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PS Vita「箱! -OPEN ME-」発売記念イベント
「ハコンファレンス」を開催!
(2012/12/19 21:46)
ソニー・コンピュータエンタテインメントは、12月20日配信予定のPlayStation Vita用箱開け「箱! -OPEN ME-」発売記念クローズドイベント「ハコンファレンス」を秋葉原「TwinBox AKIHABARA」にて12月19日に開催した。
「箱! -OPEN ME-」は、PS Vitaの背面カメラを使った“箱開け”を楽しむゲーム。PS Vitaの背面カメラで映し出した場所に、あたかもそこにあるかのように“箱”が出現。箱にはさまざまな方法で鍵がかけられており、それらをすべて開けるのがゲームの目的。箱は素材、形、大きさなどが異なる50種類以上が登場。2人同時プレイのほか、オンラインでレア箱の配信も行われる。CEROレーティングはA(全年齢対象)。価格は通常版が1,500円、ダイジェスト版が100円。
クリエイタートークセッションには、開発元であるJetRayLogic代表取締役兼ゲームディレクターの松田太郎氏、SCEからJAPANスタジオエクスターナルデベロップメント部アソシエイトプロデューサーの五十嵐藍葵氏とJAPANスタジオエクスターナルデベロップメント部プロデューサーの猿渡晴義氏が出席。「ココだけの深いィ話」と題し、ゲームコンセプトや特徴の説明、デモプレイが披露された。
ゲームディレクターの松田氏は、SCEJのクリエイター発掘支援プロジェクト「PlayStation C.A.M.P!」出身で、代表作はプレイステーション 3のオンライン配信専用タイトル「ゴミ箱」。なぜ箱がテーマなのかと問われると「『ゴミ箱』からゴミだけを取って、ただの箱にレベルアップした」とコメント。
「僕らは、企画を立てる段階から必ず守っていることがある」という松田氏。1つ目は「世界中どこにでもあるもの」といい、今作でいえば「箱」は生活圏内に必ずある普遍的なもので、それを企画の中心に据え膨らませてきたと説明。2つ目は「インタラクションが直感的」というもので、ゴミであればゴミ箱に捨てるし、箱なら開けるという“人間の欲求にダイレクトに届く”本能に訴えかけるものにすると説明。3つ目は最重要課題として掲げる「自分の親父でもできるもの」といい、近親者にゲームを説明して理解してもらえない、遊べないようでは意味がないと説明した。
続いて五十嵐氏が「箱! -OPEN ME-」のポイントを実演を交えつつ説明。ソニーが有する技術「SmartAR」を使い、PS Vitaの背面カメラ映像に“箱”を出現させる。箱はあたかも目の前にあるかのように画面内に存在し、回り込むように移動すれば、そのアングルからきちんと箱が観察できる。チュートリアルを使ったデモでは、回り込む様子、ボタンを押す、2つのスイッチを同時に押す、スイッチをスライドさせるなどの基本動作を披露。すべてのギミックを解くとなかからリワードが出現し、成功ポイントが与えられる。
箱にタッチした際、黄色いエフェクトは何もなく、赤いエフェクトのときは何か仕掛けがあることを意味する。「スライスボックス」と呼ばれる箱のデモでは、回転する鋭い刃がグルグル動く仕掛けが登場。これに触れるとミスとなり、画面左下に指に包帯を巻いた手が出現。左右10本の指すべて怪我をするとゲームオーバー。「カラーボックス」と呼ばれる箱を使ったデモでは、PS Vitaを持ったまま移動してさまざまなアングルで箱を観察してみせたほか、3つのポイントに触れるマルチタッチを活かしたギミックが披露された。
50種類以上が登場する箱は、200~300種類ほどネタを出し合った結果「そんなに作れないよね。好きなやつから作りなよ(松田氏)」という“早いもの勝ち”で開発スタート。ただし、箱の形状や構造については現実感が重要といい「たとえば刃が回転する機構がついているものは、なかにモーターがついているはず。そうした物理的な構造を守って作る。物理的にありえない形状は極力なくす」ことを心がけたと説明。
ここ半年ほど箱のことばかり考えていたという松田氏は「夢にも箱が出てくる。トイレに入れば便器が箱に、車も箱に、電車も箱に見えた。開発全員が箱にとりつかれていく感じ。箱症候群。それがつらいといえばつらかった」と開発途中のエピソードを披露。このあたり、開発陣の相当な苦労が偲ばれる。
前述のとおり、本作は2人同時プレイに対応。マルチプレイ専用の箱は6種類あり、それぞれ2人で協力しないと解けない仕掛けが用意される。デモでは、片方に順次出現する数値やマークを反対側に伝えて仕掛けを解き、互いのPS Vitaから照射されるレーザーを反射させてソーラーパネルに当てたり、スイッチを同時に押すなどのギミックが披露された。
オンライン施策では、「ラストサスライボックス」と「ジャックポットボックス」と呼ばれるレア箱2種類を紹介。どちらもオンライン接続時にランダムで受信されるもので、いつ配信されるかユーザーはわからない仕組み。「ラストサスライボックス」は時間制限つきで、開けられなかったときは他ユーザーに移動。クリアできた場合、それまで挑戦した人数分のポイントが獲得できる。「ジャックポットボックス」はポイントをBETするタイプで、こちらも時間制限つき。解けなかった人のポイントがどんどん累積されていき、解けた人はそれまでの全累積ポイントが獲得できる。五十嵐氏によれば、ポイントをためておくと後々いいことがあるという。
本作は、さまざまなコンテンツとコラボ予定。12月20日の配信日には、コラボ第1弾として「どこでもいっしょ」シリーズのトロが作ったという「トロの箱」を通常版ユーザーに無料配信。2013年1月には有償ダウンロードコンテンツ「家電シリーズ」が登場。1月10日に「オーブンボックス」、1月17日に「洗濯箱」、1月24日に「自動移動式掃除箱(仮)」がそれぞれ配信される。価格など詳細は後日発表するとしている。「家電シリーズ」は通常版、ダイジェスト版どちらのユーザーでも購入できる。
会場では、第16回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門「審査委員会推薦作品」受賞が発表された。スポットが当たりづらいダウンロード専売タイトルをきちんと評価してくれたことに感激したというお三方。SCEではおおいに盛り上がったという。
発表会の最後に猿渡氏は「開発メンバー6人、制作期間8カ月という短い期間で作らせていただきました。SmartARという最新技術、PS Vitaという高性能なハード、それにC.A.M.P!で合格した6名の情熱が加わった、今までのゲームではありえなかった体験ができる。荒削りな部分はあるが、その情熱を感じとってほしい」とコメントしイベントを締めくくった。
(C)Sony Computer Entertainment Inc.