E3 2011レポート

任天堂、新型ゲーム機「Wii U」を2012年発売

6.2インチタッチパネル付きコントローラー。「スマブラ」新作も投入


6月7日~9日 開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



事前の告知どおり、新型ゲーム機「Wii U」を発表した岩田氏

 任天堂株式会社は6月7日(現地時間)、E3 2011に合わせて開催したプレスカンファレンス「Nintendo E3 Presentation」において、新型ゲーム機「Wii U」を2012年に発売すると発表した。

 「Wii U」は、同社が発売中のゲーム機「Wii」の後継機に位置づけられるもの。HDMI接続による1080p出力に対応した、HDグラフィックスのゲーム機となる。サイズは約46×172×268.5mm(高さ×幅×奥行き、突起物含まず)で、Wiiを横向きに置いたようなフォルムをしている。メディアは12センチの光ディスクで、Wiiと同じセルフローディング式を採用。Wiiの後方互換性もある。

 本機の特徴はコントローラーにある。中央に6.2インチのタッチスクリーンを搭載しているのが最大の特徴で、その周辺に2個のスライドパッドと十字ボタン、A/B/X/Yボタン、L/Rボタン、ZL/ZRボタンを搭載する。さらに加速度計、ジャイロセンサー、振動機能、カメラ、マイク、スピーカーを内蔵し、タッチペンも搭載している。電源は充電式。

 コントローラーに搭載されているタッチスクリーンには、ゲーム画面をそのまま映し出せる。例えばテレビでゲームをプレイしている最中に、家族が何かの番組を見たいと言ってチャンネルを変えた場合でも、コントローラーのタッチスクリーンにゲーム画面をそのまま切り替えてプレイを継続できる。

 さらに、ゲーム画面はテレビに映したまま、タッチスクリーンに独自の映像を表示させる機能も有する。これはゲーム側の設計によるが、例えばプレイ中のゲームの情報表示や、タッチパネル操作でのインターフェイスなどを出せる。イメージ的には、DSの上画面がテレビ、下画面がコントローラーのタッチスクリーン、といった感じの使い分けだ。ただ画面が完全にセパレートなので、コントローラーのスクリーンは特定のプレーヤーだけに見せる、といった使い方で遊びの幅が広げられる。

 コントローラーはこれ以外に、Wiiリモコンを最大4セットまで接続可能。バランスWiiボードやクラシックコントローラーなど、Wii用のコントローラーをそのまま使える。


「Wii U」本体。奥行きが長く、横置きを想定したデザインになっているコントローラー。6.2インチのタッチスクリーンはインパクトがある。スクリーンの解像度は未発表DSのように使えるタッチペンも付属
コントローラーでの操作のほか、指やペンでのタッチ操作も可能。もちろん複合的な利用も可能だ
縦持ちにしたところ。ジャイロセンサーにより、コンテンツによっては画面も縦向きに変わる裏面には大きくせり出した部分があり、手にグリップするよう設計されているタッチスクリーンをテレビ代わりに、コントローラー単体でゲームを遊ぶイメージ
コントローラーとテレビに異なる映像を表示させることも可能ジャイロセンサーに対応したゲームもあるタブレットのようにペンで絵を描ける
1台の新型コントローラーと、2台のWiiリモコン、ヌンチャクを使ったゲームプレイこちらはWiiリモコンを最大の4台に増やしたスタイル。プレイ人数はコンテンツごとに異なるWEBブラウザのビューアとしても使える



■ 岩田氏、「Wii U」を「娯楽の新しい構造」と語る。「スマブラ」新作も登場

 任天堂代表取締役社長の岩田聡氏はカンファレンスにおいて、「Wii U」を発表する前置きとして、「あらゆるユーザーに受け入れられるゲーム機は、まだ業界で作られていない。新しいゲーム機のキーワードは、深く幅広く。全てのプレーヤーに届けるものになる」と述べ、従来のゲームユーザー層拡大の戦略に加えて、コアゲーマーも取り込んでいこうという姿勢を示した。発売時期については、「今年はニンテンドー3DSのマーケットに専念する」とし、2012年に発売すると語った。

 「Wii U」の発表に続き、想定される利用シーンをイメージしたムービーが上映された。先述の画面切り替えのほか、タッチペンでペンタブレットのように絵を描いたり、コントローラーのタッチスクリーンだけでオセロを2人でプレイしたり、バランスWiiボードと連動してテレビを使わずにコンテンツを利用したり、さらにはザッパーに取り付けてスコープ代わりにしたりと、多彩な使い方を示した。岩田氏は特にテレビとタッチスクリーンの2画面を同時に使ったゲームをアピールし、このコントローラーのさまざまな活用法を「娯楽の新しい構造になる」と語った。

