任天堂、「Nintendo 3DS Conference 2011」

3DS新色「ミスティピンク」発表! ソフトはシリーズ作を前面に押し出し、ラインナップの充実をアピール!


9月13日 開催

会場:東京ビッグサイト




 任天堂株式会社は9月13日、主にニンテンドー3DSに関するプレスカンファレンス「Nintendo 3DS Conference 2011」を開催した。この記事では、ステージ上で行なわれたプレゼンテーションの発表を中心にレポートする。


■ 3DSの新色「ミスティピンク」、年末~2012年3DSタイトルを一挙発表

ニンテンドー3DSはまだ女性ユーザーの比率が少ないことに言及

 今回の発表会は、冒頭に宮本 茂氏が登壇したが、それ以外は終始、岩田 聡取締役社長が壇上でリードする形で行なわれた。さて、まずは3DS関連の情報から紹介していこう。

 岩田氏は、任天堂のプラットフォーム別ユーザー構成について、WiiやニンテンドーDS(約5割)に比べ、現状3DSのユーザー男女比はまだまだ女性比率が少ないことに触れ、年末商戦に向け、これに応える形でまず、3DSの新色「ミスティピンク」を10月20日に発売することを明らかにした。

 さらに、幅広いジャンルでタイトルを用意し、男女バランスよく、一層の3DSの普及を狙っていくとした。

【ニンテンドー3DS「ミスティピンク」】
会場に展示されていた「ミスティピンク」本体と外箱。発売日は10月20日

本体の更新による機能強化については詳細は触れられなかった

 また、今後、「本体の更新」で予定されている3DSの機能強化に関しては、以前から告知されていたニンテンドー3DSカメラによる3D動画の撮影機能の追加に加え、すれ違いMii広場の強化、ニンテンドーeショップの使いやすさの改善など、多くの機能追加を予定していることを発表。具体的なスケジュールは今後明らかにされる。


 ここから、今後発売を予定している3DSタイトルのラインナップを一気に発表。以下は任天堂が販売する形のいわゆるファーストパーティタイトルとなっている。岩田氏の紹介コメントとともにお伝えする。

・「スーパーマリオ 3Dランド」(11月3日発売予定)
 携帯機での3D「マリオ」は、「スーパーマリオ64DS」で多くの皆さんに遊んでいただいたが、今回はさらに立体視が加わり、コースもシステムもすべて完全新作。マリオファンのお客様の中にも3D「マリオ」は難しくて遊べない、という風に感じている方が少なからずいらっしゃるようだが、今作ではステージ構成、カメラコントロールを工夫することで、どなたにも気軽に遊んでいただける、携帯機に合わせたゲームに仕上がっている。もちろん、腕に自信のあるお客様にも、攻略しがいのあるゲームになっているので、ご期待ください。宮本氏とも話をしているが、従来の3D「マリオ」の長年の課題を解決した、新しい3D「マリオ」のスタイルができたという手ごたえを感じている。


・「マリオカート7」(12月1日発売予定)
 今度の「マリオカート」は、レースの世界が空や空中にも広がる。また、カートのフレーム、タイヤ、グライダーを組み合わせて自分好みのカスタムカートでレースに参戦できる。1/60フレームの実現にこだわったということとあわせて、裸眼立体視の魅力の恩恵を最も自然に受けられるソフトに仕上がった。「マリオカート」の最大の楽しみである対戦を楽しんでいただくため、対戦機能もさらに充実している。ローカル通信はもちろん、インターネット通信でも最大8人で対戦できる。ホームメニューのフレンドリストから、自分のフレンドが遊んでいるところに合流する機能も新たに加わっている。


・「マリオテニス(仮称)」(2012年発売予定)
 これまで慣れ親しんでいる操作に加えて、3DS本体を垂直に構えることで、シームレスにジャイロセンサーを使ったプレイに切り替わる。このモードではカメラがキャラクターの背後に回り、本体を動かすことで、自在にコースの打ち分けができるようになるなど、直感的かつ奥深くダイナミックなプレイが楽しめるようになる。


・「ペーパーマリオ(仮称)」(2012年発売予定)
 本作の世界は3DSの立体視と相性が大変よく、重なり合う表現がわかりやすくなるのと同時に、どんどん新しいゲームのギミックも生まれている。表現がリッチになることが、単にそこに留まるのではなく、ゲーム性の拡張にそのまま生きる、というのは、魅力的なゲームができるときの大変良い流れ。


