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小野氏と綾野氏が場を盛り上げた「ウルトラストリートファイターIV」イベント
YouTubeアップロード機能を搭載! PS3版「MHF G」の台湾展開も正式発表
(2014/1/25 12:49)
SCETブースで行なわれたカプコン「ウルトラストリートファイターIV」のイベントでは、台湾ファンにお馴染みの「ストリートファイター」シリーズ統括プロデューサーの小野義徳氏と、アシスタントプロデューサーを務める綾野智章氏が登壇し、作品の魅力を語った。
さらにイベントカプコン台湾ジェネラルマネージャーの越知雄一氏が登場し、台湾でのPS3版「モンスターハンター フロンティアG」のサービス開始を発表。中国語での越知氏の発表に、会場から大きな歓声が上がった。
小野氏、綾野氏が台湾格闘ゲーマーと勝ち抜きチームバトルで対決!
「ウルトラストリートファイターIV」のイベントでは、綾野氏の説明を小野氏がハイテンションで引っ掻き回していくという形で進行していった。小野氏がいきなり「後日、SCETのFacebookで、アップデート版をプレゼントします、綾野の自腹で! チャンスを逃さないようにいつもチェックしてください」と発表し、綾野氏は「え……はい」という感じで答えるというようなノリで、小野氏の無茶ぶりを綾野氏が困惑しながら受けていくという感じだった。
シリーズ最新作の「ウルトラストリートファイターIV」は、現在アーケード版のロケーションテストが日本各所で行なわれ、台湾でもSCETの協力の下、何度か実施されたという。アーケード版の稼動は日本では近日予定だ。
コンシューマー版はPS3/Xbox 360で発売される。パッケージ版だけでなく、「スーパーストリートファイターIV AE」及び「スーパーストリートファイターIV」からのアップデートが可能で、アップデート版が先行という形になり、6月上旬に発売される。パッケージ版は8月上旬。
「ウルトラストリートファイターIV」はシリーズ最多の44名のキャラクターが登場する。新キャラクターとしてヒューゴ、ポイズン、エレナ、ロレントの登場がアナウンスされており、まだ5キャラクターが未発表となっている。ファンの間でどのキャラクターが登場するかの議論が盛んだ。
本作ではEXゲージを消費して多段技をガードし、反撃できる「レッドセービングアタック」、1ラウンド目にウルトラコンボを繰り出せる「ウルトラコンボダブル」といった機能が追加され、駆け引きの幅が広がった。チームバトルでは前のラウンドの体力を引き継ぐ「勝ち抜きチームバトル」が実装される。
さらに、オンラインで他のプレーヤーを相手にしたトレーニング機能、YouTubeへのアップデート機能も新たに実装となる。動画は自分のアカウントにアップロードが可能で、対戦結果を動画で楽しむことができるようになるという。
イベントでは台湾の格闘ゲーマーであるGamerBee氏と、RB氏が登場し、勝ち抜きチームバトルで小野氏、綾野氏と対戦した。小野氏はGamerBee氏に敗れ、綾野氏はGamerBee氏を倒すも、RB氏に倒されてしまった。試合の後、「プレゼントは20本にします。綾野の自腹で!」と小野氏が発表すると会場はさらに大きく盛り上がった。
そして「さらに発表がある」としてカプコン台湾ジェネラルマネージャーの越知雄一氏が登場した。越知氏は中国語で会場に盛んに呼びかけ、台湾でのPS3版「モンスターハンター フロンティアG」のサービス開始をアピールした。
台湾版では、日本語版のアップデート内容をできるだけ速いスピードで実装し、日本版の特典武器も入手できるようにしていく。台湾オリジナルイベントも積極的に開催するという。「『モンスターハンター フロンティアG』は30本プレゼントします!」と越知氏が宣言すると、会場から大きな歓声が上がった。
カプコンのこれからの取り組みがきちんと提示されたインタビュー
合同インタビューでは、小野氏は会場のノリそのままのテンションで質問に答えながらも、一方でカプコンとしての今後の将来像も提示し、台湾メディアへカプコンの戦略をはっきりと印象づけた。
台湾メディアが何としても引き出そうと質問が重ねたのは、イベントでは最後まで明らかにされなかった新キャラクターに関してだった。小野氏は「ネットで言われているような烈(レツ)でもレインボー・ミカでもありません。全世界で今議論されているなかでかすっていたのは4人くらいでした」と語った。
さらに台湾メディアが食い下がると小野氏は「ちょっと動きが速い」、「女性」、「リリースされると多分やっかい」、「喜ぶ人は……、最初の発表ではほとんどいないかもしれない」と更なるヒントを提示した。すると、最後の言葉に反応した綾野氏がすぐに全否定し、「喜ぶ人メチャクチャいますよ!」と訂正した。小野氏は「ストリートファイターワールドには登場していますが、これまで一度もプレイアブルにはなったことがないキャラクターです」とさらに情報を語ると、綾野氏は「これくらいで勘弁してください」と小野氏を止めた。
YouTubeへのアップデートはPS3でのエンコードによるアップロードが可能で、プレーヤーのプライベートアカウントへ、画質は自動設定となるとのこと。「レッドセービングアタック」は綾野氏の「ストリートファイターIII」へのリスペクトから生まれたシステムであり、「ストリートファイターIII」の「レッドブロッキング」よりも、もっとカジュアルに多段ブロッキングを実現させるために実装したという。
「ウルトラストリートファイターIV」のロケーションテストでは、新キャラクターに対しての意見が多く、積極的にメスを入れることになったという。「レッドセービングアタック」もEXゲージの消費量など、バランスを調節していると綾野氏は語った。チューニングはこれからも継続して行なっていくとのことだ。
「新ハードや様々な形式のサービスが増えていく中、ゲームの提供方法も多様化している。カプコンはどう対応していくか?」という質問に小野氏は、これからのカプコンの取り組みについての姿勢をメディアに対しきちんと語った。SCEに関しては、ハードは増えていくが、それぞれに明確なユーザー像があり、カプコンはそこに対してマッチしたゲームを供給していくという。カプコンはPS4専用に「deep down」というオンラインRPGを開発しており、PS4ユーザーが喜ぶ機能、時代の要求に合ったサービスを盛り込んでいる。各プラットフォームには明確なユーザー像が設定されており、カプコンはそこにあったものを開発するようになっているので、やりやすくはなっていると小野氏は語った。
「ストリートファイター」シリーズのPS4での提供はまだアナウンスされていないが、これは「deep down」での新しいゲームエンジン「Panta Rhei」がファイティングゲームにマッチングされていないためで、まずカプコンのファーストプライオリティは「deep down」とPanta Rheiの完成であり、ファイティングゲーム、「ストリートファイター」シリーズの次の取り組みはその後の課題だと捉えているとのことだ。Panta Rheiを適用するか、それとも新たなゲームエンジンを開発するかも検討しているとのこと。
カプコンとして、ファイティングゲーム担当として、明確に今後の取り組みを台湾メディアに提示した小野氏の姿勢はとても興味深い。新ハードが発売され、“新しいゲーム”が求められている現在、カプコンはこの時代をどう捉え、どう取り組んでいくかがきちんと語られた。「PS4の登場で何かが変わる。その新しいものをカプコンは生みだそうとしている」という事があらためて伝わってくるインタビューだった。