイルズ オブ」のバトルシステムを活かしたアクションゲーム

「テイルズ オブ」キャラクター豪華競演。キャラクターがどのように絡み合っていくのかも見所だ
簡単操作で遊べるアクション。成長要素が多く用意されている

 本作は、オリジナルシナリオが楽しめる「ユグドラシルバトル」、勝ち抜き戦や条件付きバトルなど4種類が楽しめる「クイックバトル」、各種設定をして練習できる「トレーニング」、アドホックモードによる最大4人までの対戦が可能な「通信対戦」など、多くのモードが収録されている。おまけ要素として「テイルズ オブ ウォールブレイカー」(以下ウォールブレイカー)という新たな試みのゲームも収録されている。

 登場するのは「テイルズ オブ」の主役級キャラクターばかり。条件を満たせば総勢35人のキャラクターが使用できる。メインイベントではフルボイスでキャラクターが喋ってくれる。

 キャラクター強化によるパワーアップの幅が広いため、アクションが苦手でもキャラクターを強化すれば「ユグドラシルバトル」は簡単に勝てるような調整になっている。歯ごたえある難易度を求めるなら、難易度設定を変更したり、自分で装備制限などの縛りを設定してプレイするといいだろう。

 キャラクターを強化する方法は大きく分けて2つ。バトルを繰り返すことで入手できるグレードポイント(GP)を消費してキャラクター性能を向上させること。もう1つが装備品などのアイテムによる強化だ。初期状態のキャラクターとある程度鍛えたキャラクターでは、いくら腕に差があっても勝つことができないほど(?)の性能差を持つ。

 ネットワークに接続すれば、スペシャルバトルのダウンロードやモバイル連動でGPや称号が入手できる。

 1試合ごとのロード時間が10秒以上と慣れるまでは気になる長さだが、セーブデータのセーブやロード(オートセーブも用意されている)は気にならないほど早い。ゲームデータのロードに関しては、UMDのデータをメモリースティック DUOにインストールできれば改善できたかもしれないが……残念なところだ。


オープニングムービー


■ 大いなる実りの獲得権を巡る世界各国の戦いユグドラシルバトル

 世界樹が「大いなる実り」としてもたらす根源エネルギー ― 「マナ」によって支えられた世界“ダイランティア”。「マナ」に溢れた世界で人類は文明を豊かに進化させていった。しかし、人の欲望は肥大し、やがて3年に1度結実する「大いなる実り」を巡って幾万、幾億の血と涙が流されていった。

 果てなく続く抗争はついに世界を砕く域にまで到達したが、人類はかろうじて踏みとどまり全国家間に「世界樹協定」が結ばれた。戦争ではなく代表戦士「シグルス」による武闘大会で「大いなる実り」の獲得権を競うことを世界各国が認めたのである。

 これが人類の理性の産物と呼ばれる「ユグドラシルバトル」の始まりである。

 各国の代表戦士「シグルス」が「大いなる実り」を巡り戦いを繰り広げる。「テイルズ オブ」キャラクターたちがどのように絡み合い、どのような結末を迎えるのか?

 「ユグドラシルバトル」では、アクションだけでなく、「テイルズ オブ」キャラクターたちのやり取りが楽しめる。プレーヤーが使用可能になる「テイルズ オブ」のキャラクターは総勢35名。その中から、一部のキャラクターを紹介したい。

神聖王国ヘイズル
ロイド・アーヴィングTOS
コレット・ブルーネルTOS
クレス・アルベインTOP
クラトス・アウリオンTOS
騎士国家フレスヴェルグ
リオン・マグナスTOD
カイル・デュナミスTOD2
スタン・エルロンTOD
新帝国ニーズホッグ
ルーク・フォン・ファブレTOA
ティア・グランツTOA
ジェイド・カーティスTOA
アニス・タトリンTOA
自由都市連合ダイン
ユーリ・ローウェルTOV
ファラ・エルステッドTOE
マオTOR
カイウス・クオールズTOT



