カプコン、「モンスターハンターフェスタ'09」東京大会開催
「arties」など上位3チームが全国決勝大会に進出


8月23日 開催

会場:幕張メッセ 5、6ホール


「MHF'09」が初登場となる「MH3」のメインプランナー、木下研人氏(写真右)。やや緊張気味だったが、来場者がステージ上でクエストに挑戦するイベントでは、攻略のポイントをわかりやすく解説していた

 株式会社カプコンは、全国5都市で順次開催されるイベント「モンスターハンターフェスタ'09」(MHF'09)の東京地区大会を、8月23日に千葉「幕張メッセ 5、6ホール」で開催した。

 「MHF'09」は、カプコンの代表作「モンスターハンター」シリーズのイベント。今年で3回目を迎え、8月1日に発売されたWii用ハンティングアクション「モンスターハンター3(トライ)」(MH3)を使った公式大会「MH3(tri-)狩王決定戦」をはじめ、来場者同士で狩りを楽しめる「リアル集会所」や「モンスターハンター」シリーズ関連のグッズが販売される「グッズ販売エリア」などの、毎年恒例の催し物が展開される。

 イベント当日は天候にも恵まれ、開場前から大勢の来場者が入場待ちの行列を作っていた。行列に関しては、ホール入り口付近の混雑を緩和するために、一般来場者は4ホールに設けられた待機エリアに、公式大会の参加者は5~6ホールの入り口に沿うように列が作られていた。そのためか、人の流れがスムーズで混雑している印象はまったく受けなかったが、公式の発表によると約9,000人のファンが会場を訪れたという。

4ホールに設けられた待機スペースの様子公式大会の参加者たちは、5~6ホールの入り口に沿うように並んでいた

■ 発売約3週間後とは思えないほどハイレベルな争いが展開した「MH3(tri-)狩王決定戦」東京地区大会

予選の結果はご覧の通り。全チームが2分を切る好タイムを記録した

 「MH3(tri-)狩王決定戦」の地区大会は、予選と決勝の2部構成で進められる。規定クエストは、予選が「クルペッコ討伐」で、決勝が「ラギアクルス討伐」。いずれも2人1組のチームで挑み、ターゲットとなるモンスターを討伐するのに要した時間によって順位が決定する。予選でのクリアタイムの上位8組が決勝へ進出。決勝で上位3位に入賞したチームが、10月25日に東京の「ラフォーレミュージアム六本木」で開催される決勝大会へと駒を進める。

 予選は、開発陣によるトークイベントや、ステージ前に集まった来場者の中から4人1組のチームを作り「クルペッコ」や「ボルボロス」の討伐に挑むイベントなどがステージ上で実施されているときに、ステージ脇に設けられたスペースで並行して行なわれた。

 予選の様子を少し覗いてみたが、使用武器としては「ハンマー×2」、「ハンマー+片手剣」、「大剣×2」の組み合わせが多く見られた。いずれの組み合わせでも、クルペッコの頭部を集中攻撃していたのが印象的だった。

 気になる予選の結果はというと、1分21秒というタイムを叩き出した「はらペッコ」チームを筆頭に、すべてのチームが1分台のタイムを記録した。これには、「2分を切ったらすごい」と予想していた開発陣も一様に驚きの表情を浮かべていた。

 なお予選の結果発表後、7位の「レウスカジャンズ」チームが棄権したため、2分2秒で9位だった「のーん」チームが繰り上げで決勝に駒を進めることになった。



水中闘技場での「ラギアクルス討伐」に挑戦。5回力尽きるか制限時間10分以内に討伐できないと失格となる
決勝で上位3チームに贈呈される賞品。事前の発表では「狩祭・天地無双Tシャツ」のみだったが、急遽「1ゼニーメダル」が追加された

 決勝は、8位と7位、6位と5位というように2チームずつ順にタイムアタックが実施される。フィールドは水中闘技場で、5回力尽きるか制限時間の10分以内に討伐できないと失格となる。使用するコントローラーは、「Wiiリモコンとヌンチャク」か「クラシックコントローラ」のいずれかを自由に選択できる。

 予選と大きく異なるのは、ステージ前に集まってきた大勢の観客が注目する中でのプレイとなること。前回大会でもそうだったが、観客の注目を浴びるという独特の緊張感の中で、いかに冷静さを失わずにいつも通りのプレイができるかどうかも、勝敗を大きく左右する要素の1つといえる。

 決勝に進出したチームの使用武器は、「太刀×2」が3チーム、「ランス×2」と「太刀+スラッシュアックス」が2チームずつ、「ランス+太刀」1チームだった。今回が初めての地区大会ということでややバラけた感もあるが、太刀やスラッシュアックスなどの攻撃力の高い武器を選択するチームが多かった。また太刀を選択すると、「シビレ罠」などのモンスターを拘束できるアイテムを所持した状態でクエストを始められるため、狩りを有利に進めることができる。

 クエストでの各チームの主な戦法は、クエスト開始直後に「眠り投げナイフ」を使ってラギアクルスを睡眠状態にし、その間に「シビレ罠」をラギアクルスの近くに設置。シビレ罠にかかったところで、ダメージが蓄積するとダウンさせることができる背中や腹部を集中攻撃し、罠の効果が切れる直前に再びシビレ罠を設置してさらに背中や腹部を集中的に攻撃する。太刀では「気刃大回転斬り」を、スラッシュアックスでは「属性解放突き」を的確にヒットさせていた。

