衝撃作「ダンガンロンパ」の続編が登場!
- ジャンル:
- ハイスピード推理アクション
- 発売元:
- プラットフォーム:
- PSP
- 価格:
- 6,279円
- 発売日:
- 2012年7月26日
- プレイ人数:
- 1人
- レーティング:
- CERO:C(15才以上対象)
7月26日、株式会社スパイク・チュンソフトからプレイステーション・ポータブル「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」が発売された。2010年11月に発売され、絶大な支持を集めた「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」待望の続編。衝撃的なストーリー、魅力溢れる登場人物、新システムの追加など、大幅にパワーアップしている。
本稿では極力ネタバレがないよう注意してはいるものの、一部ネタバレに繋がる可能性のあるスクリーンショットを掲載している。公式サイトと同程度ではあるが、その旨ご了承いただきたい。
■ 今度は南の島でコロシアイ!? 想像を絶する恐怖の修学旅行が幕をあける!
スカウトされた各分野において超一流である現役の高校生のみが入学を許可される「希望ヶ峰学園」。超高校級の才能を持つ生徒達16名は、前作の舞台となった希望ヶ峰学園を飛び出し、修学旅行として南の島へ行くことになる。そして、楽しい修学旅行になるよう、引率の先生であるモノミから4つの修学旅行のルールが提示される。
ルールその1 この島では過度の暴力は禁止です。 みんなで平和にほのぼのと暮らしてくださいね。 ルールその2 お互いを思いやって仲良く生活し、 “希望のカケラ”を集めていきましょう。 ルールその3 ポイ捨てや自然破壊はいけませんよ。 この島の豊かな自然と共存共栄しましょう。 ルールその4 引率の先生が生徒達に直接干渉する事はありません。 ただし規則違反があった場合は別です。 |
これから生活することになる島を探索する一同は、スーパーマーケットやホテルといった生活するのに不備のない施設を発見。食料や生活用品などはしっかり揃っており、電気も来ているが、なぜか生徒達以外の人間はいない。不可思議な状況に戸惑いつつも、仲を深め、希望のカケラを集めていく彼らだったが、そんなほのぼのとした修学旅行は、突如現われた学園長モノクマにより一変。誰かを殺さなければ、島から脱出することはできない、恐怖のコロシアイ修学旅行になってしまう。
ルールその5 生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、 全員参加が義務付けられる学級裁判が行なわれます。 ルールその6 学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、 クロだけが処刑されます。 ルールその7 学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、 校則違反とみなして残りの生徒は全員処刑されます。 ルールその8 生き残ったクロは特別措置として罪が免除され、 島からの帰還が許可されます。 ルールその9 3人以上の人間が死体を最初に発見した際に、 それを知らせる“死体発見アナウンス”が流れます。 ルールその10 監視カメラやモニターをはじめ、島に設置された物を 許可なく破壊する事を禁じます。 ルールその11 この島について調べるのは自由です。 特に行動に制限は課せられていません。 注意 なお、修学旅行のルールは、 学園長の都合により順次増えていく場合があります。 |
前作を越えるほど衝撃的なストーリーが展開していくのだが、そのストーリーこそ本作の醍醐味。プレイして、じっくりたっぷり堪能してもらいたい。
次に、一癖も二癖もある魅力的な登場人物を紹介していく。CVを担当するキャストも注目だ。
なかなかコロシアイを始めない生徒達に動機を与える「モノクマ」の真の意図とは? 引率の先生という謎のウサギ型のぬいぐるみ「モノミ」とモノクマの関係は? 島につれて来られる前の記憶を失くし、自分の才能を思い出せずにいる主人公「日向 創」など、多くの謎がひしめき合っている。前作のプレーヤーであれば、容姿は違っているが続けての登場となる「十神 白夜」、同じ能力・CVである「狛枝 凪斗」と前作の主人公「苗木誠」とは何か繋がりがあるのか? など気になるところもあるだろう。これら全ての謎がどう紐解かれるのかは、遊んでのお楽しみだ。
■ より遊びやすくなりつつも、レベル制や電子ペットといった新システムが組み込まれた島内生活/捜査パート!
