ニュース

これぞアルティメットオープンワールド! 「GTAV」ノンプレイデモレポート

豊富なアクティビティに強盗ミッション、そして明らかになった主人公3人の切り替えシステム!

2013年秋 発売予定

価格:7,770円

 今秋発売予定のプレイステーション 3/Xbox 360用クライムアクション「グランド・セフト・オートV」(GTAV)。開発元のロックスター・ノース史上最も広大な規模で、かつ最も多くのアクションが詰まっているという本作のデモプレイによるオリエンテーションが開催された。

 今回明らかにされたのは、ゲームの舞台となるロスサントスの市街地やその郊外も含む広大なエリア、そして3人の主人公がどのようにプレイでき、どのようなストーリーが語られるのかについて。ハンズオフということで実際にゲームをプレイすることはできなかったが、ロックスターによるデモプレイを見ながら説明を受けることができた。

バックグラウンドストーリー

 太陽が降り注ぐ広大な都市ロスサントス。かつては西欧諸国から憧れのまなざしを集めていたこの街も、今は自己啓発を説く教祖やスターの卵、輝きを失いつつあるセレブで溢れ、不安定な経済と安っぽいリアリティーTV番組がはびこる時代の中で必死にもがいている。そんな混乱の中、個性の全く異なる3人の犯罪者が生き残りと成功を画策する。

 プロの犯罪者から足を洗った前科者のマイケルは、望んでいたバラ色の引退生活を送れずにいる。ストリートギャングのフランクリンは、本物のチャンスと大金を掴みたがっている。凶暴なトレバーは、ドラッグと次の大規模な強盗計画に突き動かされている。打つ手が尽きた彼らは身を立てるため、全てを賭けて大胆かつ危険な一連の強盗に挑む。

山々の広がる郊外でスカイダイビング。マップは「RDR」の3.5倍!

若いが頭の切れるフランクリン
ブレイン郡でのスカイダイビングは爽快の一言。本物のアクティビティのよう

 デモプレイは、主人公の1人で若い野心家、フランクリンの視点から始まった。フランクリンはヘリコプターでロスサントスの郊外にあたるブレイン郡1km上空を飛んでおり、ここでスカイダイビングをするのだという。フランクリンがヘリの床を蹴ると、下には山岳地帯が広がっていた。

 何よりも驚かされたのは、その下に見えるエリアが「とにかく広い!」ということ。聞くところによるとエリアは「レッド・デッド・リデンプション」の3.5倍にも及ぶということで、探索可能となるエリアは人間の暮らす市街地だけでなく、そびえ立つ山々などハイキングコースにもなるような郊外エリアも多分に含まれている。

 スカイダイビングの途中では飛行機が旋回する姿も見られたほか、山には小鹿のような動物が生息する姿も確認できた。フランクリンはパラシュートを開き、山肌をかすめるようにすーっと川の流れる小径に降り立つ。川岸には渓流釣りを楽しむカップルやハイキングを楽しむ人々の姿もあり、通りすがりにフランクリンに挨拶をしていた。

 この山岳地帯で連想されたのは、「レッド・デッド・リデンプション」における郊外の雰囲気だ。自然の中を駆け巡り、動物たちの狩りを気ままに楽しむ。「GTAV」では都市部だけでなく郊外にも力を入れ、砂漠や森、そこに住む動物まで、アメリカ西海岸にありそうな地形や生態系が再現されているのだという。

 「GTA」シリーズの特徴が、人間ひしめく都市を舞台にした、コミカルかつ騒がしく、やがて哀しい人間模様だとするならば、それとは全く対照的な、静謐さも感じられる自然地帯がコントラストを生み出している。この自然地帯もあえて世界に取り込むことで、よりリアリティ溢れる“アルティメットワールド”を演出しているところが画期的なチャレンジだ。

アメリカ西海岸地域の土地を再現しており、各種エリアにはその土地だけの動物が住んでいる
24時間の昼夜サイクルシステムや、独自の気候システムもある

ついに探索範囲は水中にも及ぶ。パンツ一丁のトレバーにも注目

凶暴だがどこか憎めないトレバー

 そしてデモは、フランクリンからもう1人の主人公、トレバーの操作へと切り替わった。この操作、“キャラクタースイッチ”は、本作で初めて登場する注目のシステムだ。プレイ中はいつでもスイッチ可能だが、今回のデモでは瞬時には切り替わらず、アメリカのテレビドラマシリーズを意識した特殊な演出が入るようになっていた。

 キャラクター・スイッチを行なうと画面がザッピングして、俯瞰レベル、マップレベルといったように上空にカメラが引いていき、今度は選択した主人公のもとにザッピングしながらカメラが寄っていく。この演出によって「同じ時間、違う場所」でゲームが進行することが強調されており、「主人公切り替え」システムが新たに加わったことで、これまでのシリーズにはなかった群像劇風の語り口が可能になったことを示している。

 なお1人を操作している間もほかの2人は気ままに行動しているため、次に切り替えた時には毎回違うシチュエーションになっているという。切り替えの演出を見ながら、主人公たちがどこで何をしているかを見るのも楽しみな要素となっている。

 さてトレバーだが、なぜか海辺におり、パンツ一丁の酩酊姿で登場した。トレバーは「3人の中で最もクレイジー」だという元軍人の中年。周りを見れば血まみれで人が倒れており物騒極まりないのだが、汚れた中年のパンイチ姿のせいで滑稽すぎる状況になっていた。なお血まみれの死体は「GTAIV」でも登場した、バイカーギャング「ザ・ロスト」のメンバーだという。

 トレバーは海辺にあったボートに乗り込み、海へと繰り出した。ある程度沖へ出たところで、トレバーはパンイチ姿からダイビングスーツに着替え、今度は海の中へと潜る。今作では、探索エリアは地上にとどまらず、海中もその範囲内になる。海は魚、海藻、入り組んだ地形なども表現されており、泳いでいると環境に応じたサウンドトラックも流れて雰囲気を盛り上げる。中には沈没船などもあり、海ならではの発見が待っているようだ。

 しかし海には危険がつきもの。こうした発見だけでなく、いかにも人を襲いそうなサメも登場する。トレバーの目の前にもサメが現われ、海面に浮上するも、サメに追われてまとわりつかれるという映画「ジョーズ」さながらの状況になった。これからどうなるのか……と興味深いところだったが、ここで今度は3人目の主人公、マイケルに切り替わった。

モーターボートにはスキューバダイビング用の装備が置いてあることも
水中も含めれば、プレイ可能なエリアは「レッド・デッド・リデンプション」の5倍にもなる
Amazonで購入

(安田俊亮)