EA、「FIFA インタラクティブ ワールドカップ 2012」の日本予選大会を開催

「FIFA 12」をセルジオ越後さんが解説、そして日本代表が決定!


3月31日開催

会場:六本木ヒルズ「umu」



 エレクトロニック・アーツ株式会社は3月31日、六本木ヒルズ「umu」にて、「FIFA インタラクティブ ワールドカップ 2012 presented by EA SPORTS and PlayStation」の日本予選大会を開催した。

 「FIFA インタラクティブ ワールドカップ 2012」は、国際サッカー連盟(FIFA)と米Electronic Artsが共同で開催している「FIFA」シリーズの世界大会。プレイステーション 3版「FIFA 12 ワールドクラスサッカー」で、世界中のプレーヤーが腕を競う。最も多くのプレーヤーが参加するゲームの世界大会として、ギネスブックにも認められている。優勝者には賞金2万ドルに加え、FIFAが選出するサッカーの世界年間最優秀選手賞表彰式「FIFAバロンドール・ガーラ」に招待され、バロンドールを受賞したスーパースターと記念撮影をしたり、一緒にゲームをすることができるという。

 今回行なわれたのは世界大会に向けての日本代表選手を決める地区予選。事前に抽選で選ばれたプレーヤーに、当日参加枠を加えた59名により行なわれた。応募は日本全国に加え、米国やインドネシアといった外国からもあり、選手達は気合いを入れて試合に挑んだ。ゲーム内で実況を行なうスポーツコメンテーターの西岡明彦さんが、今大会でも試合を語り、さらに特別ゲストとして佐藤かよさん、セルジオ越後さんまで参加する豪華な予選大会となった。


■ PS3「FIFA12」で海外選手を含む59名が激突、テクニックとメンタルを競う

エレクトロニック・アーツ代表取締役社長 ロバート・キム氏
9台の対戦台を使ってのトーナメントが行なわれた
ゲーム内でも実況を担当するスポーツコメンテーターの西岡明彦さんは、ベスト16以降の試合をレポートした

 「FIFA インタラクティブ ワールドカップ 2012」日本予選大会は、エレクトロニック・アーツ代表取締役社長ロバート・キム氏の挨拶によって始まった。キム氏は「本日は『FIFA12』のトッププレーヤーが集まってくださいました。本日の日本予選を勝ち抜いたプレーヤーは、100万人以上いる世界のプレーヤー達の代表と戦うことになります。選手の皆さん、頑張りましょう!」と、会場の選手に向かって語りかけた。

 「FIFA 12」は、日本でも人気のサッカーゲームで、PS3版、Xbox 360版それぞれオンラインでのコミュニティも盛んだという。参加選手もオンラインコミュニティでの知り合いが多かったようで、仲間を熱心に応援する人が多かった。昨年の日本代表となったプレーヤーや、オンラインFPSの有名プレーヤーも参加していた。18歳以下のプレーヤーも参加していて、全体的に若いプレーヤーが多いように感じた。

 日本予選ということだが、国籍は問われないため、3人ほど海外からこの日のために飛行機で来日したプレーヤーもいた。特に北米のプレーヤーは、試合前に十字を切って神に祈り、得点を上げると威圧するような大きな声を上げ強い存在感を示していた。ちなみに、今回レフリーとして集められたスタッフも、オンラインコミュニティで募集がかかったとのことで、話を聞いてみると、「試合を見ていると、自分もやりたくなる」、「来年は選手として参加したい」と語る人も多かった。

 「FIFA 12」は前作からのゲームエンジンを一新し、よりリアルな選手間のやりとりを実現した。相手を囲い込み、ミスを誘いボールを奪う、現実のサッカー選手の駆け引きそのままのゲーム性を実現したのだ。また、選手の動きは“慣性”が強くなり、攻撃側が急な方向転換をすると、ディフェンス側がついていけなくて抜かれるといった、フェイントや、プレーヤー操作の揺さぶりがより効果的になった。さらに右スティックを使ってドリブルに変化を加えたり、多彩なパスなど、うまいプレーヤーはどこまでもこだわれる、その分、今作は実力差の出やすい、いささか敷居の高いバランスとなっている。

 大会はトーナメント方式で行なわれ、9台の対戦台が使用された。試合時間は1ハーフ5分の10分で行なわれ、それでも決着がつかない場合は延長戦、そしてPK戦となる。キーコンフィグは30秒、戦術の設定は1分で、チームはデフォルトのものから選択する。試合中のフォーメーション変更や、選手交代は許可されない。チームは、レアル・マドリード、マンチェスター・C、ミランが人気が高く、特にレアル・マドリードvsレアル・マドリードという試合がいくつかあった。中にはブラジルやフランスからチームを選ぶ人もいた。