島内生活→事件発生→捜査パート→学級裁判パートというのが本作の基本的な流れ。ここでは、島内生活/捜査パートを紹介していく。
事件発生前の自由行動時間では、他の生徒と一緒に過ごしたり、プレゼントを渡すことで親密度を上げることができ、生徒の隠れた一面を知ることができる。プレゼントに使うアイテムは、ランダムでアイテムが入手できるモノモノヤシーンや自動販売機で購入する。どちらも利用するには島内に隠されたカクレモノクマを発見したり、学級裁判パートをクリアすることで獲得できるモノクマメダルが必要になる。
事件発生後は捜査パートに。調べたい場所や人物に照準を合わせ、○ボタンを押すことで調べたり、話を聞くことができる。△ボタンの「観察」では調べたり、話を聞けるポイントがすぐにわかるので便利だ。
アナログパッドでの移動や調査ポイントを調べたりすることで経験値が得られ、レベルが上昇する要素が本作から新たに導入されている。レベルは、主に学級裁判パートで用いるスキルに関係しており、高いレベルになるほど、1度に多くのスキルがセットできる。
レベル値と経験値バーは画面右上に表示される。レベル値=セットできる最大スキルポイントになる。経験値は調査したり、島内をアナログパッドで移動することなどで蓄積されるため、プレイしていれば自然にレベルが上がっていく |
もう1つの新規要素が「ペット」。電子ペットを育成するミニゲームで、物語には一切関係のないオマケ要素だ。ペットは、歩くことで成長。一定以上成長させると、卵を産み、そのペットは去ってしまうが、その際モノクマメダルが得られる。また、プレゼントをあげることもできる。
歩数に応じてペットは成長していく。食べ物を与える必要はないが、排泄はするので、時折様子を見て、掃除してやろう。プレゼントを与えることもでき、与えると希望度が上昇。希望度はペットの変化に関係しているようだ |
調査対象がひと目でわかる「観察」がデフォルト機能になったことで、前作のようにアナログパッドを動かして調査対象を探す必要がなくなり、特定のワードに突っ込んで話を聞く要素は撤廃。調査対象となるポイントを調べていけば、学級裁判パートへとスムーズに進むようになっている。また、レベル制の導入により、証言・証拠集めに必須ではないポイントの調査、移動にも価値が付与された。おまけ要素であるペットは、どのような姿に育つのか、育成の楽しみがあるだけでなく、モノクマメダルが得られるメリットがあり、余りがちなプレゼントアイテムの使い道にもなっている。従来の部分はシェイプアップされつつも、新たな要素が加えられるという、続編として隙のない仕上がりと言えるだろう。
■ 新たな推理アクションが追加された学級裁判パート!従来の推理アクションも改良!
ひと通り調査が済むと、学級裁判パートが始まる。前述のルールの通り、ここで正しいクロ(真犯人)を指摘しなければ、クロ以外の全員が処刑されてしまう |
推理アドベンチャー部分だけをとっても独創的で高いクオリティだが、学級裁判パートでの推理アクションも本シリーズを特徴付ける大きな要素の1つ。本作では、新たな推理アクションが追加され、従来の推理アクションにも改良が加えられている。
学級裁判パートでは、状況に応じて「ノンストップ議論」、「反論ショーダウン」、「閃きアナグラム(改)」、「ロジカルダイブ」、「パニックトークアクション」、「クライマックス推理」からなる6種類の推理アクションが発生する。この内、「反論ショーダウン」と「ロジカルダイブ」が本作で新たに追加された推理アクションだ。
ここで学級裁判の基本ルールについて説明しておきたい。プレーヤーには発言力と集中力があり、ミスをすると発言力が下がり、発言力がなくなると正しいクロを指摘することができず、ゲームオーバーとなってしまう。集中力は、Rボタンでの精神集中で消費されるもの。精神集中を使っている間は、スローをかけることができる。これに関しては前作と同様だ。
○ 反論ショーダウン
生徒から反論されると反論ショーダウンが始まる。次々と流れてくる反論セリフを方向キーや○ボタンで“斬り”返してムードを高め、反論の矛盾を引き出して論破する推理アクションだ。
