「セガ プライベートショー 2009“SUMMER”」開催
ネットワーク対応タイトルとキッズゲーム機を多数出展


7月25日 開催


 株式会社セガは、今秋以降に稼動を予定しているアミューズメント施設向けタイトルを展示する、マスコミやオペレーター向けの内覧会「セガ プライベートショー 2009“SUMMER”」を開催した。

 今回の内覧会は、ネットワークプレイに主眼を置いた2大タイトル、大型マスメダル機の続編のほか、キッズ向けゲームマシンの新作5タイトルがラインナップされた。キッズ向けゲームマシンは、「甲虫王者ムシキング」や「オシャレ魔女 ラブ&ベリー」シリーズの大ヒット以降、特に目立つ動きが見受けられなかった分野。ここ数年は同業他社の勢いに押されていたが、今秋から新作を立て続けに投入し、捲土重来を期すという。

 筆者個人としては前述のキッズ向けゲームマシンに強く心惹かれるものがあったが、まずは一般的な意味で注目度が高いであろうネットワークプレイ対応タイトルから順次ご紹介していく。




■ シャイニング・フォース クロス

 以前弊誌でも詳しくご紹介したネットワーク協力アクションRPG。セガが擁するコンシューマRPGの一大ブランド「シャイニング」シリーズが、ついにアーケードで展開される。最大の特徴は、ALL.netを介して最大4人までの同時プレイが可能なこと。基本操作などはロケテストから変更はなく、詳細は前述の記事を参照していただきたい。

 操作系は1レバー+5ボタン制で、アイテムの取得や使用、敵ロックオン、スキル使用、チャットなどでタッチパネル操作を併用する。ゲームモードは、全国のプレーヤーとすぐに協力プレイが楽しめる「全国協力モード」、店内のプレーヤー同士で一緒に冒険する「店内協力モード/チーム協力モード」、シナリオに沿ってゲームを進めていく「シナリオモード」がそれぞれ選択可能。

 シナリオモードの導入部はチュートリアルを兼ねており、初めてプレイする人はここから始めたほうが無難。ICカードを挿入してゲームモードとシナリオもしくはクエストを選択すると、アイテム整理画面が出現する。本来はここで装備、スキルのカスタマイズ、武器や防具の生産をするが、初見ですべて完璧にこなすのは情報量が多くてさすがに無理だろう。ちなみに、各クエストを短時間でクリアすると、アイテム整理画面の持ち時間が増えるという。

 使用したICは、プライベートショー用にあらかじめ各種設定が済まされたもので、武器は「ハンマー」を所有。武器の種類は、ロケテストでは「両手剣」、「ナックル」、「ハンマー」、「フレイル」の4種類だったが、ショーバージョンで新たに「魔導銃」の存在が明らかにされた。魔導銃は中~遠距離を得意とする武器で、アウトレンジから敵を寄せ付けないように戦う。代表的なスキルは、爆風で周囲の敵を巻き込む「グレネード」。チームプレイで特に威力を発揮しそうだ。

 キャラクタの動作は、ロケテストよりもスピードとレスポンスが改善されていた。個人的には「それでも、もうほんの少しだけテンポアップしたほうがいい……かな?」といった印象。とはいえ、現状でも「ナックル」や「フレイル」を使えばスピーディかつ爽快感あふれるプレイが楽しめるので、正式稼働のあかつきには「自分にはどんな武器がフィットするのかな」など、色々と試してみることをおすすめする。ちなみに、今回使用したハンマーは、威力は大きいがリーチがなく隙が大きいと、かなりクセのある代物。デフォルトで3連発のコンボが可能だが、1発当てたらジャンプや前転などでスイングバックモーションをキャンセルする“一撃離脱”か、もしくは少し手前から連打を開始して、威力の大きい攻撃を当てにいくといった工夫が必要。4人全員ハンマーはちょっと想像しづらいが、盾役にフォローしてもらうなど、チームワークで長所を存分に生かす戦い方は十分可能だろう。また、「スキル」などもロケテスト版から見直しがなされ、「スキルタイプ」の選択により、「バランス」、「オフェンス」、「ディフェンス」の3種類が選択可能。スキルタイプを変更するとアクションが変わったり、使えるスキルが変わるという。

