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新モンスター&新モード実装! 「Evolve」ハンズオン
トリックスター「WRAITH」で、多彩な遊びが堪能できる「脱出」モードをプレイ
(2015/1/16 10:00)
日本で3月5日の発売が決定したチームプレイFPS「Evolve」にて、新モンスター「WRAITH(レイス)」と4人の新たなハンター、そして本作の全ゲームルールを内包する新ゲームモード「脱出」が公開された。
「Evolve」は4人のハンター対1体のモンスターの対決という非対称な対戦ルールが特徴で、昨年10月末から11月頭にかけて大規模アルファテストが実施されたことが記憶に新しい。そこでは本作の最も基本的なルールである「狩猟」をプレイすることができたが、今回のアップデートでは「脱出」モードに含まれる「救出」、「巣窟」、「防衛」といった新たなゲームルールが公開されたことが最大のポイントだ。比較的カッチリとしたゲーム性を持つ印象の「Evolve」だが、これら新ルールの登場によってプレイフィールはどう変化しているだろうか。
今回は1月16日よりスタートするオープンβテストに先駆けてβ版をプレイすることができたので、新登場のモンスター「WRAITH」の感触とともにインプレッションをお届けしていこう。
5連戦で決着する連続対戦モード「脱出」
今回、筆者は新要素が実装されたバージョンをテイク・ツー・インタラクティブ・ジャパンのオフィスにてひと通りプレイすることができた。ゲーム本体は日本語化も施されており、アルファ時点では存在しなかったソロプレイモードも実装済み。ほぼマスターアップ版という感じだ。
さっそく新モード「脱出」をプレイ。本モードは「植民星における5日間に渡る人類の脱出劇を描く」というシナリオで、1日ごとに1ラウンド、全5ラウンドの連続対戦ルールとなっていることが最大の特徴だ。
1日目は基本ルールの「狩猟」(ハンターがモンスターを倒すか、モンスターがジェネレーターを破壊する/ハンターを全滅させる)、5日目は「防衛」(モンスターとその子分が人類の基地へ攻め込み、ハンターが防衛する)と決まっているが、その他の日(2~4ラウンド)については「狩猟」、「救出」、「巣窟」の3ルールからひとつを選びながらラウンドを進めていくという仕組みで、本作に搭載されている全ゲームルールを本モードだけでテンポよくプレイできる。このモードは5人で対戦するだけでなく、AIを相手に1人でプレイすることもあり、チュートリアルの役割も兼ねている。
新ルールのひとつ「救出」はマップ内各地でSOS信号を発している遭難者をハンターが救出するか、モンスターが遭難者を5名以上倒せば決着というルール。「巣窟」は、マップ上の6箇所に配置されているモンスターの卵もしくはモンスターの子分を制限時間内にハンターが全て破壊するか、モンスターがそれを阻止するというルールだ。
これら2つの新ルールは「モンスターとハンターが全く出会わなくても決着する」のが特徴で、ハンター側としてはモンスターを避けてさっさと目標をクリアするのが最善手だ。上手く立ち回ればものの数分で勝負がつくことも。対するモンスター側は、第3形態までハンターと出会いたくない「狩猟」とは違って、早めにハンターに接触して妨害を狙いたいというゲームメカニクスになっている。ルールの違いによってハンターとモンスターの行動原理が真逆になるのが面白い。
「脱出」は連続対戦モードということもあり、4日目までの各ラウンドの結果によって少しづつ各陣営の能力が変化していくこともポイントだ。例えばハンター側があるマップでのラウンドに勝利すると、そのマップの属性に応じて次のマップから防衛用ドローンが追加されたり、逆にモンスター側が勝利すると子分(ミニオン)が追加されたりする。ミニオンはミニチュア版の「GOLIATH(ゴリアテ)」のようなもので、モンスター本体ほどではないが単体でも4人のハンターを数十秒足止めするほどには強力だ。
こうして1ラウンドごとに変化をつけつつ、最終ラウンドに突入していく。ちなみに「防衛」モードでは各ラウンドの勝敗によって自動バランス調整が行なわれる機能が付加されていて、どちらかが勝ち続けると相手方の防御力・攻撃力がどんどん高まり、最大の調整幅になると1人のハンターがモンスターのフルコンボ全部食らっても余裕で耐えるほどになるので、全勝を狙うのは難しい。
最終ラウンドは「防衛」ルール。マップ全体が人類の巨大な基地で、モンスター側は3つあるジェネレーターを1つづつ破壊しながら最深部を目指していくというルールだ。他のルールとの最大の違いは、「モンスターが最初から3段階目の最終形態でスタートする」こと。エサを集めて基地の周りを徘徊して進化するプロセスが必要がない上、最初から2匹のミニオンが同行する。のっけからフルパワーのバトルが展開するのだ。
