「チュンソフト×スパイク 大収穫祭09-10」開催

アッキーナらとクリエーターが新作を熱烈アピール


11月29日開催

会場:ラフォーレミュージアム六本木

入場料:無料(事前招待制)



 「チュンソフト×スパイク 大収穫祭09-10」が、11月29日、都内にあるラフォーレミュージアム六本木で開催された。チュンソフトとスパイクが、今冬以降に発売する新作タイトルを、事前に招待したユーザーへお披露目するイベントで、チュンソフト代表取締役社長の中村光一氏と株式会社スパイクの代表取締役社長、櫻井光俊氏のあいさつで幕を開けた。イベントでは、「喧嘩番長4 ~一年戦争~」、「不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の目と悪魔のヘソ」、「極限脱出 9時間9人9の扉」、「マッドワールド」の4つのタイトルを中心に、クリエーターとゲストによるプレゼンテーションステージや、各ゲームの試遊体験ができた。南明奈さんら豪華ゲストに加え、シークレットゲストも登場。新情報も多数発表された。

会場前の様子。招待制だったにもかかわらず多くのファンが会場の前に並んだ
イベントの模様をTwwiterで実況するという実験的な試みも行なわれた開会のあいさつを行なう中村光一氏(写真左)と櫻井光俊氏(右)


■ アッキーナが「喧嘩番長4」応援団に就任!実写映画化も決定、来春公開予定

 PSP「喧嘩番長4 ~一年戦争~」(2010年2月25日発売予定)のステージには、「喧嘩番長」シリーズの大ファンだという“アッキーナ”ことタレントの南明奈さんが登場。プロデューサーの渡辺一弘氏と共に、ゲームの魅力を語った。最新作は、前作までと設定を一新。不良少年が集うヤンキー界のエリート校・紅南高校を舞台に、新入生・速水勇太が300人の不良たちの頂点を目指すというストーリーだ。エリア最強と名高い、阿久津という人物を倒すのが目的だが、阿久津と戦うにはまず男気を見せて、名前をあげる必要がある。速水の頂点制覇の道は、教室、体育館、プールなど、学校全体を駆け回って喧嘩をすることから始まる。

 ゲームショップで「喧嘩番長」のパッケージを発見し、「面白そう」と運命の出会いを遂げたアッキーナ。前作にもかなり夢中になり、「朝4時までプレイすることもあった」、「家ではもちろん、移動中も時間さえあれば遊んでました」と熱中度を披露するだけに、最新作への期待も高い。タイトルプレゼンを見た感想を聞かれ、「もう喧嘩してみたい度がMAXに近いですよ」とアツイコメントも飛び出した。

 「喧嘩番長」シリーズの魅力のひとつが豊富なカスタマイズ。シリーズ最多のカスタマイズアイテムを備え、さらに格好よく、気合の入った喧嘩ができるように変化した。さらに、美白から色黒まで肌の色が変えられるほか、タトゥーシールも追加され、より自分好みの番長が作れるようになっている。お約束の笑えるアイテムも健在で、多彩なキャラメイクが楽しめそうだ。

 ステージでは、アッキーナがイメージキャラクターに就任することも発表された。今後はテレビCMや公式サイト、店頭販促物などに続々と登場する予定だという。また、テーマソングには氣志團の書き下ろし曲が決定。実際にシリーズを遊んで作ったという「拳の中のロックンロール」は、世界観をさらに深めてくれそう。現時点ではCD発売の予定はないとのことで、本作でしか聴けないプレミアムな曲になるかもしれない。さらに2010年春には、実写映画も公開されるとのニュースも明かされた。出演者など詳細は後日発表される。

 試遊できた体験版について、「過去のシリーズを遊んでいなくても楽しんでもらえるように、チュートリアルをしっかり作りました。元々ゆるく遊んでもらうゲームですから、初めての方も、映画から入ってきた方も、気軽に遊んでもらいたいですね」と渡辺氏はアピールした。

プロデューサー・渡辺氏の解説を、一ファンとして聞いていたアッキーナ。好みのタイプの「サラサラヘアのイケメン」へとカスタマイズしてゲームを楽しんでいると告白した
氣志團もVTRで登場。映画版の映像もほんのわずかだが公開された。キャスト等、詳細については現時点では秘密とのこと


■ 南の島を舞台にした「風来のシレン」最新作
  発売日は2010年2月25日に決定

「風来のシレン4」について、解説を行なう中村氏

 中村光一氏がステージに上り、発売日を2010年2月25日と発表したニンテンドーDS「不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の目と悪魔のヘソ」。今作は南の島が舞台になる。前作の後、船で旅に出たシレンとコッパだが、船が遭難し南の島に流れ着いた。魔物と誤解され、火あぶりになるところを助けられたシレンたちは、秘宝“ジャガーの眼”を求めて不思議のダンジョンへ挑戦するというストーリー。

