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「SPECIAL FORCE 2 Special Exhibition Match 2012」が開催

「SF2」の日韓最強クランが激突!! バージョンアップ情報も公開

12月23日開催

 12月22日より秋葉原にて開催中の「第6回秋葉原PCゲームフェスタ Powered by GALLERIA」の2日目、NHN JAPAN主催の国際対戦イベント「SPECIAL FORCE 2 Special Exhibition Match 2012」が開催された。

会場の様子

 本イベントには、今年7月に正式サービスを開始したオンラインFPS「SPECIAL FORCE 2(以下『SF2』)」のオンライン大会で優秀な成績を収めた国内の3チームが登場。総当り戦で雌雄を決した上で、この日のために韓国から来日した韓国最強クラン“KORpml”とのエキシビションマッチに挑んだ。

 “KORpml”は、韓国のトッププレーヤーであるキム・ジフン選手が本イベントのために結成したチーム。とは言うものの、その中身は「SF2」の韓国プロリーグでチャンピオンとなった“STX SOUL”のメンバーそのもの。実は「SF2」の韓国プロリーグが解散してしまったという事情から、あえなくチーム名だけを変えて登場することになったのだ。

 一方日本からは、「SF2」のサービス開始後に行なわれたオンライン大会で実績を残したチームが揃う。「SUPER LEAGUE 1st Season」優勝チーム“AX-Fivestars”、「Hi-Speed Tournament」優勝チーム“ZAP-CARD”、そして「SUPER LEAGUE 1st Season」第3位の“STRIFE”だ。ちなみに“STRIFE”は、NHN JAPANに所属するプロゲーマーSPYGEA選手を擁しており、先だって行なわれたユーザー投票によって選ばれての参戦となった。

 この日ベルサール秋葉原の地下1階イベントスペースに設営された会場には、「SF」シリーズのイベント恒例となっている「リアルガチャ」や飛び入り参加可能な対戦台などが用意され、終日多くのプレーヤーが集い、賑やかにイベントが進行していった模様だ。

ステージイベント意外にも、その場で参加できる対戦会、リアルガチャ、景品が当たる抽選会など盛りだくさん

国内3強対決は、場数を踏んだプレーヤーを擁するチームに軍配が?

解説担当のNHN Japan佐野亘氏(右)と、実況担当のOooDa氏(左)

 実況にFPSゲーマーのOooDa氏、解説に「SF2」運営プロデューサーの佐野亘氏を迎えて始まった“国内組”の対戦は、総当り形式で実施された。登場3チームがそれぞれ3セット形式で戦い、2勝したチームが韓国チームへの挑戦権を得るというものだ。

 「SF」公式戦ルールに則り、各試合は5ラウンドハーフの6ラウンド先取制。対戦人数は5対5。使用マップは「ピースホーク(爆破)」、「デザートキャンプ(爆破)」、「バイオ研究所(奪取)」、「工事現場(脱出)」の4種のうち、セット毎に1種を使用。マップの選択権および先攻後攻の選択権は各チームリーダー同士のじゃんけんの勝敗に基づいて決められる。標準的なルールだ。

マップ選択権はじゃんけんで
各マップの一般的な戦術などステージ解説も

・第1試合 “STRIFE” VS “AX-Fivestars”

試合に臨む“STRIFE”チーム
両チームの明暗が別れた「工事現場」マップ

 第1試合は“STRIFE”対“AX-Fivestars”。“STRIFE”は、元NHN Japan所属プロゲーマーのSPYGEA選手が所属するものの、基本的には「SF2」サービス開始後に結成された新しいチームで、先だって行なわれたオンライン大会ではいつも“惜しいところ”で涙を飲んできた経緯がある。

 対する“AX-Fivestars”も状況は似ていて、「SF」のオフライン大会で上位進出の常連チームを率いていきたbarusa選手がリーダーを務めるものの、やはりチームとしては若い。他のゲームとの掛け持ちでプレイするメンバーも少なくないなか、「SF2」公式のオンラインリーグで初代王者に輝いたことが最大の実績だ。

 この両チームの対決は互角の展開で始まった。第1セットは「SF」でもお馴染みのマップ「デザートキャンプ」。先攻となった“AX-Fivestars”は前半5ラウンドで2ラウンドしか取れなかったものの、後半の守備側で守りの堅さを見せ、攻撃側有利と言われるマップながら10ラウンドフルに戦って取得ラウンド数6ー4と粘り勝ち。

 しかし第2セットでは“STRIFE”が優勢。守り有利と言われるマップ「バイオ研究所」の地形を生かし、“AX-Fivestars”の面々を各個撃破するシーンが目立った。接近戦で強さを見せるDaiconman選手の活躍もあり、取得ラウンド数6-2で“STRIFE”が圧倒した。

 第3セットは脱出ルールの「工事現場」。高所やスキマから戦場の大半を見渡すことができるマップで、スナイパーの強さが出やすい。ここではほとんどのラウンドでSpygea選手がファーストキルを取り、“STRIFE”が数的優位を作る。この流れは前後半ともほとんど変わることなく、結局6-3で“STRIFE”が勝利。結果、2セット取得した“STRIFE”の勝利が確定した。