 冒険中、敵を倒して獲得した「素材」は、前述のアイテム整理画面内メニュー「生産」で使用可能。所有している素材アイテムから生産可能なリストが一覧表示されるため、あとは欲しいアイテムを選ぶだけ。ここで重要なのは、同じ武器や防具を作ることになっても、生産のたびにできあがるものの性能は変化すること。また、生産時にランダムで“特殊能力”が付与されることがあり、これがとても熱い。正直完全ランダムはきっつい気がしなくもないが、“味のあるアイテム”が生まれる可能性もあるわけで、ここは確率の神様のイタズラを前向きに楽しむべきか。なお、ランダムが嫌な人は「トレジャーコイン」に注目。トレジャーコインは冒険の結果に関わらず必ず支給され、各種アイテムと交換できる。ある意味“救済措置”みたいなものだが、冒険を円滑に進めたいなら、これを活用しない手はない。

 同社では、正式稼働にあわせて本作と連動したオンラインサービス「SFC.NET」をオープン。PCや携帯で利用でき、アイテムがもらえるミニゲーム、他プレーヤーとアイテムの取引ができるオークション、チーム作成、ランキングなどユーザーコミュニティを活性化させる機能を提供するという。12月上旬稼働予定。


清涼感あふれるカラーリングとファンタジックな筐体デザイン操作計は1レバー+5ボタン。タッチパネルを併用


【ロゴ】【イメージビジュアル】


【ICカードデザイン】


【キャラクタ(NPC)】
リリス(CV:豊口めぐみ):本作のヒロイン的存在。背中に翼が生えた少女で、彼女との出会いが主人公の長い旅の始まりとなるブラッド(CV:柿原徹也):主人公と同時期にトレジャーハンターになった若者。基本的にはお調子もので、軽い性格。憎めない悪友でありライバル。度々主人公とリリスの旅に介入してくる評議長(CV:関俊彦):主人公が所属するトレジャーハンターギルドの評議長。新米のハンターである主人公に自ら助言をするなど、謎の多い人物赤毛の剣士(CV:羽多野渉):大剣を携えた謎の戦士。トレジャーハンターやリリスを敵視する振る舞いが多い。何か目的があり暗躍しているようだが、その真意は謎に包まれている


【スクリーンショット】


(C)SEGA




■ WORLD CLUB Champion Football Intercontinental Clubs 2008-2009

 プレイフィールド上に実在の選手がプリントされたトレーディングカードを自由に配置してプレイするサッカーゲーム。2009年5月末で選手カードの総出荷枚数が5億枚を突破するなど、常に高い人気を維持してきた作品。2006年にイタリア、2007年にイギリスでそれぞれ世界大会も開催されている。

 今回最大の目玉は、リアルタイムネットワーク対戦をついに実現したこと。レギュラーリーグが「2nd Division(CPU対戦のみ)」、「1st Division(通信対戦)」、「Premier Division(通信対戦)」の3部制になり、さらにはカップ戦やレギュラーリーグで好成績を残したチームに出場権が与えられる「ワールドトロフィー」が新設された。「ワールドトロフィー」は全5回戦すべてを全国通信対戦で行ない、ナンバーワンクラブチームを決定。ワールドトロフィー成績に基づくポイントランキングが開始され、毎週最新3大会分の成績でエリア&全国チャンピオンを選出。その名誉を称えるレア称号やレアアイテムが進呈される。

 選手カードは、2008-2009シーズン対応のフルリニューアル版。全22チームで、レアカードのカテゴリでは「WCCF 2001-2002」以来となる“ベストイレブン(BE)”が復活。登場チームとレアカードのカテゴリは、以下の通りとなっている。

    【登場チーム一覧】
    アルゼンチン:ボカ・ジュニアーズ、リーベル・プレート
    ブラジル:CRフラメンゴ、サンパウロFC
    フランス:リヨン
    ドイツ:バイエルン・ミュンヘン
    イングランド:アーセナル、チェルシー、リバプール、マンチェスター・ユナイテッド
    オランダ:アヤックス、フェイエノールト、PSVアイントホーフェン
    イタリア:A.C.ミラン、ASローマ、インテル、ユベントス
    スペイン:アトレティコ・マドリード、FCバルセロナ、レアル・マドリード、バレンシア、ビジャレアル

