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独Crytek、最新ゲームエンジン「CRYENGINE V」を基本無料化

“Pay What You Want”モデルを採用。VRやDirectX 12にも対応

3月14日~18日開催



会場:San Francisco Moscone Convention Center

 独Crytekは米国時間の3月15日、CRYENGINEの最新バージョン「CRYENGINE V」を正式発表し、本日より公開を開始した。ビジネスモデルは払いたいだけ払う“Pay What You Want”モデルを採用し、無料から使い始めることができる。

【CRYENGINE Showcase GDC 2016】

 「CRYENGINE V」は、ドイツのゲームエンジンの雄Crytekの最新ゲームエンジン。2月にはAmazonと協業し、CRYENGINEベースの3Dゲームエンジン「Amazon Lumberyard」を発表するなど、あの手この手でUnity、Unrealの牙城を突き崩すことを目指している。

 「CRYENGINE V」の最大の特徴はそのビジネスモデルにあり、デベロッパーが定めた値段を支払うだけで、ロイヤルティフリーでゲームエンジンのすべての機能を利用することができる。完全に0円で利用することも可能で、デベロッパーを目指す学生や、インディデベロッパー、小規模のデベロッパーにはありがたい施策だ。また、金額の7割をインディゲーム開発者向けファンド「Indie Development Fund」へ寄附することも可能。

 つまり、ゲームエンジンのライセンス料で稼ぐつもりはなく、それではどこで稼ぐかというと、専用のアセットストア「CRYENGINE Marketplace」となる。この専用のライブラリからゲームの元となる各種素材やサウンド、3Dオブジェクトなどを販売し、それで収益を上げるモデルとなっている。

 「CRYENGINE V」では、新たにDirectX 12のサポートをはじめ、新しいパーティクルシステム、C#などに対応するほか、ランチャーやUIも一新される。

 VRについては、Basemarkと共同で、VRのパフォーマンスをテストできるツール「VRScore」を公開した。HTC Vive、Oculus、OSVRに対応し、CRYENGINEを使ったVRコンテンツの開発をより容易にするとしている。

(中村聖司)