 参加者の多くは実力が伯仲しており、全体的に少ない点差で決着がつく場合が多く、防御に秀でた戦術が盛んだと感じた。膠着状態が続く試合が多い中、開始数分で点数を決める人もいて、一瞬の油断が命取りとなると感じさせられた。選手達は食い入るように画面を見つめ、細かく素早くコントローラーを動かし、ゲームを進めていった。全体的に素早いパスワークでボールを回していく展開が多かった。うまいプレーヤーはディフェンスの間を絶妙にパスを通していく。強引とも言えるドリブルでの突破にこだわる人もいた。フェイントを効果的に使い、相手を翻弄する。その突破力には見ていて思わず興奮させられる。仲間の戦いを応援する人達は、試合に熱くなる人も多く、全体的に大きく盛り上がる大会となった。

 一方、力の差がはっきり出たのが「PK戦」だった。PK戦は通常の試合とは異なる操作や、駆け引きが必要となるのだが、CPU戦や通常の試合でも、ここまで試合が長引くことはないため、経験の無いプレーヤーも多いとのこと。オンラインコミュニティに参加している場合は、「PK戦やろうぜ」といった形で声を掛け、盛んに練習しているため、ここで違いが生まれてくる。このため、ぎりぎりのところで勝ちを逃したプレーヤーも多かったようだ。また、普段はコアプレーヤーのレフリースタッフ達の分析によれば、「実力が充分に出てない人が多かった」とのこと。たくさんのギャラリーに囲まれ、慣れない対戦台で戦うというのは、プレーヤーの「メンタル」を大きく試される。勝ち進むプレーヤーは精神の強さも兼ね備えているのだ。

 1回戦、2回戦を終え、ベスト16の組み合わせの前に、世界的に活躍するフリースタイルフットボールチーム「球舞」が登場し、音楽とサッカーを融合させたパフォーマンスで会場を盛り上げた。そして、ベスト16からは、ゲーム内でも実況を行なうスポーツコメンテーターの西岡明彦さんがマイクを握り、試合の模様を紹介した。ゲームと同じ声で時には画面に突っ込みを入れ、豆知識をはさみ、参加者をさらに楽しませた。観戦しているだけでも楽しいゲーム大会だった。


熱く激しい戦いが繰り広げられた。試合以外にも、試遊コーナーもあった。ベスト16以降は、ユニフォームが贈られ、選手達はそれを着てプレイした
フリースタイルフットボールチーム「球舞」のパフォーマンス
試合は実力伯仲で、一瞬の隙が命取りになることも。かなり緊張していた選手も多かった




■ 「ボール持ちすぎ!」、セルジオさんの辛口評論も飛び出した準決勝、決勝戦

元プロサッカー選手であり、サッカー評論家・指導者であるセルジオ越後さん
ゲーマーでもあるタレントの佐藤かよさん
優勝した羽染貴秀選手
準優勝の管啓吾選手

 さらに、準決勝からは元プロサッカー選手であり、サッカー評論家・指導者であるセルジオ越後さんが解説に参加した。セルジオ越後さんは、プロ選手に対して辛口の評論する人物として知られており、会場でもサッカーの深い知識でゲームを分析し、会場の参加者を感心させていた。さらに佐藤かよさんも登場した。佐藤さんはサッカーには詳しくないものの、ゲームへの思い入れや、世界大会への参加の経験などを語った。

 セルジオさんは、「普通の試合の中継そのままで、展開がプレミアリーグに似ている」、「サッカーは足でやるのに、プレーヤーは手でやってる」、「選手達がちゃんとスペイン語をしゃべってる」、「見ている人は楽しそうだけど、やってる人は選手の顔になってる」など、ゲームの出来と試合展開に感心しつつも、「このプレーヤーはボールを持ちすぎだよね、それに遅い。これじゃあ点が取れないよ」と辛口評論を加えたりした。

 準決勝は最初は2試合同時に行なう予定だったが、急遽第1試合の後、第2試合を行なうという形に変更された。この変更により前半15分まで進んでいた第2試合は一時中断され、第1試合が終わった後に再開されるという形になった。試合が中断されてしまったものの、より盛り上がる形となった。

