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シナリオ野島一成氏、サウンド崎元仁氏。フランス発RPG「ゾディアック」
コマンドバトルに回帰。日本産RPGへの憧れを結集した期待作
(2015/9/20 11:47)
フランスのゲームメーカー「Kobojo」は、東京ゲームショウ2015のKobojoブースにおいて、Android/iOS/PlayStation Vita用ファンタジーRPG「ゾディアック:オルカノン オデッセイ(以下、ゾディアック)」を出展している。本作は、海外発のゲームでありながら、ビジュアルやシナリオ、音楽に日本人スタッフが起用されているという珍しいタイトルだ。こちらは去年の東京ゲームショウでも出展されていて、その際にも取材記事を掲載しているが、当時とはがだいぶ変更された印象だ。
あらためて説明させていただくと、本作は水彩画法で描かれたようなやわらかい色合いのビジュアルが印象的なRPGだ。フィールドは奥行きのない2D世界がサイドビューにて表現され、プレーヤーは、その世界の中を探索しながらストーリーを進めていく。移動はセイバーという名の、サーベルタイガーに羽根が生えたようなグリフォン風の生き物を駆って常時、空中を飛行していた。
フィールド上には怪しげなポイントが用意されていて、そこをタップしたり、接近することでイベントや戦闘が発生する仕組みだ。また、アイテムを獲得できる宝箱のようなものなどもあり、それらについてもタップすることで回収ができた。
戦闘はターン制のコマンド入力方式バトル。ルールとしてはオーソドックスだが、コマンドの入力方法が少し変わっていて、味方キャラクターの操作順が回ってくると、その時点で行動可能な行動がアイコンとなって表示される。それらをタップ、または対象にドラッグ&ドロップすることで、各種行動が開始されるという形になっている。また、いつ、どのキャラクターのターンが回ってくるのかも表示されていた。
今回の試遊で体験できたのは探索とバトルが中心だったが、本作のもう1つの注目ポイントは、ゲームの成り立ちにある。これについては冒頭でも案内した前回記事にて触れているが、今1度、簡単に説明させていただこう。
本作を開発するKobojoはフランスのゲームメーカーであることは冒頭にも述べたが、本作は日本のRPGに憧れて作られたとのことで、ゲームシステムやストーリー進行などといった部分にその影響が見て取れる。
さらに、ストーリー執筆を「ファイナルファンタジーX」、「キングダム ハーツ」などで知られる野島一成氏、ビジュアルデザインを「ファイナルファンタジーXII」、「グランブルーファンタジー」などで知られる皆葉英夫氏、サウンドを「伝説のオウガバトル」、「ファイナルファンタジータクティクス」などで知られる崎元仁氏と、まさにJRPG制作における豪華メンバーが関わっている。
今回、Kobojo CEOのマリオ・リーゾ氏にお話をうかがうことができたのだが、プログラマーやゲームデザイナーについてはヨーロッパに60名近いスタッフがおり、それに加えて日本にいるチームなどとも連係しながら作っているという。大変なのでは、とたずねると、氏はかつてUbisoft時代に「アサシン クリード」で1,000人のスタッフを指揮していた経験もあり、それと比較すれば問題ないということだった。
また、今回の試遊バージョンでは戦闘がメインであったが、製品版においてはパズルやレベリング、クラフティングなど、さまざまな要素も取り入れられるので期待していてほしい、と述べた。
そんな本作のリリースは年度末を予定しており、まずはヨーロッパ版からということになるとのこと。Android/iOSといったスマートフォンだけでなく、プレイステーション 4、PlayStation Vitaへも対応するようなので、なるべく早いタイミングで日本版「ゾディアック」も遊べるよう願うばかりである。