SCEJ、超パルクールアクション「inFAMOUS 2」先行体験会を開催
襲いかかる巨大ボス! 多彩な超能力と前作から大きくパワーアップ


6月24日開催

場所:at studio 芝浦 103スタジオ



 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントは6月24日、東京・at studio 芝浦 103スタジオにて、PS3向けサンドボックス型アクション「inFAMOUS 2(インファマス 2)」のメディア向け試遊会を開催した。「inFAMOUS 2」は7月7日発売予定で、価格は5,980円、CEROレーティングはZ(18歳以上のみ対象)。

 今回は序盤だけでなく、巨大なボスが登場するシーンやゲーム中盤の強力な技も見ることができた。また、日本版ローカライズプロデューサーを務める、ソニー・コンピュータエンタテインメントWorldwids Studios Japanスタジオインターナショナルソフトウェア部アソシエイトプロデューサーの谷口新菜氏にインタビューを行なった。

 「inFAMOUS 2」は、主人公は引き続き電気の力を使うコールで、ストーリーも前作の続きとなる。ゲーム性は前作を踏襲しつつパワーアップしている。なお前作に関してはレビュー記事を参考にして欲しい。



■ 冒頭に登場する最強の敵。ニューマレイを舞台に、新たな冒険が始まる

会場では大きなモニタが設置され、ゆったりとした空間で試遊できた
強大な力を持つコール。今作では更なる力を求める
巨大な敵と対峙する。巨大ボスとの戦いは本作の注目ポイントだ

 「inFAMOUS 2」はイベントの点在する広大なフィールドを探索し、ストーリーを進めていくサンドボックス型アクションだ。主人公コールは図らずも電気の力を使うコンジットと総称される超能力者になった。前作では敵のコンジットに支配されたエンパイアシティーを舞台に相棒のジークと共に戦いを繰り広げた。

 「inFAMOUS 2」の冒頭でコールは最強のコンジット・ビーストに敗れ、エンパイアシティーは壊滅してしまう。コールは接触してきたNSAエージェントの「クオ」から、南にあるニューマレイという街に協力者のウルフ博士がいることを知らされる。しかし街は今コンジットを排除しようとする民兵に牛耳られている。コールはウルフ博士に会い、パワーアップするため、ニューマレイに潜入することになる。

 今回はゲーム序盤からプレイできた。アメコミ風のストーリー説明の後、いきなり、ビーストの襲撃シーンとなる。ビーストはビルより大きい巨人で、街を破壊する姿は特撮の怪獣そのもの、圧倒的な迫力だ。コールはこのビーストと戦わなくてはならない。本作の基本的な操作方法はTPSであり、メインの武器はL1で照準を定めてR1で発射する電気の球だ。このビーストとの戦いは基本的な操作を覚えるチュートリアルになっている。

 しかしそれにしても驚かされるのは、その迫力である。ビーストが登場するときには巨大な貨物船が沈み、海に張り出した桟橋が大きくたわむ。ステージそのものがダイナミックに動く。本作のゲームエンジンは前作とは違う新エンジンとのことで、この序盤からそのパワーが実感でき、これからどんな演出が見れるか、ワクワクさせられた。

 力及ばずビーストに敗れたコールはニューマレイに向かう。上陸するのは湿地帯だ。ここではアクションを学ぶ。コールはフリーランニングの技術を身につけており、細かい出っ張りにも指をかけ、身軽に進んでいける。高いところから落ちても平気だが、電気人間のため、水に落ちると電気を放出し倒れてしまう。

 アクションの爽快感は前作から継承しつつもさらにパワーアップしていると感じた。ただし、ジャンプ中にR1を押しながら電気の力でホバリングするなど、前作中盤からのテクニックも最初から求められるので、初心者は少し戸惑うかもしれない。

 「inFAMOUS 2」ならではの要素が格闘武器「アンプ」だ。電気をまとった武器で、振り回して使うが非常に爽快だ。前作では格闘は補助的な要素だったが、コンボを決めるとアップになったり今作のウリの1つとなっている。強化すると敵からエネルギーを吸収することもできるという。

 湿地帯を抜けるといよいよニューマレイだ。前作の廃墟と化したエンパイアシティーに比べると華やかで、生活感がある。街にたどり着くと、住人達はコールから距離を取る。前作にもあった要素だが、コールが善行を積めば彼等は親しげになり、悪になれば敵対的になる。演出は強化されており、前作以上の「ふれ合い」が楽しめそうだ。

 前作との大きな違いとしては、前作が字幕版だったのに対し今作は吹き替え版で、主要キャストはもちろん住人達の会話、テレビでの放送なども全て日本語化されている。このため、ちょっとした街の人々の会話も楽しめる。

 街には様々なクエストやイベントがあり、これをクリアしていくことでゲームを進めるのだが、今作はこのイベントにも様々な要素が盛りこまれている。今作でもコールは善と悪どちらの道を選ぶか選択していくのだが、観光客やストリートミュージシャン、警官といった善良な市民を攻撃すると悪事を働いたことになるのだ。前作は限られたシナリオで、善悪に分かれていったが、今作はこういった細かい要素もあるようだ。

 「inFAMOUS 2」では、善悪の行動で習得できる技が変わる。今作では善の道を進むと氷の技を習得し、悪だと炎の技を習得していくという。巨大な氷柱を生み出したり、炎をまとって突きすすんだり、戦い方が大きく変わる。また、共通の技だが、建物に電気の糸を発射し一気に上る技もあった。前作でも建物に渡されているケーブルや、高架線を利用しての高速移動が爽快だったが、今作ではさらに自由に街を移動できそうだ。

