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「FFXIV London Fan Festival」にて「FFXIV: 蒼天のイシュガルド」最新情報を公開

両手剣を扱う第3の盾「暗黒騎士」を発表! 蛮神「ビスマルク」など新情報も続々!!

10月25日発表(現地時間)

 スクウェア・エニックスは、現在ロンドンで開催されているMMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」のオフラインイベント「FFXIV London Fan Festival」において、「FFXIV」の拡張ディスク「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」の最新情報を公開した。発売時期は2015年春の予定。

今回のファンフェスはロンドン
謎の黒魔道士
満面の笑み
吉田プロデューサーだった
欧州向けのデータセンターの拡充を急ピッチで進めているという
「蒼天のイシュガルド」ラスベガスのおさらい
「蒼天のイシュガルド」最初の新情報はフライングマウント

 ラスベガスに続いて2週連続の開催となる「FFXIV Fan Festival」。今回はロンドンに会場を移して1日限定のイベントとして実施された。イベントの開幕を飾ったのは、ラスベガス同様、吉田直樹氏の基調講演。内容はやはり拡張ディスク「蒼天のイシュガルド」の紹介となった。

 「蒼天のイシュガルド」ティザートレーラーが流れた後、吉田氏が姿を現わ……さない。ステージは真っ暗なままで、スモークが焚かれている。何度かの閃光を経て現われたのはアーティファクトに身を包んだ黒魔道士。これが吉田氏だった。頭装備を外して正体を明かした吉田氏は笑顔で歓声に応えながら挨拶し、早速プレゼンテーションを開始した。

 吉田氏は「『蒼天のイシュガルド』の新たな情報を公開しますが、その前にヨーロッパの皆さんにお知らせしたいニュースがあります」と切り出し、ヨーロッパ向けのデータセンターの設置について告知を行なった。

 「沢山のレーテンシーに関わるフィードバックをいただきありがとうございます。本当にお待たせしました。にっくきタイタンのランドスライドや、ツインタニアのツイスターなどで非常にツライ思いをさせてしまっていましたが、EUのデータセンターについて、どの地域にデータセンターを作るのがいいのか、最終の候補地の選定に入っています。ヨーロッパのインフラを持っているパートナーを何社化に絞って、最終的なスケジュールと見積もりに入っている」と語り、3地域の中で手薄だった欧州向けのデータセンターを拡充していく考えを明らかにした。

 また、ラスベガスのファンフェスで発表された有料アイテムについて、本格的なアイテム課金制のスタートではないかと不安視する声も聞かれたことを受け、吉田氏は「No Pay to WIN!」と英語で語り、お金を払わなければ勝てないようなゲームデザインにはしないことを改めて約束した。

 ミニオンは今後インゲームでは取得できず、アイテム課金のみでの入手になるとか、ダンジョンも有料になるのではないかと不安視する声があったというが、吉田氏はすべて否定。お金を頂くことで、より多くのミニオンやスプリングドレスのようなお洒落装備にコストを掛けられるようになり、さらにはユーザーが待ち望んでいるハウジング関連のサーバーの購入などプレーヤーが快適にプレイできる環境の整備に還元していくということだ。

 「FFXIV: 蒼天のイシュガルド」関連の発表では、ラスベガスでのおさらいからはじめ、「蒼天のイシュガルド」の特徴である空での冒険に欠かせないフライングマウント(飛行できる乗り物)や、イシュガルドエリアに生息する蛮族、そして彼らが崇める蛮神(武神)、さらにユーザーお待ちかねの新ジョブの情報が公開された。

 フライングマウントについては、実機から収録した短いトレーラーが公開され、イシュガルドのフィールドを黒チョコボで飛行する映像が初披露された。「FFXIV」の飛行システムは、特定の発着所でしか飛び立てなかったり、決められたルートしか飛べないことはなく、イシュガルド全エリアで好きな場所から自由に飛び立ち、自由に空を飛ぶことができるという。

 黒チョコボの場合、地面を走りジャンプをすると、最高到達点から飛行を開始するという。そのまま上昇を続け、地上からは見えない、上空の岩場や謎の飛行物などにアクセスできるようだ。地上まで降りれば、そのままグラウンドマウントに移行し、そのまま再度飛び立つこともできるという。マウントによっては移動スピードがさらに速いマウントも存在するようだ。

 現在マウントは6つまで確定しており、それ以上のマウントは「ユーザーの声援次第」と吉田氏が煽ると、客席からは「でぶチョコボ」など実装して欲しいフライングマウントの名前が叫ばれた。今回公開されたのは、黒チョコボと、シドが急ピッチで開発しているという1人用の飛行艇の2つだが、今回未公開のフライングマウントは、ストーリーで重要な鍵を握っており、「蒼天のイシュガルド」コレクターズエディションに同梱されるフィギュアにもなるという。