■ 「テイルズ オブ」でお馴染みの簡単操作バトル

 本作の操作方法は基本的に「テイルズ オブ」と同じ。シリーズをプレイしていれば、説明書を読んだり、チュートリアルをプレイしなくても、基本的な動作はできてしまうだろう。また、シリーズをプレイしたことがなくても、すぐに覚えられる程度のシンプルな操作を実現している。

 主なアクションについて簡単に説明していく。

 方向キーのorでその方向に移動、でジャンプ、ジャンプ中にで複数段ジャンプ(後述のスキルによってはさらにジャンプすることも)、で床抜け(下の階層に下りる)が主な移動手段。他にもステージのギミックでワープするものがあったり、相手の近くにワープして攻撃する術技などもある。本作は複数階層のステージが多いため、ジャンプや床抜けを頻繁に使用する。

 通常攻撃は○ボタン。連打すると連続攻撃になる。連続回数はキャラクターによって異なり、スキルによって回数を増やすことが可能。攻撃の起点として活躍してくれる重要かつ基本的な攻撃手段だ。また、方向キーとの組み合わせで性質が変化する。もちろんジャンプ中の攻撃も可能だ。

 ×ボタンを押せば術や技が使える。術や技は使用するためにTPが必要(時間ごとに回復)。設定できる術技は、× /+× /+× /or+×の4つ。覚える術技はキャラクターにより異なる。+×はジャンプコマンドと重なるため、気をつけないとジャンプが出てしまう。また、を入れ続けた状態で×を押しても発動しないので、同時押しを心掛けよう。

 技であれば特技/秘技/奥義の3カテゴリがある。特技→秘技などと出せば、特技の硬化時間をキャンセルして秘技を出せる仕組みになっている。うまく技を選択すれば、通常攻撃→特技→秘技→奥義と繋げることも可能。どの技の組み合わせが良いか探すのも楽しみのひとつだ。

 術によっては詠唱時間が数秒必要なものもある。様々な局面を考えて、術技の設定では4カ所全てに詠唱時間が長い術を設定するのは避けた方がいいだろう。

 ガードは物理攻撃に対しては□ボタン。術での攻撃に対しては□ボタン+。□ボタン+or(敵に対し前方)で、相手の攻撃をガードしながら相手をすり抜ける「クリティカルガード」、□ボタン+or(敵に対し後方)でガードから跳びのく「バックステップ」などもできる。注意しておきたいのは、物理攻撃を防御し続けると発生するガードクラッシュ。自分がガードクラッシュ状態になってしまったら、相手から距離を離すように心掛けたい。用意された2種類のガードは物理と術のどちらかしか防御できず、慣れるまでは使い分けが難しいと感じる人もいるだろう。通常、ジャンプ中はガードできないが、スキルによってはジャンプ中のガードなども可能になる。

 キャラクターにはHPとTPに加え、オーバーリミッツゲージが存在する。オーバーリミッツゲージがMAXの時にLボタン+Rボタンを押すとオーバーリミッツ状態となりキャラクターがパワーアップする。オーバーリミッツは発動時に近くの敵を吹き飛ばす効果があり、攻撃を受けている最中でも発動できる。緊急回避にも使える便利かつ重要な要素だ。

 オーバーリミッツ状態になると秘奥義と呼ばれる強力な技を出せることも特徴。また、2人が同じタイミングでオーバーリミッツを行なうと、オーバーリミッツ×(クロス)となり、さらに強力なオーバーリミッツ状態になれる。

 HPやTPには数値が表示されているのだが、オーバーリミッツゲージには%表示などがなく、ためている最中とMAX時で大きな変化がないため、あと少しでMAXの時とMAX時の視認性が少し弱い。ゲージがたまったら光るなり、色が変化するなり、%表示なりが欲しかったところ。

 △ボタンで取得したアイテムを使用できる。アイテムは攻撃や回復など様々な効能を持っている。アイテムをうまく使えれば有利にバトルが展開できる。

 吹き飛び中に□ボタンで受け身が、ダウン中にorで移動起き上がりが可能。受け身は追い討ちの回避や素早い反撃をするのに必須。移動起き上がりは起き上がりに攻められるのを回避するのに使えるアクションだ。

