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【スマホアプリ今日の1本】「キンニクエスト 筋肉と筋肉と筋肉と呪われし筋肉」
大胸筋が主人公。筋肉だらけのあまりにシュールなバカゲー見参!!
(2016/4/27 12:54)
「キンニクエスト 筋肉と筋肉と筋肉と呪われし筋肉」の3大ポイント
・大胸筋が主人公!
・マッチョなリス「リッさん」が変
・ゲーム部分が単調で作業感があるのが残念
今回ご紹介するのは、ジー・モードの新作「キンニクエスト 筋肉と筋肉と筋肉と呪われし筋肉」。タイトルだけで一目瞭然なほどのバカゲーである。あまりにもインパクトのあるタイトルに、見た瞬間に惹かれてしまった筆者が、本作をプレイした感想を私見を交えてつづってみようと思う。
まずは、本作のストーリーを簡単に説明しよう。本作の主人公は、なんと大胸筋。人ですらない筋肉である。この時点ですでにおかしいが、敵は作られた筋肉で世界の支配をもくろむドーピング卿であり、筋肉を無理やり増強する禁断の秘薬・ステロイDを投与された悪い筋肉たちが大胸筋の行く手を阻まんと立ちふさがる! というストーリーだ。これほどの荒唐無稽さは、伝説的な(もちろん、バカゲー的な意味で)ファミコンソフト「暴れん坊天狗」にも通ずるものがある。
本作には、国民的RPGである「ドラゴンクエスト」シリーズのオマージュもふんだんに使用されている。まず、タイトルからして“クエスト”という文言が入っているし、ロゴも「ドラゴンクエスト」シリーズとウリふたつ。サブタイトルは、「ドラゴンクエストVIII」の“空と海と大地と呪われし姫君”のパロディであることは言うまでもない。
さらにオープニング。真っ暗な画面で、誰かが主人公を呼ぶ声がする。「起きなさい。起きなさい、私の大事な筋肉や……」。「ドラゴンクエストIII」のオープニングシーンだ。壮大な冒険の始まりを予感させる名シーンのメッセージを、わずかに手を加えるだけで見事に迷シーンに変えている。
このセリフは、大胸筋とともに旅をしてくれる(戦ってはくれない)ゲームのナビゲーターともいうべきマッチョなリス「リッさん」のものなのだが、彼との掛け合いでも変な会話が展開される。「ツイッター」、「グーグルマップ」、「ブラック企業」といった妙に現実的な話題も多く、よだれを撒き散らしながらハイテンションで突っ走るリッさんについついクスリとせずにはいられない。ちなみに、それらの単語がどんな場面で使われるのかは、実際にプレイして確かめてみてほしい。
本作はこれらの設定と演出こそ魅力だが、ゲームとしてはおおまかにわけて2つのパートで構成されている。1つは、時間経過で登場するモンスターを倒してMP(マッチョポイント)をためるトレーニングモード。これは逐次現われるモンスターをタップするだけで倒せるため、難しい要素は何1つない。
モンスターは最大で10体まで同時に出現し、倒しても一定時間が経過すると再び現われる。また、動画広告を見れば、時間の経過を待たずに、モンスターを再出現させることが可能。MPが規定の値までたまると、筋肉がより美しくなり、バトルパートへ移行する。
バトルパートになればボスクラスの敵(新手の筋肉など)と戦えるのだが、選択できるコマンドが「たたかう」しかないのだ(笑)。「たたかう」を選ぶと敵筋肉にダメージを与えるが、同時に自分もダメージを受ける。残りHPが1になると攻撃できなくなってしまうが、HPは時間とともに回復していくうえ、敵はいっさい攻撃してこない。つまり、ゲームオーバーになる可能性は実質ゼロで、放置系ゲームの巧妙なアレンジ版になっているというわけだ。
物語はトレーニングとバトルパートをくり返すことで進行していくのだが、最初のうちはともかく、何度もプレイしていると単調に感じてしまうのが欠点。また、ストーリー自体が非常に短いため、クリア時に達成感よりも物足りない気持ちのほうが強かった。個人的には、このバカなストーリー(褒め言葉)で壮大な冒険を続けたかったのだが。
……と、やや不満が残る部分があったものの、バカゲーとしてのやり応えは十分。まっとうなストーリーには飽きたというプレーヤーは、ぜひ1度お試しいただきたい。話のネタになること請け合いである。