ロックスター・ゲームス、PS3/Xbox 360「L.A.ノワール」

チーム・ボンディの調査により1940年代のロスを雰囲気まで再現


7月7日 発売予定

価格:7,770円

CEROレーティング:Z(18歳以上のみ対象)



 ロックスター・ゲームスは、7月7日発売予定のプレイステーション 3/Xbox 360用クライムスリラー「L.A.ノワール」の新情報を公開した。価格は7,770円。CEROレーティングはZ(18歳以上のみ対象)。開発はチーム・ボンディ。

 今回は、開発を担当するチーム・ボンディの調査に基づきリアルに再現された1940年代のロサンゼルスの様子をスクリーンショットを交えつつ紹介する。

■ 1940年代のロサンゼルス

 架空の街である「ロス・サントス」、「リバティー・シティ」。そして、20世紀初頭の開拓地方。ロックスター・ゲームスとチーム・ボンディは、調査に膨大な時間を費やし1940年代のロサンゼルスを細部に至るまで精巧に制作している。

 1947年のロサンゼルスには、戦後の好景気およびハリウッドの黄金時代の幕開けにより、セレブカルチャーの雰囲気が漂っていた。高級車に囲まれた大邸宅では、ロスの政治エリートが女優との楽しいひと時を過ごし、昼には戦争の恐ろしさを知らない美女たちがファッションブティックで時間をつぶす。

 そして夜には、高級ジャズクラブや高級レストランでマフィアや政治家のパトロンから王女様のような扱いを受ける。金とコネさえあれば、ロサンゼルスでの贅沢な生活を満足のいくまで楽しめた時代だった。

有名な「111 Club」。フェルプスは、仕事でこのようなクラブに誘われることがままあるMOCAMBOは、当時のグルメのホットスポットだった

 ロスの大金持ちたちは、アメリカンドリームを実現していた、少なくとも表向きにはそのように見えていたのかもしれない。

ハリウッドのふもとに建つ屋敷。豪華な庭園に囲まれているため、露見する恐れを抱かず殺人を行なうことも可能だろうアメリカ人の持つ夢の典型的なものの1つが新しい家であるこのような車も1940年代のロサンゼルスには実在した。ゲームでは、すべての車を見つけるとトロフィーの獲得や、実績の解除が行なわれる

 権力とは無慈悲なもの。金には金銭欲が、高名にはたまに絶望がついてくるときもある。フェルプス刑事は、警察のバッジを得てから間もなく、L.A.繁栄の裏にある暗い部分を知ることになる。犯罪者が必ずしも銃を構えているとは限らない。時には、社会の頂点を極めている人だからこそ気をつける必要があることを忘れずに。

カリフォルニア火災・生命保険株式会社の副社長であるCurtis Bensonは、副社長室でゴルフのアプローチを練習するロサンゼルス市長のFetcher BowronLeland Monroeは、ロサンゼルスの未来を形作るという空想にふける不動産王

【チーム・ボンディの取材チームによる調査】

○ ロケーションとセットデザイン

 チーム・ボンディの取材チームはロスアンゼルスに飛び、様々な歴史的名所や、 60年以上を経ても残されている古きロスアンゼルスの遺産を訪ね、数え切れないほどの 参考写真を撮影しました。 いずれも、皆さんがロス市警のコール・フェルプスとして訪れることになる場所です。

 華やかなレストランから薄汚れた裏通りのホテルに至るまで、サイモン・ウッドとチーム・ボンディのアート主任ベン・ブルーデネルは、本作の参照用に最も適した場所を見つけてきました。交通課の事件「ドライバーズシート」に登場する小汚いアパートは、そのわかりやすい一例です。

 ゲーム内のセットでは、さまざまなハリウッド映画で撮影に使用されたロサンゼルスのバークレイホテルを、ほぼ忠実に再現しています。

 ウッドは、「実物が最高の代用品となる時もある。ベンはあのホテルのありとあらゆる場所をカメラに収めたんだ」と語っています。

○ コスチュームデザイン

 準備段階の初期に、チーム・ボンディは映画とTVを専門とするコスチュームデザイナーのウェンディー・コークを雇い、主要な衣装をデザインしてもらうだけでなく、その他のキャラクターを生み出す際にウッドのチームが活用できる予備の素材を用意しました。

ウッド談「何百というキャラクターがいるんだ!事件が複雑に絡み合うにつれてコスチュームは増えていくうえ、登場するキャラクター全員に個性を出さなきゃいけなかった」

 コスチュームチームがデザインした主要コスチュームは、チーム・ボンディのフルボディ3Dスキャナーで取り込み、布目や質感を細部まで再現した驚くほど高解像度のモデルへと変換しました。一部のコスチュームは地元のシドニーで入手できましたが(ピーター・ジャクソンのリメイク版『キング・コング』で使用された衣装など)、大部分はロサンゼルスで入手したものです。

「ほとんどはロサンゼルスにある最大のコスチュームショップ、Western Costumeで手に入れたんだ。『風と共に去りぬ』、『ゴッドファーザー』、『L.A.コンフィデンシャル』、『チャイナタウン』なんかで使われた衣装だよ。誰もが見たことのある映画ばかりだろ?倉庫の衣装を全部並べたら、12マイルにはなるだろうね」

○ 小道具

 事件のシナリオもセリフも何1つとして決まっていなかった時期に、ウッドはゲーム内に登場する家具やセットの小物類など、すべての小道具のリストを作成しなければなりませんでした。

「とんでもないスケールの仕事だったが、核となるコンセプトが非常に優れていた。それに、住宅地域と商業地域が高度に融合したゲーム世界になることは、すでにわかっていたからね。だから僕は笑って、まずは『イス』からリストを伸ばしていったんだ……いざフタを開けると、ものすごい数になったよ」

 ウッドのチームは、4日間かけてロス中で撮影を行ないました。

「思いつくかぎりのあらゆるビンテージ小道具を、ハリウッドで1番大きい小道具屋から借りてきたんだ。ベンは小道具係がトラックから物を降ろすたび、その場ですぐに撮影していたね」

 その後、チームは製作ガイドに基づいて各ロケーションの装飾にとりかかり、ゲームプレイを引き立て、 ごく自然に目にするような位置に小道具を慎重に配置していきました。

「僕らは、このゲームの非常にリアルな会話シーンと、それを適切にライティングする必要性をいつも念頭においていた。チー・キン(チーム・ボンディのアートディレクター)は、人物に対するライティングが不自然にならない何らかの理由づけが必要と感じていたため、僕らは映画の手法と同じように、自然な光源を配置したんだ」


(C) 2011 Rockstar Games, Inc.

(2011年 6月 24日)

[Reported by 中野信二]