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PS4「The Order: 1886」ジャパンメディアセッションで新情報が明らかに

“Cinemelee(シネメーレー)”など迫真の魅力をアピール!

2月20日 発売

価格:
5,900円(パッケージ版:税別)
4,900円(ダウンロード版:税別)
CEROレーティング:Z(18歳以上対象)

ルー・ヴェーラスリヤ氏

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは、プレイステーション 4用アクションアドベンチャー「The Order: 1886」を2月20日に発売する。価格はパッケージ版が5,900円(税別)、ダウンロード版が4,900円(税別)。CEROレーティングはZ(18歳以上対象)。今回はジャパンメディアセッションの模様をお届けする。

 メディアセッションでは、クリエイティブディレクターのルー・ヴェーラスリヤ氏が本作の概要を改めて説明。“歴史にif(もしも)を足したらどうなるか”というアイデアを根幹に「たとえフィクションであっても、なるべくリアルさを求めていく」というルールを制作時に念頭に置いたと説明。

 ゲームの舞台は、1886年ビクトリア朝時代のロンドン。歴史と神話の融合を目指し、リアルな世界観を追求すべくロンドンを取材。何千枚もの資料を撮影してきたと説明。作中に含まれるフィクションには史実も含まれ、そのひとつが“円卓の騎士”。これをコンセプトに「The Order: 1886」を作り上げたという。

 敵となる“半獣”は、人類に対抗すべくどんどん数を増やしているという設定。最終的には人類vs半獣という戦いに発展し、強大な力となって襲いかかってくる。劣勢に立たされた人類だが、そこに“アーサー王”が登場し円卓の騎士を招集し戦いが拮抗。この戦いで、騎士団は“聖杯(ブラックウォーター)”を発見。ブラックウォーターを飲んだ騎士たちは、不死身ではないが、数世紀に渡る長き寿命を持つに至る。

 拮抗した戦いは「産業革命」により劇的な変化が生じる。技術的な進歩で人類が半獣に勝てるようになり、ようやく平和が訪れたと思われたが、政府の圧制に不満を持った“反乱軍”が出現。騎士団は、新たな敵との対峙を強いられることとなる。

 主人公のガラハッド卿は、経験豊富な騎士。これまた経験豊富な騎士で団員の尊敬を集めるパーシバル卿、高い技術を持ちガラハッドとも関係が深い若き騎士レディ・イグレイン、アメリカの革命戦争で活躍したラファイエット侯爵、円卓の騎士団の団長ルーカン卿、騎士団のトップを務める大法官閣下オーガスタス、武器や装備の提供者としてゲーム中でも重要な役割を持つ実在の発明家ニコラ・テスラなど、印象的な人物を紹介。

 プレーヤーはガラハッドとなり、劇中に登場するさまざまなテクノロジーを駆使して半獣や反乱軍たちと戦い「なぜ反乱軍が騎士団の装備を持っているか」、「半獣と反乱軍の結託」などの謎を解き明かしていく。

 開発にあたっては、グラフィックスエンジンを新たに構築。「PS4の機能を最大限に引き出したと思っている」というルー・ヴェーラスリヤ氏。ここで同氏は、昨年のE3や東京ゲームショウで公開されたパートの続きとなる、ライカンとの戦いをデモプレイ。

 ライカンとの近接戦闘で使われているシステムは“Cinemelee(シネメーレー)”(Cinema+Meleeの造語)と呼ばれるもの。画面に表示されるスティックやボタンを素早く入力するなど一見QTE(Quick Time Event)的だが、一般のQTEが一定シーケンスのリピートであるのに対し、Cinemelee(シネメーレー)は状況の推移やタイミングに応じ、自身はもちろん対象の行動や結果が動的に変化するのが大きな特徴だという。やや乱暴な表現かもしれないが、Cinemelee(シネメーレー)はキーとなる入力の前後に大きな自由度を持たせたシステムといえそうだ。

