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【必見! エンタメ特報】インド発のゾンビ映画「インド・オブ・ザ・デッド」

インドのズッコケ3人組が離島でゾンビに立ち向かう! ギャグ満載のホラーコメディ

3月21日より ヒューマントラスト渋谷にて公開

4月より シネ・リーブル梅田にてレイトショー公開

リゾート地の離島が舞台。状況はさながら「DEAD ISLAND」

 インドに、ついにゾンビ映画が誕生した。酒とハッパまみれのボンクラ男3人組がゾンビに立ち向かうという映画「インド・オブ・ザ・デッド」は、ハリウッドのゾンビ映画に影響を受けつつ、3人組のどうしようもない活躍を描いたホラーコメディ作品だ。

 舞台は、「ヒッピーの聖地」として知られるインドのリゾート地「ゴア」の離島。リゾートがゾンビに支配されるという「DEAD ISLAND」のような状況のもと、そこに美女と手練のロシアンマフィアも加わって、ズッコケ3人組と仲間たちは離島の脱出を目指す。

【映画「インド・オブ・ザ・デッド」予告編】

こちらが今回の主役、ボンクラ3人組。あの手この手で笑わせてくれる
左が最強キャラのボリス。演じるサイフ・アリー・カーンはインド映画のスーパースター。主役じゃないのにポスターも真ん中

 話の中心となるのは、仕事をサボってはトイレでマリファナを吸っているラヴ(ヴィール・ダース)とハルディク(クナール・ケームー)の2人。2人は同居人であり親友で、真面目だが弱気なバニー(アーナンド・ティワーリー)ももう1人の同居人だ。

 この3人が潜入したのは、酒と音楽とドラッグに塗れたロシアンマフィア主催のレイブパーティー。新種のドラッグもその場で披露されるが、高額すぎて3人には買えない。ところがその新種のドラッグこそが、人をゾンビ化してしまう死の危険ドラッグだった……。

 3人にとってゾンビという存在はハリウッド映画を見て知っている程度なので、ゾンビに出会ってもピンと来ない。最初は「日光とか十字架が効くかな!」と吸血鬼か何かと勘違いしているし、「何でゾンビがインドに?」 「グローバル化じゃない?」などというトボけた会話が繰り返されてまったく危機感がない。

 基本こうしたじゃれ合いで話が進んでいくのだが、劇中で強烈なキャラクターを放っているのは、デリー出身(笑)のロシアンマフィア、ボリス(サイフ・アリー・カーン)だ。「デッドライジング」のフランク・ウェストと「デッドライジング2」のチャック・グリーンを足して2で割ったような風貌のボリスは、銃でゾンビを倒しまくる超・頼れる男として登場する。

 ボリスは、自身ではどう考えても脱出できない3人の導き役だ。それでもやっぱり危機感がないラヴとハルディクは、銃を持つボリスに「その銃、貸してくれないかな」と頼む。「お前ら銃を扱えるのか?」。2人は答える。「PS3で鍛えたから大丈夫!」。

いかにもダメそうなハルディク(左)とラヴ(右)
本作の癒やし担当、ルナ(プージャー・グプター)。この子がラヴをパーティーに誘う
死亡フラグが立ったり、仲間とはぐれたり、ホラー作品の肝を抑えつつ、さらに笑える作品に仕上がっている

 他にも浜辺における「キャッキャウフフ」の追いかけっこをゾンビとしてみる(スロー撮影で)など、いろいろとギャグが仕込まれているのだが、ではゾンビ映画としてはどうなのかというと、これが意外としっかりできている。ゾンビが安全と思っていた家にいつの間にか侵入している描写は怖いし、大勢のゾンビに囲まれる場面はスリルもある。仲間を助けるために危険地帯に戻るところは、彼らの友情を感じさせる熱いシーンに仕上がっている。

 とはいえギャグ色が濃厚なので、気楽な感じで見に行くのがオススメだ。美女との恋の駆け引きあり、ホラーあり、ギャグありと要素てんこ盛りにも関わらず、なかなかどうしてまとまっている。ぜひ劇場でご覧いただきたい。

(安田俊亮)