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【E3 2014】PS4用レーシングゲーム「DRIVECLUB」、開発者が語る魅力
地域による天候まで再現しながら、ゲーム性はカジュアル。仲間と走りたい作品
(2014/6/14 08:25)
SCEAがE3で会場での出展に加え、開発者によるプレゼンテーションを行なったのが、 PS4用レーシングゲーム「DRIVECLUB」だ。本作は非常に美しくリアルなグラフィックス表現と、豊富なソーシャル機能、カジュアルなゲーム性を持った作品だ。
「DRIVECLUB」は様々なメニューを、直感的に選ぶことができる。メニュー周りでは、本作で特に重視されているのが「クラブ」の機能。プレーヤー達は最大6人の“クラブ”をくむことができ、様々なアクティビティをプレイすることでポイントを得て、クラブのランクを上げることができる。ポイントにより新しい車の入手や、カスタマイズが可能になっていく。専用アプリでの連動で、仲間のレースのストリーミングでのレース観戦や、ゲーム内のアップデート情報などをスマートフォンで確認もできる。
クラブは他のクラブにチャレンジを提示することができ、このチャレンジに成功した相手クラブはポイントが得られる。チャレンジはクラブ内のどのメンバーでも挑戦可能で、ドリフトが得意なプレーヤー、レースが好きなプレーヤーなど、メンバーそれぞれが自分の得意分野の実力を活かすこともできる。公式でも様々なイベントが開催されており、これらに参加することも可能だ。レースはメンバーで参加することも、個人で参加することもできる。
シングルプレイのキャンペーン「ツアーモード」もあり、様々な条件が提示されたレースを楽しむことができる。ただ走るだけでなく、ドリフトの距離や回数を決められた回数決めることを求められたり、一定期間のタイムアタックといった要素もある。他のプレーヤーとのマルチプレイでのゲームの場合、開始時間を提示して挑戦者を募り、待ち時間の間シングルプレイを進めておくことも可能だ。シングルプレイでも他のプレーヤーのゴーストを呼び出し、彼らの記録に挑戦したり、走りの参考にすることもできる。
レースゲームとしては車とレースの状況の表現に強いこだわりを持っている。本作には、55種類の車が登場し、各車のモデリングはもちろん、エンジン音は車体の各所に取り付けたマイクでエンジン音を収録し、リアルな表現を可能にしている。プレーヤーの視点での音声の変化、敵車との距離などで如実にエンジン音が変化し、リアルなレースの雰囲気を作り出している。ちなみに本作は1080P、30フレームでのの表現となっている。あえて60フレームにしなかったのは、様々な表現を重視したためだという。
本作には、スコットランド、ノルウェー、チリ、カナダ、インドの5カ国のコースが収録されている。特に大きなウリとなるのが“天候・時間”でのコーナーの状況の変化である。スコットランドの空はどんよりと重い場合が多く、霧が発生する場合もある。雨を降らせると、車体、路面、周囲のオブジェクトがすべて濡れていく。雨は土砂降りの表現も可能で、レース中雨が降り出し、土砂降りになっていくという表現も可能だ。雨が強くなるにつれ、路面に水たまりも形成されていき、路面状態は悪くなっていく。
雨は水滴すべてが再現されており、特に夜のヘッドライトに映し出される水滴のリアルさは圧倒的だ。レースでは天候や時間帯の変化を設定することが可能で、レース中状況が変化していく。また、高低差のあるコースの場合、標高によって天候が変化する、といった場合もあるという。
雪の状態も見ることができた。ちらほらと雪が舞っていたかと思うと、視界をふさがれるほどの猛烈な雪になったりする。コースでは場所によって吹きだまりが生まれたりするという。ちなみに天候は各地域によって設定が変わる。赤道に近いインドのコースでは、雪は降らせられない。また、チリでは雨が降ってもやめばすぐに路面が乾くが、スコットランドではいつまでも水たまりが残るなど、各国の気候によって路面の変化も異なる。
こういったリアルな天候・状況変化を再現しながら、レースの感触はあくまでカジュアルだ。本作には“セッティング”は存在せず、雨が降るからレインタイヤにするといったことは行なわない。走行性能は各車ごとに設定されていて、カスタマイズできるのは外見のみ。車の挙動も“ゲーム寄り”になっていて、あくまでゲーム性はカジュアルとなっている。
リアルな天候変化は、走行時のアクシデントであり、プレーヤーは刻々と変化する状況を、ドライビングテクニックで切り抜けていくという楽しさこそが、「DRIVECLUB」の追求する楽しさなのだ。
今回のデモンストレーションでは走行中にポーズをかけ、カメラを自由に動かして様々な場所をチェックすることができ、その圧倒的な表現力に驚かされた。このカメラの自由移動はあくまでデモ用であり、製品版には搭載されないとのことだが、アップデートで「フォトモード」の搭載も考えているという。PS4だからこそできるこの圧倒的なコース表現は、できれば本当に細部までチェックしてみたくなる。