【特別企画】独自の進化を続ける中国産オンラインゲームの世界を覗いてみよう
「ユグドラシル」、「オリエントストーリー」、「セイクリッド シュヴァリエ」に見る特徴と魅力






同じようなゲームに見えても、常に目新しいシステムが搭載されている

 日本でサービスしているオンラインゲームは国産と韓国産が2大勢力で、それらに続いて台湾産、欧米産と来る。そして近年急速にシェアを伸ばしつつあるのが中国産のオンラインゲームだ。

 日本でサービスされる中国産のゲームはお手軽でカジュアルな作品が多い。そのため話題作として注目されることは少ないが、気が付くとかなりの数がサービスされている。これらのゲームは中国らしい大味さもあるが、「ほう」と感心してしまうオリジナリティを持った独自のシステムを採用していたりとなかなか侮りがたい部分がある。

 中国はオンラインゲーム大国だが、ユーザーが好むゲーム性には異質なものがあるのも事実だ。よく言われるのはPKが好きということぐらい、それ以外にも「お手軽オートプレイ」、「親切なサービス」、「豊富なやりこみ要素」という共通点を持っている。今回はそうした特徴を紹介しながら、中国産オンラインゲームの魅力に迫りたい。




驚くほどこまかく設定できる「ユグドラシル」のオートバトル
「オリエントストーリー」の今受けられるクエスト一覧表

・お手軽オートプレイ

 これぞまさに中国産という特徴。クリックするだけで勝手に目的地まで移動してくれるオート移動と、設定に合わせて勝手に戦闘してくれるオートバトルがその双璧となる。MMORPGには同じモンスターを何百何千回狩り続けなければレベルが上がらない時代があった。中国以外の国では、その単調さを払しょくするためにストーリー性の高いクエストを入れたり、経験値テーブルを緩やかにしたりと進化してきた。

 だが中国では「レベル上げが面倒臭いなら、自動にしてしまおう」という簡単で合理的な解決法を採用した。時間のかかる部分はログアウトしている間に進行させますという、現在のブラウザゲームやソーシャルゲームにも通じる考え方だ。製作者が、せっかく作ったマップやモンスターだからと隅から隅まで使おうとするゲームが多い中、手間暇かけて作ったフィールドマップやモンスターをすべてオートで通過されても気にしない。しかも同じ敵を何度も倒して来いというわけではなく、本当に一期一会だったりもするのは人件費の安い中国ならではの大盤振る舞いなのだろう。

・過剰なまでに親切なユーザーサービス

 過剰とも思えるほど手取り足取りプレイを指南してくれるサービスも、中国産のゲームでは当たり前のように入っているシステムだ。買い物にいった店で、あれこれと商品を勧めてくる店員のように、おすすめの狩り場、装備、スキル、そのレベルでの遊び方などを一覧にして教えてくれる。昨今ではレベルアップするだけでプレゼントが貰えることも多いし、とにかくログインしさえすれば、何かが手に入るというサービスもあるなど、プレイを継続する工夫が髄所に用意されている。

・豊富なやりこみ要素

 スタートしたばかりのゲームはたいていコンテンツ不足が問題視されるが、こと中国産に関しては膨大なアイテム、膨大なクエスト、膨大なNPCと、ゲーム内はスタート直後から大量のコンテンツで溢れかえっていることが多い。ゲームシステムについても、結婚、ペットシステム、大規模対人戦、武器強化など「MMORPGならこれが欲しい」と頭に浮かぶものは、とりあえずすべて盛り込んでしまおうというサービス精神を感じる。質より量が重要というわけだ。

 サービス精神が行き過ぎて、あまりにも奥深すぎて達成のための難易度が異常に高くなっていたり、逆に浅く広くたくさんのものを実装した結果、画面をぎっしりと埋め尽くす情報、消しても消しても出てくるポップアップ、インベントリを圧迫する大量のアイテムなどなど、せっかくのサービス精神がネガティブに働いてしまうことも、これまたよくある。慣れないとびっくりしてしまう部分ではある。

・PK(Player Killing)

 最後にPKについても簡単に触れておくと、中国のプレーヤーは対人戦が好きで、ほとんどのゲームにPKシステムが実装されている。だが、日本人にはPKは余り好まれないため、日本でサービスされる際にはPK不可サーバーができたり、設定からPKできないように制限が入ることが多い。この点については、PKに対する配慮のないサービスはほとんど無くなっているので、PKが苦手な方でも安心して貰って良い。