 これらのキー設定はプリセットではなく、ボタンごとに設定ができるのが嬉しい。

ガードされてしまうとダメージが小さくなってしまうが、連続してガードさせてガードクラッシュを狙うのも手だ詠唱時間の長い術は決まれば大ダメージを与えられる。だが、防御や回避されたときの切なさは……秘奥義発動に必須のオーバーリミッツ。緊急回避にも役立つ重要なアクションだ



■ 「テイルズ オブ」キャラクターの豪華競演「ユグドラシルバトル」

 オリジナルのシナリオが楽しめる「ユグドラシルバトル」。本作のメインコンテンツとも呼べるモードだ。最初にロイド&コレット編など、シナリオを選択してプレイを開始することになる。この「ユグドラシルバトル」はシナリオ上、2人1組のチームで戦うルールがあるため、一部の例外を除きCPUが操作するキャラクターと組んで戦う。

 ボードゲームのようにマスが配置されているワールドマップで移動し、特定のマスでイベントやバトルが発生するというシンプルでわかりやすい作りになっている。イベントの中にはチーム内2人のどちらの視点でイベントを見るか選ぶ場面も。

 何が起きるかはマス目に設置されている3種類のアイコンで判断できる。

 1つ目が旗マーク。これはシナリオの進行に必要な目的地を意味している。旗マークに行きさえすればいいので、シナリオが進められずに迷うことはない。旗マークの場所で決定するとイベントが始まる。大抵の場合、イベント後にバトルが発生する。敵のB-RANK(後述)やSET-GP(後述)は一定なのでキャラクターを強化していればあっさりと勝つことができる。

 2つ目が?マーク。これはメインのシナリオと関係のないサブイベントを意味する。シナリオを進めるのに必要ないが、使用可能キャラクターを増やしたり、多くのイベントシーンを閲覧したい人は欠かしてはならない。イベント後、バトルが発生した際の敵のB-RANKは旗マークよりも高めに設定されているようだ。

 3つ目が剣マーク。これはバトルを意味する。このマークがある場所は通り抜けることができず、必ずバトルになる。敵のB-RANKはチームメンバーの累計獲得GPから算出され、同程度の強さの敵と戦える。シナリオ(旗マーク)のバトルに勝てない場合のGP稼ぎに使うといいだろう。

 B-RANKは敵の強さをC~SSSでわかりやすく示している。B-RANKはSET-GP(後述のステータスエディットでGPを何ポイント振っているか)を元に算出される。

ボードゲームのようなワールドマップ。移動するのにコストなどは必要なく、サクサク移動できる止まったマークによってイベントやバトルが発生する。メインのイベントシーンはフルボイスだキャラクターカードが入手できることも。3枚集めると「ウォールブレイカー」でキャラクターが開放されて使用可能になる

 アクションがメインとなるため、アクションが苦手な人はしっかりGPを稼いでプレイするとスムーズにシナリオが進められる。特に難しいのがゲーム序盤。一定以上獲得GPが増えるまではショップで装備やスキル(キャラクター性能をアップするもの)が売られないため、GPによる強化とプレイスキルにのみ依存するからだ。初めてのプレイなら余計に難しく感じるだろう。操作が慣れていない状況では、逃げ回る敵を追いかけるのも難しいし、敵が強く感じる人もいるだろう。少しプレイしていくとすぐに楽になるので投げ出さないでGPを稼いでほしい。

 筆者なりの序盤を勝ち抜く術を紹介したい。

・1バトルごとにメニューのショップ/エディットを利用する
 バトルが終わったらショップで新しい装備やスキルがあるか確認し、その時点で販売されている最強装備とプレイスタイルに合ったスキルを購入。ショップの新商品は累計獲得GPが一定値を越えると追加されるようだ。
 次にエディットでステータスエディット(GPを消費してキャラクター性能を向上させる。詳細は後述)と購入した装備やスキルの設定を行なう。特に序盤ではステータスエディットでの1メモリ、装備やスキルだけでキャラクター性能が大きく変わってくる。

