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「ストリートファイターV」、「アレックス」の性能をチェック!
「ストV」の仕様に調整された新生アレックスの感触は?
(2016/4/6 00:00)
発売から1カ月あまりが過ぎて、オンライン対戦もいよいよ白熱している「ストリートファイターV」。筆者も忙しい日々を過ごしてはいるが、わずかな時間を見つけてはランクマッチをくり返し、ようやくプラチナリーグまで昇格……したのはいいが、ちょっとでも負けが込むとあっという間に降格してしまうことを繰り返している。
それはさておき、去る3月31日、追加予定キャラクター6人のうちの1人であるアレックスが解放された。今回は「ゼニーのショップ機能オープンまで」という期間限定の無料解放ではあるものの、解放期間が終了したあともファイトマネーやゼニーを使って購入すれば、そのまま使用することができる。今回は、そんなアレックスの性能について、延べ25時間以上プレイした上での感触をレポートしていきたい。
「ストIII」のコンセプトはそのままに新たな技を獲得
アレックスは、もともとは「ストリートファイターIII」で主人公として初登場。当時は、比較的クセが少なく、かつ攻撃力も高めの基本技と必殺技に加え、コマンド投げも持ったパワーファイターだった。そんな基本コンセプトは、本作でも変わっていないように思う。そこへ、VスキルやVトリガーといった「ストV」独自のシステムを融合させたのが、本作におけるアレックスだ。
基本は接近戦! 必殺技のおかげで相手に近づくことは容易
アレックスは近距離戦を得意とするキャラクターなので、基本的には相手に接近しなければ戦えない。とはいえ、接近手段は豊富に用意されているので、よほど強力なキャラクターが相手のとき以外は、ラクに近づけるだろう。むしろ、近づいたあとの攻防こそが重要となる。
近づく手段は前歩きでもいいのだが、アレックスは接近しつつ攻撃をくり出す必殺技をいくつも持っている。飛び上がり両足で相手を踏みつける「エアスタンピート」。「ストIII」で使用できたスーパーアーツ「スタンガンヘッドバッド」の必殺技版とも言える「ヘッドクラッシュ」。前者は打撃技、後者は投げ技で、動作が似ているため見切られにくい。また、突進技の「スラッシュエルボー」も、相手との距離を一気につめることが可能。いずれも深くガードさせたり避けられたりすると反撃を受けるので乱用はできないものの、奇襲技としては申し分のない性能を持っている。
接近後は、立ちorしゃがみ弱P、立ち中P、ラリアット(→+強P)などでプレッシャーをかけていくのが定石。いずれの技も、相手にガードされてもこちらのほうが早く動けるようになるので、反撃を受けることはない。相手との距離がやや離れた場合は、立ち中Kやしゃがみ中Kも有効。どちらも、足の先端を当てるようにして使うと良さそうだ。
なお個人的には、コマンド投げを持っているからといって投げに固執しないほうがいいように感じた。相手がコマンド投げを警戒すると接近戦時に暴れたり飛んだりするようになり、かえって戦いにくい。筆者は、確定状況以外ではコマンド投げをほとんど使わずに打撃技メインで戦うことが多かった。
「ストIII」ライクなVスキルとVトリガー
本作の特徴的なシステムと言えば、やはりVスキルとVトリガー。アレックスのVスキルは、肩を回して力を溜める「オーバーホール」。その後にくり出す打撃技にハードヒット属性を付加し、強制的にカウンターヒット状態にするというものだ。性能もさることながら、動作が「ストIII」のパーソナルアクションと同じところがなんとも泣かせる。「ストIII」ファンに対するカプコンのサービスといったところか。
肝心の使いどころは、相手の攻撃が届かない遠距離が基本。比較的スキが少ないので、端~端の距離であれば、反撃はまず受けないと思っていい(ただし、一部のクリティカルアーツには注意)。攻め込む前に使っておけば、相手に多少なりともプレッシャーを与えられるはず。ヒット・ガードを問わず打撃技を当てたり、ダメージを受けると効果が切れてしまうが、慎重に立ち回り過ぎても良くない。「当たればラッキー」的な感じで、いつもどおりに戦うのが吉だ。
つぎにVトリガーの「レイジシフト」。発動すると、強P+強Kでラリアット攻撃の「スレッジハンマー」を使えるようになる。出すときにボタンを押しっぱなしにすれば、構えたままの状態で待機でき、このあいだは相手の打撃技を受け流すことが可能。操作方法にこそ違いはあれど、「ストIII」におけるブロッキングと似たような効果を得られるため、防御面を大幅にパワーアップできるのだ。また、連続でボタンを入力すれば多段技も受け流せる。
【総評】懐かしさがありつつ、こまかな調整が施された新生キャラクター
アレックスをプレイして感じたのは、一見「ストIII」のアレックスをそのまま持ってきたようにも見えつつ、そこかしこに「ストV」ならではの調整が入っていること。
その最たる例がVスキルとVトリガーだが、「ストIII」とほとんど変わらないように見える基本技にも、こまかな調整が施されている。それでいて、かつて「ストIII」をプレイしていたユーザーには懐かしさを感じられるようなキャラクターに仕上げている点は、さすがカプコンと言うべきか。
ただ、「ストIII」でアレックスを使用していたユーザーは、本作のアレックスに慣れるまで少し違和感を感じることがあるかもしれない。かくいう筆者も、「ストIII」の1作目(いわゆる1st)でアレックスを使っていたときのクセで近距離立ち中K→ブーメランレイドの連続技をやろうと、相手の起き上がりに至近距離から立ち中Kを仕掛けてしまった。かれこれ20年近く経とうというのに、手クセというのは抜けないものである(笑)。いずれにしても、本作のアレックスに慣れてくれば「ストIII」とはひと味もふた味も異なる新生アレックスを楽しめるはずだ。
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