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WIN「Dragon Nest」、2014年振り返り&2015年アップデートインタビュー

新コンテンツは随時調整。2015年初には“新クラス”も登場予定!

12月 収録

 NHN PlayArtのWindows用オンラインアクションRPG「Dragon Nest(ドラゴンネスト)」。2015年5月にはサービス開始5周年を迎える予定で、オンラインゲームの中でも中堅に位置するタイトルとなっている。

 今回は年末ということで、「Dragon Nest」運営統括マネージャーの山本喜代志氏と、「Dragon Nest」運営チームの山本高勝氏にお話を伺い、本作における2014年の振り返りと2015年に向けてのアップデート予定と意気込みを伺った。インタビューで初公開となるアップデート情報もあるので、ぜひご覧いただきたい。

まずは2014年を振り返り。「ランブルモード」など新コンテンツは改善へ

左から、「Dragon Nest」運営統括マネージャーの山本喜代志氏と、「Dragon Nest」運営チームの山本高勝氏
スキルバランスや職業間バランスの調整は随時行なっていく
12月17日に実装されたばかりの「ランブルモード」。さらなる改善を企画中だという
年末年始はログインキャンペーンやアイテムドロップ率&獲得経験値上昇など、様々なイベントが実施中となっている

――2014年を振り返って、いかがでしたか?

山本高勝氏:2014年の前半は、2013年の課題であったゲームバランスの問題を調整していました。これは今年の5月くらいまでかけて調整したのですが、変えたことによってまだ歪みがあるので、引き続き調整していきます。

 また職業間のバランスについても大きく変えた部分があって、現状として「エンジニア」が私達の想定以上に突出して性能が飛び抜けてしまった状況をどうにかしたいと考えています。常にバランスは変わっていきますが、2015年1月にはひとまずの決着をつけ、今後は2014年に見えてきた課題に対応していきたいと思っています。

 もう1つ大きな調整ポイントは、コンテンツクリア報酬や課金アイテム周りの見直しです。クリア報酬については適宜アイテムドロップの調整をしていて、12月にはダンジョン「ボルケーノコアネスト」の報酬をかなり良くしました。少しずつ改善できているかなと思います。

 日本側のデータベースが特殊なことから、最適化に時間がかかってしまっているのですが、2015年実装予定で進行しています。また、具体的には言えないのですが、課金アイテム関連では「アカウント倉庫」とは別に、使わなくなった課金アイテムを何かしらの形でリサイクルできるようなシステムや、今以上に利便性と安全性を向上した形でトレードできるシステムの実装を2015年に予定しています。

――他にも、様々な新コンテンツが追加されていますね。

山本高勝氏:2014年の下半期には、新しい試みとして、傭兵を連れていける「サーヴァントシステム」、魔物となってボスの討伐を目指す「侵蝕の城塞」、そして12月に実装されたばかりの対人戦コンテンツ「ランブルモード」など、今までのダンジョンとは違った遊びができるコンテンツを追加しました。

 ただ、これらの新コンテンツはまだまだ調整が必要な部分も多いのかなとも感じていて。まだプレーヤーの皆様に浸透していない部分もあるので、今後改善していきます。

山本喜代志氏: 日本のプレーヤーの方は、こちらが想定する難易度のベースラインを軽く飛び越えてきます。簡単すぎるとすぐに飽きられてしまいますし、かといって難しすぎると当然改善要望をいただきます。その中間くらいの、いい塩梅のバランスを探っていくようなイメージです。

――例えば「ランブルモード」では、どのような課題があるのでしょうか?

12月17日に実装されたばかりの「ランブルモード」。さらなる改善を企画中だという

山本喜代志氏: ランブルモードは6対6の対人戦にモンスターも登場するという、PvEとPvPを混ぜたシステムになっています。最近では変わりつつありますが、日本では相手を倒すPvPにあまり肯定的ではない状況があって、PvEとPvPを混ぜることでPvPの面白さも楽しんでもらおうという狙いがあります。

 実装したばかりという理由もあるかもしれませんが、現時点で「モンスターを倒す方が効率がいいよね」ということで、相手プレーヤーを倒しにはいかない雰囲気になっています。

 ルールを熟知すると、実は相手のプレーヤーを倒す方が有利になるのですが、そこがよりわかりやすく伝わるように点数の調整などを行ないたいと考えています。

山本高勝氏:また、このモードは戦術を整えて連携することで様々な戦いができるモードなのですが、チームの組み方はランダムマッチを採用しているのでなかなか連携がしにくいというシステム側の問題もあります。運営チームとしてはDWC(Dragon Nest World Championship。「Dragon Nest」のPvP世界大会)にも力を入れていましたし、システム側でも状況の改善を行なって、チームでプレイするPvPの楽しさを感じてもらえたらと考えています。

――DWCのお話が出ましたが、12月初めに行なわれ、日本代表選手も出場した「DWC2014」はいかがでした?

山本喜代志氏: 日本代表チームは予選で敗退してしまい、世界の壁は高いなと感じました。

――どこにその壁を感じましたか?