 なおタッチパネルに映し出される映像は、「本体で生成したものを、無線で遅延なく送信している」のだそうで、コントローラー単体でゲームができるわけではない。仕様上、本体から遠く離れすぎると通信範囲外となるため、コントローラーだけを外に持ち運んで遊べるゲーム機ではない。岩田氏は「携帯ゲーム機と共通の特徴はあっても、このゲーム機は携帯ゲーム機として設計したものではない」と明言した。


「Wii U」の利用シーンを紹介するムービーが上映された。ザッパーに取り付けてスコープにしたり、グローブに見立てて飛んでくるボールをキャッチしたりと、「なるほどこう使うのか!」と驚かされるものも多い。もちろんHD画質の映像も格段に進化している

 また岩田氏は、現在は3DS用「新・光神話 パルテナの鏡」を開発している株式会社プロジェクトソラの桜井政博氏に「Wii U」のコンセプトを説明したというエピソードを語った。そこで岩田氏は「次回作を3DSとWii Uのどちらに出すか」という話をしたところ、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズをその両方に出し、連携させることになったという。岩田氏はその新作について、「今はまだ『パルテナの鏡』を作っているので詳しくは言えないが、両方に『大乱闘スマッシュブラザーズ』が出ることと、それが連携することは約束する」と述べた。

 もう1つ発表された「Wii U」向けタイトルとしては、ワーナーブラザーズエンターテイメントの子会社TT Gamesが開発している「LEGO City Stories」がある。北米と欧州で6,000万本以上を発売した「LEGO」シリーズの最新作で、そのうちの半数以上が任天堂プラットフォームで発売されたという実績もあり、今回は「Wii U」と3DSの両プラットフォームでの独占発売が決定した。ゲーム内容は、レゴブロックで作られた街を自由に行動するオープンワールドゲームになるという。

 さらにカンファレンスではゲストとして、Electronic ArtsでCEOを務めるJohn Riccitiello氏が登壇した。「任天堂のステージに立ったのは初めて。これは両社の関係の大躍進であり、ゲーム技術の大躍進によるもの」というRiccitiello氏は、「『Wii U』で実現するのは、EA GamesとEA Sportsのプレーヤーに直接語りかけるシステム。美しいハイビジョン映像と新しいゲームプレイの可能性を生み出す。新たなEAのコンテンツが登場するのが楽しみだ」と述べた。具体的なタイトルこそ明かされなかったが、「Frostbiteエンジンを採用したミリタリーシューティングが、この躍進的なゲームコントローラーで実現したら、と想像してほしい」などと述べ、コアユーザー向けのタイトルの投入も示唆した。


レゴブロックの街を舞台にしたオープンワールドゲーム「LEGO City Stories」の発売が決定Electronic Arts CEOのJohn Riccitiello氏が任天堂のカンファレンスに初登壇

 このほか、多くの開発者が「Wii U」へのメッセージを寄せた。その中で「Wii U」向けに開発が進められているタイトルとして、「Batman: Arkham City」、「Assassin's Creed」、「Darksiders II」、「Dirt」、「Aliens: Colonial Marines」、「Tom Clancy's Ghost Recon Online」、「Metro Last Light」、「鉄拳 Wii SUCCESSOR」、「Ninja Gaiden 3: Razor's Edge(仮)」の名前が挙げられている。この中には既に他のプラットフォームで発売が発表されているものもあり、特にハイエンドなゲームのマルチプラットフォーム対応の中に「Wii U」が入ってきたというのが注目点だ。


多くの開発者のコメントとともに、「Wii U」向けに開発されているタイトルが発表された。コアゲーマー向けのタイトルが多く並んでいるのが印象的だ

Nintendo of America PresidentのReggie Fils-Aime氏

 Nintendo of AmericaのPresidentを務めるReggie Fils-Aime氏はカンファレンスの最後に、「DS、Wii、3DS、Wii Uの4つのハードには、イノベーションと言う共通の血が流れている。DSの2画面とタッチパネルはゲームプレイを変えた。Wiiのモーションコントロールはゲームプレイを変えた。去年のE3では、3DSの裸眼立体視がゲームプレイを変えられることを体感していただけた。そして今日は『Wii U』の新しいコントローラーを握り、ゲーム世界の第2の窓が開くときに何が起こるかを体験していただきたい」と語った。

 なおE3会場には、「Wii U」を使った8種類のデモが用意されている。いずれもインタラクティブデモで、現時点では発売の予定はないものだそうだが、HD映像の「ゼルダの伝説」や、Miiを使って遊べる「NewスーパーマリオMii」など、興味をそそるタイトルも並ぶ。もちろん「Wii U」で何ができるのか、何が変わったのかを実感できるラインナップになっている。こちらの体験レポートは別稿にてお伝えしたい。


(2011年 6月 8日)

[Reported by 石田賀津男]