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「World of Tanks」、e-Sports部門の世界ヘッドに聞く
賞金10万ドル大会「Pacific Rumble」に向けての注目ポイントとは
(2015/11/5 19:16)
ウォーゲーミングジャパンは、Windows用オンライン戦車ゲーム「World of Tanks」において、賞金制オフライン大会「Pacific Rumble」を11月7日に開催する。場所はベルサール秋葉原。入場料は無料。
「Pacific Rumble」は、トーナメントを勝ち抜いたアメリカとアジアの強豪チームが集い、賞金10万ドルをかけて争うオフラインのトーナメント戦。日本からは「Caren Tiger」が参加しており、アジアとアメリカの強豪にどう立ち向かうかが注目される。
今回は開催に先立ってWargaming.net Deputy Head of Global eSportsのAlexey Kuznetsov氏に話を聞くことができた。なお大会前には選手へのインタビューも予定されているので、あわせてご覧いただきたい。
日本チームには教科書通りではない「ユニークさ」を期待
Kuznetsov氏は、グローバルで「World of Tanks」のe-Sports分野を担当する人物。現在4つにわかれているロシア、欧州、北米、アジア地域における様々なプロジェクトをまとめたり、コントロールしているという。
今回開催される「Pacific Rumble」は、アジアと北米をメインとした大会となっており、その開催地として日本が候補に挙がったという。日本が開催地として選定されたのは、e-Sportsにおいて「たくさん可能性が残された地」だからだという。
e-Sports文化が欧州などに比べれば成長していない地域であり、e-Sportsというものをより多くの日本人に知ってもらうためにも、日本で開催することになった。アジアと北米の限定地域による大会ということで、メインリーグとなる「Wargaming League」とはまた違った戦闘になることを期待したい、とした。
注目となる唯一の日本チーム「Caren Tiger」については、かつての試合をKuznetsov氏も見たことがあり、ただその時は「一定のレベルに達して入るものの、成長段階」という認識だったという。
「Pacific Rumble」では、成長し、その時にはなかった高い完成度に期待すると同時に、プラスαとして「Pacific Rumble」独自のユニークな戦術や戦法を見るのが楽しみだと話した。
なおKuznetsov氏個人としては、日本にはこの「ユニークさ」に期待したいという。日本には独自の文化があるため、教科書通りの戦い方を打ち壊し、新しい戦法を持ち込むポテンシャルがある。そのことで、全体が成長するきっかけを与える国になるのでは、というのがKuznetsov氏の見解だ。
また日本のプレーヤーに向けては、「負けることを恐れないでほしい」とも話した。単に悔しく思うのではなく、なぜ負けたかを分析し、そこから新しい何かを見つけ出す。それらを「諦めない心で続けてほしい」、と呼びかけた。
ちなみに世界に比べればまだまだe-Sportsは下火の日本だが、今後e-Sports文化が広がっていくには、「業界を超えた協力が必要なのでは」と述べた。
e-Sportsはエンタメの1つになるが、ゲームに限らず音楽やアニメなど様々なエンタメ業界が協力し、e-Sportsが触れる機会を、より多くの人に向けて、より多く作ることができれば、その面白さは自然と広まっていくのではないか、というのがKuznetsov氏の意見。今は、「まだバラバラな感じがある」という印象だそうだ。
なお「Pacific Rumble」では、公式戦の新ルール「Tier Xルール」のエキシビションマッチが実施される。「Tier Xルール」は、これまで上限がTier 8だった公式戦にTier 10が使用できるというルールで、早ければシーズン2付近から導入される。エキシビションマッチでは導入に先駆けて試合の流れを確認できる機会なので、こちらもあわせて注目しておきたい。