最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】
★ Xbox 360ゲームレビュー★
あの「Forza」がオープンワールドに!
憧れのクルマで自由奔放な走りを楽しもう
「Forza Horizon」
ジャンル:
アクションレーシング
発売元:
マイクロソフト
開発元:
Playground Games
プラットフォーム:
Xbox 360
価格:
7,140円
8,259円 [リミテッド コレクターズ エディション]
発売日:
10月25日
プレイ人数:
1〜8人
レーティング:
CERO B(12歳以上対象)

コロラドの広大な景色の中を疾走する!

 愛車を駆り、地平線のかなたへ駆け抜けろ! 本作は、Xbox 360を代表するレースゲーム「Forza Motorsport」シリーズ初のスピンオフ作品にして、オープンワールド空間でのドライビングとレースが楽しめるアクション系カーライフゲームだ。

 本作は、Microsoft傘下のゲームスタジオ、Turn 10 StudiosとPlayground Gamesの共同開発作品。ご存知Turn 10 Studiosは「Forza Motorsport」シリーズを手がけてきたスタジオで、その実力は折り紙つき。本作に「Forza」シリーズ由来のドライビングや各種ゲーム要素をこれでもかと注入している。

 一方、本作が処女作となるPlayground Gamesは2009年に設立されたばかりのゲームスタジオだが、実は様々なゲームスタジオから多数のレースゲーム開発者が集まった専門家集団であり、スタッフらの開発経験は豊富だ。例えば「DiRT」シリーズ、「Need for Speed: SHIFT」シリーズ、「Burnout」シリーズ、「Driver」シリーズ、はたまた「Pure」、「Split Second」などを手がけたスタジオからスタッフが集まっている。本作では、それらの名作のエッセンスも感じることができる。

 レースゲームファンなら要チェックのこの作品は、レースシミュレーションの金字塔である「Forza」シリーズのDNAを受け継ぎつつ、しかし全く別の印象も与えるゲームに仕上がっている。本稿では本作の特徴を整理し、その遊びどころをお伝えしていこう。なお、発売前のレビューとなったため、シングルプレイゲームを元にした評価となることを予めご了承いただきたい。


■ クルマ天国と化したコロラド。愛車と共に自由を謳歌せよ!

マップ画面。ここから各地にウェイポイントを設定すると、ナビを頼りに走行できる
50のメーカーから数百の車両が登場。購入にはCRかトークンを使用する
何はともあれレースに挑戦!名声と貯金を高めていこう

 ここは砂漠と山岳が織りなす大自然に、都市が散在する広大なるコロラド州。今年も話題のモーターフェスティバル「Horizon Festival」が開催される。フェスの中心地では音楽が鳴り響き、全世界から集まった腕利きの走り屋たちが白熱のレースを展開していく。

 プレーヤーはそんなイベントに初参加を果たした無名の新人レーサーだ。愛車の1995年型フォルクスワーゲン・コラードVR6のエンジンをうならせ、フェスの中心地へ。そこには走り屋たちが熱狂する特別な空間があった。

 本作のマップは10×10km程度のオープンワールドとなっており、プレーヤーは自分が所有するクルマから好きなものを選んで、自由にドライビングを楽しんだり、各地で開催されているレースに参加することができる。近い系統のゲームとしては「Test Drive Unlimited(TDU)」シリーズがあるが、本作のマップはより小さく、感覚としては「TDU2」のイビサ島程度の大きさぐらいだろうか。ただ、レースイベントの数は遥かに多く、探索要素も数多く配置されていて濃密だ。

 オープンワールドを走り回りつつ、レースや各種のチャレンジを楽しんで、自身のガレージに新車を集めながらドライバーとしての最高位を目指す、というのがゲームの流れだ。シングルプレイゲームをスタートさせると始まるチュートリアル的な一連の流れでゲームの流れをすぐつかむことができ、ゲームの入り、進行は非常にスムーズだ。

 ガレージを充実させるために先立つモノはお金。ゲーム内の金銭については「Forza」シリーズと共通の「CR(クレジット)」という通貨が採用されている。レースその他のチャレンジで賞金をゲットしたら、フェス中心地の「オートショウ」で新車を購入できる。欲しい新車を買うにはお金が足りなければ、マイクロソフトポイントで購入できるトークンを使ってもいい。ちなみにクルマに関しては、特別なイベントをクリアしたり、特定の地点を探しだすなどでも入手できる。

 ゲームの目的はシンプルだが、それも本作が走りを楽しむことに主眼を置いた作品であるためだ。オープンワールド系のレースゲームはしばしば退屈な移動時間がつきものだが、本作に限ってはその心配はない。シングルプレイゲームだけでもレベル別に膨大なレースイベントが用意されており、尽きることのない走りへの欲求を絶え間なく満たすことができる。