「セイクリッド シュヴァリエ」はブラウザゲームとMMORPGを融合させたような独自のシステムを採用している

 これらの便利さは、マップを探索し、自分で道を切り開いていくことをMMORPGの楽しみだと考える人にとっては、上記のようなサービスは邪道に映るかもしれない。だが、いくつかのゲームを遊んでみると、そもそも楽しみ方や楽しむポイントが日本とは違うということがわかる。では、いったいこれらのゲームの楽しさはどこにあるのか。

 それは、既成概念にとらわれない発想の自由さだ。中国産のゲームには、基本的なシステムは質より量でとりあえず盛り込んでおく一方で、いつも「こうきたか!」と唸らされるような思いもよらないシステムが実装されている。プレーヤーを楽しませるために、まずは開発者自身がゲーム作りを楽しんでいるような、そんなのびのびした空気を感じる。

 今回は、サービスを開始したばかりの中国産オンラインゲーム3本をモデルケースに、中国産のオンラインゲームが実際にどんなシステムを採用し、遊びを提供しているのかを見ていきたい。

 紹介するのはシーアンドシーメディアの「ユグドラシル」、ガマニアデジタルエンターテインメントの「セイクリッド シュヴァリエ」、そして崑崙日本の「Orient Story(オリエント ストーリー) ~遥かな国の物語~」の3タイトルだ。

 「ユグドラシル」はインストール型の本格的なMMORPG、「オリエントストーリー」はブラウザで遊べる2DMMORPG、「セイクリッド シュヴァリエ」はブラウザのシミュレーションRPGとジャンルやプラットフォームの違いはあるが、その中には中国らしいサービス精神と自由な発想がある。記事を読んで興味を持ったら、ぜひプレイをして体感して欲しい。




■ 多彩で奥深いペット育成要素を備えた「ユグドラシル」

視点はカメラ距離で固定。近づくと目線に近くなり、カメラを引くと斜め見下ろし画面になる
テーマソングの流れるムービーはかなりの力作。ぜひ見て欲しい

 「ユグドラシル」は「パーフェクト・ワールド」の開発元として知られる中国の大手デベロッパーPerfect Worldが手がけたWindows用MMORPG。北欧神話をベースにした世界で、クエストやインスタンスダンジョン、大規模なテリトリー戦など本格的なMMORPGを低いスペックのPCで楽しめる。

 公式サイトを訪れると、日本展開のために作られたオリジナルのテーマソングがムービーとともに流れる。ドラマティックなムービーと耳に残るキャッチ―な曲は「ユグドラシル」を知らなくても心に残る出来だ。

 10月13日から23日まで行なわれたクローズドβテスト(CBT)では、レベル75までがプレイできた。最終日近くには、一部の条件を満たしたプレーヤーによって、テリトリー戦のテストも行なわれた。

 プレーヤーが選べる職種は8種類。攻防に優れた「グラディエイター」、防御力の高い「パラディン」、素早い攻撃が特徴の「アサシン」、弓を使った遠距離攻撃が得意な「アーチャー」、攻撃魔法を使う「メイガス」、回復魔法を使う「プリースト」、敵を弱体化させて戦う「ダークナイト」、竪琴で攻撃する「ダンサー」がいる。

 筆者はCBTでアサシンをプレイしてみたが、1日2~3時間程度のプレイでもビュンビュンとレベルが上がり、あっというまにレベル45に到達できた。レベルがどんどん上がっていくRPG初期のプレイは爽快感があるが、そのノリが45までずっと続く感じだ。そのスピード感と景気の良さはなかなかの快感だ。何しろ、1つのクエストを報告するたびにどんどんレベルが上がっていくのだから。

 だが、45を超えたあたりから少し様子が変わってくる。倒さなければならない敵の数が50匹、100匹と急激にインフレしていき、メインクエストだけではレベルアップの経験値が足りなくなる。さらに経験値をレベルとスキル強化の両方に使うようになるので、今度は経験値が全く足りなくなってくる。また、本作には経験値を使って発動する「XPスキル」という強力な特殊技があるのだが、ここでも経験値を消費していく。敵も強くなり、パーティーを組まなければ入れないダンジョンも登場する。

 45まではソロでサクサクと遊び、それ以降はお金や経験値を必要なものに振り分けながらじっくりと時間をかけて遊ぶという2つのゲーム性がそこで切り変わるという感じだ。時間をかけて遊ぶための各種やりこみ要素もさまざまに用意してある。以下に、本作の主なコンテンツを紹介しよう。


