ガンホー、「ガンホーカンファレンス2010」を秋葉原にて開催
「ラグナロクオンライン」と「ECO」最新情報を発表


3月13日 開催

会場:東京・秋葉原UDXシアター

入場料:無料


 ガンホー・オンライン・エンターテイメント(GOE)株式会社は、Windows用MMORPG「ラグナロクオンライン」とハートフルオンラインRPG「エミル・クロニクル・オンライン」の新情報を発表するイベント「ガンホーカンファレンス2010」を、3月13日に東京・秋葉原UDXシアターにて開催した。入場は無料。

 「ガンホーカンファレンス2010」は、「ラグナロクオンライン」と「エミル・クロニクル・オンライン」のゲーム運営担当者が自ら登場し、今後の新情報などを発表するオフラインイベント。第1部は「ラグナロクオンライン」、第2部は「エミル・クロニクル・オンライン」の2部構成で行なわれた。まずは、第1部「ラグナロクオンライン」に関する情報からお届けする。




■ ラグナロクオンライン

「ラグナロクオンライン」の部に登壇した面々

 第1部に登場したのは、GOE執行役員 ゲーム事業部オンライン本部 本部長の飯野平氏、ゲームサービス部一課課長の廣瀬高志氏、主任の大岸秀典氏、第一マーケティング部第一企画課 主任の中村聡伸氏。株式会社Gravityからは、CTOの堀誠一氏、開発1ディビジョン長(部長)のホン・サンギル氏、RO1スタジオ企画チーム チーム長(代理)のヤン・フンテック氏。「ラグナロクオンライン」の3次職実装を含むリニューアルプランについて、それぞれ発表が行なわれた。

 堀氏は、まずリニューアルプランに至る経緯を説明。「3つの大きなポイントに対して回収を行なうプロジェクト。まずひとつは、システムの限界克服。『ラグナロクオンライン』は、ほぼ10年近く経っているコンテンツ。当初“100”という数値がすべての計算公式の基準になっていたが、限界が見えてきた。これ以上のものを組み上げるなら、限界の100を超えなければならない。プログラムを大改編し、韓国ではほぼ2年近くかかって進めてきた。さらに、コンテンツを追加する仕組みなど、色々なところを直したい。その第1歩としてのリニューアルが、非常にボリュームが増えてしまった。

 もうひとつは、既存システムの問題点。ゲームバランスについては、ユーザーのみなさんからも色々指摘されており、内部でも協議している。当然、賛否両論があるし、世界それぞれで状況が異なる。そこをリニューアルのタイミングで1度すべてに目を通す。特にスキルや計算式に手を入れていきたい」とコメント。国内ユーザー向けの仕様や企画を提案するGOE、全世界のパブリッシャーを対象に開発を続けているGravity、両者が納得のいく“接点”を見出すべく地道な努力が続けられているという。なお、当初3月を予定していたリニューアルの実装だが、調整や開発課題が残されているため“6月”に延期される。

「ラグナロクオンライン」のリニューアルを示した企画意図のスライドスケジュール案など


 リニューアルで目指している姿は「ゲーム内の資産、プレイ感を守りつつ、拡張性を確保する」ことだという。例としてあげられたのは、ストレングス(STR)の上昇。日本サーバーは韓国サーバーよりも早く上昇するが、現状の数式では後々のボスキャラクターの耐久力が数値インフレを起こすなどの弊害があり、リニューアル後は日本サーバーと韓国サーバーの中間くらいに調整される。Atk計算、Matk計算、ASPD計算、状態異常耐性、既存スキルの仕様、詠唱時間計算(固定詠唱時間の導入)、経験値テーブル、モンスターの経験値や配置、Def・Mdefの上限突破、ダメージ計算式の仕様変更、インターフェイスについても“プレイ感”と“拡張性”を踏まえた調整がそれぞれ施されるという。かなり劇的な変化を伴なうリニューアルだが、韓国仕様ではDEX150で達成されていた「無詠唱」が不可能になるなどの“賛否を伴う調整”については、両社間の協議にくわえてユーザーにアンケートを行なうことで最終仕様決定の参考にしていくとしている。




3次職の転職条件

 3次職の転職条件は、上位2次職BaseLv90以上のキャラクターが対象。クエストに関しては、工数などの都合から当初は免除されるという。これは実装のプライオリティを考えた末の措置といい、後日全体のバランスを見てクエストにかわるなんらかの条件を設定する可能性があるという。職業は、ルーンナイト、アークビショップ、ウォーロック、ギロチンクロス、メカニック、レンジャー、ロイヤルガード、修羅、ソーサラー、シャドウチェイサー、ジェネティック、ミンストレル、ワンダラーの計13種。順次ではなく、13種類が1度に実装されるという。グラフィックスは既に修正作業に入っているが、まだ韓国サーバーでもテストが行なわれていない状況につき、公開できるようになった時点で順次アナウンスを行なうという。転職時のステータスリセットは可能な方向で調整が行なわれており、経験値テーブルは日本独自仕様になる。


