SCEA、PS3「RESISTANCE 3」オンラインβテスト体験レポート
人類vsキメラの頂上決戦! スピード感と超常スキルが楽しい!!


8月2日~8月19日オンラインβテスト実施
(北米/ヨーロッパユーザー限定)




 Sony Computer Entertainment America(SCEA)は、プレイステーション 3専用FPS「RESISTANCE 3(レジスタンス 3)」のオンラインβテストを日本時間の8月2日~8月19日開催している。このテストは北米、ヨーロッパユーザーを中心に行なわれている。日本ではメディアのみ参加可能ということで、体験できた内容を紹介したい。なお、「RESISTANCE 3」は9月8日に発売予定で、価格は5,980円で。CEROレーティングはD。3D立体視やPlayStation Moveにも対応する。

 オンラインβテストでは最大8vs8で対戦できる「チームデスマッチ」と「チェインリアクション」の2つのマルチプレイが行なわれている。戦いを重ねることで経験値を得て、キャラクターを成長させることができる。本稿では今回のテストの基本的な要素と、感触を語っていきたい。



■ キメラと人間が戦うマルチプレイ。攻防がめまぐるしく変わる早い展開

マルチプレイでは、人間とキメラ両方を交互にプレイして戦う
攻撃している敵はレーダーに表示される。壁際での読み合いも熱い

 「RESISTANCE 3」はキメラウイルスに感染した人間が、さらに“改造”されることで人間以上の力を得た怪物「キメラ」と、人類の戦いを描く。今回の対戦は2ラウンド制となっており、プレーヤーは人間とキメラ両方でプレイして敵チームと戦う。開発は過去のシリーズを手がけてきた米Insomniac Gamesが担当しており、シリーズのファンなら まったく違和感なく楽しめるはずだ。

 「チームデスマッチ」はキメラと人類に分かれて戦う最も基本的な対戦ルール。「チェインリアクション」は特定のポイントを占領していく。マップは2つで、「Seaside(海岸)」と「Trainyard(車庫)」。

 Seasideは川がマップを横断しているマップで、川を挟んで激しい戦いが繰り広げられる。いくつか橋が架けられている。川は干上がっており、歩いて渡ることができるが敵に見つかりやすい。どのルートから前進していくかが重要となる。

 Trainyardは貨物車両のコンテナがそこかしこにあり、車両のメンテナンス工場など建物の多いマップ。どこに入口があるか、どの階段で上に上がるか、どのルートで目的の場所までたどり着けるか把握することで有利に戦える。比較すればTrainyardの方が多少複雑な構造になっている。

 本作では射撃した敵プレーヤーは即座にレーダー上に赤い点として表示される。そしてしばらくは表示され続けるため、極めて敵に位置が把握されやすいルールとなっている。このためか敵を倒しても即座にもう1人の敵に倒されるということも多かった。1カ所に篭もるキャンプがしにくく、積極的に走り回るプレーヤーが多い。

 本作のキャラクターは移動速度が早めで、撃たれた場合などはダッシュで逃げ込むといった方法も有効だと感じた。激しい銃撃戦が行なわれているところを回り込み側面や背後を攻めることも容易だが、その場合敵を引き付けてしまい、うまくないとあまり長生きできない。移動し続け、積極的に攻撃していくゲームだと感じた、「ロスモア」というショットガンを持って果敢に敵陣に食い込み、至近距離で敵を倒すうまいプレーヤーも多かった。

 人間とキメラははっきりと外見が違うため、敵と味方の区別は付きやすい。ただラウンドごとに自分の勢力が変わるため慣れてないうちは今自分が人間なのかキメラなのかで混乱することもあった。強いプレーヤーはスピードを活かして至近距離で相手の死角に即座に回り込むといった戦法を取る人もいた。全体的に難易度としては高めな印象を持った。

 現在の状況ではチームデスマッチは時間に関係なく多くの人が対戦を行なっているが、チェインリアクションはあまり人気がないようで、他の人のいるルームにほとんど入れなかった。キャンプしにくいゲーム性が拠点を奪い合うチェインリアクションには本作のルールは向いていないかもしれないと感じた。一方、移動の速さ、位置の把握のされやすさでめまぐるしく戦う場所が変わるチームデスマッチは本作のルールにより、独得の面白さがあった。


Seasideは川をはさんだ攻防が熱い。どのルートから行くか、状況把握能力と決断力が求められる
Trainyardは障害物の多いマップだ。建物の繋がりなどを把握するとより有利に
拠点を奪い合う「チェインリアクション」。待ち伏せがしにくいゲーム性のためか、あまり対戦は行なわれてないようだった


■ 連続撃破で「バーサーク」発動! 特殊スキルでさらにスコアを稼げ!!