斬り方は方向キーやアナログパッドの入力に依存する。例えば、右下に入力すれば、左上から右下に斬るといった具合だ。白文字の反論セリフを斬っていくと優勢ムードとなり、次の場面へと発展。黄色の文字で表示される反論セリフを相手から引き出せる。その反論セリフに対し、正しい言刃(証拠や証言)を△ボタンで斬り込むことで論破できる。
白文字を斬りまくり、黄色の文字が出たら、反論となる言刃で論破。アクション性は高めだが、文字の出てくるパターンは固定のため、何度もプレイすればミスなく反論セリフを斬り伏せることができるだろう。
斬撃はかならず画面中央を通り、そのラインは、縦、横、斜め×2の4つ。斜めの入力は少し難しいが、慣れれば簡単に入力できるはず。また、○ボタンでは前回と同じラインを斬ってくれる。1撃で斬り返せないセリフなどがある場合に便利だ |
○ ロジカルダイブ
主人公が考えをまとめたい場合にはロジカルダイブが発生。脳内にイメージ化されたチューブ状のコースをボードに乗って疾走し、考えをまとめていく。
スピードアップ/ダウン、ジャンプなどを駆使し、コースを進んでいくと、選択肢によって分岐するコースが現われる。正しい選択肢(コース)を選択すれば、先に進むことができ、誤ったコースを選択すると道が途切れ、コース外に落下してしまう。正しいコースを選択し続け、制限時間内にゴールに辿り着くことができればクリアとなる。
他のアクションとは違ったレースゲームのようなロジカルダイブ。選択肢は3つ程度で、失敗したら別のコースにいけばOKと、アクション性が高めなこともあってか、答えがわかっていなくてもクリアは可能。ただし、物語が進むと、コースの難易度は上がり、選択肢以外でも正しいコース取りをしないと落下してしまうポイントが多数出現する。
一定ポイント毎に選択肢が登場。選択肢が出たらスピードを抑え、設問をよく読み、正しいと思われる選択肢(コース)に進もう。失敗しても最初からやり直しということはなく、自動で保存されるチェックポイントからのリスタートとなる |
従来の推理アクションにも改良が加えられている。こちらについては画像と合わせて簡単に紹介とさせてもらう。
推理アクションが追加され、ゲームの幅が広がっている。推理アクションは本作の重要な要素ではあるが、物語だけを楽しみたい人もいることだろう。そんな人でも、アクションや推理の難易度は各学級裁判パート毎に変更できるので安心してもらいたい。
■ 本編以外にも遊べる要素が満載!オマケとは思えないほど遊べるオマケモード!
筆者的には、本編だけでも充分なボリュームと思える本作だが、オマケモードとして本編とは違った様々なゲームが収録されている。これらはストーリーを進めることで遊べるようになる。
○ 魔法少女ミラクル★モノミ
「魔法少女ミラクル★モノミ」は、モノミを操作し、島に巣くう敵・モノケモノを撃退するアクションゲーム。線を引き、円を描いて魔法陣を作り、魔法陣内にいる敵を倒していく。魔法陣だけでなく、ジャンプで踏みつけてからの叩き割りといった攻撃も可能だ。また、ダメージを受けることで増えていくUSAゲージによって引ける線の長さが変化。ゲージが100%になると、ウサミに変身することができ、変身中は無敵になり、魔法の威力が増加といった要素もある。
シンプルなルールながら、ずっと走ると疲れて動けなくなってしまう、魔法陣では有効なダメージが与えられない敵は踏みつける、コンボをつなぐとスコアが上がったりと、遊んでみるとやれることや考えるべきことは多く、ついつい時間を忘れて遊んでしまうゲーム性を秘めている。
5ステージ、3つの難易度が用意されている。1ステージをクリアするのに必要な時間は数分程度と気軽にプレイできる。全ステージをクリアすると……! | 敵は装備品をドロップすることがあり、装備品を変更することでモノミはパワーアップ。装備は杖、リボン、オムツの3カ所があり、装備することで、魔法攻撃力、叩き割り攻撃力、防御力、ウサミ変身時間が変化する |
○ アイランドモード「だんがんアイランド どきどき修学旅行で大パニック?」