 新システム「リンクシステム」も日本独自の仕様。「カプラポイント」、「G V G」、「ネンドレスタワー」、「アリーナ」、「ターボトラック」の報酬に、各コンテンツ専用コインを用意。各コインを一定枚集めると強力な装備アイテムと交換可能。コインはプレーヤー間で取引可能だが、装備アイテムは不可。どれくらい強力かは「倉庫に移動できない、主に対人型に有効」という。本システムは今後も拡張していくといい、今回はその第1弾。実装は今春予定。


 初心者向けのアップデートも予定されており、導入部「初心者修練場」の改修、2次職以降の目標付け強化、一緒に楽しむ仲間が増えるよう初心者と熟練者が交流できるコミュニティ施設の追加が予定されている。また、3月16日から「スプリングキャンペーン2010」が順次スタート。3月19日18時頃~23日の10時まで「ラグナロクオンライン」が無料でプレイできる「無料開放お花見祭り」を実施。期間中は「蜃気楼の塔」が1週間の期間限定で復活するほか、エクストラカラーが無料(ただし戻すのは別途費用がかかる)、プロンテラの桜が復活するなど、さまざまな企画が行なわれるという。公認ネットカフェでは、ゲーム利用権の有効期限が切れているゲームアカウントでもログインできる「ネットカフェ新生活応援キャンペーン」を4月27日まで実施。さらに、PayNetCafeを導入している公認ネットカフェでは、期間限定で「戦闘教範50」、「Job教範50」を販売。期間中、公認ネットカフェでログインし前述のアイテムを使用すると追加効果が付与される。

 4月13日からは、全ユーザーを対象としたSNSサービス「ラグナロクオンラインSNS」が開設される。PC、携帯から閲覧が可能で、ビギナー向けコミュニティ、イベントやキャンペーン情報、スケジュールやカレンダー機能を用意。将来的にはゲームデータとの連動も予定されている。なお、本サービスの開設にともない「エボプロSNS」は5月31日でサービス終了となる。また、新規アカウント取得者を対象に、既存ワールドにて一定期間無料でプレイできるWelcomeサービスは、3月23日以降も継続が決定した。対象ワールドを巡回する形で、Urdrをのぞく全ワールドで実施される。


 会場では、堀氏から直近のアップデート状況についても説明が行なわれた。韓国では、エピソード13完結編「13.3 巨人都市-エル・ディキャスティス」が実装されており、巨人族の首都エル・ディキャスティスでの冒険、魔王モロクへとつながる新たな手掛かりが登場する。首都の周辺には人間たちの生活圏が存在。魔王モロクの影響は巨人族の世界にも広がっており、ここで得た情報がひとつのキーになりエピソード14に入っていく。エピソード13.3以降は、魔王モロクとの決戦が待つ「Episode 14.1 ビー・フロスト」、「Episode 14.2 アルフヘイムへ……」のほか、Episodeとは別展開の「World Map:Indonesia」、「外伝シナリオ:猫の島」が計画されている。また、パーティを組みやすくするための「パーティブッキングシステム」も実装されている。

 韓国サーバーでは、3次職「ソーサラー(精霊システム)」と「ジェネティック(ホムンクルスS)」の追加実装も行なわれている。精霊システムはソーサラーが触媒を利用して召喚するもの。火、風、水、土の各属性における魔法能力を持つ。召喚者を支援するパッシブモード、防御や保護を行なうディフェンシブモード、敵を攻撃するオフェンシブモードの各モードをスキルで切り替えながら戦う。既に実装されている傭兵システムとはまた違ったものになっているという。ホムンクルスSは、99Lvホムンクルスの突然変異形態。条件となっているクエストクリアで変異するが、達成度によっては望む変異が得られない場合もあるという。150LVまで育成可能で、元の特徴と変異形態の特徴、組み合わせによりさまざまなホムンクルスSに育つという。

 エクステンド職業の拡張に関しては、韓国で養子システム(Baby3次職)テストが進行していることや、ノービス/SPノービス、忍者/ガンスリンガー、テコン/拳聖/ソウルリンカーのレベル拡張や上位職実装を予定していることなども発表された。ヤン・フンテック氏によれば「Baby3次職は社内テストの準備中。基本的には、既存の養子システムをそのまま引き継いでいる。これまではステータス制限で似たようなキャラクターになりがちだったが、拡張により特徴のある多様なキャラクターが作れるようになった」という。該当職業のレベル拡張や上位職などはまだ実装されておらず、会場では「もし実装されたら」というイメージで、原作者である李命進さんのラフスケッチ3点が公開された。




