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コーエーテクモ、「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」イベントレポート

ゾンビとニンジャを戦わせるために生まれた作品、早くも続編への期待も

1月23日~27日開催

会場:Taipei World Trade Center

 コーエーテクモゲームスのプレイステーション 3/Xbox 360用スラッシュアクションゲーム「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」は稲船敬二氏率いるcomceptとTeam NINJAのユニークなコラボレート作品だ。日本での発売は3月6日を予定している。

 本作の主人公カミカゼ・ヤイバはリュウ・ハヤブサに敗れ右手を失い、サイボーグとして復活した。彼はハヤブサに復讐するため、ゾンビに占領された街で戦いを繰り広げて行く。開発は北米のSpark Unlimitedが担当している。

 ゾンビ対ニンジャ、アメコミ調の画風、「NINJA GAIDEN」を受け継ぐ剣劇と激しいアクション、ブラックでタガの外れたユーモア……などなどとても盛りだくさんの作品である。今回のイベントではコンセプターを務める稲船敬二氏と、Team Ninjaのコーエーテクモゲームスの早矢仕洋介氏が登壇し、作品への想いを語った。

レトロ調のおまけモードも搭載。ユーモアと本格アクションの両立

コンセプターを務める稲船敬二氏
Team Ninjaのコーエーテクモゲームス早矢仕洋介氏

 今回のイベントではいきなり人を驚かせる“先制パンチ”が放たれた。最初にムービーで紹介された「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」は響き渡るビープ音と、ドット絵のイベントシーンからはじまった。ファミコン版の「忍者龍剣伝」を思わせるレトロなグラフィックス。それでいながら“とても面白そうだ”と感じさせる。

 これまでイベントなどで出展されていた「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」とは大きく異なるゲーム画面が映し出され、会場の空気からもはっきりと戸惑いが感じられた。筆者は「ひょっとして本作は大きく方向転換したのか?」と思ってしまった。しかし実はこの要素は「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」のおまけであり、レトロ調のゲームがプレイできる1つのモードだということが稲船氏によって説明された。

 そして改めて早矢仕氏がデモプレイを行ない、稲船氏が解説する形で本作の基本要素が紹介された。「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」はニンジャとゾンビが激しい戦いを繰り広げるアクションゲームであり、稲船氏の大好きなものを詰め込んだ作品だという。ゾンビを叩きつぶし、切り刻んでいく爽快感のある戦いが体験できる作品となっている。

 「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」はアメコミ調なグラフィックスで、独特な雰囲気の中、ゾンビ達を切り刻むヤイバは非常にカッコイイ。敵は時には強力な連続攻撃もしてきて、しっかりとガードしないと大ダメージを負ってしまう。

 剣の軌跡は派手で、ヤイバの動きは素早いが、単調な攻撃では敵は倒せない。隙を狙ったり、コンボを繰り出すことで敵へ大ダメージが与えられるが、敵の身体を引きちぎったり、剣を突き立てたり、ド派手な演出が入るのが楽しい。高いアクション性と、派手な演出が楽しめる作品となっている。

 ゾンビの身体を振り回して武器にしたり、ゾンビの身体に爆弾を仕込むといった戦い方も可能で、中ボスとして現われるゾンビの腕を引きちぎってヌンチャクにするといった要素も明らかになった。早矢仕氏の派手なデモプレイで、会場の人達全体に、本作の持つ魅力が強く印象づけられたことを感じた。繁体字中文版の発売日が3月18日であることが明らかになると、観客達から歓声が上がった。

 イベントではコラボレーション情報も告知された。中川翔子さんが主演する映画「ヌイグルマーZ」とのコラボレーションに加え、稲船氏が開発しているアクションゲーム「Mighty No.9」ともコラボを行ない、主人公のMighty No.9の姿でのゲームプレイも可能になるという。

【YAIBA: NINJA GAIDEN Z】
最初に公開されたおまけ要素。レトロゲームの雰囲気が濃厚だ
アクション性が高く、ド派手な戦いを体験できる

「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」は「NINJA GAIDEN」の外伝ではなく、新しいIP

なぜゾンビが出てくるのか? 改めて本作のコンセプトを確認する質問がぶつけられた
ゾンビとニンジャの戦いはとても魅力的だと感じた。プレイするのが楽しみだ

 合同インタビューでは「NINJA GAIDEN」及び「Dead or Alive」シリーズとの関係の質問が多かった。早矢仕氏は「現在はまだ明かせないが、意外なキャラクターもゲーム内に登場するだろう」と語った。

 「本作はリュウ・ハヤブサと戦おうというヤイバの物語だが、何故ゾンビを盛り込んだのか?」という質問には稲船氏はちょっと驚いた顔をしながら、「ゾンビと戦いたいからこのゲームを作りました。ゾンビとニンジャとの戦いがこの作品の一番作りたかった理由です。リュウとの因縁はその後に設定したものです」と答えた。

 た、早矢仕氏は「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」は「NINJA GAIDEN」シリーズの“外伝”ではなく、独立した新しいIPであり、「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」としての続編も作っていきたいという思いをもっているということを強調した。本作は稲船氏とのコラボレーションで生まれた新しいタイトルであると捉えているという。

 この他、「NINJA GAIDEN」シリーズの魅力の1つとしてセクシーな女性キャラクターの登場があるが、本作ではヤイバを補佐する「ミスマンデー」がセクシーな女性である。稲船氏は彼女は容姿だけでなく、ヤイバとのやりとりが魅力だと語った。軽い感じのミスマンデーと重苦しいヤイバとの言葉のやりとりは注目したい。

 「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」はE3や東京ゲームショウなどにも出展されているが、改良を続けており、カメラアングルはより見やすいものになっている。カメラアングルは自由に動かせるものではなく、場面で固定なのは、稲船氏の「鬼武者」での開発の経験が活かされているという。

 稲船氏には「一番のお気に入りのゾンビゲームは何か?」という質問もぶつけられた。「僕はゾンビゲームの元祖として『デッドライジング』を作ったので、特別な思い入れがあります。ゾンビを中心に置いた、今でも大好きな作品です」と稲船氏は答えた。

 稲船氏は台湾のユーザーへのメッセージとして、「今後もアジアの方々をないがしろにしないようにしていきたいと思います」と語った。早矢仕氏は「今回中文版を作って良かった、と思いました。これからも中文版に関しては、しっかり皆さんに遊んでいただけるように作っていきたいと思います」と語った。

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(勝田哲也)