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【スマホアプリ今日の1本】「誰ガ為のアルケミスト」ストーリーに魅力あり
難易度は高め? 3DフィールドでプレイするタクティクスRPG
(2016/3/3 12:24)
「誰ガ為のアルケミスト」の3大ポイント
・魅力的なキャラクターと引き込まれるストーリーはすばらしいの一言
・3Dフィールドで行なわれるタクティカルバトルは難易度高め
・バトルシステムを含め、設計的に不親切なところも……
美麗なグラフィックスに壮大なストーリー、豪華声優陣によるフルボイスのオープニング(オープニング以外のイベントはフルボイスではない)など、非常に凝った作りのタクティクスRPG「誰ガ為のアルケミスト」。配信された直後にはいくつかの不具合が発生したものの、それから3週間あまり、現在ではとくに問題もなく稼働している。今回は、不具合が改善された今の「誰ガ為のアルケミスト」をプレイしたうえで、その所見を述べたいと思う。
まず本作をプレイして驚いたのが、オープニングの秀逸さ。キャラクターデザインやグラフィックスは言うに及ばずだが、何よりストーリーがすばらしい。一見して親友同士とわかる2人の少年の対立。そして、2人の争いを止めようとする少女。しかし、争いはますますヒートアップし、身を挺して止めようとした少女は……。オープニングとはいえネタバレになってしまうので、これ以上は書かないが、とにかくプレーヤーを物語へと引き込む力はバツグンだ。
また、チュートリアルのバトル終了後にはオープニングムービーが挿入されるのだが、これも目を見張るデキである。主題歌には声優で歌手の日笠陽子さんを起用し、さらに、アニメーションは「マクロス」シリーズや「アクエリオン」シリーズを手掛けた河森正治監督。このオープニングムービーだけでも本作をダウンロードする価値がある……とまで言っては言い過ぎだろうか。
肝心のゲーム部分だが、本作のバトルは、高低差のある3Dマップで複数の味方ユニットを移動させ、敵ユニットの全滅を目指すという、タクティクスRPGではオーソドックスな作りである。ユニットは、近距離戦で力を発揮するタイプ、弓や魔法を使って遠距離攻撃を行なえるタイプ、味方のHPを回復できるタイプなどさまざま。クエストの前にはキャラクターを自由に入れ替えてパーティを編成でき、戦略性の高いバトルが楽しめる。
本作のバトルをプレイして最初に感じたのは、プレーヤーにしっかり遊ばせる難易度になっている点。たとえば、一般的なスマホアプリであれば、ゲーム序盤は敵をひたすら攻撃しているだけでサクサク進んでいけるものがほとんどである。が、本作ではそうはいかない。チュートリアルバトル直後の戦闘でも、何も考えずに敵を攻撃しているだけではユニットが倒されてしまうことも多い。
CPUのアルゴリズムもひとくせあって、プレーヤー側のユニットに向かっていたずらに突き進んでくるわけではない。自分は攻撃しやすく、かつ敵の攻撃を受けにくい位置へ移動してから攻撃を仕掛けてくる。また、プレーヤーユニットがあまりにも遠い位置にいるときは無理に動こうとせずにその場で待機し、プレーヤーユニットの接近を待つこともあった。自分からは動かずに様子を見て相手が動いたところを討ち取るという戦法が通用しにくい、硬派なバランスになっているのだ。
では、こういった動きをするCPUにはどう対抗すればいいのか? 筆者が使った戦法はこうだ。まず1人目の味方ユニットが敵に1マス近づいて様子を見る。敵に動きがなければ、2人目の味方ユニットが敵に1マス近づく。それでも敵が動かなければ、今度は3人目の味方ユニットが……というふうに、全軍で少しずつ敵に近づいていき、動いた敵から各個撃破していったのだ。むろん、これは極端な例であり、実際は各ユニットの移動範囲や攻撃範囲といった特性を理解したうえで、短兵急に敵へ接近しようとしなければ、ここまでせずともクリアはできる。
なかなか歯ごたえのあるバトルに仕上がっているのだが、魔法による攻撃が味方まで巻き込んだり、アイテムを装備すると2度とはずせなかったりなど、“かゆいところに手が届かない”部分もちらほら見受けられた。とはいっても、タクティクスRPGに慣れている人なら問題なくプレイできるし、ユニットをレベルアップさせることでバトルが格段にラクになるため、初心者も十分に楽しめる。キャラクターやストーリーが非常に魅力的なので、普段はタクティクスRPGをプレイしない層も、この機会に新たなジャンルに触れてみても良いと思う。