・第2試合 “STRIFE” VS “ZAP-CARD”

「デザートキャンプ」は“STRIFE”の独壇場

 “ZAP-CARD”は、全行程がトーナメント形式で進行するオンライン大会「Hi-Speed Tournament」で優勝したチームだ。トーナメントのみで勝ち上がるにはある程度運の要素もあるが、Flare選手、NorimiteA選手を始め、エース級のプレーヤーが集まっており、実力派チームであることは間違いない。

 第1セットは「デザートキャンプ」。速い展開が多くなるこのマップは基本的に攻撃側が有利だ。しかし先攻の“ZAP-CARD”はどうも連携がうまくいかず、戦う場面・タイミングを“STRIFE”の前進守備に支配されてしまう。出たところを潰され、引いたところを追い打ちされ、裏も取られて……と、なんと1ラウンドも取れず。6-0で“STRIFE”が勝利した。

 第2セットは「工事現場」。ここでも先攻の“ZAP-CARD”のテンポが合わない。“STRIFE”側は、なんとなくバラバラに攻めてくる“ZAP-CARD”の面々を数的優位の場面で撃破すればよい展開で、前半戦を危なげなくストレート勝利。後半は全員でラッシュという策で一気に勝負を決め、“STRIFE”が6-0で2セット取得して勝負を決めた。

 “ZAP-CARD”にとって惜しいラウンドもあったのだが、せっかく作った3対1の状況でSpygea選手ひとりに3人全員が撃退されたりと、もったいない負け方が多い内容だった。いわばオフライン大会での場数の違いが、プレイの的確さの違いとなって現われた印象だ。

・第3試合 “AX-Fivestars” VS “ZAP-CARD”

1対1にもつれ込む事が多い、均衡した試合
“ZAP-CARD”、最後の最後で粘り勝ち

 この時点で“STRIFE”の勝ち抜けが決まり、敗者同士の対決として行なわれた第3戦。どちらも負けられない状況で迎えた第1セットは「バイオ研究所」。守りの連携、接近戦の強さが出るマップだ。ここでは“AX-Fivestars”のZerost選手、Barusa選手が次々に連続キルを決める強さを発揮、ラウンド取得数6-1と危なげなく“AX-Fivestars”が先取した。

 第2セット「デザートキャンプ」では“ZAP-CARD”が粘りを見せた。特に目立ったのはNorimiteA選手だ。3対1に持ち込まれた状況で、フラッシュバンを食らって画面を真っ白にしながら、向かってくる敵を3連続で倒すという大活躍。こうして取得したラウンドを無駄にせず、フルラウンドの接戦に持ち込んだ“ZAP-CARD”が6-4で勝利した。

 第3セットはこの日最高の接戦となった。「工事現場」で先攻した“ZAP-CARD”は、NorimiteA選手、NALMIN選手が局面の撃ち合いにことごとく勝ち、攻撃側3ラウンド取得に成功。後半もそのまま“ZAP-CARD”ペースが続き早々にマッチポイント。しかしここで、防御の利を生かさず逆ラッシュを掛けるという奇策に出たのが裏目に出て、“AX-Fivestars”が3ラウンド連続で取り返す。結局、ラウンド取得数5-5で延長ラウンドへ突入した。

 最終ラウンドは両チームとも時間を使うジリジリとした展開。脱出ヘリを呼び、防御側の動きを待ち、時間切れでまた脱出ヘリを呼び直す……という流れだ。勝負を決めたのは、いくら焦らされても一切最終防衛ラインを動かなかった“ZAP-CARD”のFlare選手。最後の数秒までしっかり攻撃側の動きを待ち、有利な体制で迎撃。そして“ZAP-CARD”の勝利が決まった。

【アップデート情報】
ステージでは来年初頭に予定されているアップデート内容に関する情報も公開された。1本道のマップをひたすら突破していく新モード「突破」をはじめ、新武器「FA-MAS特殊Camo」、リスポン可能ルールで通常より速くリスポンできる「クイックリスポンシステム」などが準備中。また、その後は新モード「スナイパーモード」や、爆破ルールの往年のマップ「Satellite」のリメイク版の登場などが予定されているようだ

国内最強“STRIFE”と韓国最強“KORpml”との対決は、驚きのスピード決着

韓国からやってきた“KORpml”

 日本代表が決まり、いよいよ韓国チームとの最後の試合が実施された。国内3チーム対決に勝利した“STRIFE”と、実質的に韓国プロリーグのチャンピオンチームである“KORpml”によるエキシビションマッチだ。「いい気分で帰らせはしない」、「いや、必ず勝って帰る」と各チームリーダーが意気込みを語って臨んだ試合は、結果から言えば韓国チームの圧勝に終わった。