 続いては、ガラハッドの小隊がインド連合会社の社屋内に侵入するシーンが披露された。スナイパーの狙撃を遮蔽物で回避しつつ、装備した銃などの武器で敵を殲滅。要所では、電子回路を使い通常アクセスできない部屋をアンロック。この先に何があるのか……? とキリのいいところでデモプレイはお開きとなった。

ハンズオン ~圧倒的なグラフィッククオリティに脱帽! 戦闘も手ごたえ十二分!~

 セッションの最後には、本邦初公開となる新ステージのハンズオンが行なわれた。舞台はロンドンのウエストミンスター橋(ゲーム中ではチャプター8として登場)。反乱軍が防備を固めるなか、橋を突破して先に進むというシチュエーションだ。

 プレイしてまず感じたのは、その圧倒的なグラフィックスクオリティ。筆者はビデオゲームがなかった頃を知る世代ゆえ余計にそう思うのだが「グラフィックスの進化は必ずしもゲームの面白さに寄与しない」という考え方がいまだに根強くある。ドット絵で育ってきた影響からか、グラフィックスのリアルさは“あくまでも副次的なもの”というある種の偏見だが、「The Order: 1886」の徹底した作りこみは、そうした偏見を跡形もなく瞬時に吹き飛ばす。

 ビックベンなど観光写真などでおなじみの風景、だが明らかに時間軸が異なることを伝えるゲーム中の肌感覚。このあたり、前述の数千枚の現地取材の成果が如実に見て取れる。横転した馬車、破損した地形、散乱する残骸など戦場の空気感も抜群。見入るほどホコリで咳き込むかのような臨場感は、PS3あたりで「もうこれくらい当たり前でしょ」と鈍感になりがちだったゲームグラフィックの進化が“深化”という次元さえ超えようとしていることを実感させられる。

 基本操作は左スティックで主人公の移動、右スティックで視点操作。L2で照準、R2で射撃。武器の切り替えは方向キーで、右がメイン、左がサブ、上がスモーク、下がグレネードとなっていた。L1で一定時間スローモーションになるブラックサイト、R1で遮蔽物などに隠れたままの武器だけ出してトリガーを引く闇射撃。わりと当たるので凄く便利だが、これはオプションで精度の設定が可能となっていた。

 周囲の味方を意識しつつ、まずは遮蔽物に身を隠しつつ橋の中央部へと進行。標準的な難易度につきヒョイと身を乗り出した瞬間即狙い撃たれるという感じではないが、それでも敵の攻撃はなかなか熾烈。ダメージ表現はFPSなどでおなじみの画面がレッドアウトしていくタイプ。一定以上ダメージを受けると倒れるが、ブラックウォーターにより驚異的な身体能力を備える円卓の騎士は×ボタン連打で復活。ただし不死身ではないので、そこからさらにダメージを一定量受けるとゲームオーバーとなりやり直し。

 橋上の戦闘ゆえ進軍ルートはほぼ一定。途中、馬車の下敷きになった味方を助けるインタラクティブなイベントを経て、味方の静止を振り切り単身さらに突入するシチュエーションに移行。投擲されたグレネードを回避し、こちら同様に遮蔽物を利用してくる敵を慎重に減らしつつ対岸に……と思いきや、ここで“ショットガン兵”という難敵が登場。騎士風のヘルメットによりヘッドショットを数発耐えるタイプで、一気に間合いをつめてドカン! と多数の鉛弾をぶち込んでくる。

 下手の横好きレベルの筆者は、このショットガン兵に大苦戦。出現パターンを少しずつ覚えていくのはいいが、にじりよってくるショットガン兵の迫力につい照準がブレてしまい、経験豊富な騎士とは程遠い立ち回りでゲームオーバーを連発。ついには「こいつ中ボスか何かですよね!?」などと口走り、アテンドの方に「いや、単なるザコ兵のひとりです」といわれションボリ。下手なりにコツを掴み、やっとの思いでショットガン兵ゾーンを突破して対岸に! ……となった瞬間に時間切れ。この無念は製品版で思う存分晴らしたい。

会場に設置されていた世界観を表現する造形物の数々。どれも生唾モノの超精密ディティール

(豊臣和孝)