クエスト報酬の召喚獣「カンガルー」とアサシンの騎乗ペット

・召喚獣育成システム

 「ユグドラシル」には召喚獣と騎乗という2種類のペットがいる。召喚獣はフィールドに入るモンスターを捕まえて、育てることができるというもの。捕まえることができるモンスターは豊富で、中にはネームドのボスも含まれる。モンスターを倒しているとまれに「捕獲可能」のモンスターが現われるので、クリックして捕獲する。

 捕獲できるモンスターには「召」の文字がついており、現在のレベルでおすすめの召喚獣リストも見ることができる。「捕獲可能」モンスターはかなりのレアだが、数分間だけ捕獲の確率を上げることができるアイテムを1日1回手に入れられる。何もない状態だと、1時間同じモンスターを狩り続けても全く出なかった。出現頻度はモンスターのレアリティなどにも左右されるようだ。

 捕まえたモンスターは育てることでスキルを覚え、頼りになる戦闘の相棒になる。さらにモンスターを「ソウル化身」することでできる「ビーストソウル」でキャラクターの能力を上げたり、モンスター同志を合成することもできる。モンスターには個別に血統があり、同じモンスターでも血統がいいと能力値が高く育つ。


チュートリアルクエストで捕まえることができる「マジックヘッジホッグ」。そのレベル帯で捕獲可能な召喚獣は一覧表で確認できる

パズルをクリアしてボスを倒せば、たくさんのお金が手に入る「マジックアカデミー」

・インスタンスダンジョン

 ソロやパーティーで入場するインスタンスダンジョンはたくさんあるが、その中でも一風変わっているのが「マジックアカデミー」だ。本作はフィールドの戦闘ではお金を稼ぎにくい。だがスキルを成長させるためには大金が必要。そのお金を稼ぐ場所が「マジックアカデミー」だ。レベル46から入場できるその名の通りの魔法学校で、中に入って複数の課題をこなす。

 例えば、動き回る邪魔なオブジェクトをよけながら光の柱を探したり、色分けされた「魔法生物」の数を数えたりと、パズル的な要素が強いダンジョンになっている。クリア後にはランキングが出て、ランクに応じて報酬が入る。


薄暗い部屋の中で、「ローヤ」という教官が出してくる課題を順に説いていく。最後はボスとの戦闘もある

・テリトリー戦

 「ユグドラシル」のワールドマップはいくつかのテリトリーに分かれている。レベル45から参加できるファミリーというプレーヤーのギルドが、このテリトリーの領有を争うのが、本作のGvG「テリトリー戦」だ。開催時期はあらかじめ決まっており、戦争の前日にファミリーのマスターがどこに攻め込むかを宣戦する。CBTでも最終日近くにテリトリー戦のテストが開催された。筆者が参加していたファミリーは、残念ながら宣戦をしそこねてしまい不参加。今回は守り側のファミリーがいないため、テリトリーにある拠点にいるNPCをファミリー総出で攻めるという形だった。


【スクリーンショット】
ワールドマップはいくつかのテリトリーに分かれている巨大ボスの戦闘もあちこちに用意されている。再ポップが早いので何度も戦うハメに陥ることもしばしばワールドマップ。基本はオート移動だが、アイテムを使って拠点にワープすることもできる
デイリークエストの荷物警護。荷車から離れすぎると失敗になってしまう拠点には様々な役割を持つたくさんのNPCがいるパーティーを組んでのインスタンスダンジョン攻略




■ 放置していてもどんどんレベルが上がる「オリエントストーリー」

プレーヤーキャラクターは「棍棒流」、「長剣流」、「円環流」、「匕首流」の4つの流派から選択できる

 「オリエントストーリー」は中国KoramGameが開発し、崑崙日本がサービスを行なっているブラウザMMORPG。2D視点の東洋風なマップは非常に緻密に描かれており、ダウンロード不要のブラウザゲームとは思えない本格的な雰囲気のMMORPGだ。

 プレーヤーは異世界の人間で、記憶を失ってこの世界に迷い込んだという設定。自分のルーツを求めながら各地の事件を解決していく。翻訳が非常に丁寧なので、物語を読み進めていくのが楽しい。選べる職業は己の肉体を極限まで鍛える「棍棒流」、長剣を使う義勇の士「長剣流」、環状の投擲武器を使う男子禁制の流派「円月流」、匕首を使う女性だけの流派「匕首流」の4つ。キャラクターメイキングはないが、アイコンの部分に表示する顔をいくつかの中から選ぶことができる。

