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「モンスターハンター ストーリーズ」モンスターとの新たな関わりを描くRPG

キーワードは“目覚め”。世界観の解説と実機プレイ、さらにはアニメ化情報まで!

9月17日~20日 開催(17、18日 ビジネスデー)

会場:幕張メッセ

入場料:当日 1,200円(税込)

 シリーズ初のRPGとして製作の進められている「モンスターハンター ストーリーズ」。東京ゲームショウ 2015では、シリーズプロデューサーの辻本良三氏と世界観ディレクターの藤岡要氏によるスペシャルステージにて、本作の世界観やゲームシステムの紹介が行われた。ここでは、その内容をまとめてレポートする。

「モンスターハンター」のシリーズプロデューサーである辻本良三氏(写真左)と、藤岡要氏(写真右)が登壇。藤岡氏は今回、世界観を監修するディレクターという形での参加となる

【「モンスターハンター ストーリーズ」プロモーション映像】

世界観について

 アクション部分で評価を得ている「モンスターハンター」シリーズだが、じつはその世界観についても強く興味を持っている人は多い。そのため、「モンスターハンター」の世界観を、さらに深く描くべくRPGでの製作を決めたという。「新しくライダーという職業になることで、客観的にハンターの世界を見ることができます」と辻本氏。藤岡氏も、「モンスターを狩って生活するハンターではなく、モンスターと共存して生活するライダーの目線から、今までとは少し異なるモンスターとの関わりを描きたい」と語った。

RPGならではの世界観の広がりに期待が集まる

【ライダーの村】
人里離れた場所で、牧歌的にひっそりと営んでいる村。イラストやゲーム画面の端々にモンスターや卵などが見えている。そんなライダーの村とは、日々の生活のなかでモンスターと共に暮らし、友や仲間としてモンスターと接している人たちの村だ

【ハンターの街】
「モンスターハンター」ということで、当然、ハンターも登場する。このハンターの街はギルドが運営し、モンスターを狩ることを生業としているハンターたちが集う。都会的な街並みが印象的

 主人公は、こういったライダーの村の外の世界にある街を訪れて、ハンターたちと関わり、ライダーの視点で「モンスターハンター」の世界を知っていく。逆にハンターたちは、今まで見たことのない、モンスターと共に生きる主人公を見て、どう捉えていくのか? そういった関係を描いていくことで、より「モンスターハンター」の世界を掘り下げていくとのこと。

 藤岡氏は、「街中にモンスターを連れてくるライダーは、ハンターの人たちからすると不思議な存在なんです。逆にライダーである主人公が、そうした視線を受けることで、さまざまな物語を生んでいくんです」と、ストーリーの膨らみについて語った。

自分たちが狩るべきモンスターと共に冒険をしている主人公は、ハンターの街の住人たちの目にどう映るのか? アイルーとナビルーの出会いにも注目

キャラクターについて

 ある事件をきっかけに、主人公はライダーの村から旅立ち、多くの人たちと関わりながら絆を結んで成長していくというのが本作のストーリー。これまでの「モンスターハンター」に見られたモンスターの生態系が崩れ、少し様子の違うモンスターが姿を見せ始める……。そのあたりが、ストーリーの核心に迫る部分らしい。「主人公の成長を描くことを大事にしながら、いろいろな人たちの目覚めも描いていきます」という藤岡氏。本作では、“目覚め”という言葉がキーワードになっているとのことだ。

【主人公】
ライダーの村で生まれ育った、明るく好奇心旺盛な少年(少女)。冒険のなかでモンスターたちを取り巻く異変に気づき、自身の成すべきことを見い出していく

【ナビルー】
ちょっと(?)変わった見た目のアイルー。さすらいの旅を続ける陽気なお調子者。「主人公の代わりになってナビをしてくれるので、ナビルーといいます。ちょっと個性が強いですよね(笑)。普通のアイルーたちに比べて感情的だし、すごくしゃべります」と説明した藤岡氏。見た目が普通のアイルーとは異なるのも、ストーリーに絡む理由があるのだとか