山本喜代志氏: 海外のプレーヤーは日本プレーヤーと違って、とにかく突っ込んでくるスタイルでした。選手たちに話を聞いた所、そこに対応しきれなかったのが敗因だったということです。

 試合は、柔道の試合のように先鋒、次鋒と1人ずつ戦っていく「勝ち抜き戦」とチーム全員で一斉に戦う「ラウンド戦」の2つがあって、予選は勝ち抜き戦、ラウンド戦、勝ち抜き戦の順で行なう2本先取制でした。

 日本チームは勝ち抜き戦で負けてしまったために予選敗退となりましたが、一方でラウンド戦では戦術の狙いがしっかりしていて、優勝したチームにも勝利するほどの強さがありました。そこは収穫だと思います。

――では来年のDWCは、さらに楽しみですね。

山本喜代志氏: まだスケジュールが出ていないので何とも言えませんが、今回だけでは終われませんね。また世界と勝負をして、王者になるまではがんばりたいかなと。今回の試合で海外のスタッフとも仲良くなれたので、エキシビションマッチなども行なっていきたいですね。

入手方法もビジュアルも違う“新クラス”が年初に登場!

2人共「山本さん」のため、スタッフ間では下の名前で呼ばれているそうだ
2015年は、大きなアップデートとして新クラスや新ダンジョンが控えている。今から情報を楽しみにしたい
「女子会」や「男子会」など変わったオフイベを開催してきた「Dragon Nest」チーム。さらなる企画も考えていきたいという

――ここからは、2015年に向けたお話を聞かせてください。

山本喜代志氏: 上半期までの予定になりますが、先ほどお話しした2014年で残った課題の解消と、幾つかの新規コンテンツの追加を予定しています。

 また年初には“新クラス”が入ります。8月に実装いたしました「レンシア」は元々中級者以降に向けた職業だったのに対し、より多くの人にプレイしてもらえるような新クラスの実装を予定しています。

――“新職業”ではなく、“新クラス”が入るのですか?

山本喜代志氏: これまでのように「転職」でなるものではないので、“新クラス”という言い方が合っています。ビジュアル的にもかなり変化があるので、楽しみにしていてください。また“新クラス”と近いタイミングで、新規の大型ダンジョンも入ります。

――他にはいかがでしょうか?

山本喜代志氏: あとは、ギルドシステムの強化があります。これはお客様同士の繋がりを深めてもらう意味合いがあって、ギルドでしかできないコンテンツ、ギルド独自のコンテンツを増やしていきます。

 タイトルが5年続くとやはりプレーヤー間で格差は出てきてしまって、ギルドに入ってはいるけど独自に遊んでしまうような状況があるので、これを解決できるようにということです。オンラインゲームはプレーヤーの2極化はどうしても生まれてしまうのですが、できるだけマイルドにしていきたいと考えています。

 また日本事業部が主体となって進めている独自のコンテンツとして、課金アイテム販売の大きな改修を考えています。現在、購入できるアイテムは定期的に入れ替えを行なって、再販をしない限りそのアイテムが手に入らないという状況があります。

 これは特に新規プレーヤーにとっては、欲しいものがあっても買えないという状況なので、この問題を解決しながら、満足した上でアイテムを購入してもらえるような新しい販売方法の実施を進めています。

 現時点で全体の50%くらいまで企画が進んでいて、お客様にわかりやすくどう見せるかを考えているところです。

 ほかにも、過去に開催した女性プレーヤーだけを集めた「女子会」や、男性プレーヤーだけを集めた「男子会」に代わるより新しいオフラインイベントも実施していきたいと考えています。

――新規のプレーヤーに向けた施策は何か考えていますか?

山本喜代志氏: 「Dragon Nest」の場合、アクションゲームでありながら、WASDキーによる操作が主体となっているので、まずそこに課題があります。若いゲームプレーヤーの方はスマホゲームなどでより手軽な操作に慣れているので、そこをどう乗り越えてもらえるのかという問題ですね。

 また本作は限られた人数でダンジョン内を進めていくMOタイプのタイトルなので、そこも特異なポイントとなっています。そのあたりをよりわかりやすくする工夫や、継続率が上がるような、より楽しんでもらえる方法を模索しています。

――それでは最後にメッセージをお願いします。

山本喜代志氏: MMO、MOのゲームにとって、生き物ののように変わっていく環境をどう改善していくかは、プレーヤーの声を頼りにするほかありません。独りよがりの運営にならないよう、より高い次元へジャンプアップできるようにチャレンジしていきたいと考えています。みなさんの意見をしっかり吸い上げて、運営を頑張っていきます。

山本高勝氏:2014年を振り返って、お客様の期待に十分に応えられていない部分を真摯に反省して、2015年に向けてはご要望に少しでも近づけるよう、楽しんでもらえるように開発と共に進行していきたいと思います。もちろん運営だけでできる部分にもチャンレンジします。

――ありがとうございました。

(安田俊亮)