 本作の特徴は丁寧に作りこまれた親切さだろう。クエスト場所へのオート移動やオートバトルは当然のこと、自動的に騎乗し、強い装備を手に入れるとそれをわざわざポップアップウインドウで教えてくれた上に自動装備してくれたり、回復薬がなくなると入手を進めてくれたり、アイコンのTipにそのステータスを上げるためのワンポイントアドバイスがあったりと、まるで横に秘書でもついているのかのような、いたせりつくせりのサービスだ。

蓬莱城のデイリークエストNPCがいる辺りには、常にたくさんの座禅修行者がたむろっている

 さらに本作には操作していないときにも経験値をためる「座禅」と、オフラインの間に最大12時間自動的に経験値と「生気」というキャラクター強化のためのポイントを貯めることができる「座禅修行」というシステムがある。座禅には一人用の座禅と、フレンドや結婚相手と2人で行なうより効果の高い対面座禅がある。レベルが上がると、さらにパッシブスキルも育てることができるようになる。

 非常に便利なシステムで、街ではいつもたくさんのプレーヤーが座禅を組んでいる姿を見ることができる。筆者は3回の「座禅修行」だけで13から23まで上げることができた。このように非常に便利な座禅だが、ずっとこればかりしていては成長しない要素もたくさんある。本作はキャラクターの成長要素が非常に多岐にわたっている。各種要素でカスタマイズしていくことで、自分だけのキャラクターが育っていく。

 お手軽さという意味では、今回紹介する中でも群を抜いている本作だが、そのあまりのお手軽さゆえにコミュニケーションの要素は少々希薄だ。パーティーや「結社」というギルドで遊ぶインスタンスダンジョン「異界」や、「蓬莱城争奪戦」という大規模戦争も用意されているが、何よりゲーム内でチャットしている場面を見かけることがない。パーティーマッチングのシステムもあるのだが、ボーナス目当て以外に、あまり組む理由が見当たらないのも気になるところだ。

「チャクラ穴」をあけていくと、どんどんステータスの上昇値が増えていく

・「経路」と「五体の境地」

 成長要素には、レベルアップ時のステータス振り分け、スキルの成長のほか、「経路」、「五体の境地」という2つのシステムがある。「経路」は人の体に内在している「チャクラ穴」を開放することで、穴の種類に応じたステータスを強化できるというもの。経路には8つの種類があり、それぞれ20個前後のチャクラ穴がある。これを「生気」を消費しながら端から順番に開けていく。

 「五体の境地」はHP、MP、CP(PKの攻撃から逃げるためのジャンプで消費するステータス)、攻撃、防御のそれぞれをアップさせる肉体強化システム。特定のモンスターからドロップする肉や肝を食べることで成長させていく。

ペットとしても連れ歩ける騎乗。成長要素は想像以上に多彩

・「騎乗」

 「オリエントストーリー」では馬や伝説の生き物などに乗ったまま戦うことができる。初期段階には最大5頭まで所有でき、そのうち1頭を騎乗とは別に戦闘ペットとして呼び出すことができる。騎乗や戦闘ペットとして連れて歩くことでレベルが上がると、プレーヤーを支援する攻撃や補助スキルを覚えていく。

 成長にはほかに「品質」、「霊性」、「潜在力」という要素がある。品質を上げるとレベルアップ時のステータス上昇地が大きくなる。霊性を上げると覚えることのできるスキルの量を増やせる。潜在力を上げると、騎乗した時にプレーヤーキャラクターがもらえるステータスボーナスが上昇する。

 アイテムを使って「騎乗転生」させることで1段階上の騎乗に進化させることもできる。「転生」させると一定確率でスキルを覚える。

・「異界」

 ソロから結社まで、遊び方の違うコンテンツが用意されたインスタンスダンジョン。レベルによって遊べる内容が違う。レベル15の「連斬の試練場」では1200体のNPCと8体のボスと戦う。レベル20の「試練の塔」は13階ある塔の各解でフィールドボスと戦うことができる。レベル25の「八百里陣営」は8里毎にボーナスがもらえる進行型のコンテンツで、現在は20陣営160里まで進むことができる。


【スクリーンショット】
ストーリー仕立ての連続クエストが非常に多いオートバトルで連続して敵を倒していくと、連撃ボーナスが加算されていくレベル15の「異界」。この時には1200人のNPCを倒す前に回復薬がなくなってしまった。準備はしっかりと
街中のNPC探しは、中国産MMORPGにはつきものの要素スキルには熟練度があり、100%になるとレベルアップできるどこに行くにもオート移動が便利




