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PS3「rain」ファーストインプレッション

「Chapter1」を初体験! 「Chapter2」、「3」の情報も一部公開!

2013年秋 配信予定(ダウンロード専売)

価格:未定

 プレイステーション3用アクションアドベンチャー「rain」。雨の中、姿を失ってしまった少年たちの物語が描かれる、「迷子」がコンセプトのダウンロード専売タイトルだ。

 「開発チーム ミニインタビュー」では、鈴田 健プロデューサーと池田 佑基ディレクターがプレイしながら本作を説明してくれたが、なんと今回はプレイさせてもらえるとのことで、再びソニー・コンピュータエンタテインメントにお邪魔した。

 プレイできたのは、来月6月11日より実施されるE3の会場で体験できるという「Chapter1:夜と子供たち」。短い時間のプレイだったが、様々なことがわかってきた。また、プレイできただけではなく、同席してくれた鈴田プロデューサーと池田ディレクターから、「Chapter2」、「同3」についてなど、様々な話を伺うことができた。

 早速、レポートしていきたい。

ストーリー

 ある日、目が覚めた少年は、窓の外に“透明な少女”を見つけます。
少女の後ろには、同じく透明な、けれど異形の怪物が……。
2つの影を追いかけ、少年は家を飛び出しました……。

 不思議な光る扉を抜けた先は、雨の降る、暗い夜の街でした。
人気の全くない、不気味な街……。
そこで少年は気づくのです。
自分自身も姿を失ってしまっていることを。

 少年は、少女の姿を探し、誰もいない夜の街を、ひとり寂しく進みます。
しかし、少年を待ちうけていたのは、見たこともない異形の怪物でした。

「Chapter1:夜と子供たち」ファーストインプレッション。そのビジュアルはもちろん、高品質のアクションアドベンチャーに!

ソニー・コンピュータエンタテインメント ワールド・ワイドスタジオ JAPANスタジオ 鈴田 健プロデューサー
PlayStation C.A.M.P! 池田 佑基ディレクター

 オープニングムービーでは、怪物に追われる女の子を少年が追いかけ、雨の降る夜の街へと迷い込むシーンが描かれる。絵本のような水彩画とストーリーのテキストが交互に表示される。テキストがシンプルにまとめられていることもあり、物語がすーっと頭に入り、引き込まれていく。

 オープニングムービーが終わるとゲーム画面に。少年は自らの姿が見えなくなっていることに気付き、そして女の子を追って街を進んでいく。

 雨の降っている場所だと(降りしきる雨粒が身体に当たるため)姿が浮かび上がり、屋根のあるような場所では姿が見えなくなる。姿が見える状態では怪物に発見されてしまうが、姿を消していれば発見されることはない。見つかった場合には雨の降っていない場所に隠れてやり過ごす。「Chapter1」ではこれらのことをプレイしながら学ぶことができる。ちなみに敵に攻撃されるギリギリの瞬間に隠れた場合にはやられてしまう。雨の降らない場所は、あくまで姿を消せるだけであって、敵が入れないわけではない。少し余裕をもって姿を消す必要があるようだ。

 操作方法は、左スティックで移動、□ボタンを押しながらだとダッシュ、×ボタンでジャンプ、○ボタンで調べる・掴むなど。かなりシンプルなので操作で迷うことはなく、初見でも簡単に動かせる。プレイする中で、とても不思議だったのが、姿が見えない状態での操作。ぶつかったオブジェクトが倒れたり、カメラが追従してくるため、少年の大体の位置はわかるのだが、見えないキャラクターを操作する不思議な感覚は本作ならではと言えるだろう。完全に姿が見えない状態はそれほど多くないそうだが、カメラの設定やオブジェクトを配置する位置など、様々な苦労があったそうだ。なお、オブジェクトにぶつかった際には抵抗があり、歩みが少し遅くなる。

 怪物に見つからないように進んでいくと障害物により先に進めない場所へと辿り着く。ここでは水溜りで音を立てて怪物を誘導することで進めるようになる。そうして、月に照らされた階段を上ると「Chapter1」クリアとなる。