レースの匂いを嗅ぎつけ、いざフェスティバル会場へ。他のレーサーも参戦してしょっぱなからアクセル全開
フェスティバル会場ではゲーム進行を助けてくれる多彩な人物との出会いがある

・カジュアルに寄りつつシムの香りも感じられる車両挙動

車中視点のリアル感は最上級。車体の傾きや振動もつぶさに感じられる

 車両挙動に関しては、Microsoftでは「アクションレースゲーム」と銘打ち、カジュアルさを全面に押し出しているが、実際にプレイしてみると意外とリアル系に近い雰囲気を感じる。車両挙動の基本的な要素は「Forza Motorsport 4」に近く、クルマの3Dモデルやエンジンサウンド等も「Forza」シリーズ由来となっているため、全体的な走りの雰囲気は「Forza」に非常に近い。「Forza」シリーズが守り続けてきた60fpsの画面描画が本作では維持されず30fpsに低下しているのは残念だが、内部のシミュレーションは秒間360回と「Forza Motorsport 4」水準が維持されており、その挙動に大きな違和感は感じられなかった。

 ただし、「Forza」に比べると、他車や路上の障害物への接触の影響はゆるやかになっており、一般道で対向車と正面衝突しても大事なく走行を続ける事が可能だ。車両のダメージ表現も、ほぼビジュアルのみで細かなシミュレートはされない。グリップも高めに設定されているようで、かなりのコーナリングスピードでコースを駆け抜けることができる。それでいて「Forza」由来のシミュレーター的要素も生きていて、荷重移動を意識したコーナリングや適切なスピードコントロールを行なうことで、より速い走りを実現することが可能だ。

 また本作では「Forza」にはないオフロード走行もフィーチャーされているが、こちらの感覚は「DiRT」シリーズのものに近い。路面を滑るように走りつつ、アクセルベタ踏みでは自然にドリフト気味の走行となる。意識してグリップを生かし、滑らずに走るよう心がければより速くコーナーを抜けていく。心地良い走りのバランスが実現されている。

 全体としての車両挙動はカジュアルに寄りつつも、シミュレーター系の挙動も生きており各車両の特性をしっかりと感じられる内容だ。気を抜くとすぐに大外へ滑り始めるアメリカン・マッスルカー、重心が高く不安定なMini、気持ち悪いほどグリップし続けるGT-Rなど、新しい車両に挑戦するたび、その個性を存分に楽しめることだろう。


車両挙動はリアル系の説得力を持ちつつも、コントローラーでも自在に操作できる手触りの良さを併せ持つ。好きなクルマの個性を感じながら走れば楽しさ倍増だ
車両のグラフィックスは「Forza Motorsport 4」由来の高品質。ポリゴンくささを全く感じさせないクオリティで各車両の勇姿を楽しめる


■ 進行度に応じて用意された数々のレースイベント

各地にレースへのエントリーを受け付けるトレーラーハウスがある
フェスティバル・レースに参加して腕試し
ショウケースイベントでは航空機とレースを展開
非合法のストリートレースでは莫大な賞金を獲得できる

 「Forza Horizon」の世界はどこに行ってもモータースポーツ真っ盛りだ。その中心になるのはマップ中央付近にあるフェスティバル会場のレースセントラル。プレーヤーはまずここでレースの参加資格を受け取り、各地のレースに参戦していくことになる。

 本作のいわゆるメインクエスト的な扱いとなっているのが「フェスティバル・レース」だ。これは「Forza」のレースイベントと同様に車格や車両タイプでカテゴライズされたレースで、参加のためにはあらかじめ対応するクルマを所有している必要がある。とはいえ、序盤のレースは手持ちの車両で参加が可能なのでご安心を。

 「フェスティバル・レース」に勝利するとポイントを獲得し、一定値に到達すると次のランクのレースへの参加資格を得られる。はじめはルーキー向けのレースからはじまり、次第にエキスパート向けのレースに続いていく構造だ。

 また各ランクのレースイベントでは、それぞれ個性的なNPCプレーヤーが王者として君臨していて、各レースで彼/彼女を打ち破ることがもうひとつの目標となっている。公式イベントで打ち破ったなら、最後は非公式のストリートレースで1対1の勝負だ。そこで勝利できたなら、彼/彼女の愛車をゲットすることができる。