・第1セット 「工事現場」

じゃんけんで使用マップ、先攻後攻が決定
“KORpml”の面々は、試合中に大声で連絡を取り合う

 第1セットは「工事現場」。基本的に防御側が有利と言われるマップなのだが、韓国チームはここで先攻を選択。そして圧倒的にスピーディな展開で、“STRIFE”を圧倒した。

 “KORpml”の5人はほとんど団子となって固まり、全速で前線へ展開。敵の気配がないと見るや、クリアリングもそこそこにダッシュで奥へと進んでいく。開始20秒も経てば1人、2人が防衛側の裏とりに成功しているという展開の速さで、“STRIFE”側は完全にテンポを狂わされた格好だ。

 様子見のファーストラウンドこそ“STRIFE”が取ったものの、残るラウンドは全て“KORpml”が勝利。ラウンド勝利が決まる直前は、たいてい“KORpml”側が数的優位で一気に襲い掛かるか、劣勢であっても意外な場所から顔を出し覆すという形で、終始ペースを握っていた格好だ。

 実際に標準的な時間がかかったラウンドは少なく、ほとんどのラウンドは30秒程度で決着。チームが持つ作戦オプションのうち、速攻タイプのものを選択した結果だろう。“KORpml”の戦いぶりから見て、おそらく奥の手までは出し切っていない、そんな余裕すら感じさせた。結果、ラウンド取得数6-1で“KORpml”が圧倒。

・第2セット 「バイオ研究所」

静かにプレイする“STRIFE”。連携で差がついた
“KORpml”は前進が速く、あっという間に囲い込んでしまう

 「バイオ研究所」も防衛側が有利とされるマップ。しかしここでも“KORpml”は先攻し、攻撃で“STRIFE”を圧倒した。やはり展開が速い。「工事現場」で見せた団子状態からのラッシュではなく、2ルートを素早く抑えて押し込むタイプのラッシュ攻撃だが、とにかく間合いのとり方が上手いのか、“STRIFE”側は見る間に包囲されていく。

 敵を両側から射程距離に取り込んでしまえば、どこで撃ち合いが発生しても素早くカバーに入り、数的優位を維持することができる。さらに、敵の背後を取る可能性が増す。相手は、どこから撃たれるかわからないという疑心暗鬼に陥り、テンポを失う。“KORpml”の面々は、局面の撃ち合いの大半に勝てるという自信を、更にチームの機動力で増幅し、大きな戦術的効果につなげているように見えた。

 こうして、前半は“KORpml”が4-1でリード。しかも全ての勝利ラウンドで、3人以上のプレーヤーが生存して終わっているという安定感だ。さらに後半、守り側となった“KORpml”は、引きこもって守るのではなく、逆ラッシュをかけて前進防御。素早く“STRIFE”の布陣に戦力を浸透させることで、どこを警戒すればいいのかわからない状態に仕向けていた。

 結果、後半2ラウンドとも逆ラッシュ前進防御作戦で“KORpml”が勝利。ラウンド取得数6-1として圧勝した。対する“STRIFE”は、時折発生する1対1の撃ち合いでは互角の戦いも見せたものの、大半は数的優位に押し込まれ、ジリ貧になったところを叩かれるという形で、戦術的に常に劣勢を強いられる形になったようだ。

力の差を見せつけられた“STRIFE”の面々。残念そうに反省を語った
“KORpml”メンバーは「互いに切磋琢磨していきましょう」とさらなる成長を誓う
この日集まった全てのプレーヤー達

 こうして日韓最強チームの対決は、3セット目を行なうまでもなく韓国チームの勝利に終わった。敗北した“STRIFE”のリーダーStanSmith選手は、「国内チームとの試合に勝ったことで、投票してくれた皆さんへの恩返しはできたかもしれませんが、会場に来てくれた皆さんにはふがいない試合を見せてしまったように思います。しかし、得るものは多かったので、次に生かしていきたいと思います」と悔しげに語った。

 今回見ることのできた内容は、個々のスキルというよりも、チームとしての連携の面白さだ。例えば、グループで動く際の距離感。味方が撃たれた瞬間に、間髪入れずカバーリングに入るためには、どれほど近くに位置すればいいのか。遠方の味方の報告を受けた際に、的確な行動へつなげるためには、どのような情報をあらかじめ共有しておけばいいのか。

 韓国チームにはその点での完成度の高さがあったように思う。とにかく、チームとしての動きのスピードが印象的だ。チーム全体でめくるめく状況をアクティブに作り出していく。日本のチームこれに対処できず、ついに試合のテンポを掴むことなく試合を終えてしまった。

 現時点では「SF2」における公式の国際大会はスケジューリングされていないが、今後も国内で定期的にオンライン大会やオフライン大会が開催されることが決まっている。国内チーム同士で切磋琢磨し、世界に通用するチームが生まれてくるかどうか、プレーヤーのひとりとして楽しみにしてみたい。

イベントの最後には恒例のじゃんけん大会。豪華賞品を目指して運試しの時間が過ぎていった

(佐藤カフジ)