ニュース

新進気鋭のオンラインフライトコンバットシム「War Thunder」βテストレポート

さらなる搭乗車種の拡張、そして未知なる“World War”モードの実現へ

さらなる搭乗車種の拡張、そして未知なる“World War”モードの実現へ

高ランクの戦車の迫力を、ぜひ1度体験してもらいたい
長期ロードマップのひとつとして「World War」モードの存在が示唆されている

 「War Thunder」は、非常に高レベルな形で陸軍要素が実装され、本作は予定されていた開発ロードマップを順調に消化しつつある。とはいえ、2012年11月に始まったオープンβテストは、まだまだ年単位で続きそうだ。

 まず、アメリカ、イギリス、日本といった、あるべき国籍の戦車がまだ実装されていない点がひとつ。空軍要素の拡張と平行しての開発となるため、1月に1~2機体/車種の実装ペースが続けられている最近のアップデートのペースから言っても、陸軍要素が完成状態となるまでまだ1年程度はかかりそうだ。

 さらに時間を要しそうなのは、本作のロードマップとして公表されている「World War」モードの実装だ。これについてはまだ公開されている情報が少なく内容については推測するしかないが、コミュニティによってまことしやかに囁かれているウワサ、期待、開発者に対する要望をまとめると、超巨大な戦場と長大なゲームセッションを持ち、世界大戦の流れそのものをプレイアブル化するゲームモードというイメージだ。

 実際の戦いを部分的に追体験するヒストリカルバトルや、歴史上の一連の作戦を追っていくダイナミックキャンペーンモードはシングルプレーヤー要素としてすでに実装済みであるため、今後実装予定とされる「World War」モードはそれを超えるものになることは間違いない。少なくとも、現在までに実装された空と陸の要素をひとつの大きなプレイ空間にリンクするものであることは期待していいだろう。

 少し話はそれるが、2002年にサービスを開始し今も細々と続く「World War II Online」(Cornered Rat Software)というMMOコンバットゲームがある。ヨーロッパ大陸全体をを1つの戦場として1/2スケールで再現し、枢軸・連合の決着がつくまで1セッション2~3カ月も続くリアルタイムキャンペーンを、同時接続数千人の規模で展開するという気宇壮大な作品だ。筆者はこの作品を2年間ほど、夢中で遊んだ。

 この作品はカルトな人気は集めたものの、戦場が巨大すぎ、たとえば最寄りの基地から戦車を前線に移動させるだけで30分~1時間かかってしまうという面倒臭さののため、有閑コアゲーマーには最上のエンターテイメント空間を提供しつつも、アクティブユーザー1万人~2万人程度の極小コミュニティから脱皮することはなかった。だが、日々移り変わる実物大の戦場に参加し、その歴史に少しでも影響を与えていく体験は、間違いなく、かけがえのない面白さを秘めていた。

 「War Thunder」は高品質の空中戦、そして戦車戦をひとつのゲームに実装したことで、そういった面白さを非常に高いレベルで実現できるポテンシャルを持つ作品だ。まずは各要素のさらなる充実と、いずれはプレイアブルな海軍の実装なども期待しつつ、本作がどのような進化を遂げるか見て行きたい。

(佐藤カフジ)