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タミヤ、静岡ホビーショーでジャパンカップコースの一部を先行公開
自衛隊の最新戦車や、段差をぐいぐい上る車など、新製品続々登場!
(2013/5/16 22:00)
静岡模型教材協同組合は、5月16日から19日まで静岡市のツインメッセ静岡で「第52回静岡ホビーショウ」を開催している。18、19日は一般公開日となり入場は無料。
静岡市は古くから「ホビーの街」として知られ、タミヤ、アオシマ、ハセガワなど主要な国内メーカーは静岡に本社を置いている。バンダイもプラモデルは静岡の工場で生産されている。戦前から木製模型のメーカーの集まる場所であった静岡市は戦後プラスチック模型の産地として知られるようになった。「静岡ホビーショウ」は毎年行なわれており、今年は75社のメーカーが業者やユーザーに新製品をアピールしている。
本稿では出展メーカーのうちタミヤをピックアップしたい。出展メーカーの中でも最大規模のブースを構え、様々な製品をアピールしていた。ミニ四駆やプラモデル、ラジコンなど様々な新製品を紹介したい。
新車種「ブラストアロー」に注目! 「スーパーデルタバンク」が目の前に!
タミヤの出展で大人気だったのがミニ四駆のコーナー。2012年に13年振りに復活した全国大会「ジャパンカップ」で人気に火がつき、現在大きな盛り上がりを見せている。今回は大きくコーナーを構え、新製品をアピールしていた。
来場者が黒山の人だかりを作っていたのが6月に発売される新製品「ブラストアロー(MAシャーシ)」だ。新しい“MAシャーシ”はシャーシ中央にモーターを設置し、両端に取り付けられたギアから前後の車輪にパワーを伝える。
シャーシは強度とメンテナンスのしやすさをこれまでより向上させており、電池のカバーを外す操作で、ギアボックスなども開けられるシンプルで改造しやすい構造となっている。蓋を押さえるための部品もあり、メンテナンス用のハッチの総数を減らし、走行時外れたりしないように考え抜かれた設計となっている。
ボディは実際のプロトタイプレーシングカーを思わせるデザインとなっており、一見パーツの冷却などのインテークの開口部が小さくなっているように見えるが、効率的な空気の流れによって電池やモーターに風が当たり冷却を行なうように考えられている。後ろのローラーもキットの段階から4つ装備できるようになっていたり、拡張性も考えられていて、注目のマシンとなりそうだ。
他にもリペイント品など様々な新製品が並べられていたが、ミニ四駆コーナーでの注目は「ジャパンカップ2013」のコーナーの一部分を先行公開しているところだろう。昨年は急降下する「ナイアガラスロープ」に挑戦者達は苦戦したが、今年は急角度で上昇しさらに曲がるという「スーパーデルタバンク」が待ちかまえている。
会場ではこの「スーパーデルタバンク」と、「ウェーブセクションVer.2」をレースに先がけて見ることができる。ミニ四駆のレースではイベント終了の合図と共に来場者がコースに集まり、カーブの角度などを顔をくっつけるような距離でチェックするというのが定番の光景となっている。それだけ挑戦者のコースに対する興味は高い。「ジャパンカップ2013」に挑戦する人にとって要注目のコーナーであり、一般公開日は大人気になるだろう。
タミヤ初となる「コルセア」と「10式戦車」。こだわりの造形で登場
プラモデルコーナーでは「ヴォート F4U コルセア“バードケージ”」と、「陸上自衛隊 10式戦車」の2つの新作プラモデルの人気が高かった。コルセアは第二次大戦から朝鮮戦争まで活躍したアメリカの戦闘機で、翼が曲がったシルエットが大きな特徴だ。
人気の高い戦闘機だが、意外にも1/32のサイズでタミヤがプラモデル化するのはこれが初めてだという。各造形にはこだわっており、断面部分やエンジンの構造など、完成した場合パーツに隠れてしまう部分もきちんと作り込まれており、プラモデルを作った人にとって、実機への理解が深まるプラモデルとなっている。
特に翼を上にたたんだ姿での構造の再現などに力が入っている。翼に関しては展開させるか、折りたたんだ形にするかを選んで組み立てなくてはいけないが、どちらの姿もファンにはたまらないシルエットとなっている。塗料セットも同時発売を予定している。ちなみにバードケージとは最初の生産タイプの特徴として風防に枠が多いところからつけられた愛称だ。零戦のライバルとしても知られる機体であり、人気を集めそうだ。
「陸上自衛隊 10式戦車」は2009年に正式採用されたばかりの新型戦車で、こちらもタミヤでは初の立体化となる。他社からプラモデルは先にリリースされているが、時間のかかった分こだわりを盛り込むだけ盛り込んだプラモデルになっているとのことだ。
様々な資料に加え自衛隊の協力で取材を行ない、そこで得た知識をフィードバックしている。砲塔上部の滑り止めの表現や、サイドスカートのラバーは質感にこだわった造形がされている。斧やスコップなど戦車に付属するものも細かく再現している。スコップは握り手の部分などが本当に細かく、タミヤの最新の金型技術ならではの部分だという。
さらに砲塔はもちろん、乗員が乗り降りするためのハッチや、各種センサーは可動し、細かい表情をつけることができ、プレイバリューも追求したものになっている。細かいこだわりにより表現されているモールドは、塗装でもつぶれないように考えられているという。