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触ったぞ! 「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」発売直前デモ
完成度極まる! 自由度のある“リニアワイド”な探索を体験
(2016/4/4 23:00)
5月10日に発売が迫るプレイステーション 4用アクション「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」(UC4)。「アンチャーテッド」シリーズの第4作目であり、主人公ネイサン・ドレイクの“最後の物語”とも言われる集大成的作品である。
今回、4月1日に社名が変わったばかりのソニー・インタラクティブエンタテインメントから招待を受け、発売前に本編の一部をプレイする機会を得たのだが、これがすごかった!
風景の美しさは元より、水や土、泥の表現、それらの環境に対するインタラクションの細かさ、さらにカットシーンではネイサンら登場人物たちの表情の微妙な変化など、映像における様々な点で完成度が高い。
2015年のプレイデモ時点でも相当にすごかったのだが、それから期間を経て、「さらに洗練されたのでは!」と思うほど圧倒的な仕上がりだった。ただでさえ最強だった横綱が、山籠りを経た結果、触っただけで付き人が吹き飛ぶ修羅の人になってしまった……そんな凄みさえ感じられる。
それではさっそく、その具体的な内容を最新スクリーンショットとともにお伝えしていきたい!
画面の精緻さに驚く! 細かく作りこまれたステージを体験
今回プレイできたのは、ゲームの序盤から中盤に差し掛かるあたりだというまったく新しいステージ。舞台はマダガスカルの平原で、ネイトとサリー、そしてネイトの兄であるサムの3人で、海賊ヘンリー・エイブリーの財宝を探すため火山へと向かっているというシーン。
火山へは四輪駆動のオフロードカーに乗って進むのだが、平原といっても地形は平坦ではないし、赤土の地面が水を含んでぬかるんでいるところもある。小規模な丘を登ったり降りたりしながら、ギッタンバッコンと段々と前へ進んでいくイメージだ。
まず目を見張るのが、このマダガスカルの風景である。晴れ渡る青空のもと、遠景に見える火山をはじめ、そびえたつ岩、水たまり、赤い土、そこに生える草、すべてが精緻に描かれていて、車を進めるだけでもその表現に驚かされる。
そして地面のぬかるみは、プレイにも影響を与える。道中にはぬかるんだ坂を登って進む場面があるのだが、ぬかるんだ場所にタイヤがかかると空転してしまい、登ることができない。ただし地面には乾いている石ころや岩が落ちているので、これらを上手く噛ませることで坂を進むことができる、というものだ。
現実にもありそうな、何気ないインタラクションだが、石はタイヤが当たるとボロボロと転がっていくし、本当に石の部分を踏まないと車が登らないようになっている。適当なプレイだと車がズリズリ落ちるので、なんとか頑張ろうと自然と手に力が入るというわけだ。プレイ中に何度も思うことになるのだが、「UC4」は細かいところが本当に良くできている。
また移動中は、ネイトら3人が良く喋る。「グランド・セフト・オート」シリーズでは車の移動中に長い会話を聞くことが良くあるが、まさにあんな感じで、本作はそれ以上にキャッキャと冒険を楽しむ3人のお喋りが聞ける。
会話の内容はその時の心情から冗談の言い合い、世間話まで様々で、会話を聞くことでそれぞれのキャラクターをより理解できる。ストーリーに関わる重要な話もすることがあるのだが、もちろん話の途中で車を降りても良い。
すると会話が止まるのだが、その場合は「その話、ちょっと待って」とネイトが声をかけ、車に戻ると「さっきの続きは?」と会話のきっかけを作る。ちなみにネイトは運転席に戻るとき、乗ろうとした場所から最短距離で乗り込む。後方でも前方でもサリーが座っている助手席側でも、ネイサンらしい身軽な動きでササッと上り、ボンと運転席に座る。これも何気ない、細かいことだが、細かいことだからこそ、「プレーヤーのあらゆる動きを自然にゲームに落としこむ」という開発元ノーティードッグのこだわりと気遣いが見て取れる。
ちなみに会話のバリエーションだが、寄り道なしでストーリーを進めるだけではその大部分が楽しめないことになるのだそうだ。後述するように広く作られたステージ内の様々な場所を探索するだけでなく、道中にある積石を壊してみたり、泥の坂を滑ってみたり、プレーヤー起こす様々な行動が会話のきっかけになるので、いろいろと試すと良いだろう。
「仲間」がより頼もしく! 敵兵とのファイトを体験
「UC4」は前シリーズ同様、定められたストーリーに従って進めていくタイプのアクションゲームであり、そのためシーケンスごとの「ゴール」も決まっている。ただし本作では“ワイドリニアな探索”が標榜されており、「ゴール」に至るまでの行程には多くの幅が持たされている。
このステージでは、たとえば平原の中のところどころに遺跡の一部のようなものが存在している。車を走らせると見つけることになるのだが、ここで一旦車を降りて何があるか探ってみてもいいし、無視して先を急いでもいい。詳しく調べてみると、スカを引くこともあるかもしれないが、大抵は収集アイテムなどが落ちている。また残された資料や遺物から、ストーリーのバックグラウンドを知ることもあるので、何か見つけたら積極的に調査しておくべきだ。
今回プレイの大きなウェイトを占めていたのは、こうしたステージの探索要素と、もう1つが途中で出くわす敵兵との戦闘シーンである。
敵との戦闘もやはり、ゴールは決まっているもののそれに至るまでの行程は数多くのバリエーションが用意されている。敵は砦に陣取っていて、地上には敵が何人もいるほか、砦の上部では赤いレーザーポインターを照射するスナイパーが目を光らせている。
プレーヤーは車に乗り込んだまま突っ込んでも良いし、敵に静かに近づいて、死角から1人ずつ倒していっても良い。派手な戦闘が好きというのであれば、乱戦中にグラップリングフックを利用して地形から地形へスイングし、空中からの渾身のパンチで激しい一撃を食らわせることも可能だ。
またこのシーンではサリーとサムも戦闘に参加してくれるのだが、敵を発見してマーキングしてくれるし、銃撃戦に参加してちゃんと倒してくれる。ただのお飾りではなくちゃんと“強い”仲間なので、非常に頼りになる。さらに敵に近づいて近接攻撃を繰り出す際、仲間が近くにいたら、2人タッグによる特別な攻撃も発動する。
今回見られたのは1人の敵をネイトとサムが持ち上げて、そのまま地面に叩きつける! というもの。ガツンと決まれば痛快で、「The Last of Us」でも同じようなフィニッシュ演出はあったが、「UC4」では総じてエンタメ色が強いので暗い気持ちにならないのが良い。
この連係プレイは他にもいろいろなパターンが仕込まれていて、それが出やすく設計されたステージもあるという。車中のお喋りもそうだが、仲間たちとの関係性がこれまで以上に演出されるのも、「UC4」の特徴と言えるだろう。
以上が体験した内容だが、プレイを通して感じたのは、これまで「アンチャーテッド」シリーズが積み重ねてきたものを、ノーティードッグ独自の細やかさで拡大、拡張させたのが「UC4」であり、PS3でのメモリの制限から開放され、ついでに「The Last of Us」での経験値も上乗せしつつ、やりたいことをこれだけやってみました、という入魂の1作なのだろうということ。
間違いなく今年発売されるPS4タイトルの目玉中の目玉だが、とにかくその画面に惚れ惚れしてしまうので、ぜひ注目していただきたい。なお発売まで1カ月少々だが、そのストーリーや他の要素については、ほとんどが謎に包まれている。その全貌が明らかにされる発売日が、今から楽しみである!