【さまざまな登場人物たち】
ライダーの村で暮らす人々。「モンスターハンター」の世界ではおなじみの竜人族の村長に、先輩ライダー、主人公と同じ世代で同じ村の出身という幼なじみの男の子と女の子がいる。その他にも、武具屋や道具屋など施設に関わる人物や、ベテランライダーの姿も見られる

 一般デーには、幼なじみの2人の名前が辻本氏お得意のポロリ発言で明かされた。男の子は“シュバル”、女の子は“リリア”。今後も公式サイトには載らない情報だということらしく、藤岡氏も戸惑いながら「彼らが主人公とは異なるそれぞれの道を歩んでいくことにより、ストーリーを立体的に見せていきます」と添えた。

モンスター“オトモン”について

 ライダーは、“絆石”というアイテムを持つことで一人前のライダーとなる。このアイテムでモンスター“オトモン”と心通わせて、絆を深めながら冒険していく。絆を深めていくと、より強力な攻撃ができたり、“ライドオン”でオトモンに乗ることができる。フィールド上では任意に乗り降りができて、冒険の行く手を阻むギミックなどを乗り越えられたりするようだ。

頼もしい仲間となるモンスター“オトモン”たちと、バトルの中でオトモンに乗る“ライドオン”
ライドオン状態は、攻防の能力が飛躍的に向上する

一発逆転のパワーを秘めた“絆技”を繰り出すことができるのもライドオンの魅力だ

【「モンスターハンター ストーリーズ」ストーリー紹介映像】

 ここで、藤岡氏に代わり、本作でディレクターを務める大黒健二氏が登壇し、体験版の実機デモを行った。以下、その模様をダイジェストでお送りする。

「ロストプラネット」などを担当していた大黒氏が、本作でディレクターを担当。辻本氏からのオファーを1度は断りつつも、その1週間後には企画書を出してくれたとか
プレーヤーの分身となる主人公は、男女から選択が可能だ。シリーズの流れを汲み、同種の装備であっても男女でデザインは異なる。また、製品版では髪型などもカスタマイズできる
まずは、ナビルーからライダーになるためには自分でオトモンの卵を見つけてくるように言われて、モンスターの巣へ向かう。フィールドでの採取などは、これまでの「モンスターハンター」シリーズと同じようにできる
モンスターの巣から、オトモンの卵を持ち出す! これもシリーズではおなじみの卵運びだ
ライダーの村の“厩舎”へ戻り、卵をふ化させる。下画面の卵を連続タッチするか、Aボタンの連打だ
生まれたオトモンのババコンガと共に、試練のダンジョンへ。フィールドには、アプトノスやアオアシラといったモンスターたちの姿がある。モンスターへの接触でバトルに突入!

バトルについて

攻撃タイプの“3すくみ”

 ターン制のコマンドバトルを採用し、“戦う”や“特技”といったコマンド入力によりバトルが進行する。“戦う”を選んだあとは、続けて“パワー”、“スピード”、“テクニック”という攻撃タイプの選択へ。これは、じゃんけんのような3すくみになっていて、モンスターの攻撃にもそれらが設定されているので、相手に勝るような選択ができれば、攻守において有利な状況となる。

 ライダーかオトモン、どちらかの体力がゼロになると画面下のハートを1つ消費し、合計で3回力尽きると敗北に。このあたりは、おなじみのクエストルールを踏襲しているようだ。

動きが遅く、賢そうにも見えないアプトノスならパワー攻撃が多いだろう、というようにモンスターの習性を見抜き、攻撃タイプの傾向を見抜くのがバトルのカギだ

 試練のダンジョンへの道に立ちはだかる高い崖。そこでオトモンの出番! ババコンガに乗ることで、無事にツタを使って崖を登ることができた。ここでオトモンがイャンクックの場合は、ダンジョンの入口を塞ぐ岩を破壊するといったように、ギミックに変化が見られることも。