 中村氏は、オーラをまとったモンスター、“扉”の存在、動く床、大きさの変わる部屋などの新要素を次々に紹介。中でも大きな変化は、ダンジョン内にも昼と夜が存在すること。夜になると視界が悪くなるため、モンスターが見えにくくなったり、巻物が読めなくなったりするという。昼夜で出現するモンスターも入れ替わる。「たいまつを準備したり、装備や戦い方を変えたりと、今まで以上に高度な戦略が必要になります」と中村氏。夜のモンスターに効果の高い“技”という新要素も追加され、よりダイナミックなプレイもできるという。南の島が舞台のため、シリーズ定番の「おにぎり」ではなく、「バナナ」を食べて空腹を満たすことも明かした。

デモプレイには“ニコニコ動画”のゲーム実況動画でおなじみのプロゲーム実況者“えどさん”&ふみいち”が登場。ゲームにちなんで、中村氏にバナナのプレゼント第1作目からの熱狂的なファンだというふみいちさんが操作を担当して、体験版最初のダンジョンにチャレンジ。アイテムの使いどころを間違え、あえなく気絶という展開で会場を大いに沸かせた


■ まもなく発売「極限脱出 9時間9人9の扉」
  イシイ、打越両氏が作品の魅力を語る

 12月10日と発売日が迫っているDS「極限脱出 9時間9人9の扉」のステージには、プロデューサーのイシイジロウ氏、シナリオとディレクションを担当する打越鋼太郎氏、講談社BOXより発売されるノベル版(2010年1月上巻、2月下巻発売)の執筆を行なった作家の黒田研二氏が登場した。眠らされ、古ぼけた客船に閉じ込められた主人公・淳平ら9人の男女。「ノナリーゲーム」という命がけのゲームに知らぬうちに取り込まれた主人公たちは、脱出パートとノベルパートを繰り返しながら、「9」がナンバリングされた出口を目指して進んでいく。

 イシイ氏は開発経緯について「ニンテンドーDSでサウンドノベルを作って欲しいとの声に応えました。DSで出すからにはDSでしかできないことをと作り上げたのが本作です」と話し、「ストーリーはあまり説明できませんが、後半から本当にストーリーが面白くなっていきます。前半は脱出ゲームを楽しんで、後半はストーリーを楽しむという、1粒で2度おいしいゲームです」と胸を張った。ノベライズを担当する黒田氏も「シナリオが完璧過ぎて悔しかったです」とシナリオに太鼓判を押す。「何気ないセリフの中にも、伏線はたくさん潜んでいますよ」と思わせぶりな発言も。

 打越氏は「ゲームにはさまざまな仕掛けをこめています。1周目はすべての謎に気づかないかもしれませんが、2周、3周と遊ぶと思いがけない仕掛けや伏線に気づくかもしれません」と話し、黒田氏も「ゲームと小説は少し内容が違います。両方読んでいただくとさらに楽しめると思います」と小説版の魅力を語った。イシイ氏からは、発売に向けて、12月3日からは全国のDSステーションで、現在公式サイトでも遊べる体験版が配信されることを報告。12月10日の発売日には、公式サイトでサプライズキャンペーンが開催されることも発表し「発売日にはぜひ公式サイトを見てください」と締めくくった。

 ステージ後には、イシイ氏、打越氏へのインタビューが行なわれた。DSで、チュンソフト初のサウンドノベルを出すことについて、打越氏は「昔からある脱出ゲームと、サウンドノベルというアドベンチャーゲームの面白さを伝えられる作品ができました」と話した。イシイ氏も「プレーヤーをいい意味で裏切るシナリオです。驚きやどんでん返しが得意な打越が担当していますから、『428』に匹敵するような驚きを提供できると思います」と打越氏のシナリオに全幅の信頼を寄せた。

 難易度については「一見すると難しそうですが、コンシューマーゲームですから程よい難易度にバランス調整を行なっています。うちの会社でもバランス調整には定評のある『不思議のダンジョン』テストチームが協力してくれていますので、かなりいいバランス。脱出パートでは、一緒に密室に閉じ込められた仲間たちがヒントをくれますので、解けないということは無いと思います」と、イシイ氏が答えてくれた。

 最後に、ユーザーに向けてゲームの魅力を語ってもらった。イシイ氏は「打越が最初企画書に“アハ体験”と書いていたんです。謎が解けたときに気持ちいい。難しそうだと感じる人もいると思うのですが、実際は意外とライトに解けて「アッ」と思う瞬間がたくさんあります。脱出パートを楽しんでいくと、今度はストーリーがどんどん気になって、物語に飲み込まれていきます。本当の真実にたどり着くのは難しいですが、映画の『SAW』や『CUBE』、『かまいたちの夜』的な楽しみかたができると思います。隠された謎もたくさんあります。2周、3周とプレイするうちに謎に気づき、『これって傑作なんじゃないか』と、思ってもらえるのではないでしょうか」と熱いコメント。打越氏は「ライトノベルやミステリーが好きな人、パズルゲームが好きな人ならすごく楽しめると思います。肩肘はらずに、気軽にはじめていただきたいです」と話した。