対するハンター側も、基地に備え付けのセントリーガンの支援を受けながら戦うことができ、他のモードとは違った立ち回りが可能になる。特に他のルールでは必須の探索が、ここでは全く必要ないというのが最も重要なポイントだろう。モンスターは必ずジェネレーターに殺到してくるのだから、それを迎え撃つだけでいい。
ただしモンスターは基地周辺のクリーチャーをエサにするなどによってシールドや体力の回復が可能なため、追い詰めたモンスターに対しての追撃はある程度必要である。もちろん、深追いすれば放置したミニオンにジェネレーターを破壊される可能性もあるし、チームの動きがバラバラになって各個撃破の機会を与える危険性もある。様々なリスクを取って最終的にいつ勝負をかけるか、その判断が「防衛」ルールにおける最大の腕の見せどころだ。
この最終決戦を終えると「脱出」モードの一連の流れは終了。全5ラウンド中の勝利数によりボーナス経験値が計上されるため、勝ち越して終えると各ルールを単体で遊ぶよりも多くのリワードが得られるようだ。例えば筆者の場合、最後の勝利ボーナスだけでレベル9→レベル11まで一気にレベルアップすることができた。
このように「脱出」モードは本作の様々なゲームルールを1度に楽しめるモードとなっている。それぞれに攻略のセオリーや勝負の流れが異なるほか、各ラウンドの結果によっても微妙に次の展開が変化していくため、常に新鮮な気持ちで試合に臨めるのが何よりのポイントだ。
トリッキーな動きでハンターを翻弄! 新モンスター「WRAITH」
今回追加されたもうひとつの要素が、新モンスター「WRAITH」だ。死霊の名を持つこのモンスターは瞬間移動や分身の技を持っており、ハンターの目をくらましての不意打ちや高速なヒットアンドアウェイを得意とするトリックスターだ。
まずその特徴となるのが、ジャンプボタンで発動する特殊移動。空中に舞い上がるのではなく、照準点に向かってほとんどワープじみた瞬間移動を繰り出す。その方向は横でも上でもよい。真上に向かって発動すればあっという間に空中だ。これを活かした立体的な機動でハンターたちの狙いを乱しつつ戦うのが「WRAITH」の基本戦法となる。
他のモンスターと同じく特殊アビリティは4種類。そのどれもが移動能力を絡めたトリッキーなスキルだ。瞬間移動の後に衝撃波を発生させる「衝撃波(Warp Blast)」、自身の分身を生み出しつつ自身は透明化する「囮(Decoy)」、往復の瞬間移動でハンターのひとりを連れ去る「神隠し(Abduction)」、半透明化し超高速の切り裂き攻撃を連発する「亜空間(Supernova)」。
いずれのアビリティも1発の打撃力は他のモンスターには及ばないし、ハンターをまとめてなぎ倒すような派手な攻撃もないが、瞬間的な接近と離脱を繰り返すことで着実にハンターたちの体力を削り倒すことができる。主力スキルとなる「亜空間」は自身の周辺にいるハンターたちの体力をまとめて削れるためダメージ出力が高く、つい頼りがちになるが、「WRAITH」最大の特色はあくまでも瞬間的な機動力。一気に距離を詰めることで、ダメージを与える相手をかなり自由に選べることが他のモンスターとの大きな違いだ。
連携のとれたハンターは攻撃を受けている味方をメディックの回復やサポートのシールドで無効化しようとする。そういう時に「GOLIATH」のように比較的鈍重なモンスターは他のハンターを狙いたくても距離を詰められず思い通りにいかないことが多いが、「WRAITH」なら「衝撃波」や「神隠し」に付随する瞬間移動を活かすことで瞬時に攻撃対象を変更できるのだ。
これに加えて「囮」アビリティの活用がカギだ。このアビリティで一定時間出現する分身は、体力のようなパラメーターがないだけで能力は本体と同じ。発動中に一緒に攻撃すればダメージ出力がほぼ倍加すると言っていいが、これを単純に火力アップに使うのではなく、文字通り囮に使って戦線を離脱したり、有利なポジションから「衝撃波」や「亜空間」で不意打ちするためのトリガーアクションとして使ってもいい。
このようにトリックスター的な特性をもつ「WRAITH」は、これまで登場してきた3種のモンスターの中でおそらく最も使いこなすのが難しい。ゲームシステムやハンター側のセオリーを知り尽くした上級者にこそ使いこなせるモンスターという印象だ。特にハンターのひとりを瞬間的に自分の居場所に連れてくる「神隠し」はダメージ出力そのものはゼロであるだけに、むやみに使っても全く意味が無いことが多々ある。実際、今回は筆者もほとんど使わずに終わってしまったが、上手く使うことができれば統制のとれたハンターに対して連携を崩すための重要なアビリティになるに違いない。
こうして本作では近距離パワー型の「GOLIATH」、空中飛行型の「KRAKEN」、トリックスター型の「WRAITH」という3種のモンスターが出揃った。英語版については既に完成したという製品版でもまずはこの3種でスタートすることになるだろう。それぞれに特徴的な戦い方、立ち回りのセオリーを順次マスターしていくのが楽しみだ。