SCEA、プレスカンファレンスレポート

PlayStation Moveはゲームのあり方を変える


6月15日 開催(現地時間)

会場:Shrine Auditorium



SCEA、Senior Vice President、Marketing & PlayStation Network、Peter Dille氏

 Sony Computer Entertainment Americaのプレスカンファレンスにて、登壇したSCEA、Senior Vice President、Marketing & PlayStation Network、Peter Dille氏は「PlayStation Moveはユーザーにゲームを楽しませるだけでなく、ゲームに囲まれることを超えた、ゲームの中に没入する感覚を提供する画期的なモノです。これはゲームのあり方を別の次元に変えていくはずです。PlayStation Moveによって何がもたらされるのかと言えば、それはこの一言につきます。リアリズムです。あなたが現実世界で取った行動は、そのまま正確に画面内の自分の分身が再現します」と述べ、PlayStation Moveのリリースに向けての自信を伺わせた。

 「PlayStation Moveモーションコントローラには3つのセンサーが組み込まれており、これが画面のどこをポイントしているのか、そしてどういう動きを与えているのかをCELLプロセッサに直接伝えます。そして付属するカメラデバイスによって、PlayStation Moveモーションコントローラが3次元空間のどこにあるのかを正確に捉えます。これにより他の同種のシステムのような制限がありません」。(Dille氏)

 Dille氏は、PlayStation Moveモーションコントローラのユーザーモーショントラッキングは、とても正確なので、やや曖昧なトラッキングでなんとかごまかせたカジュアルゲームだけでなく、正確なトラッキングでなければ成り立たないシリアスでハードコアなゲームプレイにも対応できるとも主張した。

 このPlayStation Moveの正確なモーショントラッキングをハードコアなゲームプレイに応用した好例として取り上げたのが「SORCERY」であった。このゲームそのものについてのインプレッション等については別記事を参考にして頂きたいが、このゲームでは、ゲーム中の魔法使いキャラクターの魔法の杖アクションをPlayStation Moveモーションコントローラで行なう。その際に、魔法起動のアクションから、その魔法を攻撃対象に発射するまでのアクションをプレーヤーは行なうのだが、その入力の仕方を変えることで魔法の軌道や効果に変化を与えられる。つまり、「モーションで○を描いたら魔法発射」というようなコマンド記号入力としてのモーション入力ではなく、ユーザーの動きのかなりの部分をゲーム世界に反映して、そのインタラクションが楽しめるということなのだ。

本格的なモーション入力で魔法発動が行なえる「SORCERY」正確なモーショントラッキングがゲームのおもしろさを変える別の好例としてゴルフゲームの「TIGER WOODS PGA TOUR'11」も取り上げられたこの他、プレイステーション・アイコン・キャラクター達が大集合のアクションアドベンチャー「HEROES ON THE MOVE」もPlayStation Moveに対応予定

■ PlayStation Moveの価格がアナウンスされる

 北米では、人気のプレイステーション広報部長Kevin Butler氏も登壇。実は、Kevin Butlerとは架空の人物で、俳優Jerry Lambert氏が演じているキャラクターだったりする。日本でもセガの広報キャラとして湯川専務が話題になったことがあるが、Kevin Butlerもそれに近い存在だと言える。

 プレイステーション 3を、自虐的なコメディ手法で宣伝するTVCMがうけて、アンチPS3ファンに対してもPS3を好きにさせたということで人気が高い。

 「小さい部屋に引きこもっていても、大きな画面さえあれば楽しい。それがゲーミングだ。夜中の3時にクリアしてトロフィーを獲得した、と喜んでもそれは現実ではなんの価値もない。でも、それが楽しいんだ。君の友達がすてきな彼女を作ったって? 君は負け組じゃない。ゲーミングがあるじゃないか」(Butler氏)と叫び、会場を盛り上げた。

独自の自虐的なゲーマー応援節を披露したKevin Butler氏。実はSCEA社員ではなく俳優が演じているキャラクターE3の西ホールには巨大なBuler氏の横断幕が飾られている。今や、北米においてはPS3の顔

 Butler氏が舞台から去ったあとは、実際のPlyastation Moveの発売スケジュールが発表された。

 欧州では9月15日、北米では9月19日、日本では10月21日、価格はPlayStation Moveモーションコントローラ単品で49.99ドルとなる。移動制御を主に行なう「PlayStation Move ナビゲーションコントローラ」は単品で29.99ドルとなる。

 ちなみに、意外に知られていないが、PlayStation Moveを構成するCCDカメラの「Plyastation Eye」は実は既発売製品でこれは実勢価格4,000円程度で発売されている。

 PlayStation MoveとPlayStation Eye、そしてソフトの「Sports Champions」までがバンドルされたものは99.99ドル(日本では、同梱ソフトが「Sing and Draw(仮称)」に変わり5,980円)にて販売される予定だ。

 さらに、PS3とPlayStation Move、PlayStation Eyeまでをバンドルしたセットは399.99ドル(日本での発売は未定)。

日本での発売スケジュールが決定PlayStation Moveモーションコントローラは49.99ドル
PlayStation Move ナビゲーションコントローラは29.99ドルPlayStation MoveモーションコントローラとPlayStation Eye、そしてソフトの「Sports Champions」までがバンドルされたものは99.99ドル

 PlayStation Move対応作品としては、「SOCOM4」、「TIME CRISIS RAZING STORM」、「NBA2K11」、「RUSE」、「KILLZONE3」、「Singstar」、「Echochrome II」、「EyePet」、「TOYSTORY3:THE VIDEOGAME」、「TIGER WOODS PGA TOUR'11」、「HEAVY RAIN」、「バイオハザード5 GOLD EDITION」などが挙げられた。

■ 新たなプレイステーション・ネットワーク・サービスの提供もアナウンス

SCEA、President & CEO Jack Tretton氏はプレミアムネットワークサービス「PlayStation Plus」を発表

 SCEA、President & CEO Jack Tretton氏は、新たなプレイステーション・ネットワーク・サービスである「PlayStation Plus」をアナウンスした。

 これは従来の無料のネットワークサービスを有料化したものではなく、期間限定の無料コンテンツの入手や、特別体験版の提供、ダウンロードコンテンツの特別価格提供、ファームウェアの自動更新といった追加サービスを利用するためのプレミアムサービスという位置づけだ。

 日本でのサービス開始予定日は6月29日より。価格は30日契約が500円、1年間が5,000円となっている。


(2010年 6月 16日)

[Reported by トライゼット西川善司]