飯野平氏廣瀬高志氏

大岸秀典氏中村聡伸氏

堀誠一氏ホン・サンギル氏ヤン・フンテック氏




■ エミル・クロニクル・オンライン

「エミル・クロニクル・オンライン」のステージに登壇したメンバー
2010年ECOのテーマは“新時代を、共に歩む-”

 第2部に登場したのは、GOEゲーム事業部オンライン本部ゲームサービス部二課課長代理の寺田美絵氏、同第一マーケティング部第一企画課の羽賀大輝氏、サービス部二課の矢野拓実氏、同課課長の淺間達雄氏。「エミル・クロニクル・オンライン(ECO)」運営チームより近日実装予定の内容などが明らかにされた。2010年ECOのテーマは“新時代を、共に歩む-”。新規ユーザーとベテランユーザーが互いに協力しあい、ともに歩んで新たな世界に進んで生きたいという意志のあらわれだという。


 3月26日に実装される「ウェルカムアップデート:プリムラ」は、新規ユーザーを対象としたアップデート。プレーヤーのかたわらに「妖精プリムラ」が出現し、イベント進行をサポート。ネコマタストーリー、SAGAメインストーリー、スキルポイント入手イベント、ジョイントジョブイベントなど、約70のイベントを手助けしてくれる。イベント中はキーNPCにポイントがついたり、マップでNPCの位置が明示されるなど、順序が手に取るようにわかる。チュートリアルも、以前の専用マップから多数のプレーヤーが活動するゲームマップ上で行なわれるようになり“冒険の第一歩を踏み出す”という臨場感がアップ。キャラクター作成から5分でマップ上に出現。イベントナビゲーションはBaseLV35までが対象となる。



 上級者向けには、LV50スキルが登場。会場のスクリーンにはドルイドとカバリストのLV50スキルのスクリーンショットが公開された。エクスプローラー、トレーダーについても「4月までには入れたい(寺田氏)」という。また、SAGA10のイベント「キカイのココロ」、「キカイのキオク」の続編が実装され、進めていくと、DEM版ネコマタのような存在「背負い魔・オートマタ」が登場。他の3種族でイベントを進めると、マリオネット・ドロイドが入手できる。オートマタは全部で5種類があり、それぞれLV30、LV45、LV70、LV80、LV90でそれぞれ入手可能なストーリーに挑戦できるようになる。



 季節イベントでは3月26日に「お花見」が登場。新アバターアイテムは「ニット帽」、「ジーンズ」で、いかにも春らしいさわやかなデザイン。今後の季節イベントについても、順次ボリュームアップを図っていきたいという。3月26日には「新都市攻防戦」は、DEMの本拠地に攻め入る形で「攻防戦と奪還戦の概念がひっくりかえる形(寺田氏)」といい、既存の攻防戦は3月26日以降「新都市攻防戦」にいったん切り替わり、その後は再調整を行ない「奪還戦」または「攻防戦」のどちらかが始まる形になる。



 SAGA11までの中規模アップデートは「ディメンションダンジョン」、「LV110ディメンション武器」、「オートマタディメンションパーツ」をそれぞれ追加予定。「ディメンションダンジョン」は、高レベルキャラクター向けのダンジョン。個人もしくは特定のメンバーだけで独占できる「プライベートダンジョン」として登場する。ディメンションダンジョンと通常ダンジョンの違いは、条件を満たしているか否か。ワープリンクに入ったとき、一定条件を満たしていれば、同じダンジョンでも「ディメンション」のほうに侵入できる。マップは一緒だが、登場モンスターや配置がガラリと変わり、高レベルにとって垂涎の狩場となる。

 高レベル向けでは、LV110ディメンション武器が実装される。ゲーム内における最高峰武器といい、ディメンションダンジョンでしか入手できない。LV110ディメンション武器はパートナー(ペット)化が可能。戦闘したいときは武器、街中でマッタリしたいときはペットと、まさに“冒険を共にする大切なパートナー”になってくれるわけだ。前述のオートマタもLV60以降「ディメンションパーツ」に変形。5種類それぞれが各部位のカスタマイズパーツになり、装着して一緒に冒険にいける。



「SAGA11:タイタニア世界の物語」についても発表

 「SAGA11:タイタニア世界の物語(仮称)」は、今夏実装予定。それにあわせて追加される新要素のひとつが、「上位転生、三次職クロニクルジョブ」。エミル、タイタニア、ドミニオンの3種族が上位種族となり姿を変えられる。外観は好きなときに元に戻せる。BaseLV、JobLVがそれぞれ1になるが、取得済スキルは持ち越し可能。専用スキル、専用装備があるようだが、特典については「VIP待遇のようなものを、もうちょっとつけられないか(寺田氏)」と企画を練っているという。三次職クロニクルジョブは計13種類。まだ詳細は明らかにされていないが、ノービスで3次職クロニクルジョブに転生も可能だという。転生可能LVは100~110。矢野氏によれば「やはりLV110で転職したほうが有利」だという。