アイランドモードは、モノクマがウサミに敗れた世界で行なわれるシミュレーションゲーム。50日の修学旅行期間中に、他の生徒と協力し、学級目標達成を目指しながら、希望のカケラを集めることが目的。学級目標を達成すると、希望のカケラとは違った形で仲を深めることができるアイテムが獲得できる。こちらに関してはプレイして確認してもらいたい。
モノミから出される学級目標は「5日間で花飾りを2個作り上げる」などがあり、アイテム作成には素材が必要。生徒たちを様々な場所に派遣し、素材を集め、アイテムを作り上げていく。
各生徒ができる行動は、素材採集、掃除、休憩の3つ。得られる素材は採集場所に応じて異なるのだが、素材を採集するとHPが減ってしまい、HPがなくなると一定期間行動不能になってしまう。そのため、適度に休憩を挟みつつ、素材を集めなければならない。また、清潔度が存在し、清潔度が0になるとペナルティを受けてしまうため、掃除も欠かせない行動だ。HP以外にも生徒には採集・掃除レベルのパラメーターがあり、採集や掃除を行なうことでレベルが上昇し、素材収集・掃除能力が向上する。
素材採集や掃除行動以外にも、平日には1回、休日には2回、本編の自由行動時間のように他の生徒と仲を深めることができ、本編よりもスムーズに希望のカケラを集めることができる。
これらを繰り返し、50日が経過すると修学旅行は終了となるが、次のプレイには採集・掃除レベルが引き継がれる。プレイを繰り返せば、学級目標達成が容易になる訳だ。
単体のゲームとしての面白さもさることながら、本編を1回プレイするだけでは集めきることのできない希望のカケラが集められるのが嬉しい。本編は難易度を変えても、同じ物語のため、何度もプレイするのはちょっと……という人でも新鮮な気持ちで希望のカケラが収集できる。採集・掃除レベルの引継ぎ、希望のカケラとは別のキャラクターと仲を深められる要素などもあり、飽きずに何度もプレイできてしまう。
こちらも本編とは全く違ったゲーム性のアイランドモード。ゲーム自体が面白いことに加え、本編よりも効率良く、希望のカケラが収集できる | |
プレイを重ねることで採集・掃除レベルが上昇し、1度の採集で多くの素材が入手でき、HPが回復できる消費アイテムなどを作成する余裕が出てくるため、学級目標が容易に達成できるようになる |
○ ノベル「ダンガンロンパIF 希望の脱出装置と絶望の残念無双」
「ダンガンロンパIF 希望の脱出装置と絶望の残念無双」は、前作のIFストーリーが描かれたノベル。このノベルを手がけたのは、アニメ化もされた「バッカーノ!」、「デュラララ!!」といったオリジナル作品に加え、「BLEACH」の番外編など、幅広い執筆活動を行なっている小説家の成田良悟氏。成田良悟のTwitterのフォロワーならご存知の通り、同氏はダンガンロンパの大ファン。本作についても徹夜でクリアしたこと、ノベルは依頼された量の3倍書いてしまったことなどが呟かれている。
成田氏が手がけているだけあって、その面白さは言うまでもない。読み応えたっぷりの前作ファン必読のノベルになっている。
前作「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」のIFストーリー「ダンガンロンパIF 希望の脱出装置と絶望の残念無双」。巨大な密室となった学園の中での、とある少女の物語が描かれている。便利なしおり機能や登場人物たちのプロフィール閲覧機能も備わっている |
■ 最後に
前作を上回る衝撃的なストーリー、新要素の追加、従来の要素は改良・シェイプアップ。さらに本編とはまた違ったゲーム性で遊び込めるオマケ要素と、どれをとっても一級品。ボリュームに関しても言うことなし。間違いなく買いである。ただし、前作を遊んでいないなら、まずは前作をプレイすることをオススメする。単体でも充分に楽しめよう作られているが、前作を遊んでいればより楽しめるし、成田氏による前作のIFストーリーが描かれたノベルも収録されているからだ。前作「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」は、安価なPSP the Best版がリリースされており、UMD版は2,940円、ダウンロード版は2,800円。ダウンロード版ならPS Vitaで遊ぶこともできる。また、iOS版もリリースされた。
(2012年 8月 22日)