武器のアップデート。使いやすい機能が追加される
自分が倒されず連続で敵を倒すとバーサークが使える

 「RESISTANCE 3」にはいくつものスキルや武器があり、マルチプレイでは経験値を貯めてレベルを上げることで使用可能な武器やスキルが増えていく。最初は武器に紐づけられたスキルしか使えないが、カスタムで自由に選べるようになり、さらにそれぞれをアップグレードすることでより強力なキャラクターとなっていく。

 本作では特にスキルが面白い。弾を防ぐ固定式の「バブルシールド」は使い方を工夫することで攻撃にも防御にも使える。「おとり」は自分の横に分身を投影する。敵はどっちを狙うか迷うことになる。また「リーパーコープス」というスキルをセットすれば死んだ後、小型の怪物が敵に襲いかかる。人間でもこのスキルを持てるのが面白い。

 そして、武器やスキルに加え、敵を連続して倒すと発動できる特殊能力「バーサーク」が独得の味わいをもたらしている。バーサークは様々な種類のスキルで構成されており、たとえば連続して敵を3人倒すと人類は前方の攻撃を防ぐ「アサルトシールド」が使え、キメラは自分の姿を消せる「クローク」ができる。アサルトシールドは弾を無効化するし、クロークは姿を消して敵陣深く侵入できるので、うまく使えば非常に有利になる。

 「RESISTANCE 3」ではやはりこのバーサークが面白い。敵の姿がないと思っていたところにクロークで隠れた敵から撃たれ一方的にやられてしまうこともあるし、正面で戦っているときにアサルトシールドを張られたときの絶望感はかなりのものだ。うまいプレーヤーがどんどん有利になるルールといえる。さらに倒せばより強力な攻撃力を持ったキャラクターに変身できたりする。

 「RESISTANCE 3」は昨今のマルチプレイのトレンドを積極的に取り入れた作品だと感じた。今回のレベルキャップはレベル20で、育て上げたプレーヤーキャラクターはやはり強かった。強化されたキャラクターはバーサークによってさらに強大になる。やり込むほどに恩恵がもたらされるバランスだ。確かに初心者にはきついが、成長を実感できるシステムだと感じた。

 今回は欧米のサーバーにログインしてテストに参加したためか、多少ラグが発生するようなこともあった。日本サービスではこのラグは解消されるので問題はないが、接近戦の多い本作は苦戦することも多かった。しかしやはり、本作はキメラと人間がただひたすら戦う独得の殺伐とした雰囲気が魅力だ。そしてなにより、「速さ」を評価したい。スピード感、めまぐるしく戦場が変わる感じ、そして倒したり倒されたりする頻度……。敵を待ち受けるのが有利なゲームとはひと味違う、「次はもっとうまく戦おう」と積極的に戦場に飛びこんでいきたくなる感覚は面白い。攻撃重視のバランスに好感を持った。

 マルチプレイに加え、ストーリーモードでは「世界の9割はキメラに支配された世界」が舞台となる。そんな絶望的な世界で何が描かれるのか、どんな物語が展開するのか、こちらもとても楽しみである。


左から自分の分身を出す「おとり」、死体から怪物が出る「リーパーコープス」、弾を防ぐ「バブルシールド」
体を消す「クローク」、中央は「アサルトシールド」、右は高い攻撃力と防御力を獲得する「コンバットアーマー」
レベルアップで得られるスキルポイントを使って武器やスキルをアップグレードし、カスタムで自分のスタイルにあった組み合わせを追求していく
現在も激しい戦いが繰り広げられている。できれば日本のユーザーもテストに加えて欲しかったところだ

(C)Sony Computer Entertainment America LLC. Published by Sony Computer Entertainment Inc. Developed by Insomniac Games.


(2011年 8月 5日)

[Reported by 勝田哲也]