    【レアカードカテゴリ】
    World-Class GK:世界トップレベルのゴールキーパー
    World-Class DF:世界トップレベルのディフェンダー
    World-Class MF:世界トップレベルのミッドフィルダー
    World-Class WF:世界トップレベルのサイドアタッカー
    World-Class FW:世界トップレベルのフォワード
    Crack:ずば抜けたテクニックを持つサッカーの名手
    Young Star:若手のスター選手
    Best Eleven:世界を代表するベストイレブン
    European MVP:ヨーロッパ最優秀選手
    World MVP:世界最優秀選手
    All Time Legends:サッカー史にその名を残したレジェンド選手
    King of Legends:サッカー界の頂点に立つ歴史的選手

 

 このほか、前作より導入された、キープレイヤーに設定した選手により発動する「チームスタイル」がさらに進化。これまでは選手ごとにチームスタイルが決定されたが、本作では特定の選手、特定の条件下のみ発動する「レアチームスタイル」が登場。試合に大きな影響を及ぼすレアチームスタイルは、チームの個性や育成にさらなる深みをもたらすという。また、選手AIの強化、モーションの多数追加、誰もが知っている“あの選手のあの動き”など、さまざまな調整も施されている。2009年稼働予定。


筐体デザインランキング画面
【スクリーンショット】


(C)SEGA
(C) Panini S.p.A. All Rights Reserved
The game is made by Sega in association with Panini.




■ ガリレオファクトリー2

 筐体内部に張り巡らされたボールコースターの上をボールが転がっていく、絢爛豪華な大型プッシャーメダルマシンの続編が登場。基本デザインは前作を踏襲。ボールコースターのギミック、外装に虹色に光るコーナープレート、抽選機をライトアップするリング型LEDなど、内外にさまざまな追加仕様が施されている。

 ジャックポットでは、新たなルート「バトルゲーム」が追加された。液晶スロットの中央リールに“Battle”図柄が現われるとバトルゲームに突入。主人公のレオとさまざまな敵が戦うというもので、勝ち続けると“ガリレオモード”に突入。ガリレオモード中はスリーセブンが揃う確率が高くなり、ジャックポットが狙いやすくなっている。

 ジャックポット、新リーチの演出が多数追加されているほか、ダブルアップ、ミニゲーム、ボーナスシステムなど新フィーチャーもふんだんに盛り込まれているという。前作で魅了されたファンはもちろん、メダルゲームに興味がある人なら絶対に見逃せない新作といえる。12月稼働予定。


【イメージビジュアル】【筐体デザイン】


【スクリーンショット】


(C)SEGA




■ 歴史大戦ゲッテンカ

 戦国時代のヒーローをモチーフにしたキッズカードゲーム。従来のキッズ向け汎用筐体ではなく、完全オリジナルの新型筐体を採用しているあたり、本作に対する期待度と気合の入れ具合がうかがえる。

 遊び方は極めてシンプル。武将カードに、武器やヨロイなど“透明”のアイテムカードを重ねて、オリジナルの戦国ヒーローを作り筐体スロットにセット。色違いの4つのボタンと攻撃決定ボタンでコマンドを入力。出現する番号を順番に並ぶよう押して連続コンボを狙い、必殺技で大ダメージを狙っていく。

 システム上、攻防の駆け引きを楽しむというよりは“連続コンボを決める爽快感重視”といった印象。2人同時プレイでは友だちと戦略的な協力プレイも楽しめる。カード排出モード搭載。2009年冬稼働予定。


【スクリーンショット】


(C)SEGA




■ 未来警察パトチェイサー

 近未来を舞台に、警察をテーマにしたキッズゲーム。パトカーを操作して、都会を逃げ回る暴走族を追跡し逮捕する。操作はハンドルと中央にあるボタンひとつと、極めてシンプル。

