バンダイナムコ、クラシックゲームキャラクターがWEBコミックに!!

「ゆくゆくはゲームを作りたい。ポップカルチャーを醸成できる場にしたい」


11月17日 発表



バンダイナムコゲームスの栗田穣崇ゼネラルマネージャー

 バンダイナムコゲームスは、WEB COMIC「ShiftyLook」のサービスを日本において展開する。11月18日に東京ビッグサイトで開催される「海外マンガフェスタ」で一般公開されるが、それに先駆け11月17日には都内のクラブにおいて特別体験イベント「ShiftyLook Night」が開催された。

 イベント前には、同社の栗田穣崇ゼネラルマネージャーやアーティスト陣がステージに上がり、記者陣を前に発表会を行なった。「ShiftyLook」は、海外ではすでにサービスが始まっており一定の評価を得ているという。日本においてWEB COMICは権利関係保護の関係上からFlashになっていたりアプリとして提供されることが多いが、海外では画像を貼り付けるだけのシンプルなコミックス提供サイトの市場が成立しており、そういった市場背景のもと、海外でサービスが開始されたのだという。

 栗田氏は「バンダイナムコゲームスはキャラクター(などのコンテンツ資産を)たくさん持っている。ゲームや映像、アニメーションの制作などはコストが掛かるが、コミックスだけならトライしやすい」とし、同時に「パックマン」や「ディグダグ」などが米国で流行し人気を獲得した背景から、「展開しないのはもったいない」といった観点からサービスがスタート。「WEB COMIC『ShiftyLook』を楽しんで欲しい」とアピールした。

 「ShiftyLook」はレトロゲームを題材としながら、海外のアーティストが新たに作品を執筆。すでに10本以上の作品を展開しており、人気のあるものは続け、そうではないものについては入れ替えたりしながら、「どんどんいろいろなジャンルをやっていきたい(栗田氏)」という。日本での「ShiftyLook」の展開は、まずは米国でのサービスで特に人気の高いタイトルに絞り展開していく。

 ゆくゆくはコミックスに留まらず、根強い人気を誇る8bit風の音楽をはじめTシャツなどのアパレル、Eコマースなど幅広く展開し「ポップカルチャーを醸成できる場にしたい(栗田氏)」とコメントした。同氏によればさらなる展開として「元々がゲームなので、(題材となった)レトロゲームを再度遊べるようにすることもそうですし、『ワンダーモモ』や『ベラボーマン(海外では「BRABOMAN」)』など、完全に新しいキャラクターとして人気を得ていますので、その新しいゲームをつくってみたい」という。日本でもレトロゲームは根強い人気なので、ぜひとも実現して欲しいところだろう。


「ShiftyLook」の日本語キャンペーンサイトが立ち上がっている


「塊魂」のコミック「KATAMARI」を手がけるAlex Culang氏。氏は「『塊魂』は美しくてカラフルで楽しいキャラクターや世界観もキュート。ゲーム内では王子をはじめ、しゃべらないキャラクターが多い。コミックスではセリフを付けることでキャラキターを描けるのがポイント。コミックスを楽しんでもらって、(「塊魂」が)新しいファンを獲得できたら。ゲームのイメージより1歩進んで息吹を吹き込めたらと思う」とコメント「ワンダーモモ」を手がけるOmar Dogan氏。「レトロゲームのキャラクターをベースに、新しいキャラクターを作るのはハードルの高いチャレンジ。それは皆がキャラクターのことをよく知っているから。キャラクターのコアな部分を壊さずに進化させるのが難しい。『ワンダーモモ』は人気も高いので、これからも人気を損なわないようにしたい」と語り、人気キャラクターのコミックスの制作の難しさについて語った
「BRABOMAN」を手がけるアーティスト、Dax “D-Gee” Gordine氏。「元はヒーローアクションだが、ヒーローになろうとする全く新しいコミックにした。非常にばかげたドタバタ劇に仕上げた。私は映画やアニメの仕事をしていたので、それを活かして新キャラクターは感情表現を豊かにした。キャラクターの本質は守り抜いて楽しみに進化させていきたい」と抱負を語った「Dragon Spirit」のアーティストSteven Cummings氏。「むかし楽しませてもらったゲームを手がけることができて嬉しい。ゲームではドラゴンが主人公なので、コミックスでは主人公を多く設定してみんなが竜になるというのが面白いと思った」と制作の過程を明かした
ペレダ・ロバート「ShiftyLook」プロデューサー兼編集長。米国、欧州でのイベントでアーティストを紹介する度に多くの人からファンですと声を掛けられたことを明かして、「ShiftyLook」の人気を体感したとコメント。日本のコミックスなどを数多く手がける、UDON ENTERTAINMENTのErik Ko氏。過去の資産としてたくさん面白い物があると言うことを知らせたいと語った
会場のクラブでは、コミックスが流れる中8bit tunesの音楽が鳴り響いていた。また、会場のあちこちにキャラクターのシルエットなども描かれていた

(C)NAMCO BANDAI Games Inc.

(2012年 11月 17日)

[Reported by 船津稔]