・「ルイージマンション2」(2012年発売予定)
 11年ぶりに完全新作として来年復活する。本作の舞台はバリエーション豊かな複数のマンション。臆病なルイージが懐中電灯ではなく、ストロボライトでお化けを驚かせて動きを止め、お化けを吸い込むバキュームを手に、住み着いたお化けたちに立ち向かう。立体視と表現との相性もよく、3DSで豊かになった表現力と合わせて、大変魅力的に仕上がっている。


・「マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック」(2012年春発売予定)
 3D映像と、ジャイロセンサーをはじめとした3DSならではの特徴的な操作方法を組み合わせることによって、新しいゲーム性の提示を目指している。


・「どうぶつの森(仮称)」(2012年発売予定)
 今作では、村長になって村おこしをすることもできる。家具だけでなく、村にもさまざまなものを飾ることができ、自分だけの個性的な村にすることができる。DS版と同じように、ローカル通信はもちろん、Wi-Fi機能を使って、離れた人とも交流できるが、すれ違い通信では、すれ違った人の家が、住宅展示場の中のモデルルームとして見ることができるようになる。


・「トモダチコレクション(仮称)」(発売日未定)
 今作では、夫婦になると一戸建ての新居で暮らし、子供が生まれるようになる。今までの面白さに加えて、さらに魅力が加わる。


・「GIRLSMODE(ガールズモード)(仮称)」(2012年発売予定)
 表現力の向上によって、ファッションアイテムをよりいっそうリアルに表現できるようになった。前作以上のアイテム数で、自由にコーディネイトができるのはもちろん、今作で新たにバッグが追加されたり、メンズファッションも登場したりして、さらに幅広いファッションを楽しめるようになった。ショーウィンドウの飾りつけ、自分の部屋のコーディネイト、新たな通信機能など、前作にはなかった仕組みも多数追加。女性のおしゃれに対するあらゆる欲求に応える、大変欲張りなタイトル。


・「カルチョビット(仮称)」(2012年発売予定)
 パリティビットの園部博之氏と開発を進めている。サッカーチームの監督となって、チームを育て世界一を目指すゲーム。「ダービースタリオン」シリーズなど戦略型ゲームの開発に定評のある園部氏が大変長い時間をかけて仕上げてきたソフトなので、その深さは保障できる。今作では、全国の市町村から、自分の本拠地を決めて、地元の代表権の争奪戦を楽しんだり、あるいは同じ時間にアクセスする必要がないオンラインの対戦など、ネットワークを活用した遊びが大変充実したソフト。


・「カルドセプト」(2012年発売予定)
 大宮ソフトと開発を進めてきたタイトル。今回初めて任天堂を発売元とし、大宮ソフトがゲームバランスのチューニングに時間をかけた、渾身のシリーズ最新作。今作ではネットワーク機能を充実させた上で、初めての方でもすぐに楽しめる新仕様を盛り込んでおり、広さと深さを両立させる内容になっている。


・「心霊カメラ~憑いてる手帳~」(発売日未定)
 コーエーテクモゲームスの「零 ~zero~」シリーズの開発チームと任天堂が手を組んで3DSのARを活かして新規に提案する、新しいスタイルのホラーゲーム。


・「ファイアーエムブレム(仮称)」(2012年春発売予定)
 今回は3DS向けに久々の完全新作として開発。シリーズで初めて、仲間と2人で協力して戦うことができる。弱い敵には1人で戦い、強い敵には仲間と協力して戦うといった、戦況に応じた戦い方ができる。選択の幅が広がり、より深いゲーム性を実現している。そのほか、過去のシリーズで好評だった、いろいろなシステムを積極的に取り込んでいるので、ファンの皆さんにも存分に楽しんでいただけるのではないか。


 なお、「新・光神話 パルテナの鏡」に関しては、「当初イメージしていた品質で仕上げるためには、どうしてももう少し時間をいただくことが必要になりました。楽しみにお待ちいただいている皆さんには今しばらくお待ちいただくことになり、申し訳ありませんけれども」ということで、発売日は2012年第1四半期(1月~3月)の発売予定とされた。なお、プロダクションI.G、スタジオ4℃、シャフトのアニメ制作会社3社がそれぞれ、「パルテナの鏡」オリジナル3Dアニメーションを「ニンテンドービデオ」を通じて無料配信する。原作をモチーフに、それぞれがオリジナルで3分程度のアニメーションを製作中という。