 ルールは、燃料が底を突く前に暴走車に体当たりして、相手の体力ゲージをゼロにすること。ステージが進むと暴走車がマシンガンなどで反撃。ヒットすると燃料が減るなど、キッズ向けにしてはなかなかハードな仕様だ。停車に成功すれば、次のステージに進むことができる。全体にスピード感はそれほどでもないが、チンタラ走っている一般車両が意外とクセモノで、暴走車と接触してスピンしながらこっちに突っ込んできたりと、一瞬たりとも気が抜けない。途中「……これ邪魔な一般車両は体当たりで潰せばいいんじゃないのか?」と気づき、実行してみるとこれが大正解。近未来の警察は、武器こそ使わないがその姿勢は西●警察のはるか上をいく武闘派だった。

 パトカーは、各ステージ開始前にカードを読み込ませることでパワーアップできる。全部で18種類があり、1枚のカードで馬力、防御、燃費、ハンドリングの全項目がチューンナップされるため、細かいことは考えなくていい。ただし……このゲーム、1プレイで同じカードは重複して(少なくともプライベートショーの仕様では)使えない。ショーバージョンは全5ステージで、目の前にあるのはサンプルの3枚とプレイ前に排出された1枚のみ。最初のステージはあえてパワーアップをしない手もあるが、それ以降はパワーアップカードを使わないと苦戦を強いられる。

 この仕様を目の当たりにしたとき、思わず「う~ん、さすがはセガ!」と唸らされずにはいられなかった。キッズゲームだからといって、ゆとりにゆとった仕様などクソくらえじゃぁ! といわんばかりの芯の通った作りには、素直に頭を垂れるしかない。「なにいってんの、キッズゲームなんて余裕じゃん♪」という大きなオトモダチがいたら、ぜひノーパワーアップでノーミスクリアに挑戦していただきたい。2人同時プレイも可能。2009年秋稼働予定。


【パワーアップカード】


【スクリーンショット】


(C)SEGA
※記事中のゲーム画面は開発中のもので、製品版では変更される可能性があります。




■ 未来警察バトルポリース

 前述の「未来警察パトチェイサー」と世界観を同じくするキッズカードゲーム。こちらは暴走したロボットたちが敵キャラ。次々と迫ってくる暴走ロボたちをガン型コントローラーで次々と撃破していく。

 ガン型コントローラーには、発射用ボタンが左右にひとつずつ付属。後述のパワーアップで出現する武器のなかには撃つたびに次弾装填まで時間がかかるものもあるが、基本的には弾切れはないので徹底的に撃ち続ければいい。ステージが進むにつれ、敵の数や強さが増えていく。相手の攻撃をくらって体力ゲージがなくなるとゲームオーバー。

 こちらにも、全部で18種類のパワーアップカードが存在。1枚のカードで、攻撃、防御、連射の3項目がまとめてパワーアップできる。出展バージョンの完成度がやや低いのか、試遊した範疇では銃とターゲットカーソルの追従にラグがあったが、これは恐らく製品版でFIXされるだろう。微妙にレトロな敵ロボットのデザインも良かったが、それ以上に面白かった(?)のが、2人同時プレイ時の攻撃範囲の制限。2人同時プレイでは、お互いが画面左右の攻撃を分担。画面中央から相手側にコントローラーを向けても、ターゲットカーソルが中央より相手側にいかない。中央の敵はお互いにフォローできるが「左右両端の敵はそれぞれが自己責任で確実に処理せよ」というわけだ。

 敵ロボットが弱いうちはまだマシだったが、パワーアップカードが貧弱だったりステージが先に進むと、自己責任分を処理しきれず中央に手が回らず、隣の相棒に迷惑をかけることになる。迷惑といっても中央敵のダメージは両方にいくため、これが実にエキサイティング。敵の強さは(パトチェイサーも?)調整されるかもしれないが、現状は“縛りプレイ”にとどまらず大きなオトモダチにも十分歯ごたえのある仕上がりだ。2009年秋稼働予定。


【スクリーンショット】


(C)SEGA
※記事中のゲーム画面は開発中のもので、製品版では変更される可能性があります。




■ ちゃおまんがステーション

 小学館発行の女児向け月刊誌「ちゃお」と連動する“まんが家体験ゲーム”。従来のカードスロットのほか、ICカードスロットを搭載。ゲームをクリアしてメモリーカードに一定のポイントをためると「応募用パスワード」が入手できる。「ちゃお」掲載の募集要項に従いまんがを作成し、「投稿用パスワード」を書いてセガに郵送すると、セガと「ちゃお」編集部の審査をへて、優秀作品が「ちゃお」に掲載されるというコラボレート企画も行なわれる。

