ニュース
【スマホアプリ今日の1本】「勇者ヤマダくん」 変で面白い妄想ダンジョン攻略
「変な世界」が良く映える! ドット絵、BGM、見どころたっぷりのRPG
(2016/1/26 00:00)
「勇者ヤマダくん」の3大ポイント
・36歳のおっさんゲーム開発者が、パンツ一丁で恋をする!
・ドット絵、BGM、モバイルゲームでは異例の世界観が楽しい
・繰り返しプレイは必要だが、飽きないダンジョンシステムが優秀
Onion GamesによるAndroid/iOS「勇者ヤマダくん」がついに配信された。弊誌では配信前の試遊会や公式飲み会の模様をお伝えしてきたが、今回配信を記念して、改めて本作をご紹介したい。
「勇者ヤマダくん」は、36歳のおっさんゲーム開発者「ヤマダくん」が自宅に引きこもり、パンツ一丁で妄想の世界のRPGを作り上げていく……というRPG。プレーヤーはヤマダくんが開発するゲームinゲームを“デバッグ”し、ゲームの完成とヤマダくんの恋の成就を目指していく。
ゲームのメインとなるのは、5×5マスのステージを一筆書きによってクリアしていくというダンジョン攻略。一筆書きを完成させるとヤマダくんがそのルートに従い、途中にいる敵と戦闘したり、アイテムを拾ったりしてゴールへと進んでいく。
ダンジョンは複数階で構成されていて、最後にはボスが待ち構えている。途中で敵に倒されず、最後のゴールに入ることができればダンジョンクリア。それまでに得たアイテムとゴールドを獲得できる、という流れだ。
本作の概要は上記のとおりなのだが、最大の特徴はドット絵で描かれるそのゲームの世界観だろう。まず本作、オープニングからして歌手のカオリーニョ藤原氏が歌唱するボサノバ調の楽曲「逆行人生」が流れる。
曲は「ふぁん、ふぁふぁふぁーん」と力の抜ける歌い出しに始まり、「俺の体はポンコツで~♪」という歌詞が続く。ゲームのオープニング(特にモバイルゲーム)としてはあまりに異様なので最初から思わず吹き出してしまうのだが、画面の方では酔っぱらった様子のヤマダくんがマンションの廊下でふらついていて、日本サラリーマンの悲哀さがいきなり表現されている。
その後に続く展開もやはり一筋縄ではいかず、ヤマダくんが大手ゲーム企業「帝国ゲームス」会長の綾小路ヒデ丸に即効でクビを宣告されたり、同じマンションに18歳の女子高生「マリアちゃん」が引っ越してきたり(恋の芽生え)、まあクセのある人物が次から次へと登場してくるのだが、会長を倒したい、恋を成就させたいという願いをヤマダくんはどんどん「ゲームに実装」していく。
そのゲームは「ヤマダくん自身が勇者だったら……」という内容なので、要はプレーヤーはヤマダくんの妄想に付き合わされているわけだが、段々とゲーム内容と現実がリンクしていって……となるので、先の展開も楽しめる作りだ。
また本作はこうした「変な所」だけでなく、一筆書きダンジョンのゲームシステムが良くできている。5×5マスでもそのステージは非常にバリエーションに富んでいて、ステージの形状だけでなく様々なギミックや敵が登場するし、揃えられる武器や防具も多数種類があり、2マス先まで攻撃できたり、炎の攻撃が繰り出せたり、それぞれにはっきりと特徴がある。
中盤ほどから攻略が難しくなるのでアイテムを揃えたり装備を強化するために何度も同じダンジョンを攻略しないといけない部分はあるが、それでも飽きないような作りになっているのが嬉しい。このダンジョン攻略が面白いので、世界の「変さ」が良く映えて、全体的に楽しい作品となっていると言えるだろう。
本作は、クセのある人物たち、変なBGM、変なストーリー、遊びすぎなほど遊んでいる装備・システムのネーミング、そして真面目にできたゲームシステムと、完成度はかなり高い。気になった方はぜひプレイしていただきたい。