■ 宮本 茂氏が「ゼルダの伝説」関連の情報を一気に公開
  「インタラクティブの新ジャンルができたんじゃないかと僕は感じています」

宮本氏は剣と盾で「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」を実演しながら説明

 さて、実際の進行順とは逆になったが、発表会は宮本氏が剣と盾を携えて登場するところからスタートした。宮本氏は「ゼルダの伝説」に関する情報をまとめて紹介した。この登場シーンは、毎年アメリカで行なわれる「E3」ではすっかりおなじみとなっているが、宮本氏は「日本でやるとちょっと恥ずかしい」とこぼしていた。

 さて、最初の情報は「ゼルダの伝説」25周年に関する情報から。10月10日、東京フィルハーモニーオーケストラによる「ゼルダの伝説」のオーケストラコンサートについて。続いて、「ゼルダうごメモコンテスト」。ニンテンドーDSiウェア「うごくメモ帳」を使って「ゼルダの伝説」のパラパラマンガを募集していたもの。募集は先週末で締め切られ、これから審査に入るところだという。

 ゲームボーイアドバンス「ゼルダの伝説 4つの剣」の「ゼルダの伝説」25周年記念バージョンとして、DSiウェア「ゼルダの伝説 4つの剣 25周年記念エディション」を9月28日~2012年2月20日の期間中、無料で配信。4人まで遊べる本作の「25周年記念エディション」では、プレーヤーを切り替える機能を搭載しているので、1人でも遊べるようになっている。

 そして最後にWii「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」に関しても紹介。2011年11月23日に発売が決定した本作について、宮本氏は「この『スカイウォードソード』に関してどうなんだというと、『すごい』です。僕がいうのもおかしいですけど、本当に『すごい』としか言いようがないので。……疑っているでしょう。ちょっと説明したいと思います」と話を切り出した。

 本作については宮本氏は、「剣を振るゲームです。剣を振る方向と、盾の操作。向きを考えて振る。突き。盾を構えてタイミングよくはじく。防ぐ。こういうゲームなんですね。それから、『スカイウォードソード』ですから、天にかざして天空の『スカイウォード』というパワーを集めます」と身振りを交えながら説明した。さらに、「実際は、Wiiモーションプラス(専用)とヌンチャクを使います」とWiiモーションプラスとヌンチャクスタイルに持ち替えて、映像をバックに説明を続けた。

 「(本作をプレイすると)どうしても体が自然に動いてしまいます。両手を使って、横に回転斬り、縦でトドメ。モーションプラスを使ってアイテムの選択も便利になりましたから、戦いながらリアルタイムで切り替えて使う。爆弾は転がす、投げる。本物をイメージして遊んでみてください。『ゼルダ』といえば、私の作るゲームの中では壮大なストーリーを持つゲームなので、どうしても大きくなってしまいます。今回は総勢100名を越えるスタッフ。そして5年間、私のプレイ時間はたぶん数百時間になるんじゃないかなという、過去最大の製作規模になりました。その結果、内容の濃密さと多彩さも超ド級です」とのこと。

 ここからは映像の説明に入った。今回の「ゼルダ」は天空の島をベースに物語が進むこと、剣をリモコンで振るようになったことで、Aボタンが空き、リモコンとAボタンでアクションのつながりがスムーズになったこと、Aボタンでダッシュして崖が登れること、綱渡りはリモコンでバランスをとる、水中ではリモコンを向けた方向に進むといった要素を紹介。また、敵にダッシュして駆け上がり、後ろから攻撃する、敵が持っている木の盾は、斬りたい方向に斬り刻める、ガードしてくる敵には、ガードしていない方向から攻撃するといった本作のポイントを続けて紹介した。Wiiリモコンを使ってハートマークを描くとハートが飛び出してきたり、天空のパワーを集めて謎を解いたり、さらにフックショットを連続で行なう際、直感的に使いやすくなったことなども明らかにされた。