 飛行した上で、どのような冒険が待ち構えているかについては語られなかったが、イシュガルドの先にある未知の領域はドラゴンの支配地になっており、ここをチョコボで飛行していると、“猛烈な危険が襲いかかってくる”という。果たして空中戦はあるのか。続報に注目したい。

【フライングマウント】
黒チョコボ
1人乗り小型飛空挺

【フライングマウントトレーラー】

【イシュガルドフィールドイメージ】

蛮族バヌバヌ族

 蛮族と蛮神についてはそれぞれ2つずつが公開された。1つはバヌバヌ族。でっぷり太った体系をしており、「FFXI」のヤグード族のような鋭い嘴と、大きな耳が特徴的。若干ユーモラスな雰囲気だが、敵か味方かは明言されなかった。

 彼らが崇める蛮神は雲神「ビスマルク」。「FFVI」に登場した幻獣として知られるが、白鯨のようなイメージはそのままに、今回は“雲神”として雲の中を泳ぐ存在として登場するという。吉田氏は「どうやってビスマルクと戦うのか、たとえば手すりが壊れてしまうエアシップに乗っていくのか、はたまた落下してしまうのか、色々な想像ができると思います。驚きと楽しさを持って戦っていただきたいと思っています」と悪戯っぽい笑みを浮かべながらコメントした。

 もう1つの蛮族は、グナース族。昆虫を人型化したような姿形をしており、「これでイメージはfixですが、友達にはなりたくないですね」と吉田氏が語るように、少々薄気味悪いデザインになっている。

 そして彼らが崇める蛮神は、「FFXIV」オリジナルとなる武神「ラーヴァナ」。一見、オーディンと見まがうような勇壮な戦士タイプで、4本の手それぞれに武器を携えている。吉田氏は「どのような攻撃を仕掛けてくるのか、想像しながらお待ちいただきたい」と言葉少なで、オリジナル蛮神のコンセプトやギミックなどは次回以降にお預けになるようだ。

【蛮族「バヌバヌ族」】

【雲神「ビスマルク」】

【蛮族「グナース族」】

【武神「ラーヴァナ」】

バットマンの伏線は「暗黒騎士」だった
暗黒騎士の構えをする吉田氏
次のジョブのヒントは「007」。ガンを撃つ構えでフィナーレ

 そしてお待ちかねの新ジョブが紹介された。今回、吉田氏ら開発チームメンバーは、ラスベガスでしきりにバットマンネタを繰り返し、今回も吉田氏が黒魔道士のコスプレの下にバットマンTシャツを着るなど、わかりやすシグナルを発していたが、新ジョブ1つ目は、おおかたの予想通り暗黒騎士だった。

 暗黒騎士の発表は予想通りだったが、ジョブ設計は意外性に満ちた内容だった。まず、ロールはDPSではなくタンク。武器は両手剣で、戦士と同じように受け流しによって攻撃を凌ぐタイプとなる。その上で「暗黒の力(Power of Darkness)」と呼ばれる新システムを駆使して戦うという。また、ベースとなるクラスは存在せず、クラスに紐付かない単独のジョブとして設計されている。今回発表された情報はここまでとなる。

 すでに開発内では、暗黒騎士がアニメーションしながら動作しているということで、吉田氏は暗黒騎士の構えらしきものを見せ、開発が順調に進んでいることをアピール。ここで吉田氏が「『暗黒の力』とは言うものの、邪悪な存在ではない」とうっかり口を滑らせると、場内からブーイング。これは吉田氏には意外だったようで、「皆さん、堕ちたいんですね、じゃあ(邪悪な存在への変更を)検討させて貰います(笑)」と語り、いきなりの軌道修正を約束。吉田氏は今後のフィードバックにも目を通しながら、沢山の人に楽しんで貰えるようなジョブにしていきたいと抱負を語った。

 ここで吉田氏は唐突に「暑い」と言い、これ見よがしにシャツを脱いだ。バットマンのTシャツの下に着ていたのは「007」のTシャツ。吉田氏はジェームズ・ボンドが大好きで、とりわけロジャームーアが好きだという。つまり、これが2つ目の新ジョブのヒントというわけだ。「蒼天のイシュガルド」に関する次回情報公開は12月20日に東京で開催されるファンフェスとなる。いよいよ日本の番だ。発表を心待ちにしたい。

【スクリーンショット】

【FINAL FANTASY XIV: Heavensward Teaser Trailer】

(中村聖司)