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「フェロー牧場」追加間近! 「ICARUS ONLINE」1周年記念インタビュー

共同運営や不正対策、そして今後のアップデート予定について聞く

4月28日 1周年アップデート予定

 WeMade OnlineとNHN ハンゲームの共同運営という形でスタートし、4月28日にサービス1周年を迎えるWindows用MMORPG「ICARUS ONLINE」。3月31日には新サーバー「ネルヘス」がオープンし、さらにゲームオンのゲームプラットフォーム「Pmang」にてチャネリングサービスもスタートした。

 今回、1周年の節目を迎えるにあたり、WeMade Online「ICARUS ONLINE」広報プロデューサーの横山遼氏に話を聞くことができた。「ICARUS ONLINE」の現状から今年予定しているアップデート情報まで伺ってきたので、お楽しみいただきたい。

上位と下位の格差を埋める施策とその狙い

WeMade Online「ICARUS ONLINE」広報プロデューサーの横山遼氏

――早速ですが、1年を振り返っていかがですか?

横山氏: 「ICARUS ONLINE」は毎月1回の小型アップデートと3カ月に1回の大型アップデートを繰り返してきていて、ユーザーの動向としては素直な推移だっと思います。

 ただ年末辺りから上位陣と下位陣の格差が広がってきていて、新クラスの「レンジャー」では新規ユーザーも多く入ったのですが、その格差の広がりが大きくなっていった状況がありました。

 そこで年明けから対策をはじめていて、その1つが3月17日のアップデート「次元の亀裂」で実装された全サ―バーのキャラクターとパーティを組めるシステムです。別サーバーのプレーヤーと組めるようになることで、様々なプレーヤーとのマッチング機会を増やす、という狙いがありました。

――サーバーを超えた交流ができるということですね。

横山氏: サーバーごとにも文化の違いみたいなものがあって、例えばエローラサーバーはギルド同士の繋がりが強い、いわば王道の遊ばれ方をしているのですが、パルナサーバーは全体で毎日22時に集合して、目当てのネームドモンスターをみんなで狩る、といった興味深いほどのまとまりがあります。

 そういう点でパルナサーバーは上位と下位の格差というものはそれほど深刻ではないのですが、ダンジョンに挑む際に組むパーティはギルドメンバー同士であることが「ICARUS ONLINE」では非常に多く、いわゆる野良パーティーを組むことがあまり見られなかったのです。

 それまでにも様々な施策は打ったのですが、改善が見られなかったので「次元の亀裂」が入りました。特に上位陣は2~3人でダンジョンをプレイしてしまうことが多かったので、追加のイベントとして「6人パーティーを組んで挑むとさらなる報酬がある」というものを実施しました。

 上位陣は下位陣を連れて行くことで報酬が増えるし、下位陣は上位陣に連れて行ってもらえる機会が増えるというように、双方にメリットがあるようにしました。これは実際効果があって、ダンジョンのクリア回数は2倍ほどに増えたほか、装備品の入手量も3、4倍ほどになりました。ライト層、ミドル層が、上位陣に追いついてきた感触があります。

サーバーを超えてパーティーが組める「次元の亀裂」

――施策が成功したのですね。

横山氏: こうした施策を行なった理由として、1周年以降のアップデート予定を考えたときに、やはりそれらのコンテンツは上位向けのものが多くなります。その際に、ライトユーザーの皆様が置いてけぼりになってしまう可能性があるので、そこにテコ入れをしたかったのです。

――その「次元の亀裂」と同時期には、BOTなどの不正対策として「利用規約違反者一斉摘発」も実施されましたね。

横山氏: サービス開始以降はずっとRMTやBOTの問題があって、調査を続けていたのですが、後手後手に回った結果、はっきりとした対策をしていないように見える状況が続いてしまっていました。

 2016年からはGMキャラクターが姿を見せて、ユーザーの目の前で不正者を対処するようにしていて、そのおかげか一時はユーザーからの不正者報告がかなり増えたこともありました。

 その中で不正アカウントは海外からのアクセスが多いこともわかってきましたので、全1,488アカウントの利用規約違反者を軒並み処分した、ということです。

 ユーザーさんにも「運営がしっかり対処している」という姿を見せられたと思います。不正対策は運営チームとして継続してやっていきます。

――運営体制としては、NHN ハンゲームとの共同運営というMMORPGでは珍しいものです。この点はいかがでしょうか?

横山氏: 両社の役割分担として、広報関係がNHN ハンゲームさん、運営全般がWeMade Onlineとサービス開始前から決まってはいましたが、はじめはどこまで相談して、どこまで一緒にやったらいいかという戸惑いはありました。

 他社さんとの付き合いという意味ではゲームタイトルのチャネリング関係で連絡をやり取りすることはありますが、どこまで踏み込んで良いのかと。

 その時は「会社間」という距離感でしたが、運営を続けていくうちに「チーム」になっていった感覚があります。要は慣れたということなのですが、慣れると良いですよ。弊社は大阪にありますが、こうしてNHNさんのオフィスをお借りしてインタビューもできますし(笑)。

 3月末には「Pmang」へのチャネリングが開始されましたが、チャネリングの場合の情報共有の加減ってどんなだっけと混乱するくらいに、すっかり共同運営の形に慣れました(笑)。

 それとお互いの強みを活かせるので、業界全体にとってもメリットの方が大きいかなと。あえてデメリットを挙げるのであれば、決済周りのシステムなど、ゲームに関わらない技術的な部分でのすり合わせは難航していたようです。

 ユーザーさんにとっても、最初から入り口が2つあるので、スムーズに入れますしね。

――「Pmang」へのチャネリングに伴って、新しく「ネルヘス」サーバーが1つ増えています。これは最初から意図してのことなのでしょうか?

