G-Star 2009現地レポート

 

NHNブースレポート

ノンターゲットアクションMMORPG「TERA」がプレイアブルで登場


11月26日~29日 開催

会場:釜山国際展示場(BEXCO)



 NHNブースでは、完全新作の「TERA」と、韓国独自のローカライズを行なった「Warhammer Online: Age of Reckoning」という2本のMMORPGをプレイアブルで出展した。ほかにカジュアルゲームも出展されていたが、既にサービス中のコアユーザー向けタイトルは一切出展せず、昨年のG-Starの目玉タイトルだったMOアクションRPG「Continent of the Ninth (C9)」のゲーム大会を開くのみだった。




■ “クリックゲームではない”アクションMMORPGの大作「TERA」

18歳未満はプレイ禁止となるタイトルのため、ステージ裏にあるコーナーに置かれていた

 MMORPG「TERA」は、320億ウォン(約24.3億円)以上という巨額の開発費を投入し、2007年3月から約3年をかけて開発されている大作MMORPGだ。開発は韓国Bluehole Studio。本作は出血表現などから18歳未満のプレイが禁止されており、ブースのステージ裏に設けられたスペースで、外から見えないような形で出展されていた。

 本作の特徴は、“ノンターゲット”であること。これまでの韓国のMMORPGは、敵となるキャラクターをクリックしてターゲットし、攻撃させていた。しかし本作は、このターゲットという要素を廃し、敵に向かって適切な距離と角度で攻撃を繰り出し、命中させる必要がある。簡単に言えば、バトルが純粋なアクションゲームになっている。スタッフはこの“ノンターゲット”という言葉を頻繁に使っており、いわゆる“クリックゲーム”とは違うということを強くアピールしていた。

 プレーヤーキャラクターは、「ヒューマン」や「ハイエルフ」、熊のような外見の「ポポリ」など6つの種族に、共通の8つの職業が用意されている。職業は武器の種類を決めるものでもあり、二刀、両手持ちの剣、斧、槍と盾、弓、杖などがある。選んだ職業によって、バトル時のアクションのスタイルが変化する。

 筆者は「アマン」という大柄の種族に両手剣という組み合わせを選んでみた。プレーヤーの背後にカメラがあるTPSのような視点で、移動はWASDキーを使う。攻撃は左クリックが通常攻撃で、連打すると武器に応じた連続攻撃を放つ。右クリックや数字キーのショートカットを使えば、より強力なスキルを発動できる。

 攻撃するには、敵に近づいて左クリックするだけ。しかし両手剣の攻撃は縦に大きく振りかぶるため、きっちり敵のほうを向いていないと、敵の横を空振りしてしまう。左クリックを連打すると、横に払うような攻撃が出るので2発目は当たるが、きちんと1発目から当てるに越したことはない。左クリックでの連続攻撃は最高4発まで出せたが、3発目までにスキルを発動させると、そのスキルに滑らかに攻撃が繋がった。

 ただし攻撃の合間には少し硬直時間があり、連続攻撃を止めた後やスキル発動後には、さらに長めの硬直時間がある。このタイミングに敵から反撃されることが多いのだが、ここでCキーを押すとキャラクターが前転して移動する。敵の動きをよく見ていると、攻撃前の予備モーションがわかるので、連続攻撃の最中に反撃されそうだと思ったら、前転して敵の横や背後を取って、再度有利な状況から攻撃を仕掛けていく。

 この一連の動作のイメージは、カプコンの「モンスターハンター」に近い。敵の攻撃モーションを覚えて、適切な攻撃を仕掛けていくという、プレーヤーのアクション操作での成長が求められるシステムだと感じた。ただそれと大きく違うのは、フィールドがMMOであることと、味方にも攻撃が当たってダメージが入ること。その気になればPK行為も可能で、パーティープレイ時には味方に攻撃が当たらないように考えてアクションする必要があるという。

 バトルシステムはこのようなPvEと、PvPの2つが柱になり、さらに攻城戦のようなものも実装したいとしている。

 このほかの部分でも非常に力が入っている。まずグラフィックスは「Unreal Engine 3」を採用し、足元の岩場から空高くそびえる巨木の枝葉まで、繊細に作りこまれているのが印象的。フィールドのデザインや攻撃のエフェクトなど、どれを見ても従来のMMOタイトルとは一線を画したビジュアルになっている。

 コンテンツの大きさは、Activision Blizzardの「World of Warcraft」を超えるのが目標だそうで、現在もフィールドやコンテンツの追加作業が続いているという。具体的な要素としては、共和国制のような政治システムを実装し、リーダーを選んだり、支持する人をリーダーにするため戦ったりといったものを検討しているという。

