SCEA、魔法の教科書「BOOK of SPELLS」レポート

子供から大人まで楽しめるホグワーツ魔法学校体験


6月5日~7日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



シナリオや詩などを新しく書き下ろしたJ・K・ローリング氏。ローリング氏のアイデアを、SCEAが技術的に実現していくようなやり取りになったという

 SCEAがE3で発表したタイトルの中でも新しいゲーム体験を感じさせたのが、PlayStation Moveを使用した「WONDERBOOK」シリーズだ。これはARコードが表紙を含めた全体に表記されている本「WONDERBOOK」を使用するもので、PS EYEによってARコードが読み取られると本の上にアニメや、立体の像が浮かび上がる。さらにPS Moveと連動することで、インタラクティブな全く新しい絵本体験ができるというもの。開発は米Moonbot Studios。北米での発売は2012年秋の予定。

 その第1弾として発表されたのが、「ハリー・ポッター」シリーズで知られるJ・K・ローリング氏による「BOOK of SPELLS」。ホグワーツ魔法魔術学校の生徒となったプレーヤーは、数々の魔法を学びながら、ローリング氏によって新しく書き下ろされたシナリオやコンセプトを楽しんでいく。

 今回は実際にこの「BOOK of SPELLS」を体験できたので、詳しくご紹介する。



■ 杖と教科書のインタラクションが楽しい「BOOK of SPELLS」


魔法のAR絵本「WONDERBOOK」。12ページ綴りで、背表紙までしっかり装幀されている
ホグワーツ魔法魔術学校の教科書で魔法が学べる「BOOK of SPELLS」。絵が動き出したり立体表示になったりと賑やか

 まず魔法を生み出すAR絵本「WONDERBOOK」だが、12ページ構成で実際にページがめくれるようになっており、厚めの背表紙まで付いてしっかりとした装幀となっている。「BOOK of WONDER」ではページをめくるとそのページに合わせてコンテンツが変わるので、本物の本の様に始めたい所からいきなり始められる。

 「BOOK of WONDER」は、上記でも説明したとおり、「ハリー・ポッター」シリーズと同じ世界の中で呪文を学べる魔法の教科書だ。「ハリー・ポッター」シリーズの200年ほど前という設定なので残念ながら「ハリー・ポッター」のキャラクターは登場しないが、彼らが学んだ教科書と同じ内容なのだという。

 プレーヤーは、PS Moveをシリーズでもおなじみの魔法の杖に見立てて操作する。本を開くと言葉と声で説明が始まるので、インタラクションしたい場所に杖の先を合わせ、ボタンとPS Moveの動きの組み合わせで操作をする。本はコードさえ見える位置にあれば、持ち上げたり回したりしてもちゃんとインタラクションできる。

 では具体的に1つのインタラクションをご紹介しよう。まず、ボタンを押しながら絵本の中にいるドラゴンに杖を振りかざすと、ドラゴンが動き出し、ついには絵本から飛び出して空中を飛び回って炎を吐く。炎は本に直撃し、本が燃え始めてしまう。すると「炎を消して!」と言われるので、両手で本の上の炎をパタパタやると、だんだん火が弱まり消化できる。しかし本の上はすすによってすっかり真っ黒になっているので、手ですすを払って、やっと元通りになる。

 実際には炎やすすもゲームの中での出来事なのだが、本が実在することで、平面から立体になったときの驚きや、すすを払った時などは特に、本当に手が汚れていないか確認したくなるほどに没入感がある。あくまで子供向けとのことだが、やれば大人も笑顔になること間違いなした。


恭しい文字表記、いかにもな絵。持っても動かしてもちゃんとインタラクションするので、本当に魔法の本が手元にある感覚になる


■ 学んだ魔法はテストでおさらい。日本版は日本語表記を予定

テスト、と言うと嫌な響きだが、魔法なら楽しい

 では実際に、魔法を学んだ様子を紹介しよう。魔法は練習とテストをセットにして学んでいく。例えば杖の先から炎が出る魔法「INCENDIO」は、Moveボタンを押しながら画面に向かって“Z”型の印を描くことで発動する。

 魔法が発動すれば、実際にその魔法を使える。「INCENDIO」のテストでは、自分の移る画面が小さくなり、代わりに学校の部屋らしき場所が現われる。ここでは紙でできた虫、蝶、先ほどのドラゴンが登場するので、杖を動き回る目標に向かって振り、見事倒せれば成功だ。

 この章ではこの他に、鳥を呼び寄せる魔法、対象を大きさを変える魔法などが学べ、そして章の最後には、それまで学んだ魔法をおさらいする総合テストが待っていた。

 総合テストは、次々と登場する様々な状況に対し、正解の魔法を選んで解決してくというもの。例えば、小さな虫たちを追い払えという問題には、鳥の魔法を使う。紙製の虫が出てきたら、炎の魔法で焼くというような感じだ。

 子供向けなので簡単だなと思っていたら、筆者は登場したサソリを炎で倒せなくて困ってしまった。ちょっと悩んでいると、スタッフの方が手伝ってくれた。よく見ると、サソリの下は排水溝の金網になっていたので、ここでの正解は「サソリを魔法で小さくして金網の下に落とす」だった。

 「WONDERBOOK」は、このようにして魔法が学べるストーリーが5章入っているという。また章をこなしていけば、J・K・ローリング氏による詩が幻想的なアニメと共に朗読される。なおSCEAでは「Potter More」というテーマのもと、「ハリー・ポッター」シリーズに関連したタイトルを充実させていくという構想があるという。将来的には、この「BOOK of SPELLS」もなにかしらと連動するかもしれないそうだ。

 ちなみに日本版の制作に向けては、映画や原作小説を元にした日本語表記となるようだ。筆者は原作通りのイギリス英語でも楽しみたいと思うので、日本人スタッフの方に両方に対応してほしいと頼んでおいた。映画シリーズは終了してしまったが、子供だけでなく大人まで楽しめそうな新しい「ハリー・ポッター」体験となりそうだ。


ゲームスタート時にはプレーヤーは4つの寮に振り分けられるという。子供だけでなく、「ハリー・ポッター」ファンにも嬉しい仕掛けがたくさんある

(2012年 6月 9日)

[Reported by 安田俊亮]