・剣マークでバトルしてGPとガルドを稼ぐ
 よりキャラクターを強くしたければ、剣マークでバトルをしてGPやガルド(ゲーム内通貨)を稼ぐといい。GPの振り方にもよるが、キャラクターを鍛えてシナリオバトルで相手とのSET-GP差が倍もあれば、近寄ってボタンを連打しているだけで勝てるほど強くなっているだろう。

・難易度を調整する
 ユグドラシルバトルが難しければオプションで難易度をイージーにするのも手。


 キャラクター性能や装備が強くなれば力押しで勝てる設計になっているので、アクションゲームが苦手でも時間をかければ誰でもユグドラシルバトルをクリアできるだろう。また、慣れてくればある程度GPの差があっても勝てるようになる。

バトル前の画面では強さを表すB-RANK/SET-GPやルールが確認できる。B-RANKは強さが一目でわかるので便利だモードが違ってもキャラクター情報が引き継がれるのでクイックバトルでもGPやガルドを稼げるオプションで難易度設定ができる。特定条件を満たすとアンノウンやマニアといった高難易度も選べるようになる


■ 自分なりのキャラクター性能を持たせる「キャラクターカスタマイズ」

 本作ではバトルで稼いだGP/装備/スキルによってキャラクター性能を向上させたり、任意の術技を設定できる。

 まずは稼いだGPを消費して強化するステータスエディットを紹介したい。ステータスエディットは最も個性の出る強化になる。1ステータスで強化できるのはLv.10まで(初期Lv.は全て1)。GPを上限(99999)まで獲得したとしても全てのステータスをLv.10まで強化することはできない。なお、いつでもパラメーターの振り直し(GPが戻ってくる)が可能。

 以下が強化できるステータスになる。

ステータス強化
HPキャラクターの体力
TP術技の使用時に消費するポイント
物理攻撃通常攻撃や技で攻撃したときのダメージ量に影響
物理防御通常攻撃や技を受けたときのダメージ量に影響
術攻撃術で攻撃したときのダメージ量に影響
術防御術を受けたときのダメージ量に影響
詠唱速度術の詠唱速度に影響
詠唱硬直術の詠唱後に発生する硬直時間に影響
ガード耐久物理攻撃ガードの崩れにくさに影響
OVL時間オーバーリミットの効果時間に影響
TP回復TPの自然回復速度に影響
敏捷移動スピードに影響

 1ステータスのLv.アップに必要なGPはステータスや段階によって異なる。(最初のLv.アップのみ共通で100GP)

 ユグドラシルバトルなどのCPU戦を楽に勝ちたければ、とにかく攻撃力を特化することをオススメする。物理攻撃を主体にするなら物理攻撃に、術攻撃を主体とするなら術攻撃と詠唱速度とTPを強化するといいだろう。ただし、Lv1~2は全ステータス共通で100GPとお得なので振っておくのもアリだ。

 対人戦に主眼を置くのであれば、自分や対戦相手のプレイスタイルなど様々な想定を踏まえてGPを振り分けないと勝つことは難しいだろう。

 術技の設定も重要。所持している術や技から4つを選択する。どの術技も1度使って性能を確認してから取捨選択をするといい。この術技もGPを消費して強化が可能。1術技に対して、強化できるのは2項目Lv.1~5までだ。強化内容は消費TP補正、詠唱時間補正、攻撃力など術技により異なる。CPU相手のバトルであれば頻繁に使う攻撃系術技を強化することをオススメする。

 装備できるアイテムは、武器/防具/装飾品の3種類。常にショップで1番良いものを装備しておきたい。装飾品は序盤に安く購入できる「フィートシンボル(物理攻撃+10%)」、「マジックリング(術攻撃+10%)」をオススメする。