 準決勝第1試合はマンチェスター・C vs レアル・マドリードで、マンチェスターのプレーヤーが押し気味の展開だった。マンチェスターはドリブルで相手を抜くことを好むようで、ボールを持っている展開が多く、セルジオさんに「持ちすぎ」と突っ込まれていた。レアルの選手は防戦が目立ったが、その防御は堅く、何度もマンチェスターの攻撃を跳ね返し、カウンターでマンチェスターのゴールを脅かした。試合が動いたのは後半始まって直後。マンチェスターが先制点を取り、さらに2点を取った。レアルは1度ゴールを決めたものの、オフサイドを取られ幻に終わり、3-0でマンチェスターの勝利となった。

 第2試合はレアル・マドリード vs ミラン。レアルのプレーヤーはインドネシアからこの試合のために来日し、ここまで勝ち進んできた。レアル側は前半15分で2点を取るという速攻を見せたが、ここで試合が中断され、ステージ上で再開となった。このため、ステージ上でわざと2点取らせ、試合を15分進め、状況を再現してからの再開となった。

 この中断が有利に働いたのか、試合はミラン側優勢で展開した。どちらも細かくパスを繋ぐプレイで、試合展開は極めて早い。セルジオさんは「同じレアルでもプレーヤーによって全然動きが違う。こっちは早い」と感心していた。ミランが続けざまに3点を取り逆転、さらにもう2点を追加し2-5と試合をひっくり返した。レアルも1点取るものの、試合終了となり、ミランが勝利した。

 決勝はマンチェスター・C vs ミランで行なわれた。マンチェスターはドリブルで繋げていくタイプ、ミランは速攻のパスで攻めていく戦い方を得意とする。一進一退の攻防が続く中、先制点はマンチェスターが決めた。前半終了前にドリブルで抜け出た選手がサイドから中央へボールを上げ、それを見事押し込んだ形となった。ミランはシュート0本という押され気味の展開で、前半を折りかえした。

 しかし後半戦からミランの反撃が始まる。後半開始直後に1点決め同点に追い付き、さらに追加点をもぎ取って逆点、さらにもう1点取り3-1とした。このあとマンチェスターが猛追し3-2と迫り、終了間際絶好のチャンスに繋げるものの、ゴールを外し、ミランの勝利となった。ミランのプレーヤーの羽染貴秀選手と、マンチェスターの管啓吾選手にはそれぞれ賞品が贈られた。

 羽染選手はこれから世界選手権に向かう。世界選手権の開催場所や時期は未定で今後発表されるという。羽染選手は「左右から崩して切り込む作戦で戦ったが、最初はうまくいかなかった。波に乗ってからは勝てました。試合に参加したみんなのためにも、世界大会は頑張ります」とコメントした。

 セルジオさんは、「僕も初めてこういうゲームのイベントに参加したんだけど、僕らの時代は“路上サッカー”だったけど、友達とサッカーを通じて遊ぶというのは、こういうのもあるんだなと。デジタルでもサッカーを通じて人と人が楽しめるというのは素晴らしいなと思います。残念ながら僕とは時代が違うので、悔しいなとも思います。同じ時代なら戦ってますよ(笑)。是非世界大会でも頑張ってください。活躍できれば次の大会はさらにもっとすごいレベルになると思います」と、羽染選手にエールを送った。


準決勝第1試合はマンチェスターが押す展開に。レアルは1点取り替えしたかに見えたが、オフサイドで幻に
レアルが2点取ったところから再開した第2試合だが、ミランの大逆転に
決勝はマンチェスターvsミラン。前半終盤にマンチェスターが1点とるが、ここでもミランが逆転。あわや追い付かれるという場面もあるが、ミランが勝利した

$$
c 2012 Electronic Arts Inc. EA, EA SPORTS, and the EA SPORTS logo are trademarks of Electronic Arts Inc. Official FIFA licensed product. “c The FIFA Brand OLP Logo is a copyright and trademark of FIFA. All rights reserved.” Manufactured under license by Electronic Arts Inc. The Premier League Logo c The Football Association Premier League Limited 1996. The Premier League Logo is a trade mark of the Football Association Premier League Limited and the Premier League Club logos are copyright works and registered trademarks of the respective Clubs. All are used with the kind permission of their respective owners. Manufactured under license from the Football Association Premier League Limited. No association with nor endorsement of this product by any player is intended or implied by the license granted by the Football Association Premier League Limited to Electronic Arts. All other trademarks are the property of their respective owners

Amazonで購入

(2012年 4月 2日)

[Reported by 勝田哲也]