横山氏: 「次元の亀裂」が入って、サーバー間のマッチングができるようになりましたが、そのさらに先には、サーバー間で戦争を行なうコンテンツを予定しています。このサーバー間戦争を考えたとき、3サーバーあったほうが面白くなろうだろうと。

 そこへチャネリングの話がちょうど良いタイミングで重なりました。新サーバーが開いて、Pmangからのチャネリングも開始されて、特にPmangから入ってきたユーザーさんには新鮮な気持ちで楽しんでもらえると思います。

――ちなみに、日本ユーザーらしい傾向のようなものはあるのでしょうか。

横山氏: 開発側(WEMADEIO)からは、日本のユーザはコンテンツの消耗が早いという話がありました。装備の強さが想定しているクリア水準に達していなくても、コンテンツをクリアしていくと。細かいことを知っていますし、細かいバグも良く見つけます。日本プレーヤーの方が、韓国のユーザーよりも研究者肌の傾向があるようです。すごいと思います。

直近の目玉は「フェロー牧場」と「サーバー間戦争」

「フェロー」によりフォーカスした「フェロー牧場」。日本発案による初のコンテンツであり、横山氏としても期待しているという

――では今後の話を伺っていきたいと思います。直近で予定しているアップデートについて教えてください。

横山氏: まず4月の大きな目玉は「フェロー牧場」です。以前のオフラインイベントで3月にアップデートと言っていたのですが、少しだけずれ込んでいます。こちらは初の日本発進による企画なので、ほかのフェロー関係のコンテンツとの兼ね合いの調整に時間がかかってしまいました。4月のアップデートには導入できる見込みです。

 フェロー牧場は、ハウジングシステムのフェロー版のようなもので、プレーヤーにそれぞれ島が与えられて、手持ちのフェローを預けられます。牧場には10体以上のフェローを預けられて、そこで「いろいろ」できます。4月時点ではできることがそれほど多くはならないと思いますが、実装以降も随時拡張していく予定です。また4月は、ほかにもフェローに関するシステムが入る予定です。

 5月以降については具体的なことは言えないのですが、これまでと同様のペースで、毎月アップデートを重ねていきます。ここでのポイントは、5月と6月は装備の更新がないことです。現状ある装備品について、思う存分強くしていただきたいと思います。

 現在お話できるのは、5月はPvP周りのコンテンツが充実するということです。PvP地域として活用されていない「エクサラン無法地帯」を使って、魔石争奪戦を実施する予定です。

【フェロー牧場】
【エクサラン魔石争奪戦】

エローラの聖域

――6月以降はいかがでしょうか?

横山氏: 詳細な内容は調整中ですが、6月はレベルキャップの開放と新エリア実装という大型アップデート「エローラの聖域」を予定しています。7月になると、サーバー間戦争のコンテンツの実装を中心として予定しています。

 新サーバーやチャネリングも開始されて、今後ゲーム内の動向も変わってくると思うので、様々なところを見ながらアップデートの調整を入れていきます。

――それでは少し視点を変えて、運営2年目の目標や方針をお聞かせください。

横山氏: 1年目は、アップデートや不正者対応に手を取られていた部分が多かったのですが、上位陣だけでなく、ライト層、新規層にも「ICARUS ONLINE」の世界を楽しんでもらえるような装備の水準、コンテンツの量といったものを目指していきたいです。

 無闇矢鱈にアップデートするのではなく、ゲーム内の煮詰まり方などを良く見て、ユーザーがベストと思うタイミングでコンテンツを入れて、良い調整をしていきたいというのがテーマです。

――5月4日には2回目のオフラインイベント「飛翔祭 2016年大阪春の陣」開催も決定しました。

横山氏: 1回目は東京で開催したので、今回は大阪での開催になります。

 1回目で好評だったリアルガチャやバイクレース、また「ユーザーがその場で決めていく新コンテンツ」企画ももう1度やります。

――その「ユーザーがその場で決める」企画は前回も行なっていますが、そこあでは新フェローの追加を想定していたのに、まさかのキワモノ衣装、通称「ラビニマン」が入りましたね。

横山氏: あの時は内心ハラハラしていました(笑)。ただ評判はなかなか良くて、この衣装を着たイベント専門のGMもいるんです。節目節目で使っていける衣装なので、その点ではありがたいですね。

【第1回「飛翔祭 ~Fly High ICARUS~」にて】
会場で決定した「ラビニマン」衣装。WeMadeよ、これが日本ユーザーの発想だ
こちらが実装された「ラビニマン」。想像以上にかわいい仕上がり

――開発もノリノリで、実装まで早かったですよね(笑)。

横山氏: 韓国でも導入されたみたいで、スクリーンショットの投稿も上がってくるなど人気のようです(笑)。

――それでは最後に、読者へメッセージをお願いします。

横山氏: 「ICARUS ONLINE」は1周年を迎えますが、新サーバーオープン、ゴールデンウィーク、その後もアップデートが続々と待っているので、引き続きよろしくお願いします。また新規の方は、新サーバーがオープンしたてで始めやすい時期ですし、レベルアップの速度やバランスが調整されて、遊びやすくなっていると思います。ぜひプレイしてみてください。

――ありがとうございました。

(安田俊亮)