キャラクター性能をエディットできるステータスエディット。いつでも振りなおせるのがいい術技の選択がバトルに大きく影響する。使い勝手や消費TPなどを考えて設定したい装備は必要なものだけを買えばいい。だが、収集率を上げたいなら全てのアイテムを購入するしかない

 作戦はCPUに任せる際の行動設定だ。自由/攻撃/防衛/逃走の4パターンに対して攻撃頻度/TP消費/間合い/ターゲットを設定できる。さらに詳細設定ではショップで購入した作戦を設定できる。無理に設定しなくても初期値で十分戦えるのでCPUの動きに不便を感じたら設定してみるといいだろう。

 称号はセットすることでキャラクターのステータスが変化する。新たな称号を獲得したら、どのような性能か確認しておきたい。

 スキルもキャラクター強化に大きく貢献する要素。侮れない存在だ。キャラクターのSP上限値(最大で300)まで好きなだけスキルを装備できる。SPはGPを獲得していけば自然と増えていく。スキルごとに必要なSPは異なる。スキルは最初にショップに並ぶものでも「バイタリティ(HP10%アップ)」、「ストレングス(物理攻撃力が5%アップ)」など強力なものが多い。ステータスアップ以外にも「スーパーアーマー(常に1発目の攻撃だけのけぞらなくなる)」、「エリアルジャンプ(さらに1回追加でジャンプできる)」、「エリアルエスケープ(ジャンプし始めが無敵になる)」、「コンボプラス(通常攻撃回数が1回増える)」なども存在する。SPが許す限りのスキルを常に装備しておきたい。

作戦はパートナーとなるCPU向けの設定。細かく設定したいならショップで作戦を購入するといい称号はプレイスタイルにあったものを選びたい。称号リストで□ボタンを押せば装備している称号との性能比較ができるスキルの効果は高い。物理攻撃主体なら「ストレングス(物理攻撃力が5%アップ)」系は必須だ

 ステータスエディットや技エディットでどの程度ダメージに変化があるのか、装備やスキルは変更せず、ステータスエディットと術技のエディットだけを変更してテストしてみた。参考になれば幸いだ。

ロイド:獅子戦吼
エディット内容ダメージ値
エディットなし583
技の攻撃力補正をLv.5に684
物理攻撃をLv.10に1,350
物理攻撃をLv.10、技の攻撃力補正をLv.5に1,668


■ GPやガルド稼ぎに最適な「クイックバトル」

 クイックバトルでは勝ち抜き戦や条件つきバトルなど、4種類のバトルが楽しめる。アドホックモードでの複数人対戦、GPやガルド稼ぎに最適なモードだ。

 アーケードバトルは全8ステージで構成されている。登場する敵のB-RANKはプレーヤーチームメンバーの累計獲得GPに依存する。GPをセットしていなくても累計獲得GPに依存した強さであることに注意したい。ステージ序盤はプレーヤーチームメンバーの累計獲得GPから算出されるB-RANKよりB-RANKが低い敵が、中盤には同程度のB-RANKの敵が、終盤では上のB-RANKの敵が出てくる。8ステージと短いので、さっと稼ぐのに適している。

 サバイバルバトルはひたすら敵を倒し何連勝できるか競うモード。登場する敵のランクはプレーヤーチームに依存せず固定。最弱のB-RANK C / SET-GP0から始まり、徐々に強くなっていく。ひたすら戦ってGPやガルドを稼ぎたいならこのモードだ。筆者としては、B-RANK A(操作にもなれて、キャラクターの性能もそれなりに整っているため)になった後のランクアップにサバイバルをオススメしたい。

 筆者のテストケースだと、B-RANK A / SET-GP45,000から獲得GP99,999までいくのに1~54ステージまでであった。40面台後半からは上限となるB-RANK SSSしか出てこなくなる。プレーヤーチームメンバーのどちらかが先にカンスト(カウンターストップ)してしまうと、相手との獲得GP差分の関係でカンストしていない方が獲得できるGPが極端に下がってしまう。また、気を付けておきたいのがモードを抜けるとき。オートセーブのON/OFFに関わらずメニューからモードを抜けるとサバイバルの連勝記録は保存されないのだ。獲得GPやマネーは維持されているので問題ないが、記録を残したい人は負けてモードを抜けるといいだろう。