 韓国でのサービススケジュールは、12月中に3回目のクローズドβテストを準備しているという。正式サービスは今のところ2010年4~5月の予定。日本ではNHN Japan株式会社が独占提供契約を済ませているが、サービス開始時期は未定。


【種族ビジュアル】
ヒューマンハイエルフアマン
キャスタニックバラカポポリ

「ヒューマン」の職業選択画面。選んだ職業によって、使う武器が大きく変わる。武器は軽いものか重いものか、遠距離か近距離かなど、特性をよく見て選びたい
こちらは「ポポリ」の職業選択画面。全て熊の一種のようだが、パンダが混じっていたりとバリエーション豊か。日本でも人気が出そうな種族だ
ビジュアルは前を向いても上を向いても、遠方までしっかりと描かれているのが印象的で、この世界への没入感が非常に強い

【ムービー】



■ 韓国向けの顔と髪型を追加した「Warhammer Online: Age of Reckoning」

16台のPCで8対8のPvPを体験できた

 米EA Mythicが開発したMMORPG「Warhammer Online: Age of Reckoning」は、韓国ではNHNがパブリッシングを行なう。欧米では既にサービスが開始されており、韓国版も昨年のG-Starで調印式が行なわれたのだが、ようやく12月に初のクローズドβテストを行なうと発表され、正式サービスの開始時期も2010年としている。実質、1年以上もローカライズ作業を続けることになる。

 これには理由がある。韓国版は単純な翻訳に留まらず、韓国でより受け入れられるため、ゲームそのものに修正が加えられている。その際たるものが、顔のグラフィックスの変更だ。手が入るのはプレーヤーキャラクターのみで、モンスターなどのグラフィックスはそのままだという。他にも、NPCの名前を英語版の直訳ではなく、より韓国で馴染めるようなものに変更する予定だという。

 このローカライズ作業についての詳細は、別室で行なわれたプレス向けの合同印タブーにおいて発表された。こちらの様子は別稿でお届けする。

 会場では、来場者が参加できる8対8のPvP戦が随時開催されていた。韓国版の顔グラフィックスはここが初公開となるが、そもそも本作が一般向けに公開されるのも今回が初めてということもあり、特にローカライズ部分をアピールはしていなかった。来場者も純粋にゲームの感触を確かめていたようだ。


【PvP】
一般初公開となるタイトルながら、試遊台は来場者同士のPvPのみ。参加者は操作感を確かめつつも、早速激しい戦いを繰り広げていた

【スクリーンショット】
顔のグラフィックスは韓国向けにローカライズされている

【ムービー】



■ シリアスゲームに注目したカジュアルゲーム群

 上記2タイトルのほかに、ファミリーゾーンとしてカジュアルゲームの試遊台も用意されていた。今回出展されているタイトルは、どれも学習要素があるシリアスゲームとなっていた。韓国でも、任天堂の「脳トレ」がブームとなり、ゲーム会社も各社が追従する動きを見せているという。

 NHNが最も強くアピールしていたのが、漢字を学べるアクションゲーム「HANJAMARU」。韓国では漢字よりハングル文字の使用が推奨されていることから、漢字を覚えていなくても生活には不自由なく、習得率は年々落ちている。ただ新聞などでは時折見かけることもあり、一種の教養として学ぼうという人もいるようだ。

 システムはシンプルな横スクロール2Dアクションなのだが、モンスターには大きく漢字が1文字書かれている。この同じ漢字が書かれたモンスターを一定数倒すと、ボーナスが得られる仕組みになっている。同じ漢字を無意識に何度も見ることで、反復練習の要領で漢字を覚えるのだという。漢字の意味を答えるようなものではなく、あくまで字そのものを覚える、あるいは漢字に興味を持つことを促すような内容になっている。なお出てくる漢字は韓国の漢字検定をベースにしており、検定のテキストと併用するとより高い効果が得られるとしている。

 他にも、韓国の一般常識を答えるものや、知能テストのような問題が次々出題されるミニゲーム集なども出展されていた。


【スクリーンショット】
漢字を学べるアクションゲーム「HANJAMARU」。知らず知らずに反復練習の効果が得られるという、アイデアもののシリアスゲームだ
こちらは「脳トレ」系のタイトル。子供でも遊べるものから、大人向けの一般常識を学ぶものまで、ジャンルはさまざま。いずれも「hangame」または「NAVER」で既に公開中

(2009年 11月 27日)

[Reported by 石田賀津男]