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【E3 2014】ファンタジーアクションRPG「シャドウ・オブ・モルドール」のシステムが明らかに

幽鬼の力でオークをそそのかし、同士討ちを狙う、ダークな戦略性を実現

6月10日~6月12日開催(現地時間)



会場:Los Angeles Convention Center

 米Warner Brosが北米で10月に発売を予定しているハイファンタジーアクションRPG「シャドウ・オブ・モルドール」は、J・R・R・トールキンの「指輪物語」で描かれる“中つ国”のモルドール地方を舞台としている。邪悪なオーク達が闊歩する世界での激しい戦いが楽しめる。

 E3では「シャドウ・オブ・モルドール」はムービーでの出展に加え、プレイアブルバージョンでの体験プレイができた。敵達の勢力争いなど、独特の駆け引きが楽しめるダークでカオスなゲーム性の一部を見ることができた。

幽鬼の力を活用し、不毛の地・モルドールに、オークの屍を積み上げよ!

個性豊かなオーク達に注目
オークの力を利用して戦いを有利に
魔女との出会い。彼女の思惑は?
トロルを利用してオークを蹴散らす

 「シャドウ・オブ・モルドール」は幽鬼の力でよみがえった男・タリオンが主人公となる。彼はすべてを奪ったモルドールに住まうオークの軍団に復讐を誓う。「指輪物語」で描かれる冥王サウロンがいる国とされ、命の少ない不毛の国であり、恐ろしい場所として描写されている。

 本作の大きな特徴としてアナウンスされていたのは、「ネメシスシステム」という存在。「シャドウ・オブ・モルドール」では敵のキャラクターそれぞれが“記憶”や“個性”をもっており、タリオンはこれを利用し、有利な状況を作り出すことができる。リリースでは詳細はわからなかったが、今回の体験プレイでそのシステムの一端を見ることができた。

 今回のデモプレイでは、広大な地域が提示された。詳細は明かされなかったが、モルドールの1地域のようだ。ここには数人のオークのリーダーが存在し、その下に彼らの部下がいる。リーダーや部下はそれぞれの思惑で行動しており、プレーヤーはまず、リーダーや部下を“ターゲット”として指定し、彼らがマップのどこにいるかを調べ、行動を開始する。提示された場所にはマークが置かれ、そのマークに到達すると「ミッション」が開始される。

 ターゲットは1人で行動しているわけではなく、配下の兵を連れていたり、他の勢力と争っていることもある。タリオンは幽鬼の力を使い、ターゲットを“支配”することができる。ターゲットに対しタリオンは敵を倒すだけでなく、弱らせてから支配することができる。リーダーに対し部下のオークを支配することができれば、ターゲットの心にささやきかけ、反乱を起こさせることができる。

 「指輪物語」でもオークは頻繁に内輪もめをしていたが、本作もその設定はしっかりと活かされている。主人公・タリオンはこの互いに争うオークの性格を利用して戦いを有利に進めていくのである。「指輪物語」らしいシステムといえるだろう。

 タリオンの幽鬼の力も、原作の雰囲気を強く残している。敵を識別したり隠れることができるモードにすると、視界が一変し、「指輪物語」のフロドが指輪をはめた時のように視界がぼやける。また、幽鬼の力は“白いオーラ”として表現され、原作の死霊の力を思わせる。

 集団と戦う戦闘はバランス的にはきつめで、プレーヤーは常に囲まれないように戦う必要がある。今回は開発スタッフのプレイも見ることができたが、うまいプレイは時にはダッシュで戦闘を離脱し、隠れてから突っ込んだり、弓でヘッドショットを狙ったり、幽鬼の力を織り交ぜて集団の敵をうまく裁いていた。プレーヤーテクニックを追求できる、一騎当千の戦い方もできる作品だと感じた。

 ターゲットとなるオークはそれぞれ個性的で、醜く、邪悪だ。彼らは登場すると専用の登場デモで台詞をしゃべり、プレーヤーにその強烈な個性を印象づける。「指輪物語」ファン、ダークファンタジーファンの心を強く揺さぶる作品である。

(勝田哲也)