 「Forza Horizon」を盛り上げるもうひとつのレースイベントは「ショーケース」だ。このイベントはクルマ同士の対決ではなく、飛行機や気球、果てはヘリコプターとの異種バトルを楽しむことができる。勝利すればイベントに使用したクルマと賞金を獲得だ。

 このイベントは車両同士の接触などがないため事実上はタイムアタックに相当するが、とにかく演出が秀逸だ。各チェックポイントを通過するたび、同じコースを回る航空機が超低空飛行でフライバイしていく。そのたび、激しい空気の振動をうけて車両がガタガタと震え、プレーヤーの手元を狂わせようとするのだ。いかに冷静さを保ち、自分の走りを貫けるか。そんなスリルを味わえるゲームになっている。

 こうした公式イベントを戦い抜く中での最終目標は、最高ランクのレースに参加し、絶対王者として君臨するNPCレーサーを打ち破ることだ。いわゆるメインクエスト的なストーリーはそれで完結し、それだけを目指してプレイすれば10数時間のプレイで終えることができる。しかし「Forza Horizon」の世界に用意されているレースはそれだけではない。

 新車の購入やアップグレードのために大金を稼ぎたくなったら、“非公式のストリートレース”に参加しよう。各地でひそかに開催されているストリートレースは、もちろん非合法なもので、一般車両が走る規制されていない公道上で行われる。参加レーサーの動きも接触上等のえげつないものになるため、公式イベントとはまた違った展開を楽しめる。しかも賞金は超高額だ。

 公式イベントで名声を高めるうちにストリートレースの開催地も次第に明らかになっていくため、まずは合法のレースで結果を残し、次にストリートで大金を稼ぐというサイクルを意識してみよう。あっという間に憧れのクルマに手が届くようになるはずだ。

フェスティバル・レースにはサーキット系コースとポイント・トゥ・ポイントのレースが楽しめる。多少の接触は問題なし!
中にはダートコースも。横滑りする車両をうまくコントロールしつつ、オーバーテイクの機会を伺おう


■ 探索要素やコレクションでさらに深く楽しむ

たくさんのドライビングテクニックを繋げれば一挙に高ポイントを獲得
それぞれのテクニックを数多くこなせば、スポンサーからの賞金をゲット
公道で見かけたレーサーに勝負を挑む!

 各種のレースに勝つだけでなく、公道上でドライビングテクニックを披露するのも走り屋の嗜み。本作ではレース外でオープンワールドを走り回るシーンにも、たくさんの遊びが仕込まれている。

 中でも、ゲームの進行度を表すひとつの指標となっているのが「人気度」というフィーチャーだ。全250人のドライバーが参加しているというフェスティバルの中では、各ドライバーの日頃の走りもファンの目に止まっている。その中で自分の人気を上位に上げることができれば、スポンサーから多額のCRを獲得できるというものだ。

 人気を高めるには、リスキーかつ華麗な走りを披露すること。対抗車両とニアミスをしたり、コーナーリングでドリフトを決める。あるいは路肩の標識など破壊可能なオブジェクトを荒々しくなぎ倒していく。多種多様なドライビングに応じてポイントが設定されており、複数のワザをつなげるとコンボが成立、さらにボーナスを獲得できる。途中で激しく接触するとボーナスが没収されるのでご注意を!

 この要素は「スポンサーチャレンジ」として、各ドライビングテクニック毎に到達レベルが設定されており、より高いレベルに到達すると多額のクレジットを獲得できる。また総合的な人気度が高まると新たな「ショーケース」イベントがアンロックされるなど、本編の進行にも関連している。おかげで、退屈になりがちな移動シーンでもスリリングなドライビングを楽しめるようになっているわけだ。

 「Forza Horizon」の世界には250人のドライバーが参加しているというだけあり、公道を走っているとよく他のドライバーを見かけることができる。彼らの後ろにつけばチャレンジを申し込むことができ、その場でポイント・トゥ・ポイントの即席レースが開幕だ。互いの車格の違いは無視、一般車両も走行する中でのバトルとなるためリスクは高いが、移動がてら賞金を稼ぐのにうってつけの手段となっている。

 その他、本作にはいくつかの探索要素もあってプレーヤーを飽きさせない。まず、車両のチューンナップにディスカウントを適用する「ダグのロードサイン」がマップ中に配置されているので、見つけたら突撃して粉砕しよう。1個壊す毎に1%の割引を受けることができる。

 また各地に配置されている「Horizon アウトポスト」を見つけることができれば、その後はマップ画面から一瞬でその位置に移動できる「ファストトラベル」機能が利用できるようになる。ファストトラベルには1回10,000CRの費用が必要だが、アウトポストに用意されている3種のスキルチャレンジをクリアすれば無料にできる。ちょっとオトクな攻略要素というわけだ。