 本作は、「ちゃお」連載中の人気まんが家のところにプレーヤーがアシスタントにいき、ベタ塗り、スクリーントーン貼り、写植貼り、ペン入れなどの「まんがミッション」をタッチペン形式のミニゲームでお手伝いするというもの。ゲーム中に登場する原稿は、すべて実際に「ちゃお」に掲載されたもの。プレイすると「ちゃお」連載中のまんが家描き下ろしオリジナルカードが排出され、プレイ前に読み込ませることでアシスタント業務がグッと楽になる。

 本来であれば、カードを読み込ませることでアシスタント先の先生を選べるのだが、まだ開発途中ということで出展バージョンで手伝える先生は1人のみ。ベタ塗り、ペン入れなどは、指定の場所をなぞるシンプルなゲーム。塗り残しなどは、筐体右のボタンを押せばすべて表示してくれるので、丁寧にやれば誰でも完璧にこなせる。乱暴にガーッとやることもできてしまうが、そこは雰囲気を出して「ごっこ」遊びの要領で楽しむのが正しい姿勢。ちなみに写植を貼るセリフ入れは、写植というよりは「3つあるセリフを、それぞれ適切な場所に当てはめましょう」という、ちょっとしたパズル形式になっていた。

 お手伝いが終わると、先生がプレーヤーを評価してくれる。ICカードを使用していれば、獲得した経験値やポイントが記録できる。ポイントは、前述の投稿用パスワードだけでなく、プレーヤーキャラクタのアバターアイテムを増やすことにも使える。大きなオトモダチでアラフォーのおっさんである筆者は、なんというか“淡々としたシュールさ”が後からジワジワくるゲームだなぁという印象だが、本来は“対象年齢9~15歳の女児向けキッズカードゲーム”につき、そこは軽く聞き流していただければ幸いだ。2009年秋稼働予定。


【筐体デザイン】【スクリーンショット】


【描き下ろしカード】
いわおかコレクション1月カード篠塚コレクション2月カード八神コレクション3月カード


(C)小学館・SEGA




■ リルぷりっ ゆびぷるひめチェン!

 セガと小学館が共同開発した女児向けコンテンツ「リルぷりっ」のキッズカードゲーム。ゲーム化に先駆け、小学館発行の漫画誌「ぷっちぐみ」と学習誌「小学一年生」では既にコミックが連載されている。

 筐体は上下に“2画面振動式タッチパネル”を採用。ここで「振動?」といぶかしがられた人も少なくないだろう。筆者も実際プレイするまでは意味がわからなかったが、触れたとたん「わぁ!」と年甲斐もなく大声をあげてしまった。画面の指示に従いタッチパネルを触れてゲームをはじめようと“触れた”瞬間、指先にかなりの衝撃と振動が伝わってきたからだ。最初は「せ、静電気!?」と勘違いしたほど驚いたが、慣れてくるとこれがなかなかいい感じ。なお、画面に指示がないときはタッチしても振動しない。

 ゲーム開始時、プレーヤーは「雪森りんご」、「高城レイラ」、「笹原名月」の3人から好きな1人を選択。タッチパネルに表示された呪文を丁寧になぞって、素敵なお姉さんに変身する。続いては(持っていれば)カードを読み込ませて、ネックレス、服、髪型、靴をそれぞれコーディネイト。次のステージでは、お気に入りのファッションで音楽ゲームをプレイ。タッチパネルに表示されるマーカーをタイミングよく押してポイントを獲得していく。もちろん、押したときは例の振動がプレーヤーの指先を刺激する。なお、ポイント表示の横には、なぜかアスキーアートのフェイスマークが表示され、ポイントが上昇するにつれて笑顔になっていく。プレイ後は、最初の呪文、コーディネイト、音楽ゲームそれぞれで獲得したポイントの合算で評価が与えられる。