■ ブラウザゲームにMMORPGを融合させた「セイクリッド シュヴァリエ」

「バルドル帝国」と「レジーア連邦」に分かれて戦う
領地の建造をしながら、クエストをこなしてシュヴァリエを育成していく
領地の建造をしながら、クエストをこなしてシュヴァリエを育成していく

 中国Joyportが開発し、ガマニアデジタルエンターテインメントがサービスしている「セイクリッド シュヴァリエ」は、ブラウザで遊べるシミュレーションRPG。村ゲーと呼ばれる陣地を育てながら大規模な戦争に参加するタイプのゲームの中に、MMORPGの要素を融合したような変わったゲーム性を持っている。

 世界は「バルドル帝国」と「レジーア連邦」という2つの陣営に分かれていて、そのどちらかに所属する。領地に施設を作って資源を獲得しながら「シュヴァリエ」を雇って軍隊を編成し、敵と戦う。これらのシステムは、ブラウザゲームでは定番だ。しかし本作の領地は空中に浮遊した「天空城」で、領土ごとフィールドを移動することができる。また、組織した部隊は「戦艦」に乗っていて、こちらも自由に移動することができる。

 「Web恋姫†夢想」(ガマニアなど、これまでの村ゲーでは部隊の移動は座標で表示されるだけだったので、この視覚化はかなり斬新だ。密集地帯には敵味方の浮遊城と戦艦が入り乱れてまさにカオスの様相だが、このごちゃごちゃした見た目こそ本作の一番中国産らしい部分だろう。

 もう1つ、本作が他のゲームと違うのは、2つの勢力がチャットでコミュニケーションをとることができることだ。この全体チャットが、冷戦的な緊張感を生んでいて、観ていて意外に面白い。例えば初心者がクエストのために単騎で敵陣営に入り込んでしまった時に、その意図を測りかねた敵陣営プレーヤーから探りを入れるチャットが入ったりと、心理戦的なやり取りが繰り広げられる。

 フィールドには拠点となる都市や資源地があり、たくさんの拠点を制圧することでそのエリアの領有が変化する。通常村ゲーには確たる目標はなく勢力争いがメインコンテンツになるが、本作はシミュレーションRPGなのでストーリーがあり、そのストーリーに沿ったクエストがある。このクエストは現在の勢力図とは関係なく発生するので、クエストポイントが敵陣営になっている可能性もあるわけだ。

 レベル10までは、敵陣営に襲われる心配のないチュートリアルエリアだが、ワールドマップに移動した後は前線に近づくほど危険度が増す。戦争では前線に出たがらないタイプのプレーヤーでも、クエストを進行するためにどうしても行かざるを得ないということもあり、遭遇戦を始めとした戦争コンテンツの緊張感を楽しみやすいシステムではないだろうか。

・キャラクターカスタマイズ

 「セイクリッド シュヴァリエ」には40名以上のイラストレーターが描く100種類以上のシュヴァリエが登場する。彼らを雇って育成することで軍隊を強くしていくのだが、このキャラクターカスタマイズが非常に奥深い。プレーヤーキャラクターを始め、各ユニットにはすべて武器と防具の装備カ所があり、それぞれステータスポイントを振り分けることができる。また6系統あるスキルの中から1つの属性を選んで、その系統のスキルを覚えさせていくことができる。こうしてカスタマイズしたシュヴァリエたちに、それぞれ部下となるユニットを持たせて、4人で1組の戦艦を編成する。


キャラクターの成長にはプレーヤーの意思が反映できる部分が多い。しかし、たくさんのユニット全員に気を配るのは大変だ

・シミュレーションバトル

 ブラウザゲームの戦闘はセットして結果を確認するだけというものが多いが、本作では本格的なターン制のシミュレーションバトルを楽しむことができる。何度も繰り返されるクエストの戦闘をいちいち自分で操作するのは面倒だという場合には、自動戦闘も用意されている。さらにさっさと結果だけを受け取りたいという場合には、一瞬で結果がわかるスピード戦闘もある。


戦闘はターン制のシミュレーションバトル。シュヴァリエは持たせているユニットの姿で表示される。


【スクリーンショット】
領地の中にある資源地。「水晶鉱」、「採石場」、「鉄鉱場」、「農場」、「伐採場」の5種類がある現在の勢力図。エリアの中にある拠点の占拠状況によって領有勢力が変わる拠点にいるNPCからクエストを受けることができる
領地の建物建設ツリー。建てられる建物の種類はかなり多め酒場ではシュヴァリエをスカウトすることができる最初に使えるユニットは「歩兵」、「銃兵」、「騎兵」の3種類

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(2011年 11月 9日)

[Reported by 石井聡]