【HANGAME EX 2011】「Kingdom under Fire 2」はWIN/PS3で発売決定
総勢1万のユニットが入り乱れるMMOアクション戦略RPG


5月13日~14日 開催

会場:韓国・済州島 新羅ホテル


BLUSIDE「KUF2」プロデューサー兼ディレクターのイ・サンユン氏
NHN JapanのGE事業本部長、山口剛志氏

 「Kingdom under Fire 2(以下、KUF2)」は、韓国BLUESIDEが開発しているMMOアクション戦略RPGゲーム。プレーヤーが操作するヒーローと、何百ものユニットが大乱戦を繰り広げるというアクションとストラテジー、RPGの要素を併せ持った贅沢なゲームで、ムービーかと見まがうほどクオリティの高いグラフィックスは発表当初から日本でも話題になった。

 「Kingdom under Fire」シリーズは、これまでWindows用やXbox 360用のスタンドアローンゲームとして発売されてきた。これまでのゲームでもオンラインマルチプレイで遊ぶ事はできたが、最新作の「KUF2」ではついにオンライン環境必須のMMOになった。

 プラットフォームはWindowsとプレイステーション 3。昨年の「G-Star 2010」ではXbox 360からも発売する予定と紹介したが、ポリシーの面でマイクロソフトと合意に至れず現在はペンディングとなっているそうだ。韓国では2011年4月からクローズドβテストがスタートしている。発売日やビジネスモデルは日韓ともに未定だ。

 14日に開催されたQ&Aセッションでは、BLUSIDE「KUF2」プロデューサー兼ディレクターのイ・サンユン氏と、NHN JapanのGE事業本部長、山口剛志氏が作品紹介と質疑応答を行なった。この記事では、会場で使われたたくさんのスクリーンショットやイメージイラストを使って「KUF2」の魅力を紹介したい。


過去に発売された「KUF」シリーズと、「KUF2」は世界観を共有。過去に登場したNPCたちに似た外見を持つキャラクターを作ることができる
「KUF2」の見どころは、アクションとストラテジーを融合させた戦闘。ソロプレイのNPC戦だけではなく、パーティー戦や対人戦などバリエーションも多彩だ



■ MMORPGの世界でユニットを操作しつつ派手なアクションで敵をなぎ倒す!

美しいプロモーションムービーは、すべてがゲーム内の映像を編集して作られたものだ

 「KUF2」の紹介に使われる“MMOアクション戦略RPG”という長いジャンル名からは、なかなかゲームのイメージをつかみにくいかもしれない。イ氏によると、本作は「アクションゲーム」でも「戦略ゲーム」でもなく、あくまでも「戦略アクションゲーム」という新しいゲームのジャンルなのだそうだ。

 プレーヤーは最初に自分の分身となる「ヒーロー」を作る。選べる種族は人間と魔族、異界から現われた異形の軍団「エンカブロシアン」の3つ。クラスには「銃剣士」、「魔剣士」、「狂戦士」など複数の種類がある。韓国でのクローズドβテストでは3つのクラスしか選べなかったが、今後予定されているオープンβテストでは5種類が選択可能になる。さらに現在は合計18種類のクラスを開発中で、今後も増えていく予定。

 ヒーローは戦闘時にAIで動くユニットを指揮しながら戦う。ミッションの戦闘をこなすことで成長し、使えるスキルや選択できるユニットを増やしていく。操作できる部隊ユニットは100種類以上あり、ヒーローを成長させると使えるユニットの種類が増えていく。ユニットにはマップに合った様々な特徴を持つものがあり、今後もサービスの中で追加されていく。最終的には300種類以上もの種類が登場する予定だ。これらのユニットにも、ヒーローとは別の成長要素があるらしい。


現在発表されているのは「銃剣士」、「魔剣士」、「狂戦士」の3クラス韓国のOBTでさらに2つのクラスが登場する予定。開発中のものも含めると、現状は18のクラスが用意されている
「人間連合」が使えるユニットの一例。馬に乗ったユニットや飛行船のような兵器など様々なものがある
「魔族同盟」のユニットにはモンスターの姿が目立つ
異界から来たエンカブロシアンのユニットはどれも怪しげで個性的だ