 カードは、ファッションカード36種類、お助け役のおとぎカード3種類、謎のスペシャルカードが全4種類。当然ながら、高ポイントが獲得できる組み合わせなどがあり、プレーヤーのコレクション意欲を刺激する。個人的には「これは……大きなオトモダチのなかにもグッときてる人がいるのでは!?」と興味津々。対象年齢は6~8歳と低いが、えてしてこういったコンテンツが大きなオトモダチに大ウケしたりするから、あなどれない。

 プレイ後、担当氏に「なぜ振動を採用したのか」と質問したところ「操作系がタッチパネルだけ。それだと感触として寂しいので、タッチパネルを採用した」との回答が得られ、思わず目から鱗が大量に落下した。ファーストコンタクトこそ「なんじゃこりゃぁ! 老人がお孫さんと一緒に遊んだなら、触れたとたんビックリして腰抜かすわ!」と思った振動タッチパネルだが、プレイ終了後には「コレなくして本作なし!!」といっても過言ではないほど気に入ってしまった。2009年冬稼働予定。


【筐体デザイン】【メインビジュアル】【スクリーンショット(2画面イメージ)】


【カードデザイン(仮)】


【スクリーンショット】




(C)SEGA・小学館・陣名まい




■ キッズ屋台村シリーズ ~たこやき、金魚すくいシングル~

 どちらも屋台をモチーフにしたキッズ向けのゲーム機。「たこやき」は、タッチペンを使いたこやきを選んでボタンを押すシンプルなゲーム。生地を流し込むところから始まり、焼け具合を見てボタンを押してすくいあげていく。焦げるとミス。時々画面外から富んでくる具をタッチすると、モノによってはミニゲームに発展する。4人同時プレイが可能で、タッチペンが届く範囲なら、相手の邪魔をしたり、助けてあげたりすることもできる。

 「金魚すくいシングル」は、屋台風の筐体でリリースされていた「金魚すくい」をコンパクトなシングルプレイ用筐体に収めたもの。特徴的な柄の短いレバーとボタンで操作する。遊び方は屋台風の筐体と一緒で、レバーでポイを動かし狙いをつけ、金魚をすくいあげる。シングル筐体でカラフルな画面がより見やすくなり、誰でも簡単に遊べるのがいい。11月稼働予定。


【たこやき】【金魚すくいシングル】


(C)SEGA




■ メタルバンクリンクキット

 「スターホース2フォースアンビション」とメダル自動預払システム「メダルバンク」または「メダルバンクII」をリンクさせたシステム。あまりエンドユーザー向けの内容ではないかなとも思ったが、非常に利便性が高いため、ここに概要をご紹介させていただきたい。

 本システムを大雑把に表現するなら「預けてあるメダルを、わざわざ実物で払い出すことなく、サテライトに座ったまま引き出したり、預け入れができる」というもの。サテライトから実物のメダルを出し入れするわけではなく、実際にはクレジットにカウントされた数値を操作するわけだ。

 導入されている店舗での利用法は、カウンターもしくはメダルバンク筐体で暗証番号(4~15桁)を登録。続いて、指紋認証もしくは静脈認証(メダルバンクII)で本人認証を行なう。「スターホース2」プレイカードを登録(メダルバンク筐体であればプレイカード設定を変更)。これまでメダルバンクを利用していた人は、IDがそのまま使用できる。

 サテライト側での操作は、いたって簡単。払い出し、預け入れのどちらも、まずは緑色の「MEDAL BANK」ボタンをタッチ。暗証番号を入力し、必要なメダル枚数を入力すれば即転送が開始される。ただし、どちらも店舗側で瀬手地された預け入れもしくは払い出し回数、枚数などの制限は越えられない。

 メダルゲームを遊んでいると「いざというときメダルが手元にない」というケースがままある。その点、本システムが導入されている店舗であれば、慌ててカウンターやメダル交換機に走っていかずとも済むわけだ。ただ1点、気軽に出し入れできるぶん必要以上に遊んでしまうことがある……かもしれない。担当氏によれば、本リンクキットは「セガネットワークカジノクラブ」にも対応させる予定だという。メダルを直接扱うシューターなどは無理だが、それ以外のタイトルにはぜひ導入してほしいシステムだ。




(C)SEGA




(2009年 7月 24日)

[Reported by 豊臣和孝]