 探索要素の中でもカーコレクターなら外せないのが「掘り出し物」情報だ。カーラジオから時折飛び込んでくる情報により、マップ中でだいたいこのへんという手がかりが得られる。その地域をくまなく探していると、なんだか怪しい車庫や駐車場などを見つけることができるはず。そこに近づいていくと、通常では手に入らないレアカーをゲットするチャンスだ。

 このように本作ではレース外の遊びも充実していて、キッチリやりこもうと思えば膨大な時間を楽しむことができる。これを活かすも殺すもプレーヤーの遊び方次第だが、大抵のプレーヤーなら走りを楽しむうちについついコンプリートを目指してしまいそうだ。

公道上の即席レースは一般車両もからんで独特の面白さ。見事勝利すればその場でリワード獲得だ
ファストトラベルの端点となる各アウトポスト。そのチャレンジに成功すれば移動料金を大幅ディスカウントできる
どこかに隠されている「掘り出し物」。通常では手に入らないレアカーをゲットするチャンスだが、くまなく探さなければ見つけられない


■ 「Forza」スピンアウト作品として遊びの幅を拡げる意欲作

レースに勝ち、賞金を稼ぐ。この繰り返しそのものに面白さが集約されている
あこがれのクルマでオープンロードバトル。「Forza 4」にはない遊びが大充実だ
「Forza 4」と同様のペイント機能を装備。バイナルグループのインポートも可能

 数あるオープンワールド系のレースゲームの中でも、本作はレースそのものの楽しさに注力した作品といえるだろう。なにより膨大なレースイベント、50のメーカー・数百の車両、「Forza」由来のリアル感あるハンドリング。この点は「Forza」シリーズのファンはもとより、多くのプレーヤーが満足できるはずだ。

 その一方で、あてどもなくドライブして風景を楽しむというオープンワールド系レースゲームならではの遊び方については、マップがそれほど広くないことと、殺風景な砂漠やハイウェイが多い地勢もあって、やや物足りなさを感じる。また、「TDU」シリーズのように家を購入するような要素はなく、ラグジュアリー感のある車両を購入してツーリングを楽しむにも、気がつけばついついスキルチャレンジに夢中になってリスキーな走りでクラッシュしまくるという流れになりやすい。

 そのぶん、アクションレースゲームとしての遊びやすさは非常に高い。レース、探索、コレクション、あらゆる部分に走りのスリルが共存し、プレーヤーの冒険心を上手に刺激しながらゲームの隅々までをスムーズに楽しませてくれる。

 その点も踏まえると、やはり、本作の魅力が最大限に開花するのはオンラインプレイだろう。マルチプレイでのバトルを交えたツーリングやレースはもちろん、「Forza」由来のカーペイント機能で個性的な車両を走らせ、他のプレーヤーと共有する楽しみもある。

 ペイント機能やデカール貼り付けについては完全に「Forza」と同様になっており、「Forza Motorsport 4」で作成したバイナルグループをインポートして使用することもできる。さて、オンラインでどんなデザインカーを見ることになるか、楽しみだ。

 また、チューニング設定についても「Forza Motorsport 4」と同様の構成になっている。タイヤ、車体、ウィング、エンジン周りなどの各種パーツを細かく変更することから、オートアップグレード機能で目的の車格に合わせることも可能だ。

 これまた「Forza Mortorsport 4」と同様の内容となっている難易度メニューでは、各種アシストのON/OFFを選択することができる。ハンドリングをシミュレーションにすれば「Forza」シリーズ由来のドライビングを存分に楽しめるし、アシスト最大のEASYモードにすれば純粋なアクションレースゲームとしてダイナミックにプレイできる。

 このように本作は「Forza」シリーズの遺伝子を受け継ぎつつ、オープンワールドの開放的な遊びを持ち込んだことで、スピンアウト作品として非常に発展性のある内容に仕上がっていると言える。レースゲームファンなら「Forza」本編と合わせて是非楽しみたいし、そうでない人にも本作のカジュアルなゲームプレイがレースゲームの面白さに開眼するキッカケを与えてくれるに違いない。

 

 「Forza Horizon」は今後おそらく「Forza」本編と合わせて定期的にリリースされるシリーズになっていくのではないか、そんな手応えを感じる完成度の高い作品だ。ひとりで、あるいはフレンドと、あるいは見知らぬオンラインのライバルたちと、「Forza Horizon」の世界で思い思いの走りを楽しんでほしい。


【スクリーンショット】

(2012年 10月 25日)

[Reported by 佐藤カフジ]