 ストーリーや世界観はこれまでのシリーズと同じベルシア大陸。年代は2005年に発売されたXbox用ソフト「キングダムアンダーファイア ~ザ・クルセイダーズ~」から100年後の世界という設定だ。前作をプレイしたことがある人には懐かしい地名も登場する。

 ワールドマップには戦場や町が点在しており、船や徒歩で移動して、それぞれの場所でミッションをこなしていく。ミッションはパーティープレイでもソロプレイでもクリア可能で、マップによっては一緒に戦うNPCのキャラクターも登場するらしい。

「KUF2」のエリアコンセプトアート。前作「キングダムアンダーファイア ~ザ・クルセイダーズ~」に出てきた町も100年が過ぎてすっかり様変わりした姿で登場する

 ワールドマップはエリアごとに細分化されていて、そのエリアはギルドが週単位で領有できる。領土を確保したギルドはそこに自分たちの王国を作って、国を防衛しつ自勢力の勢力範囲を拡張していく。例えば人間のギルドが魔族の国を陥落させると、国境線が描き直されて勢力の版図が変化していく。そのためのRvRはMMORPGらしい楽しみ方だ。

 スキルを駆使しながら多くの敵をなぎ倒していく部分はアクションゲーム、複数のユニットに指令を出す部分はストラテジーゲーム、キャラクターを育ててギルドを結成し、攻城戦で領地を奪い合う部分はMMORPGと、ジャンル名にある通りの要素が入っている。

ワールドマップ。左上が「KUF2」から本格的に登場する新勢力エンカブロシアンの領土勢力圏内の中はさらに細かいエリアに分かれているエリアのスクリーンショット
エリアのスクリーンショット。エリア間は徒歩や空飛ぶ船で移動する



■ Windows版とPS3版は別サーバー。それぞれに特徴のあるコンテンツを実装

プラットフォームごとに、それぞれの特徴を活かした趣向の違うコンテンツが実装される

 パブリッシングはWindows版、PS3版とも、韓国はNHN、日本はNHN Japanが行なうことになる。コンソール用のオンラインゲームを運営することについて、山口氏は「我々としても初めてのケースで、チャレンジしがいのある取り組みだと思います。いろいろと未知の部分もあるでしょうが、コンソール機を通じてオンラインゲームのサービスをするというところは変わらないので、そこで我々の強みが生かされるのではないかと思っています」と意欲を見せた。

 サーバーについては「国別がいいと考えています」とイ氏。Windows版とPS3版についても、操作方法やユーザー層が違うので別のサーバーでのサービスが望ましいという考えだ。Windows用とPS3用それぞれに特徴を与える種類の違うコンテンツの実装も計画されている。

 イ氏は「KUF2」の重要な要素を「実際に戦場にいるような臨場感。ファンタジー世界の戦場に自分が実際に立っているような感覚を与えること」だと語った。それを実現するために高い技術的なハードルを越えてきた。「1万名対1万名の規模の戦闘ができます。そのエンジンの開発は非常に難しく、不可能だとも言われましたが、こうして皆様の前にお披露目する事ができました」とイ氏は語る。

 筆者は昨年の「G-Star 2010」で、ユニットを従えたプレーヤー3人がパーティーを組んでプレイするNPC戦を体験した。あの段階ではまだまだ未実装な部分も多かったが、それでもこのクオリティのグラフィックスで、こんなにたくさんのキャラクターが動くのかと驚愕した。これまでオフラインゲームとして発売されてきたシリーズ作としてコンソールで発売されるだけに、オンラインゲームを遊んだことのないユーザーへの訴求力も高そうで、新しいオンラインゲーマーの層を発掘する可能性を秘めたゲームだと思う。日本サービスが楽しみだ。


ゲームのスクリーンショット。ムービーのように見える部分と、実際のゲーム画面にはほとんどクオリティの差がない

(2011年 5月 15日)

[Reported by 石井聡]