 そしてシビレ罠がなくなったら、今度は「閃光玉」を使ってラギアクルスの動きを制限してから背中や腹部を集中攻撃という流れで狩りが進められた。使用する武器にやや違いは見られたもののすべてのチームが、アイテムを使ってラギアクルスの動きを封じてから、背中や腹部を集中的に攻撃するという点では同じだった。

 結果的には、ラギアクルスの動きを封じていられる間に1回でも多く攻撃を当てておきたいためか、焦ってやや強引に攻撃を仕掛けてしまい、何度か力尽きてしまうチームも見られた。しかし発売から約3週間しか経っていないにも関わらず、開発陣が揃って舌を巻くタイムを叩き出す攻略法を構築・実践できるハンターたちの力量にはいつも感心させられる。

 毎回「お見事」としか言いようのないハイレベルな戦いが展開される決勝も、8チームすべての挑戦が終了しいよいよ結果発表。ステージ上のスクリーンに順位、クリアタイム、チーム名が表示された。開発陣が4分30秒以内のタイムが出たら驚異的という戦いを制したのは、3分2秒という開発陣の予想を1分28秒も上回るタイムを記録した「arties」チーム。2位は3分17秒の「NAMAZONE」チーム、3位は3分36秒の「クック捜索隊」チームとなった。ちなみに、優勝した「arties」チームのベストタイムは2分26秒という。

【4位以下の順位とタイム】

4位:はらペッコ    3分48秒
5位:アルテミス    3分52秒
6位:かりんちゅ    4分05秒
7位:SMART BRAIN 4分40秒
8位:のーん      7分05秒
※こちらが正しい順位です。下の写真では、4位が「かりんちゅ」と6位が「はらペッコ」となっています。

 最後に大会の総括として藤岡氏が、「『MH3』を使った初めての公式大会ということで、『ラギアクルス討伐』の戦い方がどうなるのかを楽しみにしていました。各チームともより速く倒すために、現状ではベストと思われる戦略を構築してくれたことがとても嬉しいです」とコメントし、「MH3(tri-)狩王決定戦」東京地区大会は閉幕した。

すべてのチームが、「シビレ罠」や「閃光玉」を使ってラギアクルスの動きを止めてから、背中や腹部を集中攻撃していた上位3チームすべてが4分を切る驚異的なタイムを叩き出した。ちなみに7位の「SMART BRAIN」チームは、前回の東京地区大会の覇者最後は全国決勝大会に駒を進めた3チームと「MH3」のスタッフで一緒に記念撮影



■ 上記以外の催し物、ステージイベント

 上記以外のコンテンツとしては、「『MH3(tri-)』体験ゾーン:モンハン3(トライ)に挑戦!」や「MHP2ndG」のリアル集会所、チャレンジクエストゾーン、「モンハンミュージアム」や「モンスターハンター ハンティングカード」コーナーなどが出展されていた。

 またステージイベントでは、「開発者チャレンジクエスト」や「帰ってきた!教えて藤岡先生 モンスター生態講座」が行なわれるなど、内容盛りだくさんのイベントとなった。

【開発者チャレンジクエスト】【MH3(tri-)チャレンジクエスト】
毎度お馴染みのステージイベント。今回は辻本氏、藤岡氏、一瀬氏、木下氏の4人で「ギギネブラ」の討伐に挑戦した。藤岡氏、一瀬氏、木下氏の3人が討伐を目指して真面目に狩りをしていると……。またしても辻本氏のイタズラが炸裂。けむり玉を連続で使って、しばらく画面は真っ白に……4人の来場者がステージ上でクエストに挑戦。参加者のほとんどが「MH3」のプレイ時間が100時間前後の猛者たちばかりで、挑戦した全チームがあっさりとモンスターを討伐していた
【帰ってきた!教えて藤岡先生 モンスター生態講座】
昨年の名古屋大会で最終回を迎えたはずだったが、小嶋氏の陰謀(?)によりめでたく復活。「ジャギィ」と「ラギアクルス」、「モガの村」の裏話が披露された。中でも気になったのは「ラギアクルス」の話で、短時間で筋肉を収縮させて発電細胞を活性化して発電し、それを背中の突起物に蓄電。それを何度か繰り返して放電するという。ただしこの一連の行動は、スタミナを消耗するらしく、ある程度繰り返すと陸に上がって体力を回復することが多くなるという
【イラストコンテスト】
これまでに応募された作品のうち小嶋氏(左上)、藤岡氏(右上)、一瀬氏(左下)、辻本氏(右下)の4人のお気に入りのイラストが紹介された
【モンハンミュージアム】
力尽きたハンターをキャンプまで運ぶ「アイルー荷車」をはじめ、「ラギアクルス」の頭骨標本や「ラオシャンロン」の足跡など貴重な資料が展示されていた
【MHグッズ販売コーナー】【モンハン屋台】【モンハンアミューズメントコーナー】
開場直後から大盛況となった物販コーナー。「オフィシャルパンフレット」やぬいぐるみなど、さまざまな新作モンハングッズが販売されていた「バリスタ射的」、「チャチャ・アイルー輪投げ」、「ペイントボール投げ」の3つのゲームを楽しめる。得点によって「スポーツタオル」や「コルクコースター」などのグッズがもらえるアミューズメント施設用の景品が入ったUFOキャッチャーやサウンドロップの入ったカプセル自販機が設置されていた


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(2009年8月24日)

[Reported by 中野信二 ]