 本作では主人公の少年が武器を持って戦うということはなく、怪物から隠れつつ、場所によっては道を塞ぐ敵を誘導したり、ステージにあるオブジェクトを利用したりして進んでいく。アクション性はありつつも、パズル的な要素が強い印象だ。謎が解けないと進めなくなるが、何度か失敗したりするとヒントを見ることができるので、謎解きがわからずに詰まることはなさそうだ。なお、ヒントは強制ではなく、任意(ヒント表示が出た時点でセレクトボタンを押す)で見られるようになっているため、ヒントに頼らずにプレイしたい人も安心だ。

 「Chapter1」では、シビアなタイミングのアクションが求められることはなかったが、高所から落ちたり、怪物に攻撃されると少年はやられてしまい、ゲームオーバーとなる。ゲームオーバーになった場合にはチェックポイントからのリスタートとなるが、チェックポイントは細かく区切られており、ロードも一瞬でやり直しが苦にならない。Chapterの途中でゲームをやめて、コンティニューする場合にもそのChapterの最後のチェックポイントから始まるようになっている。今回は開発中のロムだったが、製品版でも同じようにすぐにリスタートできるそうだ。

 筆者のクリアタイムは25分ほど。わざと高い所から落ちたり、敵にやられてみたりと、色々テストしながらだったため、かなり遅め。だいたい20分前後でクリアできるボリュームで、システムを理解したうえで、ダッシュを駆使して進めても12分ほどかかるという。全てのChapterが同程度のボリュームということはなく、Chapterによってはマップが広く、クリアに結構時間がかかるそうだ。

 公開されているビジュアルなどから、本作に多大なる期待を抱いている方はさぞかし多いことだろう。筆者もその1人だ。そして、「Chapter1」だけではあるが、実際体験してみて、ビジュアルやサウンドはもちろん、先が気になる物語の展開、姿が見えないからこそのゲーム性、アクションゲームとしてのやりごたえを感じつつも、ミスが苦にならない配慮など、間違いなく良作であると断言できる。

「Chapter2」や「Chapter3」をダイジェストで紹介。泥のギミックや少年を襲わない怪物が登場!

 「Chapter1」プレイ後には、鈴田プロデューサーと池田ディレクターが「Chapter2」や「Chapter3」を要約して紹介してくれた。

 「Chapter2」はオープニングで少女を追いかけていた二足歩行の怪物に追われるシーンから始まる。他の怪物と違い、姿を隠しても追いかけてくる賢さを持っているようだ。

 そして、ここで初めて泥のギミックが登場する。泥の水たまりに入ると足に泥がつき、敵に発見されてしまう。足元までの汚れは水たまりで落とすことができるが、余計な泥の水たまりは避けて進んだ方がいいようだ。また、全身泥まみれになることがあり、この場合は全身が浸かれるような水の入ったタンクなどに入らなければ泥を落とすことができない。

 泥のギミックの後には教会の紹介に。ここはこれまでのように敵から逃げ回るのではなく、教会の中を調べる探索パートになっており、新たなギミックも登場するそうだ。

 続く「Chapter3」は廃工場。かなり広いマップで、「Chapter2」の緊迫したチェイスと違い、じわじわと追い詰められるような恐怖が味わえるという。

 工場の敷地内では新たな怪物が登場する。手足の長い、4足歩行の怪物で、他の怪物とは違って襲ってこない。体の下に入ることができ、体の下では雨が体に当たらないため、姿を隠すことができる。怪物は移動しているため、体の下に入りながら移動できる。

 工場内では少女が怪物に襲われている場面に遭遇し、少年はステージにあるオブジェクトを利用して少女を助ける。その後、少年も危機にさらされるが……結末についてはゲームのリリースを楽しみにしていただきたい。

「Chapter4」以降のものと思われるスクリーンショットも公開された。どんな展開になるのか楽しみだ

 今回の取材では、他にも鈴田プロデューサーと池田ディレクターから、「Chapter4」は少年と少女が出会い、前半の山場になることなどを聞くことができた。

 発売日や価格も未だ発表されていないが、公式サイトやFacebookなどで徐々に情報が公開され始めている本作。聴いてもらうことができないのが残念だが、サウンドも印象的だ。ビートを刻んでプレーヤーをのせることをあえてしていないそうで、敵が出てきても静かに音楽が流れる。サウンドについては、後日作曲者などの情報が開示されるそうなので、そちらもご期待いただきたい。

(船津稔/木原卓)