試練のダンジョンの奥に待ち受けていたのはリオレウス! バトル中、怒り状態になると、さらに手強くなる
基本的にオトモンは、自分で考えて行動している。オトモンが次に出そうとしている攻撃タイプ(画面左下に表示)と、ライダーの攻撃タイプが揃ったときには、同時攻撃の“ダブルアクション”が発生する場合がある
大剣の特技“薙払”。特技を選んだ場合は、3すくみの選択はない。特技ごとに攻撃タイプが設定されているのだろうか? オトモンも固有の特技を繰り出すことがある
道具が使用できるのはライダーだけ。攻撃をした場合、まれにボタン連打による力比べゲームのような演出が入ることも
バトル中、絆石にオトモンとの絆を示す“絆ゲージ”(下画面にある絆石のアイコン)が蓄積され、それがMAX状態になったらオトモンへライドオン!
ライドオン状態では、特技よりも強力な“絆技”が発動できる! また、ライドオン状態で攻撃をし続けると“絆ゲージ”のレベルが上がり、より強力な絆技を繰り出せる
バトル終了時には、経験値や素材が手に入る。これにより主人公は成長し、装備の拡充を図ることが可能なのだ

 実機によるデモプレイは、リオレウスを討伐してライダーの村へ戻ってきたところで終了となった。体験版ということで難なくリオレウスを倒せたが、「製品版はもっとカプコンぽいといいますか、そういう感じになっています(笑)」と大黒氏。カプコンぽいという表現が、バトルの厳しさを物語っているようだ。

 そしてステージの最後には、サプライズとして「モンスターハンター ストーリーズ」のアニメ化が発表された!

ゲーム本編と併せて楽しみたいアニメ「モンスターハンター ストーリーズ」(仮)。フジテレビのデイタイムにできる、新しいアニメ枠で放映予定だ

 2016年の放映に向けて、企画が進行中とのこと。「かなりいい内容になると思います。私も大黒も、もちろん藤岡もガッツリ企画に参加させてもらっているので、ぜひとも楽しみにしていてください」と、辻本氏も熱く語った。

 辻本氏、藤岡氏、大黒氏の3人が揃って、「RPGならではの描き方で、モンハンへの愛をたっぷり詰め込みました」と語る「モンスターハンター ストーリーズ」。シリーズのファンはもちろん、アクションが苦手で敬遠していた人にも「モンハン」の世界観を楽しめる作品になっているとのことで、2016年の発売を楽しみに待とう。

試遊ブースにて。幼なじみの女の子、リリアの衣装を着たお姉さんに案内されて体験版をプレイ

 体験版を触ってみると、まずはその色鮮やかな世界に魅了された。これまでのシリーズになかった新しい空気感を感じられて、オトモンに乗ってフィールドを走り回るだけでも新鮮な味わいがある。

 フィールド上でのバトルの発生はシンボルエンカウント方式なので、無駄なバトルは避けることができる。オトモンによって移動速度が違うようなので、場合によっては避けにくいこともあるかもしれない。とはいえ、バトルにはしっかり“逃げる”コマンドがあるので、それほど気にすることはなさそうだ。

 肝心のバトルに関しては、シンプルながらも戦略性があり、短調にならないような工夫も見られて好感触。特技や絆技などの演出が派手なので、爽快感もある。細かいことだが、大剣で斬りつけたあとに回避行動を見せるあたり、「モンハン」らしさにグッとくる。

 「ここで見せているオトモンはごく一部です。フルフルなどにも乗れますし、あのモンスターにもこのモンスターにも乗れます」と辻本氏は言っていたが、まさに、早くライダーとしてオトモンと一緒に冒険したい! そんな気持ちにさせさられた。今から発売が、その前に続報が待ち遠しい。

(石田丈継)