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【スマホアプリ今日の1本】キングの新たな方向性「パラダイス・ベイ」
南の島の箱庭シム。リードプロデューサーへのメールインタビューも掲載!
(2015/9/7 11:53)
「パラダイス・ベイ」の3大ポイント
・「キャンディークラッシュ」のキングが初の箱庭シムに挑戦
・「ヘイ・デイ」に似たUI。「南の島」的要素でアレンジ
・登場人物のストーリーも描かれるゆったり系タイトル
「キャンディークラッシュ」、「ファームヒーロー」といったカジュアルゲームで知られるキング・デジタル・エンターテインメント。これまでに数多くのカジュアルゲームをスマートフォンやFacebookを中心に配信しているが、その最新作「パラダイス・ベイ」はこれまでの作風と雰囲気が異なっているという点で注目の1作となっている。
キングと言えばカジュアルなパズルをゲームの中心とするステージクリア型のタイトルを多く手がけてきた。上記に挙げた「キャンディークラッシュ」や「ファームヒーロー」はその代表作の1つで、これらは3マッチパズルを採用したタイトルとなっている。
一方の「パラダイス・ベイ」は、南国の島を舞台とした街作りシミュレーションとなっている。未開の島で作物を採り、施設を建てて加工品を生産して、住民の要望に応えながら島を開拓していく。本作では、キングの代名詞でもあったステージクリア型ゲームからの脱却が図られており、その点で新しい。
ただゲームの内容としてはオーソドックスにまとまっており、Supercellの「ヘイ・デイ」を彷彿とさせる仕上がりとなっている。
タッチ&スライド操作で農作物を一気に刈り取れたり、加工品を「予約」したりできるUIは似ている印象を持つが、南の島という舞台設定を活かしたアレンジが施されている。中には「カメ」が、魚や海老といった海産物を獲得してくる要素もある。
また特徴的なのは、登場人物のストーリーがはっきりしているということ。本作での案内役は「キアーニ」という女性だが、他にいたずら小僧の「フィン」、貿易商兼海賊の「ウェスリー」といった人物が登場する。
彼らの特定の依頼(アイテムの納品)を達成することで会話イベントが発生し、人物たちの掛け合いが見られるほか、彼らの背景なども語られていく。ストーリーを進めること自体がゲームプレイの動機となるし、キャラクターへの愛着も湧く面白い仕掛けとなっている。
なお下記には、キング シアトル支社「パラダイス・ベイ」リードプロデューサーのクリント・タスカー氏に行なったメールインタビューを特別に掲載している。「ヘイ・デイ」と似ているがどう差別化しているか? という辺りも聞いているので、こちらもご覧いただきたい。
「パラダイス・ベイ」リードプロデューサーへインタビュー!
――「パラダイス・ベイ」制作の経緯は?
クリント・タスカー氏: 最初、「パラダイス・ベイ」はカリブ島でのトレーディングゲームか、似たような島を舞台にしたゲームにする予定でした。結局のところ、南の島でのシミュレーションゲームに落ち着きました。常に私たちの目標としてあったのは、リラックスでき、プレーヤーの皆さんが慣れ親しみやすく、かつ、愛らしいキャラクターが登場するようなゲームを制作することでした。
――本作は「キャンディークラッシュ」をはじめとするステージクリア形式ではない。その理由は?
クリント・タスカー氏: 「パラダイス・ベイ」は今までキングが提供してきたゲームとは違うジャンルのゲームですが、「キャンディークラッシュ」のようなカジュアルゲームもいまだに、我々にとって中心となるコア・ゲームです。より幅広いゲームの作品を提供できるようにすることは私たちの長期的な目標であり、すべてのゲームと同様、「パラダイス・ベイ」も楽しく、プレーヤーを魅了する内容になっています。
――数あるジャンルの中で農園シミュレーションを選んだ理由は?
クリント・タスカー氏: 最近我々は通常のカジュアルゲームに追加して、戦略的なゲームや、シュミレーションゲーム、またミッド・コアゲームも今後広げていくことを発表しました。自分だけの南の島を作るのに探検と発見の旅にでることができる、「パラダイス・ベイ」のローンチをとても楽しみにしていました。
――制作にあたっての苦労点は?
クリント・タスカー氏: プレーヤーが求めているものを見つけだすのはチャレンジでした。「パラダイス・ベイ」のようなシミュレーションゲームに対するプレーヤーのモチベーションは、レベルを上げて新しい物資で遊ぶことです。
私たちは、プレーヤーに新しい経験を作り出そうと考えワールド・マップという機能を導入しました。この機能には沢山の驚きが詰まっています。レベル17で、プレーヤーはこのマップを使えるようになり、新しい島を発見できるようになります。次の島はどういうものだろう? とプレーヤーをワクワクさせ、モチベーションを保つことができます。
――プレイ感はSupercellの「ヘイ・デイ」に非常によく似ている。意識はしているか?
クリント・タスカー氏: 「パラダイス・ベイ」は当初から、資源の貿易等を行なうシミュレーションゲームを予定しておりました。我々は、このジャンルでたくさんの経験を持っており、既存のゲームからもたくさんのインスピレーションを得ています。「パラダイス・ベイ」は、ワールド・マップ等を含むたくさんのユニークな機能をもっていて、他のゲームとは一味違うものになっています。
――特にどの点が差別化のポイントか?
クリント・タスカー氏: ワールド・マップはプレーヤーに新しいキャラクターや、場所の発見だけに使えるだけではなく、ゲームの遊び方にも影響を与えてくれます。プレーヤーは他の商人と資源を貿易しあって、利益を自分の島に持ち帰ることができます。新しい島の開拓は非常に有用です。
――プレーヤーにはどのように楽しんでほしい? またどのあたりに注目してほしい?
クリント・タスカー氏: 「パラダイス・ベイ」はプレーヤーにリラックス感を与えられるよう制作し、これによって、プレーヤーの皆さんの1日の疲れを癒せればと思います。プレーヤーの皆さんに、自分たちを表現できたり、友人とプレーしたりする場を提供しようと心がけていました。またカスタマイズ性、ソーシャル性は特に注力していて、今後のアップデートで拡大させる予定です。
――今後のアップデート、展開ではどのようなプランを考えているか?
クリント・タスカー氏: 「パラダイス・ベイ」のようなゲームをローンチしたことは、我々にとって、「始めの一歩」に過ぎません。私たちは常に新しいコンテンツを配信することに意識を向けており、プレーヤーの皆さんにも数週間・数カ月後に出る新しいレベルや機能を楽しみに、期待していただきたいです。