 この他、ゲーム中盤の巨大モンスターとの戦いも見れた。街の住人から依頼されるミッションなのだが、氷をまとった怪物と、酸を吐きかけこちらに舌をのばし丸呑みにしようとする怪物2体を相手にしなくてはいけない。氷の怪物は腕の付け根が弱点で腕は破壊できるのだが、しばらくすると再生する。舌の怪物は口が弱点だが、飲み込まれると即ゲームオーバーの強敵だった。

 今回は1時間半ほど各要素を見たのだが、もっともっとプレイしたいと感じた。筆者は前作のファンであるが、今作はそこからさらにパワーアップしていると感じた。


最初にいきなりビーストと対決する。中央は格闘武器の「アンプ」。湿地帯を抜けてニューマレイへ向かう
色彩豊かなニューマレイ。ウルフ博士との出会いで、新たな力を得る。右は電気で車を投げ飛ばす能力
電気の糸で、建物に飛びつく。周囲の体力を吸収する悪の能力。右はミッションに登場する巨大ボス



■ 洋画を意識したキャスティグ。善と悪への道には2人のヒロインが関係

日本版ローカライズプロデューサーを務める、ソニー・コンピュータエンタテインメントWorldwide Studios Japanスタジオインターナショナルソフトウェア部アソシエイトプロデューサーの谷口新菜氏

――前作と本作で、ローカライズで1番大きな変化は、日本語字幕から日本語吹き替えになった点ですが、ローカライズ方法を変えたのはどうしてでしょうか。

谷口氏: 前作のユーザーさんから多く指摘されたのは、字幕が付けきれない部分があったり、アクションシーンでの会話の場合、字幕を読むのが追い付けないという点でした。突然放送されるテレビ映像や、街の人達の会話などは、字幕で拾えなかった。全ての情報をきちんと与えるためにも日本語吹き替えにしました。

――プレイしているうちに慣れましたが、最初コール役の藤原啓治さんの声は低音で渋すぎではないかと思いました。キャスティングにはどのようなこだわりを持って行なったのでしょうか。

谷口氏: コールが渋すぎるというのは、良く指摘されました(笑)。コールは善と悪で大きくキャラクター像を変えますし、藤原さんはその幅を表現してくれる声優さんと言うことでお願いしています。善と悪の心の葛藤、そして人生に対してドライになっている雰囲気、そういったコールを表現できる人です。

 このシリアスな世界でひょうきんなジークは、島田敏さんです。こちらもひょうきんさとシリアスさの幅ですね。「ブルース・ブラザース」もイメージしました。今回もコールとジークのやりとりは聞き所です。

 ヒロインは、クオに三石琴乃さん、ニックスに高野麗さんです。今回の起用は「洋画系」を意識しました。洋画の吹き替えに慣れている方は、声を出すリズムややりとりなどやはり吹き替えに対する独得のテクニックをお持ちなので、そこを意識しました。

――次にゲーム部分をお聞きします。インターミッションではビーストが迫ってくる時間が表示されますが、サブミッションなどをやっていると、間に合わなくなったりするのでしょうか。

谷口氏: そこは大丈夫です。あの表示はシナリオの進行と対応しており、サブミッションもたっぷり楽しめます。

――前作は電気が流れている部分が限定的で、進行はガチガチに決められている感じでしたが、「inFAMOUS 2」は最初からある程度自由に動けるのですか?

谷口氏: 1つの島というところですが、前作よりは広いです。電気を通すところもありますが、前作とはまた違った形なので、見てもらいたいですね。

――今作ではステージで物が壊れるところと、格闘攻撃が新要素だと感じました。

谷口氏: もちろんそれだけではないですが(笑)。敵のいるバルコニーごと落としたり、天井の窓を突き破ったり、壊せるところを利用する楽しさはあります。「inFAMOUS 2」の格闘攻撃は使いやすく、爽快です。コンボや、様々な技があります。

 サンドボックス型アクションとしては異例といえる、巨大ボスもぜひ見てもらいたいです。ボスはストーリー上やミッションに登場しますが、一般の敵でも街の中に人間より巨大な敵が闊歩していたり、大きな敵と戦う楽しさがあります。

――善と悪の道には女性が関わってくるとのことでしたが。

谷口氏: NSAのエージェントのクオと、ニューマレーの支配者に復讐をしようとするニックスです。クオは正義を重んじますが、ニックスは復讐のためなら手段を選ばないところがあります。ミッションをやる上で、2つのやり方のどちらかを選んだりします。

――谷口さんが前作と比べて、「inFAMOUS 2」で1番パワーアップしていると感じたところはどこですか。

谷口氏: やはり技です。「inFAMOUS 2」ではコールの技が本当に多彩で、攻撃だけでなく移動の技があったりします。そして、「UGC(User Generated Content)」があり、ユーザー自身がミッションを作り、それをサーバーにアップできます。SCEJでももちろんサーバーを用意するので、ユーザーの皆さんで交流してもらいたいです。

――最後にユーザーへのメッセージを。

谷口氏: 今回、コールはニューマレイで大暴れします。「inFAMOUS 2」ではストーリーも奥深くいものになっています。是非お楽しみに。


【キャラクター】
主人公コール。NSAのエージェントのクオと、ニューマレーの支配者に復讐しようとするニックス
相棒のジーク、協力者のウルフ博士、街の支配者ジョセフ・バートランド三世

(C)Sony Computer Entertainment America LLC. Developed by Sucker Punch Productions LLC.