E3 2011レポート

「Halo」10周年記念作品「Halo: Combat Evolved Anniversary」プレビュー
クラシック版とリマスター版をワンキーで切り替え可能! 「Halo 4」に続くバックストーリーも補完


6月7日~9日 開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 「Microsoft E311 Media Briefing」で正式発表された「Halo」シリーズ生誕10周年を記念した「Halo: Combat Evolved Anniversary」。HD版、リマスター版はここ最近ちょっとしたトレンドとなりつつあるが、これもまた新規ユーザー獲得のための施策のひとつだと思い、現役の「Halo」ファンとしては「Halo 4」についてガッチリ話を聞きたかったのが本音だが、実際にデモを受けてみて生半可な考えは改めなければならないと思い直した。このタイトル、単なる10周年記念作品ではなく、ゲームとして、リマスターとしてなかなか驚きの仕掛けが隠されているのだ。「Halo: Combat Evolved Anniversary」は北米で11月15日発売予定で、価格は39.99ドル。日本では2011年発売予定で価格は未定となっている。

デモを行なってくれたMicrosoftのDan Ayoub氏
デモではクラシック版とリマスター版を切り替えながら、その劇的な違いを紹介。リアルタイムで見せつけられるとなかなか驚く
「Halo: Combat Evolved Anniversary」のスクリーンショット。そうであると指摘されないとなかなかわからないほど原形を留めていない
もちろんテクスチャの刷新に合わせて、ビジュアルエフェクトも刷新されている。最新のグラフィックスで初代「Halo」が楽しめるというわけだ

 「Halo: Combat Evolved Anniversary」は、2001年にXbox向けにリリースした「Halo: Combat Evolved」の発売から10周年を記念したリマスターバージョン。開発はBungie Studiosに変わって新たに「Halo」シリーズの開発を担当する343 Industriesに加えて、Saber InteractiveとCertain Affinityの3社体制が取られている。

 ソースコードは当時の「Halo: Combat Evolved」のものをそのまま使用しているほか、ゲームエンジンはオリジナルの「Halo」エンジンに加えて、リマスター版用にSaber Interactiveの独自エンジンを採用している。これによりリマスター版では「Halo Reach」相当のビジュアルクオリティを実現している。なお、サウンドエフェクトも全面的にクオリティアップが図られているということだが、デモでは違いがよくわからなかった。

 10周年記念作品にふさわしい取り組みとして非常にユニークなのは、リマスター版と、元々のクラシック版の両方のビジュアルデータ/音声データを収録しているだけでなく、ゲーム中にワンキーで切り替えられるところだ。切り替えるたびに特に長いローディングが必要なわけではなく、数秒ほどでパッと切り替わる。これは2つのゲームエンジンを同時に走らせることによって実現しているという。

 デモでは実際に「ここがこうなります」と色んなシーンのクラシック版とリマスター版を動的に切り替えながら見せてくれたが、途中までてっきりデモ専用の特殊機能だと思っていたところ、この機能そのものが「Halo: Combat Evolved Anniversary」のウリなのだという。ずっとクラシック版のままでもいいし、途中でリマスター版に切り替えても良い。それほど頻繁に使いまくる機能ではないが、まさにファンにとってはたまらない機能だ。

 なお、キャンペーンについては、「Microsoft E311 Media Briefing」でも発表されたように、新たに2人によるCO-OPプレイに対応する。これはXbox LIVEを介したオンラインCO-OPと、スタンドアロン環境による画面分割CO-OPの両方に対応する。これにより「Halo」をすでにやり込んだという人でもまた新鮮な気持ちでキャンペーンを楽しめそうだ。

 ストーリー展開については、今回はリマスター版ということで基本的にまったく同じストーリーをプレイすることになるようだが、「Halo 3」で半ば隠し要素として導入されていた“ターミナル”を、「Halo: Combat Evolved」の世界にも導入し、ターミナルにアクセスすることで、「Halo 4」に繋がる外伝的エピソードが披露されるという。こちらもまたファン垂涎の要素と言えそうだ。

 次にマルチプレイモードは、さらにアニバーサリー色が強くなっている。初代「Halo」から「Halo 3」までの中から特に人気の高い7つのマップを、「Halo: Reach」エンジンで再現する。その中にはFirefightのマップも含まれ、Firefightモードで遊ぶこともできるようだ。

 そのほかにもいくつかのサプライズを用意しているようだが、詳細については8月26日にシアトルで開催を予定しているHalo Festで改めて発表予定としている。日本発売もすでに決定しており、「Halo」ファン要注目のタイトルだ。


【「Halo: Combat Evolved Anniversary」E3 2011 Teaser】

【オリジナル版とリマスター版の違い】
左がクラシック版で、右がリマスター版。その違いは一目瞭然。「Halo: Combat Evolved Anniversary」では、これをゲームプレイ中に切り替えながら遊ぶことができる

【スクリーンショット】

(2011年 6月 11日)

[Reported by 中村聖司]