「1年以上ボツが続いた中で、ようやく形になった会心の1作です」とイシイ氏打越氏は西村キヌ氏のキャラクターデザインについてコメント。「想像以上のキャラクターだったので、キャラに合わせてストーリーを作り込みました」黒田氏は、コミック版「逆転裁判」、「逆転検事」の脚本も担当している本格派ミステリー作家


■ グラビアアイドルKONANも熱中
  突き抜けたバイオレンスワールド

 Wii向けとしては初のCEROレーティングZ(18歳以上推奨)で話題を呼ぶ、Wii「マッドワールド」(2010年2月10日発売予定)。ストーリーは、ある島がテロリストに占拠された所からはじまる。島へと繋がる橋は封鎖され、中に入ることも出ることもできない。閉ざされた島の中では「デスウォッチ」と呼ばれる暴力に満ちた死のゲームが始まっていた。島に潜入した主人公・ジャックは、鍛えられた肉体と右手のチェーンソウで暴漢たちを打ち倒していく。ジャックの素性や目的は、ゲームの中で明かされていくという。

「女性と一緒にステージに立ったのは初めて」と言う稲葉氏は緊張しながらも、ゲームの魅力を語った

 開発を行なうプラチナゲームズの稲葉敦志氏はコンセプトについて、「テーマは暴力。突き抜けたバイオレンスを描いて、逆に笑い飛ばしてしまおう」という内容だと説明。「女性、中でも仕事に疲れたOLさんにも遊んでもらって、スカっとして欲しい」と考えたという。暴力をメインにしてはいるものの、重く、陰惨になり過ぎない爽快なゲームが目標だ。「単純に人を殺すのではなく、真面目にエンターテイメントとして取り組んだ」とも話した。モノクロのデザインを選んだ理由について「目立つから」と笑いながらも、「ゲーム、マンガ、アニメ、映画のすべてに通じるような、スタイリッシュな映像を作ろうと思いました」とアートワークのテーマも明かしている。

 ステージ上でのデモプレイに挑戦したKONANさんは、Wiiリモコンとヌンチャクを使って、パンチやチェーンソウで敵を攻撃する基本的なアクションを見せてくれた。さらに、ステージのいたるところに用意された攻撃ギミックを使い、標識を敵に突き刺す、走る列車や棘の生えた壁に敵を投げつける、敵をゴミ箱へ投げ捨て、胴体を真っ二つにするなど、ゲームの持ち味であるバイオレンスな技も笑顔で披露。「リアルに自分の動きが伝わるので、気持ち良かった」とにこやかにコメントし、ゲームの狙い通り、スカっと爽快に楽しめる作品であるとアピールした。

 ステージ後の試遊では、ゲーム最初のチュートリアル部分を体験できた。「触ってすぐに楽しめる」との稲葉氏の言葉どおり、直感的に動かせるのが特徴。パンチや掴むなど、通常攻撃はAボタンのみで行ない、Wiiリモコンを動かしてアッパーや裏拳を繰り出す。FINISHは、画面上に出るアクションの指示に従い、タイミングよくWiiリモコンを振り、ボタンを押すことでド派手なアクションが発動する。ごく簡単な操作をするだけで、バイオレンスな技が楽しめるのが痛快だ。残虐に敵を倒すほど高得点が得られ、ポイントをためることでシナリオを進めていく。決して暴力肯定ではないというメッセージがこめられたゲームとケレンミ満点のアクションを楽しみたい。

ステージには、グラビアアイドルのKONANさんが、ゲーム中に登場する女性キャラクターをモチーフにしたセクシーな衣装で登場。プレゼンテーションに華を添えた
KONANさんがデモプレイでコンボを決めて敵を倒すと、稲葉氏が「かなり練習しましたね!」とうれしそうに応援



 チュンソフトとスパイクの合同開催だけに、濃いゲームファンが集ったイベント。事前公募による招待制を採用し、人数を制限したため、十分な試遊時間が確保されたファン垂涎のイベントになった。年末年始商戦への並々ならぬ気合と、クリエーターの熱い想いが、集ったゲームファンたちにも伝わったのではないだろうか。独自路線と熱狂的なファンを多数持つ企業なだけに、プライベートショー形式のイベントはマッチしているようにも感じた。

最も人気を集めたのが「マッドワールド」の体験コーナー。Wiiコントローラーの操作感を確かめるようにプレイしていた「喧嘩番長4」の試遊台には、シリーズ未経験者も多かったようだ

「風来のシレン4」の試遊スペース「極限脱出 9時間9人9の扉」の試遊スペース
「不思議のダンジョン 風来のシレン3ポータブル」(2010年1月28日発売予定)、「東京フレンドパーII決定版 ~みんなで挑戦!体感アトラクション~」(12月3日発売予定)の試遊もできた

(2009年 11月 30日)

[Reported by 南奈実]