 「エンシェントアーク」は特殊な構造の新ダンジョン。4種族とさまざまなレベル帯のユーザーがともに遊べるダンジョンで「みんなが一緒に遊べる場所を作りたい(寺田氏)」という。階層により適正レベルが異なるほか、これまでにない強さを誇る6体のボスモンスター「ロクオウ」が待ち構える。また、ロクオウを攻略するとブースト系の使い魔が転生可能になるという。具体的には明らかにされなかったが「速度を上げたいなと思っているが、システム的なからみもあるので、パッシブスキルがつくなど、何かしら新しい力が手に入るという形で考えている(寺田氏)」という。また、オートマタが5体になると“合体”が可能に! 「オートマタセットアップ」に変形すると誰かを乗せて冒険に出られるようになるほか、さらに強化すると「背負い魔・オートマタブースト」に変形し、BACKパーツとして凄まじい効果を発揮するようになるという。

 憑依に関しても見直しが行なわれる。現状の憑依システムにはさまざまな課題があり、運営チームとしては「初心者と上級者を結ぶシステムになっていない(寺田氏)」と判断。職業、種族、レベルを気にせず利用できる新システムにしたいといい、ユーザーからの意見なども積極的に取り入れていきたいとしている。



 今冬実装予定の「SAGA12:タイタニアドラゴンとの出会い(仮称)」では、世界の深部でついにタイタニアドラゴンに遭遇。失われたDEM世界を救うには、とある少女「ティタ」の力が不可欠だと知らされる。ティタがいるという不安定な次元に存在するDEM世界に突入するために必要な存在……それが新要素の「飛空城」。「飛空城」は、リングで利用できる大きなお城。城内には施設や広場を建設することができ、リングメンバーの特性によってカスタマイズの内容が変化。顔ぶれによって、色々な町(城下町?)造りが楽しめる。「飛空城」で旅立った先には、DEM世界の大半と「マザー」を消滅させた巨大な存在「ク・トゥルー」が待ち受ける。


 アップデートが行なわれる3月26日には、新規ユーザーを主な対象とした「春の大型キャンペーン」が開催される。経験値1.5倍、ShopPointチャージで抽選でアイテムプレゼント、新規スタートでおしゃれアバタープレゼント、武具、パーツ、カードアセンブル強化率のアップなど、さまざまな企画が順次開催される。近日中には公式ブログも開設され、今夏には「しゅごキャラ!」に続く新たなコラボレート企画も予告された。


 イベント終了間際、ステージに呼び込まれたのは3月31日と4月28日に発売されるドラマCDにも参加している声優の竹内幸輔さん。「今日はすいません、いつも一緒にやってる原田ひとみが某バカテスで売れてしまって忙しいので(会場笑) ひとりで遊びにきました」と会場を大いに沸かせる。仕事が縁で、今では「ECO」のコアユーザーとしてもつとに有名な竹内さん。「いまだに週4でやってますよ。僕PCもってないんで、ネットカフェ代がとうとう150万円を突破しました。いい感じのPC5台くらい買えたじゃねぇかよ! って」というあたり、まさにホンモノ。

 淺間氏に「そういえば、ゴールデンブーストってあったじゃないですか。あれ、ドロップテーブル、変更します。パーティドロップします! ゴールデンブースト以外のアイテムも落ちるようになります」といわれ、目の色が変わる竹内さん。「俺メインがジニアだから、正直まだ1回も見たことないのよ。他のワールドだと見た人、結構いる?(会場にきくも全員見たことなし) そうだよねぇ!」と、これまたコアユーザーらしいコメント。恒例のシメもしっかりキメてくれた。ちなみに竹内さん、本イベントは完全にプライベート参加。プレス撮影も、その場でケータイから事務所に確認の連絡を入れるという口あんぐりの状況。“アットホームさ”というか“おおらかさ”という、なんとも象徴的なエピソードで“華”と“笑い”をそえてくれた。


寺田美絵氏羽賀大輝氏矢野拓実氏

淺間達雄氏竹内幸輔さん




「ラグナロクオンライン」
(C)Gravity Co., Ltd. & Lee MyoungJin(studio DTDS). All rights reserved.
(C)2010 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
「エミル・クロニクル・オンライン」
(C)2010 BROCCOLI/GungHo Online Entertainment,Inc./HEADLOCK Inc.

(2010年 3月 14日)

[Reported by 豊臣和孝]