 スペシャルバトルは設定された条件で課題のクリアを目指すバトル。課題ごとにキャラクターや性能が決まっていて変更やエディットはできず、GPやガルドの獲得もできない。課題をクリアすると称号が入手できる。

 シングルバトルはキャラクターやルールを自由に設定してバトルができる。2チームでの1対3や4チームなどの変則マッチも可能だ。

アーケードバトルはプレーヤーチームの累計獲得GPに合わせて対戦相手のB-RANKが設定されるため、ほどよくGPやガルドが稼げるサバイバルバトルではだんだん敵が強くなる。途中でステータスエディットなどができないため、ある程度の慣れとB-RANKがないと後半は厳しい戦いが強いられる条件付きバトルが楽しめるスペシャルバトル。気分転換にプレイしてみるのもいいだろう


■ コンボ練習などに最適な「トレーニング」とおまけ要素が楽しめる「コレクション」

 「トレーニング」には、自由にCPUを設定して練習できるフリートレーニング、プレイしながら操作練習ができるチュートリアルがある。フリートレーニングは術技の組み合わせによるコンボのテストなどに最適だ。

CPUの行動設定などもできるのでコンボ探しなどに役立つトレーニングオーバーリミッツを発動し、通常技コンボ→特技→秘技→奥義→秘奥義のコンボを試したところ、ものすごいヒット数とダメージが実戦では使えないものの、オーバーリミッツゲージを回復する設定にしておけば簡単に3桁ヒットのコンボを決めることも

 「コレクション」には、1度見たイベントを閲覧することができるイベントライブラリ、各種記録を確認できるレコードなどのおまけ要素が楽しめる。中でも特定条件を満たすことで遊べる「ウォールブレイカー」はプレイする価値アリだ。

 「ウォールブレイカー」は破壊した壁の向こう側に相手を落としたら勝利となるルールを採用している。スナップゲージという相手を壁に飛ばせるスナップ攻撃に必要なゲージのみが存在する。スナップゲージが少なくなるほど、スナップ攻撃のチャンスが減り、はじき飛ばされやすくなる。スナップゲージは攻撃や防御の成功、壁にぶつけられることなどで回復する。このスナップゲージをいかに管理して戦うかが勝利につながるゲームとなっている。

「テイルズ オブ」とは関係のないキャラが出てくることも。どんなキャラが登場するのかも楽しみのひとつだ少し懐かしい感じのするビジュアルで対戦する。シンプルながら駆け引きが熱い「CHANCE」が出たらクリティカルブレイクが狙える。壁を貫通破壊して一気に勝利だ


■ 最後に

 慣れるまでは攻撃力や防御力が高く、技がすぐに発動する物理攻撃タイプのキャラクターがオススメ。技にはコンボが繋ぎやすくダメージがとれる連打系のスキルと相手を吹き飛ばせるタイプのスキルを入れておくと様々な状況に対応しやすい。

 術をメインとするタイプのキャラクターが持つ強力な術の多くは詠唱時間が長いため、殴られて詠唱を中断されることがしばしば。また、防御力が低くやられやすいので、慣れるまでは難しいだろう。詠唱中に敵が近寄ってきたら、□ボタンで詠唱をキャンセルしつつガードするテクニックは必須だ。

 ロード時間の長さ、装備でのパラメーター変化がステータス画面を開かないとわからないなど、いくつかの不満はあるものの、「テイルズ オブ」シリーズキャラクターの豪華競演、シリーズファンならすぐに遊べる操作方法などファン向けのタイトルとして申し分のない内容といえる。

 また、アクションが苦手な人でも楽しめるような調整がされているので、シリーズファンではない人にもいいだろう。複雑な操作を覚えずにアクションゲームをプレイしたい人やコンプリート要素が好きな人にオススメしたい。


(C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)1994-2009 NBGI

(2009年 8月 7日)

[Reported by 木原卓 ]