 また、「ビートル」という虫型ロボットを偵察に使ったり、高所を攻撃したりするシーンも登場。メインストーリーに平行して存在するサブイベントやミニゲームもふんだんに用意されているという。材料を集めてアイテムをパワーアップしたりもできる。アイテムを探したりできる「ダウジング」という遊びも入っている。空では鳥に乗って戦うシーンもあった。デモシーンは100ほどが用意されているという。総プレイ時間は50~100時間ほどとのこと。ボス専用バトルなどもあるようだ。

 最後に「遊び終わって、心に残るものは何か。同じ地形を使って何度も遊びますから、遊んだ結果生まれる、記憶に残る世界観。体に実際に残るプレイ体験。もう、ボタンで剣を振るなんて考えられないんですね。体が覚えてしまったような気がします。インタラクティブの新ジャンルができたんじゃないかと僕は感じています。ぜひとも皆さん冒険を楽しんでみてください」と宮本氏は話を締めくくった。

 なお、「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」は、「ゼルダ25周年記念パック」として、ソフトのほかに、「ゼルダの伝説 25周年 オーケストラコンサート スペシャルCD」と、Wiiリモコンプラス(ゴールド)をセットにした数量限定パックが発売される。価格は未定。また、年内出荷分に関しては、通常版にも「ゼルダの伝説 25周年 オーケストラコンサート スペシャルCD」が付属する。こちらも価格は未定。


新たなボスキャラなども紹介された通常版パッケージとCD、Wiiリモコンプラス(ゴールド)ゼルダ25周年記念パック

 そのほか、Wii関連で取り上げられたラインナップは以下の通り。

・「ドラゴンクエストI・II・III」(スクウェア・エニックス:9月15日発売)
・「ジャストダンスWii」(任天堂:10月13日発売予定)
・「GO VACATION」(バンダイナムコゲームス:10月20日発売予定)
・「星のカービィWii」(任天堂:10月27日発売予定)
・「太鼓の達人Wii 決定版」(バンダイナムコゲームス:11月23日発売予定)
・「いただきストリートWii」(スクウェア・エニックス:12月1日発売予定)
・「マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック」(任天堂:12月8日発売予定)
・「ポケパーク2」(ポケモン:2011年冬発売予定)


■ カプコン辻本氏がゲストで登場! 「MH3G」、「MH4」を公開!

カプコンの辻本氏がゲストで登壇

 3DSのいわゆるサードパーティのラインナップも映像で一気に紹介された。

「真・三國無双 VS」:コーエーテクモゲームス(2012年発売予定)
「ブレイブリーデフォルト」:スクウェア・エニックス(2012年発売予定)
「SDガンダム ジージェネレーション3D」:バンダイナムコゲームス(12月22日発売予定)
「Project mirai(仮)」:セガ(2012年3月発売予定)
「バイオハザード リベレーションズ」:カプコン(2012年初頭発売予定)
「エースコンバット3D クロスランブル」:バンダイナムコゲームス:(今冬発売予定)
・「鉄拳3D プライムエディション」:バンダイナムコゲームス:(ゲームと『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』を収録。今冬発売予定)
「シアトリズム ファイナルファンタジー」:スクウェア・エニックス(今冬発売予定)
「スライムもりもりドラゴンクエスト 大海賊としっぽ団」:スクウェア・エニックス(11月2日発売予定)
「ガールズRPG シンデレライフ」:レベルファイブ(2011年発売予定)
「NEWラブプラス」:KONAMI(12月8日発売予定)
・「メタルギアソリッド スネークイーター3D」:KONAMI(今冬発売予定)

 唯一、カプコンの辻本良三氏がゲストとして壇上に上がった。「モンスターハンター3(トライ)G」の発売日、価格は12月10日、5,800円と明らかとなった。辻本氏は、「G級クエスト」の追加、ストーリーの追加、さらに、集会所の役割を果たす「タンジアの港」の追加、新モンスターの登場などを紹介。

 加えて、「モンスターハンター4(仮題)」のイメージ映像を公開。「モンスターハンター4(仮題)」は、3DSでリリースされる予定という。


会場に展示されていた「拡張スライドパッド」

 なお、今回出展されたタイトルの3D映像は「ニンテンドーeショップ」で配信中。実機で確認することができるようになっている。


(C) Nintendo

(2011年 9月 13日)

[Reported by 佐伯憲司]